資格なしは就活で不利になるのか?真相と資格がない場合の就活法について解説

 2023年9月8日

就活もかなり本格化しているけど、履歴書の資格欄はちゃんと記入できていますか?

キャリアプランナー 岡田

就活生 Aさん

実はこれといった資格がなくて……やっぱり資格がないとダメでしょうか?

確かに大学で自発的に取り組まないと「資格なし」となる場合も多いですね。しかし、実は資格がなくても絶対に不利ということはないんですよ。

キャリアプランナー 岡田

就活生 Aさん

でも、やっぱり空欄になるのは気になっちゃいます。今から資格を取ろうとしても手遅れでしょうか?

それでは、このコラムでは「資格なし」について企業のとらえ方や対処法を紹介するので、一緒に確認していきましょう。

キャリアプランナー 岡田

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就活で資格なしは不利になるのか?

就活で資格なしは不利になるのか?

仕事の実績を持たない新卒の就活生にとって、資格は唯一自分の能力を客観的に証明する手段ですから、それがないことに不安を抱く気持ちはよく分かります。履歴書の資格欄が空白になってしまうのも、何となく引け目を感じるものですよね。

ここまでの就活が上手くいっていない人は特に、「資格なしだから書類選考を通過できないの?」などと、資格がないことが不利になっていると思っているかもしれません。コラムの初めに、まずは”資格なし”ということが就活でそんなに不利なのか、その真相について解説していきます。

不利になるということはない!

結論から言うと、新卒の就活において”資格なし”という事実は、それほど不利になる要素ではないです。ほとんどの企業では採用条件として資格取得を求められているわけではないので、履歴書の資格欄に記載がなくても、それが理由で特別不利になるということはありません。

確かに、履歴書に記載された資格が直接仕事で役立つスキルであれば、企業にとっては即戦力になる人物として魅力的には見えるはずです。そのため自分の持つ資格と就活の方向性がフィットしていれば、資格が就活における自分の武器となり得るのも事実ではあります。

しかし採用条件として求められていない以上、どの企業でも「絶対に資格が必要」というわけではないのです。大多数の企業において資格は、あればあったで魅力の1つにはなるけれど、あくまでその就活生の採用価値を判断するための+αの加点だと言えます。

履歴書の資格欄が”なし”の状態だからといって減点になるわけではないですから、現在何も資格を持っていないとしても、特に引け目を感じることはないです。資格以外でも、志望企業に自分を採用する価値をアピールする術はたくさんありますので、気にしないでください。

しかし、履歴書の資格欄の空白を不安に感じる人は少なくありません。「資格なし」での就活の悩みを解消したい場合、キャリチャンが開催する「就活相談サポート」の活用をぜひ検討してください。無料であなたの悩みをプロのキャリアアドバイザーに相談できます。

業界や企業によっては取得必須の場合もある

ほとんどの企業では資格なしだからといって不利になることはありませんが、一部の業界・企業の選考では、資格取得が必須の場合もあります。

    【例】

  • 商社:TOEIC、日商簿記検定
  • 金融:日商簿記検定、FP(ファイナンシャルプランニング)技能検定
  • 不動産:宅建(宅地建物取引士)
  • 航空:TOEIC
  • 接客業:秘書技能検定、TOEIC
  • コンサル:MBA

商社、航空、外資系ホテルなどで必須となる「TOEIC」は、一般的な資格と違って英会話力のレベルを点数で表すものです。聞き取り読み取りを中心としたListening & Reading Testと発信を中心としたSpeaking & Writing Testがありますが、資格として評価されるのは概ねL&R600点以上でしょう。

大手商社、キャビンアテンダント、外資・高級ホテルなどの一部接客業では、エントリーの最低条件としてTOEIC(L&R)600点以上を指定されることが多いです。また商社や金融業界で指定されることの多い「日商簿記検定」は、日々の会計を記録・分析する簿記の能力を示す資格で、経理や取引先の経営状態を評価するのに必要となります。

金融業界ではその他にも、資金計画や資産運用などを学べる「FP(ファイナンシャルプランニング)技能検定」の資格が求められることが多いです。「宅建(宅地建物取引士)」は、土地・建物の取引関わる法律の専門家であることを証明する国家資格で、不動産業界では大抵必須となります。

「秘書技能検定」は、人に与える印象の良さ・感じの良さを表す資格で、秘書でなくても外資・高級ホテルなど一部の接客業で指定されることもあるので注意が必要です。加えて、資格ではありませんがコンサル系の企業では、経営学の修士号である「MBA」が必須となる場合もあります。

同様に理科系の研究開発職では、最先端の研究を行うための基礎知識として、関連分野の修士号または博士号が必須となることも少なくありません。ほとんどの業界・企業では資格なしでも不利にはならないのですが、上記のように一部には資格なしだと難しい場合もあるということは頭に入れておいてください。

資格なしの人の履歴書の書き方

資格なしの人の履歴書の書き方

先程も述べたように一部の業界・企業を除いて資格なしの状態は不利にはなりませんが、履歴書の中に空欄があるのは良くないので、資格欄には何かしら記載しなければなりません。しかし、今のところ資格欄に書ける資格を持っていないわけですから、どう記載したらよいか分からない就活生が多いと思います。

そこで以下には、単純に資格なし(勉強中の資格すら何もない)の場合と、資格取得中の場合に分け、履歴書の書き方について説明しますので参考にしてください。

資格なしの場合

取得済みの資格も取得中の資格も何もなしの場合、履歴書の資格欄には「特になし」と記載してOKです。完全に資格なしの状態をそのまま履歴書に記載するのは気が引けるかもしれませんが、嘘を書いてもその資格に関する知識がないことは、仕事を始めれば一目瞭然となります。

入社後に履歴書の嘘がバレると懲戒解雇や損害賠償請求の対象になるので、持ってもいない資格、勉強してもいない資格を記載してはいけません。全く資格なしなら、その旨を正直に記載するべきです。

資格取得中の場合

まだ実際に取得できてはいないものの、資格取得に向けて具体的に取り組んでいる場合、履歴書の資格欄には「〇〇取得に向けて勉強中」「○○取得中 〇月〇日取得予定」などと記載してください。取得済みの資格はないので上記と同様「特になし」と書いても問題はないですが、それでは何の記憶にも残りません。

せっかく資格取得に向けて勉強しているのなら、向上心をアピールするために取得中である旨を記載した方が良いです。ただし取得中と記載した場合には必ず面接時にそのことを聞かれますので、なぜ取得しようとしているのかという目的や、取得のための過程などをハッキリ答えられるようにしておきましょう。

そこをきちんと答えられないと、「嘘ついてる?」「他の業界を目指してる?」「無意味に空欄を埋めようとしている?」などと要らぬ誤解を与えかねませんので注意が必要です。

資格なしでも自分をアピールする方法

資格なしでも自分をアピールする方法

初めにも述べたように、たとえ資格なしでも志望企業に自分の価値をアピールする方法は色々あります。一部の業界・企業を除けば、ほとんどの採用選考で資格は必須ではありません。もしもこれまでの就活が上手くおらず「資格なしだからダメなのか?」と悩んでいるとしたら、それ以前にまず資格以外の部分できちんと自分には採用する価値があるとアピールできていたのか見直すべきです。

ここからは資格なしでも上手に自分をアピールする方法を紹介しますので、それを踏まえてこれまでの就活を振り、今後の就活を成功させるための参考にしてください。

資格以外の自分の魅力を伝える

資格なしでも上手に自分の価値をアピールするには、資格以外の自分の魅力を志望企業にしっかり伝えることが大事です。くり返し述べているように、ほとんどの企業選考において資格は必須ではなく、あくまで就活生の採用価値を判断するための魅力の1つに過ぎません。

その魅力の1つである資格を持っていないのならば、他の魅力で自分の価値をアピールすればいいわけです。多くの企業では採用選考において、その就活生が自社の仕事で必要となる能力を持っているか、企業風土に馴染めるか、一生懸命働いてくれそうかといった部分を重視しています。

ですから資格なしの就活生は、自分の強み・人柄・熱意の強さなどで企業に自分の魅力を伝えましょう。ただし、企業受けを考えるあまり自分の持ってもいない強み・人柄を語っても信憑性がないですし、逆に企業が魅力的だと感じない強み・人柄を語ってもまるで意味がないです。

強みや人柄から自分の魅力を伝えるには、本当に自分の持っている強み・人柄の中で、なおかつその企業が魅力的だと感じるものを提示する必要があります。そのためにまずは自己分析や企業研究を行い、自分の持っている強み・人柄と、企業の求める強み・人柄を正確に把握してください。

企業の求める強みや人柄を、自分が持っているとアピールしてこそ、その企業にとって魅力的な就活生に見えるのです。しかし実際にはその強みや人柄を持っていなくても「持っています」と述べることは可能なので、アピールの信憑性を高めるには、裏付けとなるエピソードが必要になります。

自己分析をしっかり行い、その強みや人柄を確かに自分が持っていると証明するためのエピソードを明確にしておくことが大切です。また熱意の強さは、業界・企業研究を徹底的に行って企業理解を深め、その企業の実情に則した将来像を語ることで伝えられます。

自分の魅力をしっかり伝える練習をしたい人は、キャリチャンの「就活相談サポート」を利用してみませんか?就活のプロであるキャリアアドバイザーに自己分析に関する相談をできます。スマホから無料で相談できるので、ぜひ詳細を確認してくださいね。

資格がなくても企業に貢献できることを伝える

資格なしでも上手に自分をアピールするために重要なことは、資格がなくても自分が企業に貢献できると伝えることです。そもそも企業にとって資格が魅力的に見えるのは、”有資格者”という肩書のためではありません。

その資格を取るために必要となった就活生の知識や向上心、努力する姿勢といったものが仕事で活かされ、会社の即戦力として貢献してくれそうだと期待するからです。ですから資格がないのなら、別の方法で自分も戦力として会社に貢献できることを伝えれば、採用する価値があるとアピールできます。

資格なしの就活生が可能な「別の方法」とは、自分の持っている強みを仕事に活かすことです。ただし、たとえ就活生がその仕事で必要な強みを持っていたとしても、具体的にどう活かすのか知らなければ戦力にはならないでしょう。

「その強みを持っています」と述べるだけでは、企業も就活生の活躍をイメージできず、アピールとしては不十分です。資格以外から自分をアピールするには、その強みがどのように仕事へ活かせるのか、どんな戦力として会社に貢献するのか、活躍のイメージを具体的に語ることが大切になります。

その活躍のイメージがより企業の実情に則した具体的なものであり、求められている人物像に近いほど、自分がその企業にとって必要な人材だとアピールできるのです。それは同時に企業理解の深さを示すことにもなり、熱意もアピールできます。そのためにも企業研究をしっかり行い、その企業が求める人物像を正確に把握したうえで、強みの活かし方を伝えてください。

資格取得中の場合はその過程をアピールする

履歴書の書き方でも述べましたが、今はまだ資格がなくても取得中の場合には、その過程を伝えてアピールすると良いです。前述のように企業が魅力を感じるのは”有資格者”という肩書でなく、資格取得のため身に付けた知識や自分を高めようとする向上心、努力する姿勢などですから、取得中でも十分アピールになります。

企業の面接は履歴書やESをもとにして行われるため、履歴書に「○○取得に向けて勉強中」などと記載されていれば、面接官は興味を引かれて質問してくる可能性が高いです。そこで資格取得の目的やその過程について詳しく説明できれば、確かに取得中だと証明できますし、向上心や努力する姿勢をアピールできます。

まずは素朴な疑問として「なぜこの資格を目指しているの?」などと聞かれると予想されますので、その目的をしっかりと語れるようにしておきましょう。漠然と肩書を得ようとしているのでなく、きちんと目的を持って資格取得を目指していると説明することで、自分の考えに基づき自発的に行動できる人物だと示せます。

その上でその資格を取得するために、どれくらいの時間を費やしているのか、どのように勉強しているのかなど、具体的な努力の過程を伝えてください。それが実際に自分が努力しているという証明になり、仕事の中でも同様に努力してくれるだろうと、面接官に想像させることができます。もしもそれが志望企業の仕事に直結する資格ならなおさら、働く意欲や熱意もアピールでき、結果として仕事への適性を示すことにもつながるはずです。

今からでも取得できる&取得すべき資格

今からでも取得できる&取得すべき資格

資格なしでも就活に問題はありませんが、あればあったで1つの武器にはなります。それに就活中に間に合わず取得中だったとしても、そこそこアピールにはなりますから、今から資格取得を目指してみるというのも良いでしょう。

ただし資格を取得するには勉強に時間を割かなければならないので、その分就活や卒論にかける時間が圧迫されることになります。その努力を無駄にしないためには、確実に取得できそうなもの、確実に企業へのアピールになりそうなものを選びたいところですよね。

そこでここからは、就活に忙しい中でも比較的取得しやすい資格と、取得は難しいけれど役立つ資格について紹介します。

今からでも取得できる資格

比較的取得しやすく、今からでも就活に間に合いそうな資格としては、TOEIC(L&R)600点、FP3級、日商簿記検定3級、MOS(Word、Excel、PowerPoint)などがオススメです。

    【TOEIC Listening & Reading Test】

  • TOEICは英語によるコミュニケーション能力を測るテストで、中でもListening & Reading Testは聞き取りと読み取りに特化し、5~990点のスコアで能力が表されます。

  • 他の資格と違って合否は存在しないため、受ければ何かしら資格欄に記載できるわけです。ただし、大卒の平均的なスコアは400点程度だと言われています。履歴書に400点以下のスコアを記載するのは英語が苦手だと宣伝するようなもので、逆効果となりますので注意してください。

  • 一般的に資格として認知されているのは600点以上で、もともと割と英語が得意な人なら少し勉強すれば夢ではないスコアです。今から短期間に取得を目指すなら、600点越えを目標にすることをオススメします。それ未満だと資格としてのアピール効果はほとんどないので、惜しくも届かなかった場合には努力中だと説明すれば良いでしょう。

    【FP(ファイナンシャルプランニング)技能検定】

  • そもそもファイナンシャルプランナーとは、資産に関する情報を収集・分析し、貯蓄、投資、保険、税制、不動産、相続・事業承継等についてアドバイスを行う専門家です。FP技能検定はそのFPの能力を証明する国家検定で、1~3級のレベルがあります。

  • 一般的に資格としてのアピール効果があるのは2級以上ですが、今から取得を目指すならFP3級がオススメです。2級試験を受けるにはその前に3級に合格するか、1カ月以上かかる長い研修を受けるか、2年以上の実務経験を踏むかといった受験資格が定められているため、誰でも受けられるわけではありません。

  • FP3級は合格率が8割以上と高く、一ヶ月程度の勉強で取得可能です。そのためそれ自体に資格としてのアピール効果は低いですが、在学中に3級を取得しておけば長期の研修や実務経験なしに、すぐにも2級に挑戦可能な状態になります。就活中に入社後のポテンシャルを示すのには役立つはずです。

    【日商簿記検定】

  • 日商簿記検定は、日々の経営活動を記録・分析して経営成績や財務状態を明らかにする簿記の技能を表す検定で、1級、2級、3級、簿記初級、原価計算初級の5種類の資格があります。

  • 経理など財務・会計の専門部署では2級以上が望ましいですが、就活生が今から取得を目指すなら3級がオススメです。3級では経営や財務の基礎を学べるため、取得すれば商社、金融、小売、サービスなど幅広い業界において、経済活動の基礎知識があることをアピールできます。

  • ネット会場で頻繁に試験が実施されていますし、50~100時間程度の勉強で取得可能だと言われていますから、今からでも就活に間に合うでしょう。

    【MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)】

  • MOSは、Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlookの5つのマイクロソフトオフィス製品について、それぞれの利用スキルを証明する資格です。WordとExcelのみ、スペシャリスト(一般)とエキスパート(上級)の2種類のレベルがあります。

  • 今や事務職でなくても、これら5つのマイクロソフト製品を全く使わない仕事の方が少ないくらいです。どんな職種や業界を志望するにせよ、あって邪魔になる資格ではないと言えるでしょう。

  • 大学4年生なら卒論やレポート作成のため日常的にWord、Excelを利用しているはずですし、研究発表などでPowerPointを利用している就活生もいると思います。その程度使用に慣れていれば、一ヶ月もあればWord、Excel、PowerPointのスペシャリストのうち1つ以上は十分取得可能です。

    【ITパスポート】

  • ITに関する基礎的な知識が証明できる国家資格で、情報処理技術者の最も基本的なレベルとされています。基本的なIT技術と情報セキュリティなどについて学ぶことのできる資格です。

  • システムエンジニアなどITの専門職を志望する場合には、ITパスポートだけでは有力なアピールにはなりません。しかしそれ以外にも、ITの基礎知識を必要とする仕事はたくさんあります。比較的取得が容易なので、就活中の取得を目指すことも可能です。

    【普通自動車第一種運転免許】

  • 一般的な四輪自動車の運転免許で、オートマチック車限定の免許と、マニュアル車も運転できる免許の2種類があります。

  • 取得するのに長い教習を必要とするため、社会人になってからでは取得が難しい資格です。営業職などでは、卒業までの免許取得を必須としている企業も少なくありません。

  • 時間はかかりますが、教習所に通えば誰でも取得できます。長期休みなどを利用して合宿に参加すれば、2~3週間で取得することも可能です。

上記の資格はいずれもその分野の基礎知識を証明するものであり、それ自体が高い能力を示せるようなものではありません。しかし比較的取得が容易で、向上心やその分野への関心、入社後のポテンシャルを就活でアピールするのには役立つでしょう。

難しいけど、取得すれば役立つ資格

取得が難しく、時間はかかるものの、取得すれば非常に役立つ資格についても紹介しておきます。今から勉強を始めても就活には間に合いませんが、自分が志望する業界でどんな資格が役に立つのか、資格取得を目指す上での参考にしてください。

    【FP(ファイナンシャルプランニング)技能検定 2級以上】

  • 前述のように、FPは資産管理に関するアドバイザーの能力を示すことができます。2級以上は受験資格が必要なため今から始めても就活中の取得は難しいですが、金融業界を志望するならぜひ学んでおきたい資格です。

  • まずは3級を取得しておいて、2級以上を目指して勉強中であるとアピールするのが妥当でしょう。

    【宅建(宅地建物取引士)】

  • 宅建とは、不動産取引を行う専門家として定められている国家資格です。宅地建物取引業法はもちろん、不動産取引に伴う訴訟や権利、査定などに関する幅広い知識を習得することができます。

  • 取得に時間はかかりますが、不動産取引を行う事務所では必ず一定数の有資格者をおくことが義務付けられているので、不動産業界を志望するならぜひ取得したい資格です。その他、建築業界や金融業界でも査定に関する知識が役に立ちます。

    【社会保険労務士】

  • 社会保険労務士は、社会保険や労働問題、公的年金関連の法律の専門家として定められた国家資格です。

  • 合格率は6%程度で、やや取得が難しい資格だと言えます。しかしどんな業界においても人事総務部門では必ず必要になる資格なので、取得できれば強力な武器となることは間違いありません。

    【日商簿記検定 2級以上】

  • 前述のように簿記検定は、会計書類などを読み解き、企業の経営状態を分析するスキルを証明する資格です。

  • 経理や財務などの専門的な職種を志望するなら、2級以上を持っていれば有利になります。今から就活に間に合わせるのは難しいので、勉強中であることをアピールしてください。

    【TOEIC Listening & Reading Test 700点以上】

  • 前述のようにTOEICは、英語によるコミュニケーション能力を測るテストです。一般的に資格として認知されているのは600点以上で、英会話力を必要とする職種の多くが、600点以上をエントリーの最低条件にしています。

  • しかし実際に外資や商社の国際部門、フライトアテンダントなど日常的に英語を使用する職種で英語力をアピールするなら、700点以上は欲しいところです。一部の外資系企業では、800点以上の取得を社員全員に求めている企業もあります。

    【基本情報技術者】

  • 基本情報技術者とは、ITの基礎とプログラミングに関する知識を証明できる国家資格です。経済産業省の定める情報処理技術者レベル2に相当し、ITパスポートより1つ上の資格になります。

  • 資格取得にはプログラミング言語やアルゴリズムなど、ITの利用だけでなく開発するための知識が必要です。プログラマーからシステムエンジニアへの登竜門と言われ、システム開発の分野では必須としている企業もあります。

上記で紹介したのは、いずれも取得の難易度は高いものの、様々な場面で役立つ強みとなる資格です。今から勉強を始めて就活に間に合わせるのは無理ですが、資格取得に向けて勉強していることはアピールになるでしょう。

おわりに

ほとんどの企業では資格を必須としていないので、現在資格なしでも就活の上で特別不利になることはありません。就活において企業が求めているのは資格そのものではなく自社に貢献できる人材ですから、資格以外の部分でも、自分を採用する価値をアピールする方法はたくさんあります。

ただし自分の持つ資格と就活の方向性がマッチしていれば、自分の魅力の1つとしてアピールできる武器となり得るのも確かです。資格なしで就活に挑む人は他の就活生に差をつけられないよう、資格以外の部分で自分の良さをアピールするための対策を、万全に行いましょう。

しかし資格なしでの就活がそれほど不利ではないと聞いても、やっぱり不安だという人もいますよね。逆に資格なしが問題じゃないなら、これまでの就活がなぜ上手くいかないのか分からないという人もいるはずです。

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この記事の監修者

監修者:岡田章吾

岡田 章吾

株式会社ジールコミュニケーションズ 
HR事業部マネージャー

2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。

就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。

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