筆記試験の対策法を紹介!試験の種類やそれぞれの受検法も解説
2023年3月17日
就活の筆記試験の対策はしてますか?筆記試験には、求めるレベルに達してない就活生の足切りを行う側面もあるので、おろそかにしてると面接にすら進めないこともありますよ。
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
えっ、面接に進めないんですか!?でも志望先がまだ決まってないし、受ける企業によって筆記試験の種類が違うって聞いたんですけど、何から勉強したらいいんですか?
確かに、企業によって取り入れている適性検査は違います。まずは、一番多くの企業が取り入れているSPIから対策するのがオススメです。
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
やっぱり、SPIが多いんですね。ほかにも勉強しておいた方がよいものってありますか?本やネットで調べてもよくわからなくて焦ってます。
事前に対策できてないと不安ですよね。下記コラムでは、筆記試験対策の方法について詳しく解説します。ばっちり対策すれば自信を持って就活できますから、これを読んで早めに対策を始めましょう!
キャリアプランナー 岡田
目次
学力を見るだけじゃない!企業側の真の意図
最近はほとんどの企業が採用活動に筆記試験を導入していますが、その主な目的は学生の基礎学力を計り、職務への適性を知るためです。
就活で行われる筆記試験は「適性検査」と呼ばれるもので、基礎学力を計る能力テストと、仕事への適性を計る性格テストから構成されています。
能力テストで出題される問題の多くが中学~高校レベルで難しいものではありません。性格テストも結果によって落とされるというよりは、応募者の性格を知って面接や就職後の配属先選びに役立てるものです。
しかし、「大学受験でさんざん勉強したんだし、基礎学力試験くらい落ちるわけない」などと侮ってはいけません。なぜなら筆記試験の結果が企業の求めるレベルに達していないと採用試験に合格できないばかりか、選考にすら進めないケースがあるからです。
ほとんどの企業では、筆記試験をエントリーシートの提出時や1次選考より前に行います。その中で大手企業や有名企業では応募者が多く、全員を一律に選考していては時間もコストもかかり過ぎます。
そうした手間を省くため、1次選考前の足切りとして筆記試験が行われ、選考を受けるレベルに達していない学生をふるいにかけるのです。
筆記試験対策の勉強や準備を十分行わなかった結果、足切りで企業の求めるレベルに達せず、何社応募しても面接にすら進むことができない人もいます。そんな悲しいことにならないように、筆記試験についてしっかり理解し、対策していきましょう。
闇雲に勉強しても、的外れな勉強をしていたら時間のロスです。まずは、プロのキャリアプランナーに希望の企業の傾向と対策を相談。「納得の就活イベント」に参加して効率よく、就活しましょう。選考通過に向けてのアドバイスだけでなく日程調整などもサポートしています。
筆記試験には様々な種類がある!それぞれの特徴とテスト形式を解説
就活で行われる筆記試験といえばSPIが有名ですが、実は企業が導入している適性試験にはSPI以外にもさまざまな種類があります。
就活で行われる筆記試験にはどのような種類があるのか、実施している企業の多い代表的な筆記試験の特徴とテスト形式について解説します。
最も主流なのは「SPIテスト」
SPIはリクルートマネジメントソリューションズ社が提供している適性検査です。
【出題範囲】
能力検査→言語(国語)と非言語(数学)の2つの分野からなります。
性格検査→リーダーシップやチームワークのほかライスケール(嘘)などをチェックされます。
【利用企業】
大手・中小を問わず、日本で最も利用されている筆記試験です。
【特徴】
SPIで出題される問題は中高学校レベル
【注意点】
満点に近い正確な回答が必要です。
言語問題(国語)は基本的な文法、類義語、対義語、空欄補充など、非言語問題(数学)は四則演算、集合、推論、空間把握などが出題されます。
SPIは日本で最も広く普及し、多くの企業で導入されている試験のため、就活中に一度は受けることになるでしょう。まだ志望企業が決まっておらず、対策が必要な筆記試験の種類が分からない場合も、まず一番に対策をするべき筆記試験です。
また、テストセンターでの試験結果は複数の企業に使いまわすことができるので、何度も受験する手間を省くことができます。
大手・有名企業が多く取り入れている「玉手箱」
玉手箱は日本SHL社が提供している適性検査です。
【出題範囲】
計数(数学)
言語(国語)
英語
性格テスト
【利用企業】
キリンホールディングス、野村證券などの金融・コンサル系の大手企業で多く利用されています。
【特徴】
1問にかけられる時間が短い。
英語の出題があります。
【注意点】
速くて正確な回答が必要です。
回答に時間がかかる問題は諦めるなど、問題の見極めも大事。
【受検方法】
Webテスティング
言語(国語)はSPIと異なり長文読解、長文の趣旨把握など長文の問題が中心です。また、計数(数学)は四則逆算、表の空欄推測、図表の読み取りなど、英語は論理的読解などが問われます。
自宅で受けられるWEBテストとしては、玉手箱は日本で最も普及しています。特に近年、金融・コンサル系の大手・有名企業では取り入れている企業が多いので、金融・コンサル業界を狙う場合は玉手箱も対策しておきましょう。
近年大手が採用してる「TG-WEB」
TG-WEBはヒューマネージ社が提供している適性検査です。
【出題範囲】
計数(数学)
言語(国語)
英語
性格テスト
【利用企業】
三菱UFJ銀行、サントリーホールディングス、資生堂、JTなど、人気の大手企業で利用する企業が増えています。
【特徴】
英語の問題があります。
計数と言語には、従来型と新型があります。
従来型の問題は他の適性検査では見ないような特殊な問題が多く、新型は短時間で大量の問題を解く試験です。
【注意点】
主流は難易度の高い従来型で、専用の試験勉強が必須です。
TG-WEBの計数問題と言語問題には、従来型と新型があります。
従来型は問題の難易度が高いのが特徴で、計数は暗号、展開図、高難度の推論など、言語では専門的な内容の長文読解など、他の適性検査では見かけないような特殊な問題が出題されます。
新型は短時間に大量の問題を解かせるのが特徴で、係数は大量の図表や方程式を解く問題、言語では同義語や対義語も出てきます。
SPIや玉手箱ほど普及していないものの、近年導入する大手企業が増えています。他の適性検査と問題が大きく異なるので、対策を行わなければ得点の難しい試験です。志望先にTG-WEBを導入している企業があれば、必ず対策を行いましょう。
外資系なら押さえておきたい「ENG」
ENGはSPIと同じリクルートマネジメントソリューションズ社が提供する、英語専門の適性検査です。
【出題範囲】
英語
【利用企業】
ゴールドマンサックスなどの外資や総合商社など、働くにあたり英語力を必要とする企業が選考に取り入れています。
【特徴】
難易度は英検準2級(高校生レベル)程度で、リスニング力を問う問題はありません。
【注意点】
リスニングはないので、語彙、文法、読解の対策をしましょう。
たいていの場合SPIとセットで実施され、類義語、対義語、文法、長文読解など英検準2級程度の英語問題が出題されます。
ENGを取り入れているのはゴールドマンサックスなどの外資のほか、三菱商事や丸紅などの総合商社、JALなどの航空会社といった、仕事を行う上で英語力を必須とする企業です。
海外取引の多いようなグローバル企業を狙う場合は、ENGの対策もしておきましょう。
他にも筆記試験はたくさんある
上記のほかにも、企業の選考で実施される適性検査はまだまだあります。NOMA総研が提供するSCOAはSPIと似ていますが、国語、数学、英語のほかに、理科や社会の知識が問われる常識問題が出題されます。
また日本SHLは玉手箱のほかに、総合職向けの適性検査GABとIT職向けの適性検査CABを提供しており、こちらを導入している企業もあります。志望企業が決まったら、その企業がどの適性検査を導入しているのか調べておきましょう。
4つのテスト形式も把握しよう
就活で行われる筆記試験には、4つの受験方法があります。それぞれのテストはどのように受検するのか、また受検方法などを事前に把握しておきましょう。
【テストセンター】
テストセンターとは、適性検査の提供元が用意した専用会場のPCで受験する方法です。SPIやENGを受検できるリクルートキャリア社のテストセンターは全国に設置されており、就活シーズン時には臨時会場も含め47都道府県それぞれに設置されます。
また、ヒューマネージ社や日本SHL社もテストセンターを設置しており、それぞれTG-WEBやGAB、CABなどの受験で利用されます。テストセンターでの受験は一度受ければ試験結果は複数の企業の応募に使いまわすことができますが、そのスコアは受験者には知らされないので、よく考えて利用しましょう。
【Webテスティング】
Webテスティングとは、自宅や大学のPCを使って受験する方法です。主に玉手箱やGAB、CABを受検する際に利用されます。
【ペーパーテスト】
ペーパーテストは、文字通り紙媒体を使った受験方法です。企業での説明会や面接に合わせて実施されることがあります。主に企業独自の適性検査を受検する際に利用されます。
【インハウスCBT】
インハウスCBTとは、企業のPCを使って受験する方法です。あまり多くないですが、企業の説明会や面接に合わせてSPIを受検する際に利用されることがあります。
どの受験方法になるかは応募先の企業から指定されるので、何を指示されているか分からないということがないように、きちんと把握しておきましょう。
プロが伝授!押さえておくべき筆記試験の対処法
実際に筆記試験の受験が始まるのは、企業説明会が解禁される3月からがほとんどです。しかし、就活解禁ギリギリに対策を行うのはよくありません。
なぜなら就活解禁前の秋冬は企業研究や志望動機の作成などで忙しく、筆記試験対策に十分な時間をさけない可能性があるからです。
そのため、筆記試験対策のスタートは時間に余裕のある大学3年の夏ごろがオススメです。早くから対策を始めることで精神的な余裕も生まれるので、苦手科目にも対応できるでしょう。
ここまでに紹介した筆記試験、それぞれの対策法を解説します。自分が受検するであろう試験の対策を事前に確認しておきましょう。
SPI対策「ひたすら過去問を解く」
志望企業がはっきりしていない段階でも、まず対策を行わなければならないのがSPIです。なぜなら、日本で最も取り入れている企業が多いのがSPIであり、就活をする中で必ず一度は受験することになるからです。
現在普及しているSPIの最新版がSPI3です。SPI3の過去問を1冊やりこんで、問題の傾向をつかみましょう。
複数の対策本に手を出すよりも、1冊の過去問を何度も繰り返しやりこみ、出題傾向と回答のパターンを忘れないようにしておくことが重要です。
特に不得意科目(文系の学生は非言語、理系の学生は言語)は対策が欠かせません。対策漏れの範囲がないよう幅広く解いておきましょう。
OB/OGに聞いて、具体的な試験内容を把握おくのもオススメです。
玉手箱対策「電卓を使いこなす」
金融・コンサル系の大手企業を目指すなら、玉手箱も対策しておくべきでしょう。WEBテスティングで行われることが多い玉手箱は、電卓の使用が前提です。
試験時間が短く1問に使える時間も短いので、電卓に慣れ、正確でスピーディーに回答できるように練習する必要があります。
また高得点を取るためには、回答に時間がかかりそうな問題を見極めるなど、限られた時間でより多くの正答を行う判断力も重要です。
TG-WEB対策「問題形式に慣れる」
SPIや玉手箱ほど取り入れている企業は多くないものの、大手企業を目指すのならTG-WEB対策もしておくべきでしょう。
暗号問題など難解な問題が出題され、他の筆記試験と出題形式が異なるので、対策していないと足切りラインを越えられない可能性が高くなります。
過去問を解くなどして、独特な問題の形式に慣れておくことが重要です。問題は独特ですが、解き方を理解すればスムーズに回答できるようになります。
ENG対策「とにかく英語力を身につける」
外資や総合商社など、仕事上英語力が必須となる企業を目指しているならENGの対策も忘れずに行いましょう。
英語を使う仕事を目指している学生は当然、TOEICなど英会話資格の勉強はしていると思いますが、ENGにはリスニングを問う問題はなく、読み書きのみです。語彙や文法、読解など、リスニング以外の基礎力を高めておきましょう。
どのような形式で出題されるのか、過去問などを一通り解いて、慣れておきましょう。
やるべき対策が多くて、途方に暮れている就活生もいるでしょう。企業のなかには、SPI無しエントリーシート不要、面接1回だけの比較的、気楽な企業もあります。どうしても筆記試験が苦手なら、まずは1社、SPIのない企業で内定を獲得して安心を手にするのもよい方法です。「スピード内定サポート」で、スムーズな就活を目指してみませんか?
おわりに
インターネットを使った採用活動が普及してこれまでよりエントリーしやすくなった一方、応募者の多く集まる企業では効率化のために、足切りを目的として筆記試験を行う企業が増えました。
そのため、筆記試験に通らず面接に進めないなんてことがないように、しっかり対策していきましょう。
「自分の志望企業がどの筆記試験を導入しているのか分からない」「苦手科目が克服できない」など筆記試験で困ったときは、一人で悩むより就活のプロに相談しましょう。
大学のキャリアセンターや就職エージェントは就活に関する知識が豊富なので、プロならではの的確なアドバイスで、きっと心強い味方になってくれるはずです。
キャリチャンでも、SPI対策対策から就活全般のサポートをするイベント「就活相談サポート」を開催しています。1人1人に合った就活に沿って内定獲得までお手伝いします。ぜひ参加してみてください。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。