履歴書の最終学歴は「卒業見込み」が正解!卒業予定との違いは?
2023年3月23日
大学4年生が採用選考で提出する履歴書の最終学歴は、「卒業予定」ではなく、「卒業見込み」が正しい書き方です。「卒業見込」という書き方も正しくないので、注意してください。
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
そうなんですか?どれも同じ意味だと思ってました。
些細な違いに思えるかもしれませんが、企業側は就活生の履歴書を何枚も見比べているので、そうした記載ミスも案外目立ちます。企業によっては、その小さなミスのせいで書類選考に落とされる場合もあるんですよ。
本記事では、「卒業見込み」と「卒業見込」「卒業予定」の具体的な違いについて解説します。履歴書を正しく記入できるようになって、社会人としての基礎知識が備わっていることをアピールしましょう。
キャリアプランナー 平崎
目次
基本的には「卒業見込み」と記入するのが正解
在学中に学歴欄を書くケースだと、「卒業見込み」と記載するのが基本です。新卒などの求人情報の応募条件にはよく「卒業する見込みがある場合」とあり、それに応じて記載する形となります。
ただし、「卒業見込み」は、一定の条件を満たさない限り使用してはいけない決まりです。コラムの初めにまずは、その条件について解説します。
卒業に必要な単位の取得が見込めている
「卒業見込み」の最も大きな判断基準は、卒業できるだけの単位取得が可能かどうかです。1年生や2年生の時点では、確実に卒業できるだけの単位を取れる確証はないので、「卒業見込み」は使用しません。
「卒業見込み」は卒業が可能になるだけの単位がとれる、3年生や4年生で使用してください。卒業できる確証がある程度あれば、大学に請求すると「卒業見込証明書」が発行してもらえます。
3年生や4年生でも、もし卒業に必要な単位を一定数修得していないのであれば、「卒業見込み」と記入してはいけません。
入社予定日までに卒業できる見込みが立っている
学歴を記入する際に、卒業に必要な単位を一定数修得していない状態でも、「卒業見込み」の記載が可能となるケースがあります。それは、入社予定日までに必ず卒業できる確証がある場合です。
日本の多くの学校や企業は3月までに卒業式、4月に入社式が行われます。入社式までに卒業が見込まれる場合のみであれば「卒業見込み」を使用してください。ただし、中には海外に合わせて9月や10月に入社式を行う企業もあるため、注意が必要です。
留年の可能性がある場合は記入してはならない
入社式までに単位が取得できず、留年する可能性が濃厚になれば、卒業見込みと記入してはいけません。
「卒業見込み」と書くためには、卒業に必要となる単位を取りこぼさず確実に取得する必要があります。必修科目を落とした場合は、再履修を漏れなく受けて卒業を目指しましょう。
卒業見込みを証明できる書類は2つしかない
学歴欄を記入する際に「卒業見込み」と記載するためには、卒業を見込めるといえるだけの一定の根拠が必要です。応募する企業によっては、証明書の提出を求められる場合があります。
卒業見込みの証明書に使えるものは、主に以下の2つです。
- 卒業見込証明書
- 成績証明書
卒業見込証明書とは、取得単位数や必修単位の取得状況が記入され、卒業できる見込みを学校側が証明するものです。卒業証明書の発行に対して特にルールはなく、大学によって発行条件や発行までの日数が異なります。
成績証明書とは、取得した単位の数や履修した講義、科目ごとの評価が記載された証明書です。卒業見込証明書と違って卒業の見込みを直に証明するものではありませんが、具体的な取得単位と評価を知ることによって、卒業できる見込みの有無を判断できます。
卒業見込証明書は、4年生の段階でしか発行されない大学が多いです。3年生の時点で卒業見込みを証明するためには、主に成績証明書を使用します。
卒業見込みと似ている卒業予定や卒業見込との違いは?
履歴書の学歴欄を記入する際、間違って用いられやすい言葉に、以下2つがあります。
- 卒業予定
- 卒業見込
ここでは、具体的な違いを詳しく解説します。
「卒業予定」は大学2年生までの段階で主に用いる
卒業予定とは、卒業できる可能性が高い状態を指します。「予定」と「見込み」はとても似ている言葉であるため間違って使用されがちですが、正確には異なる意味で使われている言葉です。
学歴欄で用いる場合の「予定」と「見込み」の違いは以下の通りです。
- 卒業予定:まだ先が見えないが卒業できる可能性が高い状態
- 卒業見込み:ある程度卒業見込みが立っている状態
イメージとしては、「卒業見込み」の方が卒業できる可能性が高い状態で使用します。
具体的な使い分け方法としては、「卒業予定」は1年生や2年生の段階で使用してください。逆に、3年生や4年生の段階で「卒業予定」を使用するのは不適切です。
卒業見込は意味は同じであるが略語ため利用不可
「卒業見込」と「卒業見込み」は「み」の有無だけの違いであり、全く同じ意味を持つ言葉です。ただし、「卒業見込」は略語のため、履歴書で記載するのは間違いです。履歴書の学歴欄に記入する際には、略語ではなく正式名称を記入する必要があります。
これは何も、履歴書に限った話ではありません。公的書類では基本的に、略語は使用しないものです。文部科学省では、「公用文における漢字使用及び送り仮名の付け方」を定めています。もし略語を使用した場合は、その基準を満たさないのです。
そのため略語で「卒業見込」と記入した場合、社会常識がなく、適切な表現が使用できない学生と判断される恐れがあります。
卒業見込みを証明する書類である「卒業見込証明書」は略語となっており、紛らわしいのですが、公的書類である履歴書には必ず「卒業見込み」と記載してください。
履歴書における最終学歴欄とは?
履歴書の学歴欄では、在学中の学校以外にどのような内容を記入すればよいのでしょうか。
ここでは、履歴書における学歴欄の正しい記入テクニックを紹介します。記入内容をしっかり理解して、間違えないように記入してください。
最終学歴の定義は?
履歴書の学歴欄においては、これまでの学歴を漏れなく記載しなければなりません。その中で、そもそも最終学歴とはどのような定義があるのかを、正しく理解する必要があります。
最終学歴とは、一般的には自身が卒業した中で最も程度の高い教育機関のことです。
学歴を程度の低い順番で並べた場合、以下の順番となります。
- 小学校
- 中学校
- 高校
- 専門学校
- 短大
- 大学
- 大学院
最終学歴は「最終」の言葉が付いているため、どうしても最後に卒業した学校を連想しがちです。しかし「最終学歴」は、あくまでも自身が卒業した中で最も程度が高い学校を意味します。
もしも大学院を卒業したあとに別の大学に入学している場合は、大学院が最終学歴となるため、注意が必要です。
通常は高校卒業から記入する
学歴欄には、基本的にこれまで卒業した教育機関を、時系列で記入してください。
ただし小中学校の卒業履歴については、あえて記入する必要はないです。小学校や中学校は義務教育であり、記入しなくても、当然卒業していると判断できます。そのため学歴欄の書き始めは、高等学校卒業から記入するのが一般的です。しかし、どうしても卒業をアピールしたい場合や高校卒業で空欄が目立つ場合、小学校や中学校を記入しても構いません。
具体的には、以下のように学歴を記入します。
- 平成○年 4月 ○○○○高等学校入学
- 令和○年 3月 ○○○○高等学校卒業
年号は、西暦ではなく和暦で記入する方が一般的です。西暦を使用しても問題はありませんが、同じ履歴書の中で2つの書き方が混在しないように、どちらかに統一してください。
学部・学科・専攻も漏れなく記入する
高校の学歴を記入する場合、履歴書では「高校」と省略しないで「高等学校」と正式名称を記入してください。「高校」という表現は「卒業見込」と同じく略語に当たるため、公的文書に記入するのは不適切です。
また、高等学校以降の学歴を記入する場合は、どのような学科やコースに所属していたかも、省略せず記入します。特に、就職を希望する企業に対して今まで学んだ知識が仕事に活かせると判断できる場合、アピールの意味も込め詳細まで記入しましょう。
具体的な記入方法は、以下の通りです。
- 平成○年 4月 私立〇〇高等学校 国際経済科 入学
- 平成○年 3月 私立〇〇高等学校 国際経済科 卒業
上記のように同じ学校名が続く場合でも、「同上」などと省略せず、必ず正式名称を記入します。
中退は学歴には含まれないので記入しなくてもよい
入学や卒業の学歴は、迷いなくそのまま記入できますが、もし中退している場合にどのように記入すればよいのか悩みますよね。もし学校を中退した経験がある場合でも、基本的に学歴に含まれないため、その学校の在学履歴を記入する義務はありません。
ただし中退した学校の在学履歴を記入しない場合、履歴書上、何をしていたのか不明な空白の期間が発生してしまいます。そのため、空白期間に何もせずに遊んでいたと思われないよう、あえて中退した学校の在学履歴を記入するのが一般的です。
もし中退した事実を書く場合は、中退した年月と学校名、学部学科名に続けて、「中途退学」と記入してください。ここでも、「中退」を略さずに「中途退学」と記入するのが鉄則です。また、末尾に中退した理由を以下のように記入します。
- 令和○年 3月 〇〇大学〇〇学部○○学科 病気療養により中途退学
もし、学歴や職歴欄を記入するだけのスペースがない場合、退学理由は備考欄や職務経歴書などに記入しても問題ありません。
まとめ|正しく最終学歴を記入して就職を勝ち取ろう!
就職活動において、履歴書は自分をアピールできる絶好の機会です。ただし、記入ミスがあると印象を悪くする可能性があるため、正しく記入する必要があります。
履歴書の学歴欄は、基本的に高校からの履歴を省略せず記入するのが一般的です。大学在籍中の場合は「卒業見込み」と正しく記入して、悪印象を与えないように注意してください。
また、アピールできるポイントがあれば積極的に内容を充実させて、面接まで進みたいものです。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。