文系の就職先はない?文系でも就職しやすい業界や対策法を解説
2024年12月9日
就活生 Bさん
「文系の就職先はない」という話を聞き、就職できるのか不安になりました…。
たしかに文系に就職先はないといわれることもありますが、実際にそんなことはありません。数多くの選択肢があるので、安心してください。
キャリアアドバイザー 廣瀬
就活生 Bさん
そうなんですね。具体的にどのような選択肢があるか知りたいです!業界や職種など、詳しく教えていただけると助かります。
わかりました。このコラムでは、文系にオススメな業界や職種を紹介します。また、文系に就職先がないといわれる理由についても紹介するので、参考にしてください。
キャリアアドバイザー 廣瀬
文系の就職先はないのか?
「文系に就職先はない」といわれていますが、そんなことはありません。採用の形は違えど、文系でも理系でも同じだけの選択肢があります。
文部科学省が発表した「令和4年度大学等卒業者の就職状況調査」によると、文系の就職率は97.1%、理系の98.1%と、ほとんど差がありません。
むしろ文系のほうが幅広い業界・職種の企業に就職しています。また、国立と私立の就職率もほとんど差がないので安心してください。
このように、文系出身者の多くが就職に成功しているので、「文系だから」と諦めないようにしましょう。
なぜ文系に就職先はないといわれてる?
「文系に就職先はない」は嘘であるものの、そういわれるのにはそれなりの理由があります。その理由や理系との違いを確認し、文系として就活をするうえでの心構えをしておきましょう。
「文系に就職先はない」といわれる理由を以下の項目別に解説していきます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
専門職だと理系のほうが強いから
専門職だと理系よりも弱いことから、文系に就職先がないと言われることがあります。
理系は専門的なことを学び、学生時代を通して知識やスキル、資格を身につけています。そんな理系に対して文系が同じ専門職を目指しても、採用されるのは理系なのが現実です。
そのことから、専門職を対象にすると文系の方が不利になってしまい、「文系には就職先がない」と言われています。しかし、専門職を対象にした際に不利なだけで、就活全体を通して見たときに差はほとんどありません。
大学で学んだことを就職で活かしにくいから
大学で学んだことを就活で活かしにくいことから、「文系に就職先がない」と言われることがあります。文系は理系のように1つのことを深く勉強するわけではないため、学んだことをアピールしにくく、受ける職種によっては不利になることがあります。
前項からもわかるように、理系は学生時代に学んだことを直接的に仕事へ活かすことができるため、専門職を対象としたときに就職がしやすいです。しかし、文系は学ぶことの多くが直接的に仕事で活かされるわけではないことから、理系よりも不利になることがあります。
このような事情から、文系の就職先がないと言われていますが、実際にはそんなことないので、気を落とさず、文系の就活事情を把握したうえで就活に挑めるように準備していきましょう。
「文系に就職先がない理由を知って不安になった」「文系でも受かる企業を教えてほしい」という人は、キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」を利用してください。あなたに合った求人を紹介します。
【業界編】文系にオススメな就職先
理系と比べると選択の幅が少し劣る部分はあるものの、文系の選択肢をきちんと理解していれば就職先探しに苦労することなく、内定も獲得しやすいです。
では具体的に文系にはどのような選択肢があるのでしょうか。ここではまず文系にオススメの業界について紹介していきます。オススメ業界は以下の通りです。
以下より詳しく見ていきましょう。
小売業界
文系にオススメな業界としてまず挙げられるのが、小売業界です。
小売業界とは、企業から商品を仕入れ、消費者に販売することで利益を得る業界です。扱う商品は、食品・化粧品・医薬品など多岐にわたります。
そんな小売業界ではコミュニケーション能力の高い人が求められるため、いろんな分野の授業を受け、多くの人とコミュニケーションを取ってきた文系が重宝されます。
コミュニケーション能力は「友人を作るために工夫した経験」「どんな方法で友人と良好な関係を築いてきたのか」などからアピールすることができます。
あわせてお客様の悩みを解決するための課題解決能力や、パート・アルバイトの指導をするためのリーダーシップスキルなどを身につけておくとよいでしょう。
広告業界
広告業界も文系にオススメな業界の1つです。広告業界とは、商品を広く認知してもらうために広告の作成・運用を行う仕事を行います。
そんな広告業界では、トレンドに敏感な人や体力に自信がある人が求められます。商品を売り込むためには、常に新しい情報を読み取る力が必要で、また多くの人と関わりながら仕事を行うことから、体力がある人でないと務まりません。
文系学生は理系学生ほど研究などで忙しくないため、トレンドに敏感な人も多く、さらに部活動経験者も多いことから向いている人が多いとされています。
面接では、トレンドに対して敏感なことに合わせ、自分の意見を述べたり、体力があることを示せるエピソードを話すと良いでしょう。
ネット・通信業界
ネット・通信業界も文系にオススメな業界の1つです。ネット・通信業界は、プログラムの作成やネットワークの構築を行うのが主な仕事です。
ネット・通信業界では、IT技術を活用して便利なシステムを作ることが目的のため、最後までやりきる力や成長意欲のある人材が求められます。文系には、授業で様々なことを学ぶことから、1つ1つをやり通すための根性や成長意欲がある人が多い傾向にあり、ネット・通信業界に向いています。
また、文系にはプログラミングを学ぶ大学もあるため、それらの知識が活かされるでしょう。
金融業界
金融業界も文系にオススメな業界の1つになります。金融業界とは、お金や株式など様々な資産を管理・運用し、経済を支えるのが主な仕事内容です。
金融業界ではお金を管理することから、誠実さのある人が求められます。また、顧客とのやり取りが多く、融資などの取引などもあることから、コミュニケーション能力も求められます。
誠実さやコミュニケーション能力の高さを示すために、他者からの評価やエピソードを盛り込むとよいでしょう。また金融業界の採用試験ではSPIの結果を重視する傾向にあるため、対策しておくと良いです。
以下のコラムも合わせてチェックしておきましょう。
関連コラム
就活におけるSPIとは?試験概要・出題傾向・対策など徹底解説
サービス・インフラ業界
サービス・インフラ業界も文系にオススメです。サービス・インフラ業界とは、顧客に無形のものを提供することで収益を上げる業界で、私たちの生活を支えています。
サービス・インフラ業界は、急なトラブルに対してもすぐに対応することが求められるため、トラブル対応力がある人が必要です。また、常に顧客に寄り添った対応も求められることから、人のために働くことを惜しまない人にも向いています。
これまでに起きたトラブルに対してどう対応したのか、どのような経験から人に寄り添ったのかなど、具体的なエピソードを交えてアピールしていきましょう。
不動産業界
不動産業界も、文系にオススメな業界の1つです。不動産業界では、土地や建物の販売・管理を行い、多くの人と関わりながら仕事を行うことから、協調性やコミュニケーション能力などが求められます。
文系学生は部活を経験してきた人が多くいるため、チームメイトと円滑に関わるための協調性やコミュニケーション能力に優れている人がたくさんおり、不動産業界で重宝されるのです。
異なる意見に対しても耳を傾け、自分の意見も伝えつつ、協力して仕事をしていく姿勢をアピールすると、良い印象を与えられます。部活での経験などを述べ、協調性やコミュニケーション能力をアピールしていきましょう。
建設業界
建築業界も文系にオススメです。建築業界とは建物を建築する仕事で、主に土木分野と建築分野に分かれます。そんな建築業界では、危機管理能力が高い人や体力に自信のある人が求められ、運動部に所属している人の多い文系学生は重宝されるでしょう。
体力があることを示すために部活での経験を述べたり、日ごろから気を付けていることなどをアピールすれば、良い印象を与えられます。
さらに、建築士などの資格やスキルを身につけておくと、建設に関する基礎知識があることをアピールできるのでオススメです。
教育業界
教育協会も文系にオススメです。教育業界とは、教育から人々の成長に貢献することが主な仕事で、コミュニケーション能力の高い人や人の成長にやりがいを感じる人に向いています。
多くの人と関わりながら仕事を行うため、円滑に交流できることをアピールすると良い印象を与えられるでしょう。また、日本の教育をよりよくしたいという思いなどを合わせて語るとよいです。
担当する分野によって専門的な知識や資格が必要になる場合もあるため、志望する職種の応募条件などを確認しておきましょう。
【職種編】文系にオススメな就職先
文系にオススメな業界があるように、オススメな職種もあります。オススメな職種は具体的に以下の通りです。
それぞれの職種の内容や文系にオススメの理由を解説します。
販売
文系にオススメな職種としてまず挙げられるのが、販売職です。販売職とは商品やサービスをお客様に販売する仕事で、顧客のニーズをヒアリングして希望商品を提案する力やコミュニケーション能力が求められます。
文系学生は多くの分野を学んできた経験から、言語能力や相手の感情、心情などを読み取る能力に優れている人が多い傾向にあります。また、部活動の経験者が多いことから、コミュニケーション能力も高い人が多いため、販売職で重宝されています。
課題解決能力やコミュニケーション能力をアピールするために、部活動などで得た経験やエピソードを述べるとよいでしょう。
営業
営業職も文系にオススメな職種の1つです。営業職とは、契約を獲得するためにプレゼンテーションの準備やアポイントを取ることが仕事で、柔軟な対応力や体力に自信のある人を求められます。
文系学生にはフットワークが軽い人が多くいるため、柔軟な対応力が重宝される営業職に向いていると言われています。
柔軟な対応力をアピールするには、トラブルを対応力でカバーできた経験を伝えるとよいでしょう。営業職の場合は時間を有効に使うスキルを身につけておくと好印象を与えやすくなります。
企画・マーケティング
企画・マーケティング職も文系にオススメです。企画・マーケティング職とは、市場調査や商品企画に関わり、戦略を立てる仕事で、様々な調査を行うことから企画力や思考力が求められます。
文系学生は多くの分野を学んできたことから、想像力が豊かで、物事を考える力に優れた人が多くいることから、企画・マーケティング職に向いていると言われています。
企画力をアピールする際は、具体的な提案を行った経験について伝えるとよいでしょう。また、企画提案力と合わせて発想力も鍛えておけば、より強いアピールができるので準備しておいてください。
広報
広報も文系にオススメです。広報とは、対象商品やサービスなどの認知度を上げるために、情報を発信する仕事で、商品を売り込むための文章作成力やプレゼンテーションスキルがある人が求められます。
文系は論文などを書く機会が多くあることから、文章力の高い人が多い傾向にあり、広報に向いていると言われています。
文章作成力やプレゼンテーションスキルは、志望動機などからアピールすることができるため、しっかりと対策しておきましょう。伝えたいことをきちんと伝えられている内容にすることで、良い印象を与えられます。
事務
事務職も文系にオススメな職種の1つです。事務職とは、直接的な利益ではなく、企業を裏から支える仕事で、人を支えることにやりがいを感じる人やコツコツと作業することが得意な人が向いています。
人を支えてきた経験や、コツコツと努力したエピソードなどを述べると良い印象を与えられるでしょう。部活動やアルバイトで、具体的な内容を伝えると信ぴょう性が生まれ、より強いアピールができます。
事務作業の際に、簿記の資格やパソコンスキルを習得しておけば内定にグッと近づけるため、取得しておくと良いでしょう。
「オススメの職種を見てもピンと来ない」という人は、キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」を利用してください。あなたの希望をじっくり聞いて、マッチ度の高い求人を紹介します。
文系が希望の就職先から内定を得る方法と対策
オススメな業界や職種以外でも、正しい対策を行えば希望の就職先から内定を得ることは十分に可能です。具体的には以下の対策を試してください。
以下より詳しく見ていきましょう。
自己分析、業界・企業研究を徹底的に行う
文系が希望の就職先から内定を得るために、自己分析や業界・企業研究を徹底的に行ってください。自己分析から自分について、業界・企業研究から受ける企業についての理解を深めることが目的です。
まずは自己分析です。自分はどんな仕事に向いているのか、どんな強みを持ち、何をアピールポイントとして述べるのかなどを知るために、「自分」についてしっかりと掘り下げていきましょう。
業界・企業研究では、業界や企業がどんな人材を求めているのか、どんな強みが重宝され、自分との相性が悪くないかどうかを判断します。
これらは就活を行う上での基礎となります。時間をかけてしっかりと分析、研究を行いましょう。
自己分析や業界・企業研究に役立つ資料があるので、以下を活用してみてください。
【就活対策資料】
自己分析ワークシート
【就活対策資料】
簡単!業界研究ガイド
資格取得やスキルを磨く
文系が就活を成功させるために、資格の取得や今あるスキルを磨くと良いでしょう。資格取得やスキルを磨くと、入社後に活躍してくれるイメージがつきやすく、好印象を与えられます。
取得にオススメな資格は以下の通りです。
- MOS
- ITパスポート
- TOEIC
- 英検
- 簿記
MOSは、WordやExcel、PowerPointなどの操作スキルを証明できる資格試験です。様々な種類があり、試験科目別に出題内容は異なります。
ITパスポートは、ITに関する基礎知識を証明できる資格試験です。MOSと同じく情報系の資格ですが、経営やマネジメントなど、幅広くIT知識を学びたい人にオススメの資格です。
TOEICは、英語力を示すことができる資格試験で、600点以上が履歴書でアピールできる目安となります。
英検もTOEICと同じく英語力を示すことができる資格試験です。一般的に2級以上を持っている人は履歴書でアピールできます。
簿記は、日々の経営活動を記録、計算、整理し、経営状態や財政状況を明確にできるようになる試験です。この資格は3級以上であれば履歴書でアピールできるでしょう。
どの資格も誰でも受験できるので、1度挑戦してみてください。
インターンを通して実務を経験する
文系が就活を成功させるために、インターンへ積極的に参加しましょう。インターンに参加すると実務に近い経験をすることができるため、自分に合う仕事かどうかを見極めることができます。
また、実務を経験することで力をつけることができ、即戦力として活躍できることをアピールできるでしょう。さらにインターン参加自体を評価してくれる企業もあるため、選考で有利になることがあります。
インターンでは企業のリアルな部分も垣間見ることができるため、業界・企業研究にも役立つでしょう。インターン参加はメリットばかりなので、積極的に参加してください。
キャリアアドバイザーに相談する
文系が就活を成功させるために、キャリアセンターや就活エージェントのキャリアアドバイザーを活用するのがオススメです。キャリアアドバイザーは、これまでのデータやヒアリングから就活生に合う企業を紹介してくれます。そのため、自分に合う求人を効率よく見つけられます。
また、面接対策もしてくれるので面接力の向上し、希望の就職先から内定を獲得できる可能性が高くなります。
「一人で対策するのが難しい」という人は、キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」を利用してください。あなたにマッチする求人を紹介するだけでなく、あなたを魅力的に見せるアピール方法もアドバイスします。
プロの力で企業探しの手間を省き、選考対策に集中しましょう!
文系の就職先は少なくない!対策して就活を成功させよう
「文系に就職先はない」と聞き、不安になる人は多いと思いますが、実際はそんなことないので安心してください。文系にも選択肢はたくさんありますし、多くの文系出身者が就活を成功させています。
しかし、ただ就活をしていても内定がもらえるわけではありません。受かるためには正しい対策をすることが求められます。
文系にオススメな就職先を把握し、自己分析や業界・企業研究から自分に合うかどうかを見極めてください。そしてアピールすべきものを明確にし、必要に応じてスキルを磨くことで自分の価値を上げていきましょう。
「就活相談サポート」に参加しよう!
この記事の監修者
廣瀬 舞
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
大学卒業後、教育機関を経て入社。7年間、キャリアカウンセラーとして新卒・中途・既卒求職者の就職を支援し、これまでに4000名以上の求職者を担当し内定まで導いている。女性ならではの親切丁寧な対応が定評を呼んでおり信頼度が厚い。
就活支援の得意分野は「面接対策」。特に現代ならではの動画面接、オンライン面接の対策実績は1000社以上、2000名以上を支援してきた実績がある。
また、これらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している