就活でベストはOK?スリーピースのスーツが面接で与える影響とは
2024年2月20日
就活中の正しい服装マナーはできていますか?「せっかくならオシャレなスーツを着ていきたい」と思っている人もいるかもしれませんね。
キャリアアドバイザー 岡田
就活生 Aさん
はい、流行りのおしゃれなベストを着ていこうか悩んでいます。
実は就活でベストを着用することはおすすめできません。「面接にスリーピースはありか?」「面接に行く基本的な服装」を、今回は解説しますね。
キャリアアドバイザー 岡田
就活生 Aさん
ベストよくないんですね…知りませんでした。正しい服装マナーを教えてください!
面接にOK・NGな服装は何か?正しい服装マナーをしっかり伝授しますね!
キャリアアドバイザー 岡田
スリーピースとは何か
スリーピースとはスリーピーススーツのことで、三つ揃えスーツともいわれています。ジャケット・ベスト・スラックスの三つがセットになっており、全ての物が同じ素材で作られている場合にスリーピースといいます。
本来のスーツといえば、このスリーピースのことを指しており、伝統的な服装であり、フォーマルな場面では今でもスリーピースを着ることがあります。内側のベストは一番下のボタンだけを外し、外側のジャケットはボタンを全て外すのが基本的なスタイルとなっています。
また、ベステッドスーツ(ベストつきのスーツのこと)とも呼ばれ、フォーマルな場面で使われていたり、ファッション系のデザイン企業・アパレル業界などの服飾に対する企業や、企業の経営者やベンチャー企業などでも着られることが多いです。
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面接にスリーピースはありか?
面接にスリーピースを着ていくのはありなのでしょうか?
面接にスリーピースはNG!
一見、フォーマルな場面で着られていたり、本来のスーツであったりと面接にスリーピースを着ていっても構わないような気がしますが、面接の場というのはスーツの伝統を披露する場ではなく、面接官にどのような印象を与えるのかが重要になります。
スリーピースは一般的にフォーマルな場面や、企業などの場でもベテラン層といった上司が着るイメージが定着しているために、就活生が面接という場で着ていると「生意気」「若者にはまだ早いのではないか」という捉え方をする面接官もいるようです。
中にはスリーピースを着ていても気にしない面接官もいますが、そのような面接官であってもスリーピースを着ているからといって加点することはありません。面接の場で何も思わない面接官に当たることを祈って挑戦するにはリスクしかないため、オススメはできません。
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ベストを着ないスリーピースなら就活での着用はあり?
ジャケットとベスト・スラックスの3点で1セットになっているスリーピースは面接ではオススメできませんが、ベストを着ないスリーピースなら、就活の際に着ていっても問題はありません。
理由としては、ベストがなければツーピースのスーツなのかを、面接官の方から判断することは難しいためです。また、スリーピースはベストを着る前提でジャケットのサイズが設定されているので、近年流行している細身のスーツの場合は、上下がアンバランスになることがあるので気をつけましょう。
ゆとりがあるサイズの場合は、ベストを着ないことでよりゆとりが出て、だらしなく見られる可能性があるので、鏡を見て自身がどのように見えるのかを確認してから面接に挑むことが必要になります。
就職後もオススメできない
就職後にスリーピースを着ることもオススメできません。
スリーピースは、ベテラン層の上司や役員が着ているイメージを共有している人が多いため、入社後も一般的なスーツを着用した方が無難です。
入社後しばらく経って、人間性や好みが伝わり、スリーピースが好きな人間として周りに認知されるようになれば着ることもありだと思いますが、そのような関係性を築けるまではどのような印象を与えるかに気を配りましょう。
就職後はスリーピースを着たいと思っていたとしても、しばらくの間は職場の人との人間関係の構築に力を注ぐことをオススメします。
スーツの種類
スーツにはスリーピースを筆頭にいくつかの種類があります。どのような種類があるのかについてまとめていきます。
ツーピースとスリーピースの違い
スーツは何点で1セットになっているかで区別することができ、ツーピーススーツとスリーピーススーツがあります。
スリーピーススーツとは既に説明している通りジャケット・ベスト・スラックスの3点で1セットになっているスーツのことです。また、ツーピーススーツとはジャケット、スラックスの2点で1セットになっているスーツのことをいいます。
本来はスーツといえばスリーピーススーツのことだったのですが、現在ではスーツといえばツーピーススーツが主流です。
シングルとダブルの違い
スーツはボタン列の数によって区別することができ、シングルスーツとダブルスーツの二つの種類があります。
シングルスーツとはボタンが1列のスーツのことで、一般的なスーツはシングルスーツのことを指しています。ダブルスーツとはボタンが2列のスーツのことで、ボタン2個×2列のダブルスーツとボタン3個×2列の2パターンがあり、シングルスーツと比べてよりフォーマルな印象を与えることになります。
また、シングルスーツとダブルスーツには流行り廃りがあり、以前はダブルスーツの方が一般的だったこともあります。シングルスーツとダブルスーツに礼儀度合いの違いはなく、ダブルスーツを着ていたからといって失礼になるようなことはありません。
面接の場でダブルスーツを着た場合、「どうしてダブルなの?」と質問される可能性があるので、着用の理由を説明できる人以外はシングルスーツを着る方が無難であるといえます。
スーツのボタンの数による違い
スーツはボタンの数によって区別することができ、2ボタンタイプ、3ボタンタイプの2つの種類があります。
2ボタンタイプはスーツのフロントに2つのボタンがあり、最近のスーツのほとんどは2ボタンタイプとなっており、ビジネスだけではなく様々な場面で使うのに適切とされています。
また、着用の際には上のボタンのみを留めるのが基本で、下のボタンが使われることはほとんどありません。3ボタンタイプはスーツのフロントに3つのボタンがあり、以前は一般的だったものの、最近ではやや古い印象を与えていますが、フォーマルな場面では見かけることもあります。
3ボタンスーツは基本的に上と真ん中のボタンを留めるのですが、デザインで上のボタンが折り返しの部分についていて、一見してボタンがついていることが分からない3ボタンタイプは、真ん中のみを留めるだけでOKになります。
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ベントによる違い
スーツはベントによって区別することができます。ベントとはスーツの背面下部についている切れ込みのことで、動きやすくするためにつけられていて、センターベント、サイドベンツ、ノーベントの3種類があります。
センターベントは真ん中に切れ込みがあり、乗馬をする際に邪魔にならないように作られたもので、センターベントは別名「馬乗り」ともいわれています。サイドベンツはベントが複数あるための複数形ベンツで表記されており、両サイドにベントがあります。
センターベントよりも新しいベントの形態で、より動きやすさが追及されていて、サイドベンツは「剣吊り」ともいわれています。ノーベントはその名の通りベントがないタイプです。基本的にフォーマルなスーツで使われているため、ノーベントのビジネススーツはありません。
センターベントとサイドベンツのどちらが面接時に着るスーツとして適切かというと、どちらでも良いとされています。自身の好みや動きやすさで決めて構いません。
スーツと礼服の違い
スーツと礼服の最も分かりやすい違いは色です。同じ黒であっても黒のスーツと礼服の黒とでは黒の濃さが違っていて、礼服の黒は真っ黒であるのに対して、スーツの黒は濃いグレーが入っています。
スーツと礼服の色による違いは2つを並べてみるとより明確に確認することができます。そのため、スーツが求められる場面で礼服を着るのは失礼ではありませんが、やや場違いであるといえ、礼服が求められる場面でスーツを着ると、時には失礼な人と判断されることもあるので注意してください。
ここであげた礼服とは喪服を想定しておりますが、礼服には様々な種類があります。正礼装と呼ばれるモーニングや燕尾服は、準礼装と呼ばれるタキシードやディレクターズスーツ。略礼装と呼ばれるブラックスーツ、ダークスーツのことです。
また、喪服にも正喪服、準喪服、略喪服という格式がありますが、最近はほとんどブラックスーツや一般的な喪服でOKとされています。
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面接に行くオススメのスーツは
面接ではツーピースのシングルスーツ、2ボタンタイプがオススメです。
もちろんシングルスーツではなくてダブルスーツだったり、2ボタンタイプじゃなくて3ボタンタイプでも構わないのですが、ほとんどの就活生はツーピースのシングルスーツ、2ボタンタイプのスーツを着ていてます。
悪目立ちという言葉があるように、面接の場所で目立つという行為は必ずしもいいとはいえません。特に服装という物に頼った目立ち方は、面接官にいい印象を与えることがとても難しくなります。「埋もれたくない」「少しでも印象を残したい」という思いは分かりますが、悪く目立つとマイナスの評価に繋がってしまいます。
基本的に就職活動における服装とは、マイナスにならないために気をつけるポイントであって、プラスになるポイントをアピールする要素ではないと覚えておきましょう。
人それぞれ、好みやこだわりがあるのは理解できますが、面接は個性を発揮させる場ではないと覚えておきましょう。
スリーピース以外に就活にNGな服装
スリーピース以外にも就活にオススメできない服装は、面接という場に不適切な格好です。スーツは無地が基本で、薄い柄が入っていても許容範囲ですが、目立つ柄であったり、派手な色の生地の場合はNGです。
シャツは白の無地が基本で、白以外の生地は面接という場では不適切であるといえます。ネクタイは色に決まりはありませんが、それでも礼服時に使われる白や黒、蛍光色などの派手な色のネクタイは控えましょう。
ベルトは靴の色と合わせるのが基本で、黒以外の物、革以外の素材は不可です。靴下はスーツの色と合わせるのが基本で、座った時に靴下だけが悪目立ちするような色、素材はNGです。
靴は黒のプレーントゥかストレートチップの革靴が基本で、ウイングチップやローファー、ブーツ、黒以外、キズや汚れが目立つものは非常識と判断されてしまうでしょう。
バッグは黒い革のA4サイズの書類が入るビジネスバッグで、床に置いたときに自立するものが基本です。
黒以外のバッグやリュックサック、ショルダーバッグなどは不適当な身なりであると判断されてしまいます。
おわりに
面接の場でスリーピースは不適切であるといえます。
本来の意味や海外のスリーピースの使われ方を考えると、面接でスリーピースを着ても問題がないように感じますが、面接という場面で考えるとNGであると判断することができます。
面接は服装や伝統に対するこだわりを見せる場所でなければ、正しさを表明する場面でもありません。どのような服装を着ると、どのように思われるかを想像することが必要になります。
基本的に、就職試験という場は個性を認めてもらう場所であり、個性を発揮する場所ではありません。こだわりや好みがあったとしても変に目立ってもいいことはないと覚えておきましょう。
外資系企業やファッションに詳しい業界、企業の場合はスリーピースだからといって気にするところは少ないようなので、どうしてもスリーピースを着て面接に行きたい、スリーピースを着て働きたいと思っている方は検討されることをオススメします。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。