SPIの問題が難しい!「全く解けない」から大逆転する対策方法

 2024年6月27日

SPI対策に苦戦してるようですね。どんなところでつまづいてるんですか?

キャリアアドバイザー 岡田

就活生 Aさん

問題集をやり始めたんですけど、難しくて全く解けないんです。大手企業に入りたいので、高得点を目指してるんですが……。

いきなり難しいところを目指すより、まずは平均点をクリアすることを目標に基礎から学んだ方がいいですよ。

キャリアアドバイザー 岡田

就活生 Aさん

でもなるべく早い段階で次のステップに進みたいし、そんなにゆっくりしてたら本番に間に合わないのでは?

大丈夫!正しいステップを踏めば短期間でも段階的に高得点を目指せます。このコラムでは、SPIが難しいと感じる就活生が高得点を狙うためのコツについて解説しているので、参考にしてください。

キャリアアドバイザー 岡田

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目次

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  1. 問題に触れた経験がないから
  2. 企業によって試験形式が違うから
  3. 問題数に対して試験時間が短いから
  4. 文系・理系に関係なくどちらも出題されるから

SPIはなぜ難しい?全く解けない人が多い4つの理由

SPIはなぜ難しい?全く解けない人が多い4つの理由

採用選考へ向けた対策として、真っ先に取り組む就活生が多いのがSPIです。ところがいざSPI対策を始めてみると、ほとんどの就活生が難しいと感じます。問題集に取りかかってはみたものの、全く解けない人もいるほどです。

いきなり選考対策の出鼻をくじかれてしまって、「こんな状態で就活は大丈夫だろうか」と不安を感じている人も多いでしょう。

しかし、心配はいりません。SPIが難しいと感じるのには明確な理由があります。その理由になっている部分を解消するように対策を行えば、誰でも解けるようになるのです。

SPIが難しいと感じる理由は、主に以下の4つです。

上記4つの理由について詳しく説明するので、自分に当てはまる理由がどれなのか考えながら参照してください。それがわかれば、今後のSPI対策のヒントが得られます。

問題に触れた経験がないから

SPIを難しいと感じる原因の1つは、就活生がこれまで経験してきた学力試験とは異なる出題方法で問われるため、問題に慣れていないことです。

SPIの解答に必要な知識は、中学~高校で学んだ範囲の内容です。しかしSPIは特定の知識や技術だけでなく、社会人としての適性・人間性を測るものであるため、単なる学力だけでは対応しきれない点があります。

SPIには特有の出題形式やスタイルがあり、問題にひねりが効いているため、慣れていないと解答が難しいです。過去にSPIのような問題に触れた経験がない場合、その問われ方に対する理解が不足し、正確な解答が難しくなるでしょう。

また、SPIは複数の項目から構成されており、時には一般的な知識問題から、論理的な思考力を問う問題までさまざまです。これにより、SPIが難しいと感じる就活生が多くなります。

SPIに触れた経験がなく、難しいと感じる就活生は、繰り返し練習問題を解いてSPIに慣れるようにしましょう。

企業によって試験形式が違うから

SPIが難しいと感じる2つ目の理由は、企業によって試験形式が異なるからです。SPIには、以下の4つの試験形式があります。

試験方式 受験場所 受験方法
テストセンター リクルートマネジメントソリューションズ社の専用会場またはオンライン パソコン
ペーパーテスティング 応募先企業または指定された会場 マークシート
Webテスティング 好きなタイミング・場所 パソコン
インハウスCBT 応募先企業または指定された会場 パソコン

4つの試験形式は、受け方が異なるだけでなく出題傾向や解答方法も微妙に異なります。どの試験形式で受けるかは企業ごとに異なるため、就活生は結局どの試験形式を指定されても困らないよう、それぞれの試験形式に沿った4種類の対策をする必要があるのです。

複数の試験形式の対策を行えば覚えることも多いですし、それぞれの試験形式に適応するのにも時間がかかります。しかしどれか1つでも対策を怠れば、その試験形式を指定された場合に得点を上げにくくなるのが難しいところです。

ちなみに、この中で採用選考に導入している企業がもっとも多いのはテストセンター形式です。志望企業が決まっていない段階では、まずテストセンター形式を前提に一通り対策し、そこから広げていくとよいでしょう。

また、この中で唯一テストセンター形式だけは、何度も受けなくても一度のSPIの結果を複数社へ使いまわすことが可能です。ただし、何回目の受験結果を使いまわすかは自分で選べず、最後に受験した最新の結果が送付される点に注意しましょう。

せっかく使いまわすなら高得点を得られたときの結果を送付したいところですが、SPIの試験結果は受験者本人には知らされないため、手ごたえで予想するしかありません。テストセンター形式の得点を予測する方法については、『SPIは問題の難易度が変わる|テストセンター高得点の目安』で詳しく解説します。

問題数に対して試験時間が短いから

SPIが難しいと感じる3つ目の理由は、問題数が多いのに対し、試験時間が短いことです。

前述のようにSPIの問題は、大学受験時のように素直な問われ方をせず、問題にひねりがきいています。1つ1つの設問を丁寧に読んで解答したいところですが、そうはいきません。最後まで解ききれない人が続出するくらいタイトな時間の中で、大量の問題を解かなければならないのです。

SPIの問題数と試験時間は、以下のとおりです。

テストセンター 問題数 試験時間
性格検査(必須) 300問 30分
言語(必須) 解答状況による 合わせて35分
非言語(必須) 解答状況による
英語 解答状況による 20分
構造的把握力 解答状況による 20分
ペーパーテスティング 問題数 試験時間
性格検査(必須) 300問 40分
言語(必須) 40問 30分
非言語(必須) 30問 40分
英語 45問 30分
Webテスティング 問題数 試験時間
性格検査(必須) 300問 30分
言語(必須) 解答状況による 合わせて35分
非言語(必須) 解答状況による
インハウスCBT 問題数 試験時間
性格検査(必須) 300問 30分
言語(必須) 解答状況による 合わせて35分
非言語(必須) 解答状況による

パソコン受験(テストセンター・Webテスティング・インハウスCBT)の場合は解答状況によって次の問題が変化するため、明確な出題数がわかりません。しかしペーパーテスティングの問題数と試験時間を参考にすれば、1問あたりにかけられる平均時間は性格検査で8秒以下、言語・非言語の能力検査で1分以下です。

ただし、その時間には問題文を読む時間もマークシートに記入する時間も含まれています。そう考えると、実際にはもっと短時間で解く必要があることがわかるでしょう。そのため、「そんな短時間で解答を導き出せない」「時間がないことに焦ってしまう」という難しさがあるのです。

文系・理系に関係なくどちらも出題されるから

SPIが難しいと感じる4つ目の理由は、就活生が文系か理系かに関係なく、どちらの問題も出題されることです。SPIの能力検査では、「言語分野」と呼ばれる問題と、「非言語分野」と呼ばれる問題の2種類が必須となっています。

言語分野は国語(現代文)の問題で、非言語分野は数学(ときどき化学や物理の基本法則が前提となるものも含む)の問題です。中学~高校で誰もが習った範囲から出題されるとはいえ、それが苦手だったからこそ文系・理系に進んだという人にとっては難しい問題だといえるでしょう。

中でもとくに「難しい!」「全く解けない…」と文系学生を悩ませているのが「推論」の問題です。推論は、与えられた情報から推測できる答えを導き出す問題であるため、設問を読み込まなければなりません。

逆に、理系学生にとって難しいのは長文読解です。慣れない理系学生だと長文を読み込みすぎて頭を抱えてしまい、あっという間に制限時間が終わってしまうこともあります。

SPIで高得点を挙げるには、そのような自分の苦手分野を克服するため、重点的に対策する必要があります。

もしも苦手分野の克服に不安を感じる場合は、採用選考にSPIなどの適性検査を取り入れていない企業を受けるのも1つの方法です。

キャリチャンの就活支援サービス「楽スル就活」では、就活に関する総合的なアドバイスだけでなく、SPIなしで受けられる企業の求人も紹介しています。SPI対策をしっかり行うことは大前提ですが、もしダメだった場合に備えて相談だけでもしておきましょう。

企業が難しいSPI試験を実施する2つの目的

企業が難しいSPI試験を実施する2つの目的

前の章を読んだ就活生の中には、なぜ就活でそんな難しい試験をやるのか疑問を感じる人もいるはずです。実際の仕事と学力は関係なさそうなのに、いまさら苦手分野の勉強をしたくないと思う人もいるでしょう。

そのような気持ちを抱えたままだと、SPI対策にも集中できません。対策への決意を固めてもらうために、ここからは企業がSPI試験を実施する目的について解説します。

企業が難しいSPI試験を実施する目的は、以下の2つです。

企業側の目的を理解して、SPI対策への気持ちをあらたにしましょう。

基準に満たない人を足切りするため 

企業が難しいSPI試験を実施する目的の1つは、自社の採用基準に満たない人を足切りするためです。SPIは就活生の社会的な適性やコミュニケーションスキル、論理的思考力などを客観的に評価するためのツールとして利用されています。

基準に満たない従業員が入社すると、企業の効率性や生産性に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、企業はSPIを通じて就活生の基礎的な能力を測り、自社の基準を満たす優れた人材を選別するわけです。

SPIが難しいからこそ得点に差がつき、優れた人材を選別するためのフィルターとして効果的に利用できます。その企業で求められる最低限の基準から外れている人を初めに除外することで、採用選考を効率よく進めようとしているのです。

自社との相性を確かめるため

自社との相性を確かめるのも、企業が難しいSPI試験を実施する目的の1つです。

SPIは就活生一人ひとりの能力だけでなく、どのような作業が向いているか、どのような職場が適するか、どのような働き方に共感できるかといったことを含めた適性を数値として測定します。そのため、企業は学生が自社の文化・価値観にどれだけ適応できるかを判断できるのです。

企業は従業員に協調性や柔軟性、問題解決能力などのスキルを求める一方で、自社が追求する価値観・ミッションに共感し、それに貢献できる人材を求めています。自社の掲げる価値観やミッションに共感できない人は、入社後も同じ方向性で仕事に携わることが難しいでしょう。

SPIはこのような相性を測定する機会となり、企業が戦略的な採用活動を行うことに役立っています。

SPIの試験形式の特徴とそれぞれの難しい点

SPIの試験形式の特徴とそれぞれの難しい点

前述のように、SPIには以下の4つの試験形式があり、どのタイプで受けるかは企業によって異なります。

試験形式が異なると、状況が違うせいで難しい点も異なってくるので注意が必要です。試験形式ごとの難しい点を理解しておくと、それぞれに適切な対策ができるでしょう。

ここでは上記の4つの試験形式の特徴と、それぞれの難しい点について解説します。

テストセンター

SPI試験の中でも一番導入している企業が多いのは、テストセンター形式です。リクルートマネジメントソリューションズ社が運営する専用のテストセンターに出向き、会場に設置されているパソコンで受験する方法と、オンラインで受験する方法があります。

テストセンター形式では、試験中の不正行為や外部からの干渉を最小限に抑えるため、複数人の監督官が就活生の様子を確認することで、公正で信頼性の高い結果を得られるようにしているのが特徴です。

近年はテストセンター形式でもオンライン受験が可能になりましたが、Webテスティングと違って日時が指定され、Webカメラを通して監督官に監視されます。

そのため、テストセンター形式でのSPI試験は予約制です。就活生は事前に試験日時や試験会場を予約する必要があります。

【テストセンター形式の難しい点】

  • 問題ごとにタイムリミットがあり、時間が過ぎると強制的に次の問題に移る
  • 一度次の問題に移ったら、前の問題には戻れない
  • それまでの正答率によって次の問題の難易度が変化する

解答そのものは選択肢から選ぶだけですが、タイムリミットが時計や進捗バーで示されるため、焦らないように慣れておく必要があるでしょう。問題の難易度が変化することについては、『SPIは問題の難易度が変わる|テストセンター高得点の目安』で詳しく説明します。

ペーパーテスティング

新卒の採用選考では、SPIの試験形式として、ペーパーテスティングを指定されることもあります。ペーパーテスティングは紙に印刷された質問や問題が渡され、マークシートに手書きで回答を記入する形式です。

【ペーパーテスティング形式の難しい点】

  • マークシートの記入に時間がかかる
  • 回答欄を見誤る可能性がある
  • 記入する場所を間違えると、その後の問題すべてが不正解になる恐れがある

ペーパーテスティングはオンラインとは異なり、手書きで記載するため、回答に時間がかかるかもしれません。ほかの試験形式より試験時間が長めに取られてはいるものの、慣れていないと余計に時間がかかるため注意が必要です。

ただしマークシートの場合は、自分が答えを記入する箇所をその都度よく確認する必要があります。なぜなら一問でも間違えてしまうとその後の回答欄がすべてズレていき、総崩れになってしまう恐れがあるからです。

マークシートへの回答は大学入試で経験した人もいると思いますが、そうでない人は事前に模擬試験などを受けておくことをオススメします。

Webテスティング

新卒採用では、SPIの試験形式としてWebテスティングを指定されることも多いです。

この形式では、自分の好きな場所と時間でテストを受けられる利便性がありますが、スマホからの受験はできない仕様なので注意しましょう。タブレットからの受験もスペックがかなり限られるため、受験にはパソコンを使用することをオススメします。

【Webテスティング形式の難しい点】

  • 問題ごとにタイムリミットがあり、時間が過ぎると強制的に次の問題に移る
  • 一度次の問題に移ったら、前の問題には戻れない
  • 回答は記述式のため、正確な答えを導き出す必要がある

Webテスティングの場合も、問題ごとにタイムリミットがある点や前の問題に戻れない点はテストセンター形式と同じです。しかしWebテスティングの場合はほかの試験形式と違って、回答は選択式ではなく、記述しなければならない点に注意が必要です。

選択式の場合は与えられた選択肢の中からもっとも近い回答を選べばよいですが、記述式では正確に答えを導き出す必要があります。言語問題では答えに当てはまる言葉を正確に知っている必要がありますし、非言語問題では求められている最小単位まで正確に答えを算出する必要があるわけです。

Webテスティングでは電卓の使用が認められていますが、ボタンの押し間違いなどで計算ミスをしないとも限りません。選択肢がない分、その答えが合っているか間違っているか判断する材料がないのです。

事前に電卓の使用に慣れ、素早く正確に答えを出せるようにしておきましょう。

インハウスCBT

インハウスCBTは、応募先の企業が用意したパソコンで受験する形式です。大抵は面接と同日にSPIを実施するため、別会場ではなく応募先の企業へ訪問し、企業の方が監督する中で試験を行います。

【インハウスCBT形式の難しい点】

  • 問題ごとにタイムリミットがあり、時間が過ぎると強制的に次の問題に移る
  • 一度次の問題に移ったら、前の問題には戻れない
  • 企業の社員が監督しているため、緊張感や圧迫感がある

インハウスCBTの特徴は、企業の社員が監督することで、学生の不正行為を防止しやすいことです。そのため就活生からすると、緊張感や圧迫感を感じて萎縮し、問題に集中できない可能性があります。

ただし、インハウスCBTは企業の負担が大きいため、受験者の多い新卒採用で活用しているところはほとんどありません。受ける可能性の低いインハウスCBTのために、特別な対策を取る必要はないでしょう。

本当に難しい?企業規模別のSPI試験合格ライン

本当に難しい?企業規模別のSPI試験合格ライン

SPIの適性検査は、厳密に「正答率〇〇%なら合格」といったラインが設けられているわけではありません。SPIをどのくらい採用選考の上で考慮するかも、合格ラインをどう設定するかも企業ごとに異なります。

SPIの結果は偏差値として企業へ知らされますが、「偏差値○○以上」という合格ラインの企業もあれば、「応募者の上位○○%」や「採用予定人数の○○倍まで」といった合格ラインを設定する企業もあるわけです。

とはいえ、企業規模別にある程度は合格ラインの傾向があります。その傾向を目安に、どのくらいまでSPI対策の完成度を高める必要があるか目標を設定するとよいでしょう。

ただし、偏差値はほかの受験者との兼ね合いで決まるものなので、模擬試験などを受けないとわかりません。そこでここでは一人で勉強する際の目標にしてもらうために、一般的に必要だと言われているペーパーテスティングの正答率を、企業規模別に紹介しておきます。

近年はテストセンター形式やWebテスティングを指定される方が多いですが、ペーパーテスティングの正答率は、問題集などを使って勉強する際にどの程度まで正答率を高めればよいのか判断する指標となるでしょう。

以下で詳しく説明するので、SPI対策の参考にしてください。

大手企業に入るためには80%以上の正答率が必要

大手企業やメガバンクへの入社を目指す人は、SPIの正答率80%以上を目指すべきです。当たり前ですが大手になればなるほど能力値の高いトップ人材を求めているため、SPIで足切りされる人が多くなります。

財閥系企業では正答率が90%以上必要とも言われているので、第一志望としている人は練習問題などをとことん繰り返し解いて、90%以上の正答率を目指しましょう。

種別 正答率目安
外資系コンサル 90%以上
財閥系含む大手商社5社 80~90%
メガバンク 80%以上
大手出版社 80%以上
民放テレビ局 80%以上

「自分はあんなにボロボロな結果だったのに…」という人は気が遠くなる数字かもしれませんが、大手企業を目指すなら勉強の段階で正答率80%以上はクリアしておきたいです。

現状SPIが難しいと感じている人がいきなり正答率80%以上を目指すことは至難のわざなので、時間をかけて段階的に目標正答率を上げていくようにしましょう。

ただし、大手企業に入るためにはSPIだけでなくES対策や面接対策も重要です。キャリチャンでは大手企業に受かった先輩たちのガクチカをまとめた資料を提供しているので、ぜひ活用してください。

中小企業でも正答率60〜70%が目安

中小企業への入社のボーダーラインとしても、SPI試験の正答率は60〜70%が目安と言われています。平均の正答率が50〜60%と言われているので、中小企業を目指す人でもしっかりと対策しないと落とされてしまう可能性が高いわけです。

なお、一部ですが中小企業の中にはSPIの適性検査自体実施しないところもあります。人柄重視で採用したい方針の企業はSPIやESを飛ばして面接を実施しており、最終面接後に企業独自のテストを実施して採用者を選ぶという採用手法です。

SPIの対策は必ずやっておいた方がよいことは前提ですが、どうしても苦手な人はそういった企業に絞ってエントリーすることも1つの手です。

キャリチャンの就活支援サービス「楽スル就活」では、採用選考にSPIを実施しない企業を紹介しています。SPI試験に自信のない人はぜひ相談してみてください。

平均以下は不合格ライン

先ほど説明したように、SPIの平均正答率は50〜60%です。しかし中小企業でも60%以上の正答率が必要なので、平均で満足していては不合格になってしまう可能性があります。

SPIは理系・文系に関係なくどちらの分野も出題されるため、人並みに勉強して対策をしても、正答率が50%以下で終わってしまうことがあります。そういった人は段階的に目標を設定して、苦手分野の対策を繰り返し行った方がよいです。

「最初の模試では50%、次は60%、その次は70%…」と模試ごとに目標を上げて効果検証を行いながら進めていくとよいでしょう。まずは対策本で苦手分野の復習を繰り返しながら、一定期間ごとに3回くらい模試を受けられるよう、計画的に対策を進めることをオススメします。

SPIは問題の難易度が変わる|テストセンター高得点の目安

SPIは問題の難易度が変わる|テストセンター高得点の目安

テストセンター形式のSPI試験では、それまでの正答率に応じて問題の難易度が変わります。それまでの正答率が高ければ高いほど難しい問題が出題されるようになり、それが偏差値に反映される仕組みです。そのため、出題された問題の難易度で、自分の正答率をおおよそ予測できます。

前述のようにテストセンター形式のSPIは、最新の試験結果を複数の企業へ送付することが可能です。しかし試験の得点は受験者に知らされないため、どの時点で受験をストップして使いまわすのが効果的なのかは、問題の難易度の変化で予想するしかありません。

そこでここからは以下の科目別に、テストセンター形式のSPIで高得点を獲得できている目安となる、問題の難易度の変化について解説します。

もしテストセンター形式のSPIで問題が難しいと感じたら、むしろ高得点を取れている証かもしれません。以下の説明を参考に、高得点を取れているかどうか予想してみてください。

基礎能力検査|言語分野

テストセンター形式によるSPIの言語分野では、以下の3つの問題の出題方法が高得点の目安となります。

  • 長文問題
  • 空欄補充問題
  • 内容一致問題

長文問題は難易度が高い分野なので、通常は1問しか出題されません。しかし正答率が高い場合は2〜3問出題される傾向にあります。「また長文問題だ!」と思ったら面倒だと落胆せず、よい傾向にあることに自信を持ってください。

また、それまでの正答率が高いと、空欄補充問題は入れるべき文字数の指定範囲が広くなり、難易度が上がります。指定範囲が広がるほど当てはまる選択肢が増えるため、それだけ難易度が上がるわけです。

最も難易度が高い問題は、文字数の指定がありません。文字数指定なしの空欄補充問題が多ければ、高得点の可能性が高いと考えてよいでしょう。

そして内容一致問題は、チェックボックス形式の問題が出れば高得点の可能性が高いと考えられています。

チェックボックス形式では、正しい選択肢の全てにチェックを入れないと正答としてみなされないため、消去法が使えません。正しい選択肢を1つだけ選ぶ問題より難易度が高いため、このような問題が出たら、それまでの正答率が高いことが予想されます。

このようにSPIの言語分野では、問題を読む時間や考える時間が必要な設問が多く出題されているほどそれまでの正答率が高く、高得点を獲得できていると考えられます。

基礎能力検査|非言語分野

テストセンター形式によるSPIの非言語分野では、以下の2つの出題パターンで高得点かどうかの把握ができます。

  • 表の読み取り問題
  • 推論の問題

表の読み取り問題で高得点の指標となるのは、小問を管理するタブの数です。1つの大問に対して小問が2タブ形式で出題されるのが一般的ですが、正答率が高いと4タブ形式で出題されることがあります。

2タブ形式よりも4タブ形式の方が小問の数が多く難易度が高いので、高得点が取れている可能性が高いわけです。

そしてテストセンター形式によるSPIの非言語分野では、推論の出題数も高得点の目安となります。推論は非言語分野の中で、最も難易度が高いと言われている問題です。だからこそ、出題数が多いと高得点の可能性が高いと判断できます。

全体の問題数のうち、推論の問題数が半分を占めていれば、かなり高得点を挙げられていると判断してよいでしょう。

なお、数学が苦手な人がとくに注意したいのが、「簡単な問題ばかりだった」と安心しないことです。解きやすい問題ばかり出題されるということは、正答率が低いことの証になります。

過去にテストセンター形式によるSPIや模試を受けた際に思い当たる経験がある場合は、まず簡単な問題を確実に正答できるように、基礎の対策を徹底することをオススメします。

英語能力検査

テストセンター形式によるSPIの英語は、長文問題の出題数が高得点の鍵を握ります。

長文問題は、言語分野の長文問題と同じく難易度が高い問題の1つです。そのため、長文問題の出題数に応じて正答率を推測できます。

4つ以上の長文問題が出題されていれば、高得点の可能性が高いといってよいでしょう。

【高得点となる出題パターンの例】

  1. 単語問題
  2. 並び替え問題
  3. 長文問題
  4. 長文問題
  5. 長文問題
  6. 長文問題

なお、長文問題は例文と設問をじっくり読み込まないと正しい回答ができません。最初の単語や並び替え問題に時間を使ってしまうと、せっかく正答率が高くても時間オーバーになることもあります。長文問題に多くの時間を残せるよう、回答スピードを上げる対策も必要です。

構造的把握力検査

構造的把握力検査は、残念ながら難易度の指標がないため高得点の目安は測れません。なぜなら、回答に応じて問題数が変わるものではないからです。

言語・非言語などの能力検査と違い、構造的把握力は与えられた情報に対して自分なりの観点で物事を捉える力を見る検査です。そのため難易度がなく、誰がどういう回答をしても同じパターンで出題されます。

とはいえ、構造的把握力検査では新しいサービスに対するアイデア力や、未体験の場面に直面したときに即座に対応できる力を見る検査であるため、多くの企業が重視しています。

目安がなくても試験途中で不安にならないよう、問題集や対策本を繰り返してしっかり対策しておきましょう。

難しいSPIを攻略するための5つの勉強法

難しいSPIを攻略するための5つの勉強法

ここからは、「SPIが難しい」と感じる就活生のために、SPIを攻略する勉強法について紹介していきます。

SPIを攻略するためにオススメする勉強法は、以下の5つです。

難しいSPI試験を乗り越えるために、どのような勉強をすればよいのか把握しておきましょう。

問題集を繰り返し解く

難しいSPI試験を攻略する勉強法の1つは、問題集を繰り返し解くことです。問題集を解くことで、SPIの出題スタイルや傾向を理解できます。

SPIは中学~高校で学んだ範囲の知識から出題されますが、出題方法が特殊なので、慣れていないと素早く解答できません。一度挑戦してわからなかった問題は、解答方法を覚える必要があります。

また、問題集を繰り返し解けば、自身の弱点や不足している知識を特定できます。間違えた問題や理解できなかった部分に焦点を当て、不得意な領域を集中的に学習することで、効率的なスキルアップが可能です。

どの問題集も中身はそう違わないので、1冊あれば十分でしょう。自分にとって解説が最もわかりやすそうな問題集を選んで、その1冊を何度もやり込むのがオススメです。問題集の選び方やオススメの問題集については、『自分に合ったSPI対策問題集を選ぶ』で詳しく紹介します。

ツールやアプリを利用する

ツールやアプリを利用するのも、難しいSPI試験を攻略する勉強法の1つです。ツールやアプリは、就活生が効率的かつ効果的に勉強を進めるために役立ちます。

近年は書籍の形態をとった問題集だけでなく、SPI対策の問題を集めたアプリも出ています。スマホで使えるアプリであれば、毎日の通学の中で手軽に勉強することが可能です。

また、SPI本番のパソコン受験と同様の形式で受けられる模擬試験ツールもあります。前述のようにテストセンターやWebテスティングでは1問ずつ制限時間が設けられ、焦りやすいのが難しいところです。

実際の試験と同様の雰囲気で問題に取り組むことにより、残り時間や問題数がどのように表示されるのか、小問のタブをどう切り替えるのかといった細かな点が確認できます。事前に把握しておけば、受験当日の緊張感や焦りを軽減できるはずです。

ツールやアプリを効果的に活用できれば、無駄な時間を過ごすことなく、入念な対策ができるでしょう。

よく使う公式を覚える

公式を覚えるのも、難しいSPI試験を攻略する勉強法の1つです。SPIの非言語分野には数学などの科学的な要素も含まれるため、特定の公式や計算方法を正確に把握する必要があります。

たとえばSPIの非言語分野では、割合や比率、速度・時間・距離の関係、濃度、損益と割引、順列と組み合わせ、確率などの問題が頻出です。これらの公式は問題の解答に直結するため、確実に覚えておかなければなりません。

例)

  • 割合=A/(A+B)
  • 比率 A:B=C:DならばAD=BC
  • 速度×時間=距離
  • 順列 nPr=n(n−1)(n−2)⋯⋯(n−r+1)=n!/(n−r)!
  • 組み合わせ nCr=nPr/r!={n(n−1)(n−2)⋯⋯(n−r+1)}/{r(r−1)⋯⋯3×2×1}

数学などが苦手な就活生でも、繰り返し問題集を解くことで公式を覚えられるでしょう。使うべき公式がすぐにわかれば、素早く計算でき、得点の向上につながるはずです。

本や新聞を読む

本や新聞を読むのも、難しいSPI試験を克服する勉強法の1つです。本や新聞を読むと、長文を読むことに慣れて、問題文を読む速度や読解力が上がります。また、わからない言葉をその都度調べることにより、語彙力の向上も図れるはずです。

できれば本を読む際は小説などの物語より、論評や随筆の方がオススメです。新聞を読む際は本文よりも、社説の部分に目を通すことをオススメします。卒業研究に取り組んでいる最中なら、その関係の論文、とくに研究背景などの説明部分を読み漁るのも悪くないでしょう。

なぜなら、SPIの言語分野や英語能力試験で長文読解問題の題材となるのは、そのような論説形式の文章が多いからです。普段からそうした文章を読むことに慣れておけば、SPI試験の本番でも抵抗なくスムーズに読み進められます。

書籍や新聞は文章理解だけでなく論理的思考力を向上させる助けにもなります。SPI試験では文章から情報を引き出し、論理的に整理して解答するスキルが必要です。

継続的に本や新聞を読むことで、文章の構造や意図を理解しやすくなり、論理的思考力の向上が期待できます。本や新聞を読むのが苦手な場合は、1日10ページでもいいので、毎日目を通すようにしましょう。

模試を受ける

上記4つの勉強法をある程度まで進めたら、定期的に模試を受けるようにしましょう。スケジュールが許す限り、何度か受け続けた方がよいです。

対策本や問題集では、正答率はわかっても実際の偏差値がわかりません。しかし前述のように、実際のSPIの成績は偏差値として企業側の判断材料になります。つまり他の就活生との兼ね合いで合否が左右されるわけです。

そのため、自分の正答率を上げるだけでなく、他の就活生と比べて自分の実力がどれくらいなのか知っておくことも大事です。それを把握できれば、対策の励みになるでしょう。

定期的に模試を受けることで徐々に偏差値を上げられれば、SPIへの自信を付けられ、本番も落ち着いて受験できるようになります。

また、対策方法のコツは次の章で説明しますが、SPIで得点を稼ぐには設問ごとの時間配分と、出題パターンに慣れることが重要です。

テストセンター形式やWebテスティング形式の模試では実際の時間配分で進められるので、次章で紹介する設問ごとの時間配分の設定に慣れることにもつながります。

次章で紹介する出題パターンをつかむ対策をしっかりしていれば、模試でも瞬時に問題のパターンを理解でき、対策の効果を実感できるはずです。

SPIを難しいと感じる人が高得点を狙う対策のコツ

SPIを難しいと感じる人が高得点を狙う対策のコツ

SPIの試験が難しいと感じる人の中には、問題を適当に埋める人もいますが、高得点を出している人はしっかりとSPI対策をしているからこそ結果を得ています。SPIで高得点を挙げるには、前述のような対策が不可欠なのです。

ただし、漠然と対策に取り組んでも効果が薄いでしょう。そのため、ここではSPIで高得点を挙げるために、対策の上で意識すべきコツについて解説します。

具体的な対策のコツは、以下の5つです。

どの分野の対策をする上でも共通して重要なことなので、ぜひ繰り返し行って高得点を狙いましょう。

また、過去のコラムでもSPI試験の対策方法を紹介しているので、ここで紹介する方法と合わせて参考にしてください。

SPI試験の時間配分に慣れる

SPIが難しいと感じている人が高得点を挙げるには、タイトな制限時間に対して耐性をつけるように対策するのがコツです。

SPIの試験はとにかく問題数が多いために、「難しい」と感じる傾向があります。制限時間内に終わらず「半分しか解けなかった」という人も少なくありません。

よくやってしまう失敗事例として、最初の設問に時間をかけすぎてしまうというパターンがあります。テストセンターの試験では、正答率が高ければ後ろに難易度の高い設問がくるので高得点が狙いやすいです。時間がオーバーしてしまうともったいない結果となってしまいます。

そのため、あらかじめ「各設問を何分で解くか」細かく決め、時間配分に気をつけて解くようにしましょう。各分野における1つの設問ごとの適切な解答時間の目安は、下記の表のとおりです。

分野 1つの設問に対する解答時間目安
言語 二語の関係なら20秒、長文は1分
非言語 推論は2分程度、そのほかは30秒
性格検査 7秒程度
英語 1分程度
構造的把握力 単語選択問題は20秒、長文は1分

練習問題を解くときは、上記の時間を解答時間目安として練習してみてください。ストップウォッチやタイマーなどで1つ1つの設問に対して時間を計測しながら、時間内に解けるよう練習することをオススメします。

そのような練習をしておけばテストセンター受験で時計や進捗が表示されていても、焦らず解けるようになるでしょう。

SPI試験の出題パターンをつかむ

SPIが難しいと感じる人が高得点を挙げるには、出題パターンをつかむように意識しながら対策するのもコツです。

SPIで問われる知識そのものは中学~高校で学んだ範囲のものなのですが、出題の形式は公式を当てはめればすぐ解答が導き出せるほど素直な問われ方ではありません。どんな問われ方をしたときにどのように解くのか把握しておらず、その場でどう答えを出すか考えているようだと、タイトな制限時間内に解答できないのです。

出題パターンをつかめば問題を見た瞬間に解法がわかり、素早く解答を導き出せます。前項で説明したように、能力検査の1問あたりにかけられる時間は20秒~1分なので、頻出問題に慣れることは早い段階からやっておきたいです。

出題パターンをつかむためには、対策本や問題集を繰り返し解いて慣れることが大事です。対策本には頻出問題が載っているので、解答方法をしっかり読んで覚えましょう。

問題集は基本的に、1冊に絞って複数回繰り返すのがオススメです。複数の問題集に手をつけてしまうと、それぞれ記載方法が違うので頻出パターンが見えにくくなってしまいます。まずは「これだ!」と思える1冊に出会い、それを反復して解いていくとよいです。

問題集の選び方とオススメの問題集は、『自分に合ったSPI対策問題集を選ぶ』で紹介します。また、キャリチャンでも無料でダウンロードできる簡易的な問題集を用意しているので、出題パターンの参考にしてください。

苦手な問題を分析して練習する

SPIを難しいと感じる人が高得点を狙うには、苦手な問題を分析して練習するのもコツです。苦手な問題を分析すれば、自身の弱点や理解不足な領域を特定できます。

SPIは幅広い分野を対象にするため、自分の苦手な問題を見つけ、対策を講じることが重要です。大きく分けると文系の就活生は非言語分野が、理系の就活生は言語分野が苦手な傾向がありますが、その中でもとくに苦手な問題というのが誰しもあります。

苦手な問題が残っている状態だと、そのぶん正答率が下がってしまい、高得点を挙げることが難しいです。過去の試験問題や模擬試験から自分の苦手な問題を割り出し、その問題を重点的に解いていくことで、徐々にでも克服していきましょう。

間違えた問題や不明瞭な点にフォーカスし、それらをクリアにしていくことが、難しいSPI試験で高得点を獲得するカギです。各分野の対策方法については、『SPIを難しいと感じさせる各分野の対策方法』で紹介します。

自分に合ったSPI対策問題集を選ぶ

SPIが難しいと感じる人が高得点を挙げるには、自分に合った対策問題集を選ぶのもコツです。なぜなら自分に合った問題集を選ばないと、せっかく勉強しても対策効果が薄く、効率が悪いからです。

実をいうとSPIには対象者が異なる複数の種類があり、大規模な改定が行われた複数のバージョンがあります。大卒向けの最新バージョンは「SPI3-U」なので、間違えないようにしましょう。

その上で、SPIの対策問題集を選ぶ際は、以下の3点に注目してください。

  • 最新の発行年のものを選ぶ
  • 苦手分野の問題が多いものを選ぶ
  • 自分にとって解説がわかりやすいものを選ぶ

SPIは、同じSPI3-Uの中でも年々少しずつ改良が加えられ、出題傾向が変化しています。問題集を購入する際は最新の発行年のものを選ぶようにしましょう。

また、前述のようにSPIが難しいと感じている人が高得点を挙げるには、出題パターンに慣れることと苦手分野の克服がポイントになります。そのためには苦手分野の問題をさまざまなパターンで練習できるよう、苦手分野の問題が充実している問題集を選ぶことが大切です。

加えて、自分にとって解説がわかりやすいというのも重要な要素です。たとえば、理系の学生向けに書かれた非言語分野の解説を見ると文系学生には理解が難しく、文系の学生向けに書かれた言語分野の解説を理系学生が見ると難しく感じるでしょう。自分の苦手分野の解説が、丁寧に書かれている問題集を選ぶとよいです。

以下に、SPIが難しいと感じる就活生にオススメのSPI対策問題集を3つ紹介しておきます。

■ 2026最新版 史上最強SPI&テストセンター1700題

2026最新版 史上最強SPI&テストセンター1700題

出典:ナツメ社

推論の問題が充実しています。文系学生が推論に慣れるための一冊としてオススメです。

著者/編集 オフィス海
出版社 ナツメ社
定価 1,540円(税込)
参考 Amazon 楽天ブックス

■ 2026年度版 大手・人気企業突破 SPI3問題集≪完全版≫

2026年度版 大手・人気企業突破 SPI3問題集≪完全版≫

出典:高橋書店

高得点を狙うコツが満載されています。大手企業を目指している人にオススメです。

著者/編集 SPI3対策研究所
出版社 高橋書店
定価 1,540円(税込)
参考 Amazon 楽天ブックス

■ 2026年度版 本気で内定!SPI&テストセンター1200題

2026年度版 本気で内定!SPI&テストセンター1200題

出典:新星出版社

問題数が多く、繰り返しの復習がしやすい問題集です!

著者/編集 ノマド・ワークス
出版社 新星出版社
定価 1,540円(税込)
参考 Amazon 楽天ブックス

毎日SPIに触れる

毎日SPIに触れるのも、SPIを難しいと感じる人が高得点を狙うコツの1つです。日常的にSPIに関連する問題やテスト形式に触れれば、問題に慣れ、徐々に正答率を向上させられます。

SPI試験は広範な分野をカバーしており、その幅広い知識を効果的に吸収するには一度きりの勉強では困難です。短期間に集中的に勉強しても、その記憶は短期間で薄れ、また解けない状態に逆戻りしてしまいます。

しかし毎日少しずつSPIに触れ、コンスタントに学習を進めれば、無理なく全体的な理解を深められます。また、継続的な復習と練習問題による解答方法の実践を繰り返すことで、知識が定着し、応用力も高められるはずです。

落ち着いて勉強する時間が確保できない日は、通学電車やバスの中で参考書を読むだけでも復習になります。スマートフォンにアプリを入れて、毎日少しずつ解き進めるのもオススメです。

SPIを難しいと感じさせる各分野の対策方法

SPIを難しいと感じさせる各分野の対策方法

どの就活生にも、苦手分野はあるものです。それこそが、SPIが難しいと感じる原因になっている就活生も多いでしょう。

しかし採用選考を通過するにはSPIの高い正答率が必要なため、難しいからといって苦手分野をそのままにはできません。苦手分野の克服こそが、高得点をあげるカギなのです。

そこで、ここからは以下の各分野のSPI対策方法について説明します。

とくに苦手とする分野については対策方法を理解した上で、対策本や問題集などで何度も繰り返して練習してください。

基礎能力検査|言語分野の出題傾向と対策

SPIの言語分野では、以下のような問題がよく出ます。

  • 二語の関係
  • 空欄補充問題
  • 語句の意味
  • 文の並び替え
  • 文節の並び替え
  • 熟語の成り立ち
  • 長文読解

これらの対策としては、以下の2つを意識しましょう。

■ 語彙力を増やす

言語分野の対策としてまずやっておきたいのが、語彙力を増やすことです。言語分野は文字通り言葉や文章について問われる試験なので、語彙力の基礎ができていないと、いくら難しい問題集を繰り返しても解説を理解するまでに時間がかかります。

語彙力を養うためには、新聞を読んでみることをオススメします。とくに経済系の新聞ではSPI試験で出てくる単語と共通している単語が多いので、わからない単語があればすぐ調べるなどして語彙を増やしましょう。

■ 出題パターンに慣れる

言語分野の対策では、SPIの出題パターンに慣れるために問題集を繰り返し解いて練習することをオススメします。問題集については、難易度ごとに勉強する科目の順番を変えるとよいです。

たとえば、まずは比較的簡単な「二語の関係」「語句の意味」「熟語の成り立ち」を繰り返し練習します。「空欄補充問題」は難易度が低い問題と高い問題があるので、徐々に鳴らしていくとよいでしょう。

そして、難易度が高い「文の並び替え」「文節の並び替え」「長文読解」の順番で繰り返していき、解答方法に慣れるようにします。

もちろん、この中で苦手分野とする科目があった場合は、そこを重点的に復習するようにしてください。「比較的楽な科目は3割:苦手科目は7割復習する」など、自分の中でルールを決めて復習をするとよいです。

基礎能力検査|非言語分野の出題傾向と対策

SPIの非言語分野では、以下のような問題がよく出題されます。

  • 推論
  • 料金
  • 損益
  • 順列・組み合わせ(場合の数)
  • 割合と比
  • 仕事算
  • 集合
  • 代金清算
  • 速度算
  • 特殊算
  • 分割払い
  • 濃度算
  • 通過算
  • 流水算

これらの対策としては、以下の2つを意識しましょう。

■ 制限時間内に解けるように練習する

非言語は時間配分がタイトなので、模試などを繰り返してとにかく制限時間に慣れることを優先して対策をしましょう。設問ごとに解答時間の目標を設定したら、まずは問題集などを用いて1問ずつの目標時間内に正答することを目標に練習してください。

最初は1つの設問でも大幅な時間がかかってしまうと思うので、目標時間を徐々に短くしていくことをオススメします。たとえば、「1回目の設問は20秒、2回目の設問は15秒、3回目の設問は10秒…」と問題集の設問を続けるたびに秒数をどんどん縮めていくというやり方です。時間は慣れなので、これを繰り返して慣れていきましょう。

■ 難しい問題は情報を図式化する

SPIの非言語分野で難しい問題を素早く解くには、情報を図式化することがポイントになります。

とくに難しい推論については問題文を理解するのに時間がかかるので、解答時間を効率化できるように工夫が必要なので、文章で記載している情報を図式化する方法がオススメです。

推論の設問は長いため、何度も読み込んでしまう傾向にあります。文字情報を図に変換すれば、頭にスッと入ってくるはずです。

情報の図式化は、集合などの問題でも威力を発揮します。推論以外の問題でも、難しいと感じたら図に書き起こしてみるとよいです。

英語能力検査の出題傾向と対策

SPIの英語能力検査では、以下のような問題が出題されます。

  • 同意語・反意語
  • 空欄補充
  • 英英辞典
  • 誤文訂正
  • 和文英訳
  • 長文読解

英語は高校卒業以上のレベルで出題されますが、4年近く前に学んだことは頭から抜けている人も多く、難しいと感じる人が多い分野です。外資系企業はSPI英語能力検査の偏差値を重視した合格ラインを定める傾向があるので、外資狙いの人は重点的に対策しましょう。

英語能力検査では、以下の2つを中心に対策するとよいです。

■ 長文読解の対策を重点的に

SPI英語能力検査の中でも、とくに難しいのが長文読解です。設問の意図を瞬時に理解することが正答率を上げるポイントになります。

コツとしては、まず最初に長文をざっとみて、わかる単語をピックアップします。そうすると、長文でも何について語っているのかが頭に入ってくるので、設問を理解するときに楽です。

慣れてきたら設問文から先に読むと時短につながります。設問は一文で問われているので、内容を把握するのは簡単です。問いが把握できれば、あとはそれに合う答えを長文から探すだけになるので、解答時間が短縮できます。

■ 基礎的な語彙力を固める

SPIの英語能力検査で出てくる単語問題については、中学〜高校レベルで比較的簡単です。しかしそれゆえにケアレスミスが増えることも予想されます。基礎の単語を暗記したりなど、中学や高校受験で経験したような暗記方法でやってみるとよいです。

最近ではスマートフォンのアプリで英単語の練習をゲーム感覚でできるものもあるので、そういったものを活用するのもオススメです。ただし、使うアプリはSPIや高校英語に特化したものを選んでください。

構造的把握力検査の出題傾向と対策

構造的把握力は、物事の本質をとらえるスキルをみるテストです。物事の全体を把握する力と、それをさらに分類分けして精査する力が試されます。設問の意図をしっかり理解する必要があるので、起承転結からしっかり把握できるようにしましょう。

また、構造的把握力検査は言語系と非言語系の設問に分かれます。

■ 言語系の問題

構造的把握力の言語系問題では、文章の関係性を分類するような問題がよく出ます。たとえば同じ「〇〇したが、××だった」という構造の文章でも、「傘を持って行ったが、晴れていた」は逆接ですが、「新しくできたカフェに行ったが、とても良い雰囲気だった」という文章は順接です。

そのように一見すると同じような構造になっている文章が複数提示されて、その関係性をグループ分けするわけです。

これに慣れるためには、前後の文章のつながりを意識して、「逆接・順接」「主観・客観」「推測・断定」のようにとらえる癖をつけることが重要です。何度も例題を解いて、パターンを把握しましょう。

■ 非言語系の問題

構造的把握力の非言語系問題では、何かを求めさせる数学の文章題が複数提示され、解法が同じ文章題を分類するような問題がよく出ます。

構造的把握力の非言語系問題への対策としては、出題のパターンをカテゴライズできるように慣れておきましょう。問われている問題文の中に含まれる「合わせて」「合計」「その差は」「どれだけ」「何%」の言葉のどれに該当するのかをパターン化するとよいです。

ただし、同じものを求めさせる文章題でも、与えられている要素の違いによって、計算過程が異なる場合があります。問題集を繰り返しとくことで、それらを素早く見抜く能力を養いましょう。

【試験当日】難しいSPIの得点を伸ばすために意識すべきこと

【試験当日】難しいSPIの得点を伸ばすために意識すべきこと

ここまではSPIの難しさや対策方法について説明してきましたが、より得点を伸ばすために、試験当日の解答方法にも意識すべきことがあります。

SPIの試験当日に意識すべきポイントは以下の3つです。

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

得意な問題は素早く確実に正答する

難しいSPIの得点を可能な限り伸ばすには、得意な問題を素早く確実に正答することが大切です。自分が得意とする分野や問題タイプで時間を短縮できれば、より難しい問題に多くの時間を割け、得点を伸ばすことにつながります。

ただし、いくら素早く解いても間違っていたのでは意味がありません。とくにテストセンター形式の場合は正解・不正解で次の問題の難易度が変わるため、不正解だと同じような簡単な問題ばかり出題され、偏差値が上がらなくなってしまいます。

テストセンター形式では得意な問題を素早くかつ確実に正答することでこそ、難易度の高い問題が出題されるようになり、スコアを伸ばせるのです。

ペーパーテスティング形式においても同様に、得意な問題を早く確実に正答することは重要です。ペーパーテスティング形式の場合は取り掛かる順番を自分で決められるので、得意な問題から先に解くといった戦略を取ってもよいでしょう。

とはいえ、飛ばし飛ばしに問題を解いていくと、マークシートの記入欄を見誤るリスクが増大するので注意してください。

メモを活用する

メモを活用するのも、難しいSPI得点を伸ばすために意識すべき点の1つです。メモを取ると、試験中に自分の考えや戦略を整理し、問題に対する洞察を深めるのに役立ちます。

複雑な問題は頭の中で考えを整理することが難しいですが、メモを活用して図式化すれば、視覚的にわかりやすくなります。これにより、冷静かつ構造的に考えられ、解答に向けた効果的な戦略を見つけられるでしょう。

計算も、実際に書き出して行った方が、解答までの過程を視覚的に確認でき、ケアレスミスが少なくなります。

メモの活用は、情報の可視化を通じて考えを整理するのに役立ち、時間の制約下でも効果的かつ確実に問題に対処する手助けとなるでしょう。

悩んでもわからない問題はあきらめる

難しいSPIの得点を伸ばすには、問題を素早く把握し、悩んでもわからない問題はあきらめて次に進むといった判断を下すのも必要な手段です。

テストセンター形式にせよペーパーテスティング形式にせよ、SPIの試験時間は非常に短いので、時間を効率的に使う必要があります。悩み続けることで時間を浪費し、他の問題に適切な対応ができなくなるくらいなら、解ける問題に時間をかけた方が得策です。

また、試験中に無理に問題に取り組むことで焦りや不安が募り、全体的な冷静さを失うことがあります。悩んで理解が難しい問題に遭遇した場合は、いつまでも悩まずに次に進んだ方がストレスが少ないです。

自分にとって難しすぎると感じたら、潔くあきらめて何かしらの解答を記入し、次の問題に進みましょう。次回のSPIのためにどのようなパターンの問題だったか記憶しておき、試験後に練習を重ねて対策することをオススメします。

難しいSPIを克服するには反復練習による慣れが重要

色々な対策方法を紹介しましたが、どの分野でも繰り返し練習して慣れることが、難しいSPIを克服する鍵です。

時間配分や出題パターンに慣れるには繰り返し練習していくことが重要なので、全部の分野を同時に進めていくとかなり労力が要ります。まずは苦手分野を中心につぶしていって、優先順位を決めながら対策本や問題集を解いていきましょう。

なお、万が一SPIの難しさを克服できずに就活が難航する場合は、採用選考にSPI試験を実施しない企業にもエントリーしておくことをオススメします。「どうしても克服しなければならない」という意識で取り組んでいると、精神的に追い込まれてよくないです。

SPI試験を実施しない企業の中にも、あなたの希望に合った企業があるかもしれません。あまり自分を追い込まずに、広い視野で就活をするようにしましょう。

キャリチャンの就活支援サービス「楽スル就活」でも、SPIなしで受けられる企業を紹介できます。SPI対策に不安を感じている人は、ぜひ相談してください。

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この記事の監修者

監修者:岡田章吾

岡田 章吾

株式会社ジールコミュニケーションズ 
HR事業部マネージャー

2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。

就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。

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