コミュニケーション能力がないと悩む人必見!コミュ力の鍛え方教えます
2023年3月20日
合同企業説明会の時期が近づいてきましたね。もうある程度、行きたい企業や職種は決まりましたか?
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
はい!わたしは人とコミュニケーションをとるのが苦手なので、工場などでモクモクと1人でする仕事がいいかなぁと思っています。
コミュニケーションをとるのが苦手なんですね。しかし、どの職種であっても全体の約8割以上の企業がコミュニケーションを重要視する傾向にあるのを知っていますか?
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
え!そうなんですか?でも性格だし、なおりませんよね?
いいえ。会話などが苦手な人でも「相手の意図をくみ取る」「要点をまとめる」などを鍛えれば克服できるんです。下記のコラムで、コミュニケーション能力の重要性も含め解説するので、会話上手になりましょう。
キャリアプランナー 岡田
目次
「コミュニケーション能力」の定義とは?
そもそも「コミュニケーション能力」とは、対人的なやり取りにおいて、お互いの意思疎通をスムーズにするための能力のことです。「コミュニケーション能力」と言うと、人前で堂々と話ができたり、初対面の人と積極的に話せたりといった社交性の高さを思い浮かべる人もいますが、それとは少し違います。
意思疎通とは互いの思うところが通じる状態ですから、もう少し噛み砕いて言うとコミュニケーション能力は相手の言いたいことが理解でき、自分の言いたいことを相手に理解させられる能力のことです。しかも人前で話すといった対面コミュニケーションだけでなく、メールなどの文字によるコミュニケーションや、表情・雰囲気・ジェスチャーといった言葉以外のコミュニケーションも含みます。
もしも互いに言いたいことが理解できなかったら、多言語圏の人と交流するのが難しいのと同様に、他人と関わりを持つこと自体が難しいでしょう。そのためコミュニケーション能力は詰まる所、社会の中で他者との関わりを持つために必須となるソーシャルスキルの1つなのです。そしてコミュニケーション能力とは具体的に、以下のような3つの要素から成り立っています。
- 伝える力→わかりやすく話を伝える
- 聞き取る力→相手の話を正しく理解できる
- 場の空気を読む力→言葉以外の部分で感じ取る能力(相手の表情・声のトーンなど)
【伝える力】
コミュニケーション能力の1つ目は、自分の言いたいことを、相手に「伝える力」です。同じ内容の授業を同じ学生が受けても、講師の違いによって分かりやすい説明と分かりにくい説明があるように、自分の言いたいことを上手く伝えられる人とそうでない人がいます。
自分が伝えたつもりになっていても、それを聞いた相手が、話の内容を正しく理解できていないのでは意味がないです。またどうにか内容が伝わったとしても、散々長々と喋ってほんの少ししか伝えられないでは、やはりコミュニケーション能力が高いとは言えないでしょう。
コミュニケーション能力の「伝える力」とは、自分の伝えるべきことを相手に分かりやすく説明し、素早く正確に理解させられる能力のことを指します。
【聞き取る力】
コミュニケーション能力の2つ目は、相手の言いたいことを「聞き取る力」です。相手の発している言葉や文章から、その人が何を伝えたいのかを読み解き、その主旨を素早く正確に理解する能力だと言えます。
ただしコミュニケーション能力の「聞き取る力」とは、単純に相手の話に注意深く耳を傾け文章を熟読し、その意味を理解できるかどうかだけではないです。
もしも理解できなかったり理解があやふやだったりした場合には、相手に質問・確認して最終的に自分が正確に理解できるようにする能力、つまり相手の意向を正確に理解しようと努める姿勢までを含みます。
【場の空気を読む力】
そしてコミュニケーション能力の3つ目は、言葉や文章以外の部分から「場の空気を読む力」です。全く同じ言葉を発しても、その人が本当はどう思っているのかによって微妙に声のトーンが変わることもあるように、人の意思が伝わるのは何も言葉や文章だけではありません。
たとえば何か提案を持ちかけた時に相手が「いいよ」と言っても、それが大歓迎なのかイヤイヤ承諾しているのか、それとも遠回しに断っているのかその3文字の情報からだけでは判断がつかないです。
正確なコミュニケーションを図るには、その情報を発信する人の持つ背景や表情、声のトーン、目線、ジェスチャー、前後の文脈などから、相手が本当は何を伝えたいのか読み取る力も必要になります。
コミュニケーション能力の高い人とは、そうした目の前に見えている言葉や文章以外の情報を駆使して、その裏に隠れた相手の真意を”察する”ことのできる人なのです。
会話から相手の意図を読み取ったり、自分自身の気持ちを伝えたりするのは慣れないととても難しいでしょう。もし面接だけでなく会話も苦手なら、キャリチャンの「求人紹介&面接サポート」に参加してみましょう。面接のサポートはもちろん、面接が苦手でもしっかり内定がとれるようフォローしているのでぜひ気軽に相談へ来てください。
就活における「コミュニケーション能力」の重要性
冒頭にもお話ししたように就活では、採用選考の基準として就活生のコミュニケーション能力を重視する企業が大変多くなっています。経団連所属企業の実に8割以上が、16年間もコミュニケーション能力を重視した選考を続けているのです。採用選考において就活生のコミュニケーション能力を重視する傾向は、接客業や営業職といった一部の業界・職種に限定されたものでも、一時的な流行でもありません。
経団連に所属しない企業のまとまったデータはありませんが、おそらく同じ傾向であると思われます。なぜならコミュニケーション能力の有無から、その就活生を採用すべきかどうかに関わる重要なことが判断できるからです。ここからは、なぜ企業がそこまで就活生のコミュニケーション能力を重視するのか、就活におけるコミュニケーション能力の重要性について解説します。
仕事に貢献できるかどうかを判断できる
採用選考において企業が就活生のコミュニケーション能力を重視する理由は、その有無によって、入社後仕事に貢献できるかどうかを判断できるからです。全ての仕事は、人と人とが関わることによって成り立っています。
どんな仕事もそれが趣味でなく利益を生み出す仕事として成立するためには、その成果にお金を払って購入する人がいて、そのニーズに合わせて成果を提供する人がいるわけです。買う側のニーズを理解せずに仕事を行ってもその商品・サービスは売れませんし、また逆に、その仕事の価値を相手に理解させられなくても同様に商品・サービスは売れません。
社会人として利益を生み出す仕事を行うには、相手の言いたいことを理解し、自分の言いたいことを理解させられるというコミュニケーション能力が必須となります。それだけ言いうと、営業職など直接顧客と話をする仕事にのみ必要な能力のように聞こえるかもしれませんが、そんなことはないです。たとえば誰とも関わらず、一人で黙々と作業するだけに見える職人のような仕事でも、聞き取る力・伝える力は必要になります。
職人に聞き取る力がなく、営業の聞いてきた説明を理解できなければ、結局は依頼主の要望と全く違う商品が生み出されてしまうわけです。また職人に伝える力がなく、どれだけ手間のかかる仕事か説明できなければ、営業も依頼主に正当な対価を要求できないでしょう。
それが企業のような大きな組織となれば、依頼主と作業する人の間に何人もの人間が入りますから、ますます伝言ゲームみたいに複雑なコミュニケーションとなります。そこに関わる全ての人にコミュニケーション能力が備わっていないと、仕事は見当違いな方向に進んでどこかで滞り、結果として利益を生むことができないのです。
そのため採用選考では、その就活生に伝える力・聞き取る力があるかないかで、仕事によって自社の利益に貢献できるのかを判断しています。企業という大きな組織で仕事をするからこそ、コミュニケーション能力の有無は組織として成果を出せるかどうか判断するために重要なのです。
一社員として馴染めるかどうかを判断できる
採用選考において企業が就活生のコミュニケーション能力を重視する理由は、その有無によって、入社後一社員として馴染めるかどうかを判断するためでもあります。企業は大勢の人間で成り立っているわけですから、互いにうまく意思疎通を図って協力し合わなければ、仕事がうまく運びません。
つまり企業における仕事は、部活動などよりもっと規模が大きく、なおかつお互いの生活を成り立たせるための利益がかかった切実なチームプレーです。一人でもその輪を乱す人がいれば、周りの人も仕事がしにくくなって、結果としてチーム全体の足を引っ張る恐れがあります。
企業がチームとして最大の成果を生むには、全ての社員がチームに馴染み、一丸となって仕事に取り組む必要があるわけです。そしてチームに馴染むためには、互いの意思疎通を図ろうとする意志と、その場の空気を読む力が不可欠となります。全てにおいて一から十まで説明しなければ分からないのでは、周りの社員は大変ですし、自分の仕事が妨げられてイライラもするでしょう。
そのうえ空気を読まない言動をされれば、周りの人は不快感を感じて人間関係が悪くなり、仕事がはかどらないのは当然と言えます。企業の一社員として働いてもらうためには、最低でも周りの社員とうまくコミュニケーションを図ろうと努力し、空気を読もうとする姿勢が必要です。
そのため企業は採用選考において、就活生にその姿勢があるかどうか性格や価値観を知り、実際円滑にコミュニケーションを図れる能力があるかどうかを見ています。コミュニケーション能力の有無は、その就活生が一社員として会社に馴染めるか、チームを作り上げることができるかを判断するためにも重要なのです。
就活で求められるコミュニケーション能力
しつこいようですがコミュニケーション能力は、営業職などの直接顧客との接触を図る一部の業界・職種でだけ重視されている特殊能力ではありません。コミュニケーション能力は、社会の中で他者との関わりを持つために必須となるソーシャルスキルであり、どの業界・職種を目指すにせよ求められる能力です。
しかしそうは言っても、コミュニケーション能力に自信がない就活生も多いと思います。その重要性は理解できても、具体的に企業が就活生にどんなコミュニケーション能力を求めているのか分からないと、改善のしようもないですよね。ここからは就活において、具体的にどのようなコミュニケーション能力が求められているのか説明しますので、自分が磨くべき要素の参考にしてください。
伝えたいことを適切に表現し、相手に理解してもらう能力
企業が就活生に求めているコミュニケーション能力の1つは、自分の伝えたいことを適切に表現し、相手に理解してもらう能力です。これは最初にお話ししたコミュニケーション能力を構成する3つの要素の1つ目、「伝える力」に当たります。全く同じ話をしようとしても、その情報の発信者によって表現方法は様々です。
学校にも分かりやすい説明をする講師と分かりにくい説明をする講師がいますから、そのことは就活生の皆さんも日常的に感じていると思います。初めにコミュニケーション能力の高さは、人前で堂々と話ができることとは違うと述べたのは、そういう意味です。
たとえどんなに堂々と喋っていても、話が長過ぎたり、話があちこち飛んで流れが悪かったりでは、聞いている方はどこに主旨があるのか分からなくなってしまいます。また、知っている人にだけ伝わるような専門用語を多用し過ぎても、逆に簡単な言葉で言い表そうとし過ぎて回りくどい表現になっていても同様に分かりにくいです。
相手と円滑に意思疎通を図るには、自分の言いたいことが誤解なく相手に伝わるように、情報を受け取る側にとって分かりやすいよう考え適切に表現する必要があります。簡潔かつ論理的に話を組み立てるとともに、相手の理解にとって必要な情報を過不足なく盛り込み、適切な言葉で表現しなければ自分が本当に意図する意味は伝わらないです。
そのため就活では、社内外の人間と円滑なコミュニケーションを取るために受け手に配慮し、適切な表現によって自分の意図の本質を伝える力が求められています。それは言い換えると、相手が分かりやすいよう気遣い、自分の話を理解してもらうために努力する姿勢と言ってもいいかもしれません。実際に就活ではESでの文章や面接での質疑応答を通して、そうしたことができているかをチェックされています。
相手の話を正しく理解する能力
就活生に求められているコミュニケーション能力の2つ目は、相手の話を正しく理解し、相手の意図の本質を見抜く能力です。これは最初にお話ししたコミュニケーション能力を構成する3つの要素の2つ目、「聞き取る力」に当たります。せっかく相手が分かりやすく説明していても、受けての側に聞き取る能力がなければ結局意味は伝わらないです。
仕事においては、クライアントの要望や上司の指示、あるいは同僚・部下からの伝達を早く正確に理解する能力が必要になります。誤った理解に基づいて仕事を行えば当然失敗してしまいますし、自分自身が直接接点を持たなくても結局はクライアントを怒らせ、会社の信用をおとしめることになりかねません。
自分がその仕事にかけた時間や労力も無駄になりますし、クライアントと社内の人間の時間や労力も無駄にしてしまいます。相手の話を聞いて正しく理解すること、もし疑問があるなら質問・確認してでも、相手の意図を確実にくみ取る手間を惜しまないことが不可欠です。また仕事で利益を生むためには効率も大事ですから、じっくり時間をかけて理解するのではなくて、相手の意図するところを素早く理解することも求められます。
何度も同じ説明をさせられるのでは時間が無駄になるばかりか、クライアントも社内の人間もイライラしてしまうはずです。ですから就活では、面接やその他の企業とのやり取りにおいて、一回の会話で正確に話が通じることや、理解できない場合にはきちんと聞き返せることなどが求められます。それに必要なのは相手の話に注意深く耳を傾ける姿勢と、誤りなく確実に理解しようとする姿勢、自分と相手の時間を無駄にしてはいけないと考える危機感だと言えるでしょう。
社内外の人たちとの円滑な関係を築ける能力
就活ではもちろん、社内外の人たちと円滑な関係を築けるコミュニケーション能力も求められています。前述のように、自社の社員として会社に馴染むためには、コミュニケーション能力の要素の3つ目「場の空気を読む力」は不可欠です。
そして当然のことながら、「場の空気を読む力」はクライアントも含めて社外の人と円滑な人間関係を築くためにも欠かせません。接客や営業活動を行うとき、単にその商品などの価値を説明できるというだけでなく、相手との会話が弾むかどうかが非常に重要になります。
相手の状況を察して言葉に見えないニーズをつかみ、痒い所に手が届く言動をしてこそ成約につながるのに、空気の読めない言動で相手をイラつかせてしまうなんて問題外です。また既存のクライアントとの固定取引や自分が営業を受ける側に立っていたとしても、空気の読めない言動によって相手に悪印象を与えていると、決して良いことはないでしょう。
相手は会話するのが嫌になり、必要最低限のコミュニケーションしか持ってもらえませんから、良好な関係なら提供してもらえた有用な情報やビジネスチャンス、契約以上のサービスなどを逃してしまうのです。ですからどの業界や職種を目指すにしろ就活生には、場の空気を感じ取り、不適切な言動をしないことが求められます。
就活の場ではたとえば、営業時間外や忙しい時間帯に電話・メールをする、グルーブワークなどで他者の言葉をさえぎって発言するといったことが空気の読めない言動です。他にも限られた面接時間を考えずに一人で長々喋る、相手の理解や興味が得られているか顔色を見ず勝手に話を進める、自分をアピールしたいあまりに聞かれてもいないことまで答えるなども空気の読めない言動と言えます。
コミュニケーションは言葉のキャッチボールですから、就活生は就活での様々な場面において常に相手や周りの人の反応を見て、配慮ある言動を心がけることが大切です。
面接のときに、うまく会話ができるか心配な人も多数いるのでは?そのような就活生は、模擬面接の練習や面接の質問を事前に対策するとよいでしょう。キャリチャンの「求人紹介&面接サポート」では、面接が苦手な人でも内定がとりやすい企業を紹介したり模擬面接をしたりしています。内定までしっかりサポートているので、ぜひ気軽に参加してください。
コミュニケーション能力の有無の判断基準
ここまでにも述べてきたように、企業はESや面接、その他様々な就活生とのやり取りから、就活生のコミュニケーション能力を見ています。しかし企業の目から見て具体的には、どんな人がコミュニケーション能力のある就活生で、どんな人がコミュニケーション能力のない就活生と判断されるのでしょうか。自分が実際就活において、どのような点に気を付けておけばいいのか知っておきたいですよね。
ここからは企業側が、就活生のコミュニケーション能力の有無を判断する基準について解説します。またここまで読んでも、「そんなに重要?」「営業じゃないし他のスキルでカバーできないかな?」などと考える就活生もいるかもしれません。そもそも企業側は、コミュニケーション能力の有無によって就活生をどう思うのか、どのように評価するのかについても説明しておきますので参考にしてください。
そもそもコミュニケーション能力の有無による評価とは?
そもそもコミュニケーション能力の有無によって企業は、その就活生が入社後、自社で活躍できそうかどうかを判断しています。具体的に言うと、コミュニケーション能力のある就活生とない就活生への評価は以下のようなものです。
【コミュニケーション能力がある就活生への評価】
就活において企業はコミュニケーション能力のある就活生に対して、まずは入社後、仕事での活躍が期待できると評価します。それは決して、接客や営業などの対人職種に限ったことではないです。これまでにも述べたように企業での仕事はチームプレーですから、周りとの意思疎通がスムーズで周りと協力できる人の方が、チームとしては高い成果と効率が期待できます。
またここまでの説明からも分かるようにコミュニケーション能力の有無は、「相手にとって分かりやすく」「相手の真意をくみ取ろう」「雰囲気を悪くしないように」とする、相手や周りへの気配りによるところも大きいです。誤解や人間関係の悪化によって生じる無駄を防ぎ、最大の効率を上げようとする努力姿勢だとも言えます。
ですからコミュニケーション能力があると、単純に仕事における能力的なポテンシャルの高さを評価されるだけでなく、考え方や価値観の部分まで高く評価されるのです。初めにも述べたようにコミュニケーション能力は、社会の中で他者との関わりを持つために必須となるソーシャルスキルでもあります。そのためコミュニケーション能力があるだけでその就活生は、社会人として最低限のスキルを兼ね備えているという評価を得られるわけです。
【コミュニケーション能力がない就活生への評価】
就活において企業はコミュニケーション能力がない就活生に対し、チームや組織として仕事の成果を出せるか、そもそも果たして会社に馴染めるのかと心配になります。チームスポーツで一人だけプロ並みの選手がいてもチームがバラバラだったら勝てないように、その就活生個人がどれだけ高いスキルを持っていようと、チームプレーができなければ仕事の成果は上がらないです。
それどころかコミュニケーション能力のない人は前述のように、空気の読めない言動で雰囲気を悪くし、自分だけでなく周りの社員の仕事まで妨げしまう恐れもあります。またコミュニケーション能力の有無はその人の考え方や価値観による部分も大きいですから、そもそもそのような配慮のない発想で、会社に馴染めるのかと不安にも思うわけです。
仮にコミュニケーション能力のない人物を採用したら、上記のようなリスクのある状態を放置できないので、結局はコミュニケーション能力を上げるための教育が必要になります。しかしコミュニケーション能力のない人はもともと、相手の言いたいことを聞き取る能力や理解しようとする姿勢に欠けているので、その教育は簡単ではないでしょう。そのためコミュニケーション能力がないというだけで、その他の能力に関わらず、採用自体を避ける企業も少なくないのです。
コミュニケーション能力の有無の判断基準
実際面接などを含めた就活中に、企業がコミュニケーション能力の有無の判断基準にしているのは、以下のような点になります。
【質問内容をきちんと理解したうえで回答しているか】
企業はコミュニケーション能力の有無の判断基準として、面接などにおいてその就活生が質問の内容を正確に理解し、それぞれに適した回答をしているかを見ています。全く質問と関係ない的外れな回答をするのはもちろん論外ですが、結果としては同じような内容を述べることになっても、質問の切り口は様々です。
たとえば「ガクチカは何か」と聞かれるのと、「ガクチカから学んだことは何か」と聞かれるのでは質問の主旨が異なりますので、当然回答も違ってきます。それなのにどちらか一方に対する回答を暗記し、他方の質問にそのまま答えれば、何を聞かれているか理解できていない/正確に聞き取れていないという判断になるわけです。
企業は就活生が丸暗記した回答を暗唱するのではなく、その場で与えられる1つ1つの質問をきちんと聞き取って、それぞれに応じた適切な回答をしているかどうかを見ています。
【回答を通して何を伝えたいかが明確か】
ESや面接での回答を通して何を伝えたいのかが明確で、受け取る側に分かりやすく説明できているかも、企業が就活生のコミュニケーション能力の有無を判断している基準です。分かりにくい講師の講義と同様、どんなに熱く長々語っても、聞く人や読む人に分かるように説明しなければ何1つ伝わりません。
企業は就活生が自分が伝えたい内容を、明確な論旨で論理的に説明できているかどうかで、コミュニケーション能力の伝える力を判断しているのです。またその論旨を理解するために必要な情報を過不足なく、相手に理解できる言葉で盛り込めているかどうかも、伝える力を判断するポイントになります。
聞く人や読む人の立場に立って分かりやすさに配慮できるか、自分の述べたいように述べるのでなく、相手に理解してもらうために工夫しているか見ているわけです。
【スムーズに言葉のキャッチボールができるか】
企業はコミュニケーション能力の有無の基準として、その就活生が面接の質疑応答やその他の会話から、スムーズに言葉のやり取りができているかどうかも見ています。面接の質疑応答には筆記試験と違ってその回答を待っている相手がいるので、基本的には言葉のキャッチボール、つまり会話です。
もし一方がその会話の流れが滞らせてしまうと、ボールが返ってこないために雰囲気が盛り下がり、会話が続かなくなってしまいます。そのため企業は就活生が言葉に詰まったり、長々考え込んで会話の流れを断ち切ったりしないかを、コミュニケーション能力の判断基準とするのです。
また逆に、相手の反応を無視して自分の言いたいことを勝手に喋りまくり、一方的にボールを投げつけていないかどうかも見ています。
【結論から話せているか】
ESや面接での回答が、結論から述べられているかどうかも、企業がコミュニケーション能力の有無を判断する重要な基準です。日本語教育では基本的に起承転結という論法を教えますが、その回答方法では最後まで行かないと論旨が分かりません。
質問した方は聞きたい答えがなかなか得られずイライラしますし、ようやく質問の直接的な答えとなる結論が述べられたころには、その前の説明を忘れているでしょう。
ESや面接、その他企業とのやり取りにおいては、聞かれたことに対するダイレクトな答え、つまり「結論」を最初に述べ、後から説明するのが鉄則です。結論を最初に述べれば、こちらが何について話そうとしているか論旨を把握したうえで説明を聞くので、相手にとっても話が分かりやすくなります。
気持ちの良い笑顔や挨拶ができるか、そわそわしていないか
企業が就活生のコミュニケーション能力の有無を判断するのは、上記のような言葉のやり取りだけではないです。相手に仏頂面をされていたら何となくこちらも話しにくくなるように、コミュニケーションを上手く成り立たせるためには、言葉以外の部分も大事になります。
相手に「話しやすい雰囲気だな」と思わせ安心してコミュニケーションを取ってもらうには、こちらも笑顔で話す、元気な挨拶をする、相槌を打つといったアクションが必要です。
企業は就活生が面接などでの会話の中で、笑顔や挨拶、適度な相槌といったアクションを取れているか見て、コミュニケーション能力の有無を判断しています。また落ち着きのない態度をされたら当然相手も話しにくいですから、面接中そわそわしたりオドオドしたりしていないかも、コミュニケーション能力の一部としてチェックされているのです。
コミュニケーション能力がない人の鍛え方
前の章を読んでもらえると、採用選考において企業はコミュニケーション能力の有無について、就活性が思うよりずっとシビアに捉えているということが分かると思います。これまでの就活を振り返り、改めて「できていなかった」「自分にはコミュニケーション能力がない」と自覚してしまった人もいるかもしれません。
しかし逆を言えば、自分に足りない部分が分かったのですから、そこを重点的に改善すれば格段に評価が上がる可能性があるわけです。では実際コミュニケーション能力がないと自覚した人、コミュニケーション能力に自信がない人は、どのように改善を図れば良いのでしょうか。ここからは就活におけるコミュニケーション能力を鍛える方法を紹介しますので、今後の対策の参考にしてください。
何を伝えたいのかを明確し、要点をまとめることを意識する
コミュニケーション能力の3要素のうち「伝える力」を鍛えるには、自分が何を伝えたいのかを明確にしたうえで、要点をまとめて話すことを意識すると良いです。話がダラダラと長かったり、話があちこちに飛んで流れが悪かったりすると、聞いている方は結局何が言いたいのか分からなくなってしまいます。
入り組んだ迷路みたいに面接官を惑わせ、自分の話の中で迷子にしないでください。まずは自分が何を伝えたいのかという着地点(回答の主旨)を明確に設定し、そのゴールにたどり着くために必要な要点だけを、簡潔に述べていくのが最も分かりやすいです。
就活での質疑応答から企業に伝えたいことは当然、自分を採用する価値ですから、どの質問についても自分がどれほど役立つかアピールするのが最終的な着地点になります。ただし就活での質疑応答は会話によるコミュニケーションなので、まずは聞かれた質問への直接的な結論となる部分を初めに答えないと、相互のコミュニケーションが成立しません。
「ガクチカは何か」と聞かれたのなら自分が力を入れた活動が何なのか、「ガクチカから学んだこと」を聞かれたのなら何を学んだかが、最初に述べるべき結論です。話の出発点は「質問への答えとなる結論」、着地点は「結論部分を活かして自分の採用価値をアピール」として、その間を最短ルートで結べるよう論理的に話を展開します。
情報が多いと主旨が分かりにくくなりますから、不必要な情報は一切省いて、できるだけシンプルに伝えることが大切です。また面接官は就活生の専攻分野や目指す職種の専門家ではないので、専門用語などは使わず分かりやすい言葉を用い、専門的な話より自分の感情を伝えるように意識しましょう。
日ごろから相手の意図をくみ取ることを意識する
コミュニケーション能力の3要素のうち「聞き取る力」を鍛えるには、日頃から相手の意図をくみ取るように意識する必要があります。聞き取る力が弱い人は自分ではきちんと聞いているつもりでも、相手が本当は何を言いたいのかという点に注視できておらず、無意識に聞き流している状態なのです。
その原因は色々ですが、1つには相手の言葉を最後まで聞かずに先回りし、勝手な推量に基づいて受け答えしていることが考えられます。日本語は基本的に最後に結論が述べられるので、言葉の終わりまで慎重に聞き取らないと、その意味を取り違えてしまうわけです。
またもう1つの原因としては、前後の文脈や表情といった言葉に表れていない部分を、見逃してしまっていることも考えられます。自分が何かを伝えたいとき、その思いの全てを言葉に込めることは難しいのと同様、相手の言いたいことも言葉に全て表れているとは限りません。同じ1つの「いいよ」にも大歓迎とイヤイヤOKと遠回しに断っている場合があるように、言葉だけでなくそれ以外の部分も読まないと、相手の本当の意図はくみ取れないのです。
ですからまずは日頃から相手の話に注意深く耳を傾け、言葉の意味だけでなく本当は何を言おうとしているのか、自分にどのような答えを求めているのか考えてください。その理解の助けとなるのは具体的に、言葉が発せられたときの状況、自分と相手の背景、前後の文脈、表情、声のトーン、目線、ジェスチャーといったものです。
そうしたものまで気を配れるようになると、コミュニケーション能力の3つ目の要素「場の空気を読む力」を養うことにもつながっていきます。加えて自分の理解があやふやで確信が持てないと感じた時には、思い切って相手に聞き返したり、確認したりする勇気も持つようにしましょう。
実践やプロとの接触から力をつける
実際の就活の場で高評価を得られるようなコミュニケーション能力を養うには、選考の実践経験やプロとの接触から力をつけていくのが一番効率的です。その就活生が本当は高いコミュニケーション能力を持っていたとしても、グルーブワークや面接など実際の選考では緊張しているため、その実力を十分発揮できないことがあります。
緊張のあまり相手の言っていることが頭に入らなかったり、自分の言いたいことをうまく表現できなかったり、うっかり余計なことを口走ったりするわけです。そうした事態を防ぎ、緊張した本番でも発揮できるコミュニケーション能力を身に付けるには、実際の選考かそれに近い状態で緊張感に慣れておく必要があります。
実際面接を行う相手は就活生が普段接触することのない社会人ですから、その緊張感に慣れるには、自分の親しい人ではない社会人や就活エージェントなどのプロと対話するのがベストです。実際面接を行う社会人や就活エージェントなど緊張感を持てる相手と話すことで、本番で使える「伝える力」「聞き取る力」「空気を読む力」を効率的に身に付けられます。
自分のコミュニケーション能力に自信がなく、いきなり実践に挑むのが怖い場合は、模擬面接などに参加すると良いです。模擬面接なら緊張感への慣れだけでなく、失敗しても問題ないわけですから思い切って聞き返す練習だってできますし、フィードバックもしてもらえます。自分のどんな部分をどう改善すべきか具体的に教えてもらえるため、効率的にコミュニケーション能力を養えるのです。
キャリチャンでも、そんなコミュニケーション能力に自信のない就活生のために、完全無料の「模擬面接イベント」を開催していますので、ぜひ活用してください。経験豊富なプロのキャリアプランナーが面接本番と同様の質疑応答を行い、面接力改善のためのアドバイスを行うイベントです。模擬面接とフィードバックはマンツーマンで行いますので、誰にも気兼ねすることなく、集中してコミュニケーション能力を鍛えられます。私たちプロと一緒に緊張感に負けないコミュニケーション能力を磨いて、本番で企業の高評価を勝ち取りましょう!
おわりに
コミュニケーション能力とは具体的に言うと「伝える力」「聞き取る力」「空気を読む力」であり、目指す業界や職種に関係なく、就活において非常に重要となるものです。どんな職種であれ人と一切連絡を取らない仕事など存在しませんから、企業は就活生のコミュニケーション能力を、社会人として必須のスキルだと見ています。
うまく周りと連携し、指示を理解できるかで仕事の成果を大きく左右しますし、会社の信用問題にも関わるためです。そのため他の能力がどれほど優れていようと、コミュニケーション能力がない就活生は、採用を避ける企業が少なくありません。コミュニケーション能力がない人・自信がない人は、その重要性を理解したうえできちんと対策を行い、力をつけていくことが大事です。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。