【医療業界を目指す就活生のための業界研究】受かるための秘訣教えます
2023年3月23日
医療業界の内定を目指しているのですか?これから成長が見込め、需要も高いので医療業界は人気の就職先ですよね。
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
そうなんです!でも、人気なので、倍率が高くて……。安定した業界で、収入も高いからどうしても内定が欲しいんです。
確かに人気の業界はライバルの質も高く、不安になるかもしれませんね。
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
どうすれば希望する業界の企業から内定がもらえますか?
大丈夫ですよ。このコラムでは医療業界から内定を獲得する秘訣を紹介します。 さらに詳しい仕事内容や業界の実態、働くメリットも解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
キャリアプランナー 岡田
目次
医療業界の仕事内容と業界の実態
「医療業界」と聞いて、誰もがまず最初に連想するのは医者の姿でしょう。風邪を引いたりケガをしたりといった際お世話になる身近な存在でありながら、一方で人命を預かる責任の重い仕事であり、医学部を卒業しないとなれない高度な専門職であって、自分とは縁遠い職業だと感じる就活生もいると思います。ただし医療業界は何も、医学部の学生だけが目指す業界ではありません。
一口に医療業界と言っても、医者だけでなく様々な業種・職種が存在し、それぞれが違った形で医療に携わっています。大学受験の際に医学部を選ばなかったからと言って、医療に関わる仕事全てを諦めてしまう必要はないわけです。とはいえ、具体的にどんな業界なのかを知らないと、目指すも目指さないも決められませんよね。
そこでコラムの初めに、医療業界の業種・職種と仕事内容について解説します。今後の医療業界の動向についても説明しますので、しっかりチェックしておいてください。
様々な医療業界と仕事内容
まず初めに、医療業界に分類される業種について確認していきましょう。医療業界を目指すうえでは、自分が志望する業種以外にも業界全体を把握しておきましょう。
- 医者
- 看護師
- 助産師
- 薬剤師
- 診療放射線技師
- 視能訓練士
- 臨床心理士
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- 臨床工学技士
- 管理栄養士
- 調理師
- 臨床検査技師
- 歯科衛生士
- 歯科技工士
- 歯科助手
- 医療事務
- 医療秘書
- 治験コーディネーター
- 病棟クラーク
【病院・医療機関】
医療業界といえばまずはじめに思い浮かぶであろう「医者」をはじめとした「病院・医療機関」です。上記の職種はほとんどが“国家試験”が必要となる職種で、病院などの現場にて人々の命を救うための仕事をしています。
- 営業
- クリニカルスペシャリスト
- サービスエンジニア
【医療機器メーカー】
MRIや人工透析装置などの大型医療機器から、包帯、注射器といった消耗品まで、医療に用いられる様々な製品の開発製造や販売をします。臨床工学技士など医療に関する資格を所有しているとクリニカルスペシャリストなどで重宝されます。
- 研究職
- CRA(臨床開発モニター)
- MR(medical representative)
【製薬会社】
病気やケガを治すための医薬品を開発、生産、販売する仕事です。医薬会社は、研究や開発に携わる「技術系」と、医薬品を病院やドラッグストアなどの関係者に用法する「営業(MR)」とに分けられます。
- ホームヘルパー
- ケアマネージャー
- 生活相談員
【介護福祉】
高齢者や患者のケアなどを行う介護福祉も医療業界として分類されます。介護の仕事以外にも、家事全般のお手伝いをしたり、本人や家族と話し合い、最適なケアプランを作成したりする仕事など、様々です。
「医療業界に進みたい」強い意志と決意を持っている場合、業界の中でもどのような業種を選ぶかが大きなポイント!多岐に渡る業界の情報をまとめ、自分に合った企業を見つけるのは時間が掛かります。キャリチャンでは、プロのキャリアプランナーが希望条件に沿った企業を紹介する「就活相談サポート」を無料で開催!ぜひうまく就活に役立ててくださいね。
予想される医療業界の今後
医療業界はもともと、人間の最も原始的な欲求である「生死と健康」に関わる分野であることから、世の中の景気に左右されにくい安定した業界です。近年は新型コロナウィルス感染症(コロナ)の世界的流行で、その傾向が非常に顕著に表れています。コロナ禍によって世界中の消費が落ち込み、世の中の多くの企業・業界が業績を落とす中、医療業界だけは別です。景気に左右されないどころか、むしろ患者数の増加だけでなく感染対策としても医薬品や医療関連機器などが必要とされているため、医療業界の企業はのきなみ増収増益の傾向となっています。
遠い未来に、高齢化などの今抱えている課題が全て解決したとしても、人間が生きる限り必ずどこかで新たな医療のニーズが生まれます。医療業界が世の中から必要とされなくなることは決してありませんので、そういう意味においては不景気で働き口を失う恐れがなく、長く続けやすい仕事だと言えるでしょう。医療業界で逆に問題となっているのは、若手の人材不足です。高齢化によって医療ニーズはますます高まっているのに、少子化のうえ「忙しくてきつい」「危険」「責任が重い」「高度な専門知識が必須」といったイメージから、医療業界は長らくなり手が少なく、人手不足の状態でした。
しかし前述のように医療業界にも様々な業種・職種がありますから、必ずしも専門の学校で教育を受けていないと就職すらできない仕事ばかりではありません。また近年医療現場には、患者の様子をモニタリングし異常があれば知らせてくれたり、自動で受付や会計ができたりといった、AIシステムの導入が急速に広まっています。そのため医療従事者が患者から離れた場所にいても一部のサービスが可能になり、医療業界の危険度や忙しさがずいぶん改善されてきました。そうしたことから近年は就活市場でも、医療業界の人気が高まっています。
もちろん医療は人命にかかわる仕事なので責任が重いですし、医療は日進月歩なので日々知識を習得する必要があるのも事実ですが、実際にはメリットも多く、これまで言われていたほどネガティブな要素ばかりではないことが知られてきたわけです。特に、現在のようにその他の業界が業績不振にあえぎ、いつ倒産してもおかしくないリスクを抱えている中では、医療業界の安定性はますます魅力的に映ります。これから医療業界を目指す就活生は、そうした状況を踏まえ、受ける企業によっては相当な高倍率となって、就活が難航する可能性があることも頭に入れておいてください。
医療業界に就職するメリット
医療業界はどの分野においても今後とも安定が見込まれる業界ですが、他にもたくさんのメリットが存在します。では、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここではそんな、医療業界に就職するメリットについてご紹介していきます。これらメリットは医療業界の魅力ということになりますので、しっかりとチェックしておきましょう。
「人の役に立っている」という実感を得られる
医療業界はどんな業種においても、「人の役に立っている」という実感を得ることができる素敵な仕事です。
一見、直接的に患者と接触する医者などの病院勤務の人たちだけのメリットにも思えるかもしれませんが、そんなことはありません。なぜなら患者を救うためには薬や医療機器が必要だからです。
医者は治療はできますが、薬や医療機器の開発はできません。医者が患者を救えるのは製薬や医療機器メーカーがあってこそなんです。開発に携わる技術職がいて、それらを用法する営業職がいてこそ医療業界は成立するのです。
このように、直接的に患者と接触する機会がなくても、1つ1つの仕事がすべて人の役に立っており、欠かせない重大や役割となるのです。そして、どの仕事においてもこのような実感を得られるのは、医療業界ならではの大きなメリットです。
安定していて、給料も高い
今後の医療業界でも述べたように、医療業界は安定しています。そして安定しているということで、給料も高い傾向にあるのです。
医療業界は高齢化社会によってますます需要が上がり、そして成長も続けています。また流行りや景気などに左右される仕事ではありませんし、もともと業界として元気がありますので、今後とも高い給料は保たれ続けるでしょう。
ちなみに医者の平均年収は1230万円、医療機器メーカー最大手の「富士フイルムホールディングス」は971万円、製薬会社「ソレイジア・ファーマ」は1478万円と、どれも高水準です。
ただ、これらの年収は過酷で「人の命を預かる」という責任のもと与えられる給料ですので、ただ「給料が高いから」といった理由から志望するようでは受かることはありませんので注意してください。
同業界であれば転職もしやすい
医療業界は国家資格や専門的な知識が必要となる仕事のため、一度スキルを身につけてしまえば同業界での転職がしやすくなります。
近年ではメガバンクが大型リストラ計画などにあやかり、金融に限らず多くの業界・企業において「一生安心」ができない状態とされていることから、「スキル」が大変重宝される時代となりました。つまり、転職をする上では資格や専門知識がないと新しい就職先を見つけるのは難しいというわけです。
しかし、医療業界に一度就職すれば資格や専門知識を身につけることができるため、「手に職」ということになり、同業界であれば簡単に就職することができるのです。
医療業界は人がいる限り一生なくなることのない業界ですし、人手を欲しがる業種もありますから、今後を見据えたときに「手に職」は非常に強みとなります。
医療業界に求められる人物像とスキル
メリットの多い医療業界ですが、「人の命を預かる」という責任ある仕事をすることや、AI化などによって“入社するのが難しい”業界と有名です。そんな難関業界では一体、どのような人材を求められているのでしょうか?
ここではそんな、医療業界が求める人材やスキルについてご紹介していきます。自ら業界が求める人材へと近づけば、「欲しい」と思われる人材になれますのでしっかりとチェックしていきましょう。
責任感が強く、仕事に対して誠実な人
医療業界では、責任感があり、プレッシャーに強く、そして仕事に対して誠実な人が求められます。医療業界は「人の命に関わる仕事」ですので、“人の命を背負っている”という認識と責任感がないと務まらないのです。
どんな仕事においても責任感がないとうまくいきませんし、まして人の命に関わる仕事をする医療業界では少しのミスも許されませんから、特に責任感は重要なものとなります。
しかし、人の命に関わるということで、責任ある仕事ではあるものの、それらがかえってプレッシャーとなってしまう場合もあります。
ですが、これは仕事ですので、プレッシャーに押しつぶされているようではいけません。どんな状況においても、どんなことに対してもプレッシャーに押しつぶされてことのないようにしなくてはいけないのです。
そのためにも、仕事に対して誠実でなくてはいけません。「命」と向き合い、「人を助けたい」という仕事に対する誠実な気持ちこそが、責任感の表れであり、プレッシャーにも押しつぶされない強いメンタルを生み出します。そして、そんな仕事に対する思いが強い人が医療業界に求められるのです。
冷静で臨機応変に対応できる人
医療業界では、様々なトラブルや思わぬアクシデントなどが日常茶飯事に起きるため、どんな状況においても冷静、かつ臨機応変に対応できる人が求められます。
自分が患者として病院に訪れたとき、病状が急変し、自分よりも医者や看護師が慌てたら嫌ですよね?こっちまで不安になってきちゃいますし、次から診察をお願いしたくないと思います。
病院に限らず、医薬品や医療機器だって、身体に合わずに体調が崩れてしまったり、機器が故障してしまった時に冷静に対応してもらえなかったら不安でしょう。
このようなことがあると仕事はまともにできませんから、医療業界の人たちはどんなことに対しても冷静に対処し、どんなトラブルにも臨機応変に対応ができないといけないのです。
どんな業種においても治療、開発、製造のプロとしての責任を果たす必要がありますので、冷静で臨機応変に対応できるかどうかは採用するうえでもチェックする重要な項目です。
人と円滑にコミュニケーションが取れる人
医療業界では、人と円滑にコミュニケーションが取れる人が求められます。医療関係は人と密に接することで業界としての成長が見込めますから、コミュニケーションの有無は非常に重要になります。
病院では病状回復のために直接的に患者とコミュニケーションを取る必要があります。製薬や医療機器においても、どんな薬・機器が世に求められているかを把握すべく、研究者と医療関係者とが密にコミュニケーションを取る必要があります。
介護に関しても、直接的に人と接触する仕事ということもあり、医療業界全般において医療業界の成長のために、高いコミュニケーション能力が欠かせません。
せっかくスキルや知識があっても、うまく思いを伝えられなければ効率的に能力を発揮できませんので、そのようなことがないよう、医療業界ではコミュニケーション能力が重宝されます。
医療機関特有のビジネスマナーの理解がある人
医療業界、とくに「病院勤務」においては医療機関特有のビジネスマナーに理解がある人が求められます。
医療は人との関わりの多さから「サービス業」という考え方が広まってきており、実際に現場においてもコミュニケーション能力が求められる傾向にあります。しかし医療の現場では「お客様」ではなく、「患者様」をお迎えするため、他のサービス業とは異なった“医療ならではの対応”が必要となるのです。
患者様は一人一人違った問題と向き合っており、それぞれに求められる対応法は違います。そして「命」と向き合う現場ということもあり、特にマナーに関しては敏感でなくてはなりません。
ですから通常の現場とは違った、“対患者様”に対する適切な対応ができるよう、今のうちからインターンシップなどを通して、医療機関特有のビジネスマナーを学んでおきましょう。
医療関連の仕事は専門職が多く、資格やスキルが必須!どんな資格があると有利なのか、今からでも医療業界を目指せるのか、と不安に感じる学生も多いです。キャリチャンでは、就活に関する悩みや疑問を解消する「就活相談サポート」無料で開催しています。ぜひ上手に活用してくださいね。
医療業界に受かるための対策と絶対条件
初めに述べたように、医療業界は若手の人材不足に悩まされています。それでも人命にかかわる責任の重い仕事・専門知識が必要な仕事という性質上、いくら人手不足であっても、誰でもいいから人を増やすなんてわけにはいかない業界です。ところがそういった事情を理解せず、漠然としたイメージからくる短絡的な憧れや、高収入・安定といった条件面のメリットだけに惹かれ、軽い気持ちで志望する就活生も少なくありません。
コロナ禍で世界経済が不安定となっている今は特にです。そのため医療業界の採用選考においては、応募者が求めるレベルに達しているかどうか、厳しい審査が行われます。若手の人材が強く望まれている割に、簡単に内定を獲得できるほど医療業界の選考は甘くないのです。医療業界の内定を獲得するには、万全の対策が必須となります。
ここからは医療業界に受かるための対策法と、受かるための絶対条件について解説しますので、これを参考にしっかり準備して挑んでください。
医療業界の厳しさやデメリットも覚悟する
医療業界の選考で内定を獲得するためには、医療業界ならではの厳しさや、デメリットについても覚悟しておかなければなりません。医療業界は人命にかかわる責任の重い仕事である分、その責任を100%全うする覚悟を持った人材が求められています。つまり医療業界の厳しさやデメリットを知らず、漠然とした憧れや条件面のメリットだけに惹かれて甘い夢を見ているような人は、決して内定をもらえないのです。医療業界は確かに人のためになる”カッコイイ仕事”でありメリットも多いですが、その反面、他の業界にはない特殊な厳しさやデメリットも多く存在します。
たとえば、くり返し述べているように医療業界は若手の人材が不足しているため、勤務時間が長くなったり受け持つ仕事の量が多くなったりと、どうしても激務になりがちです。また人命にかかわる仕事であるがゆえに、待ったなしの対応を迫られる緊急業務が多いうえ、1つのミス・一瞬の遅れが文字通り命取りになります。それは医者や看護師、介護福祉士などの、患者と直接かかわる職種に限ったことではないです。
製薬会社や医療機器メーカーの人間だって、医薬品・医療機器に関して現場から問い合わせや要請があれば、同様に緊急の対応を迫られます。むしろ製薬会社や医療機器メーカーの場合、自分の目の前に患者がいるわけではありませんが、自分の対応次第でそれを使う数千人数万人の命にかかわるケースもあるわけです。医療業界で働く人は、常にそうした重責と緊迫感にさらされ、肉体的にも精神的にもストレスを受けます。
それだけでなく、そうした緊急業務は自分が休みかどうかに関係なく発生しますから、休日に会社や取引先から連絡が来るといったことも珍しくないです。仕事の時間とプライベートな時間の区別が曖昧になり、メリハリをつけにくい、休みの日に心置きなく休めないという問題も出てきます。そのうえ医療業界で働く人の多くが、直近で言えばコロナのような感染症の問題と無関係ではいられません。
感染が拡大すればするほど、医療業界で働く人は激務をこなさざるを得ませんし、長引けば長引くほど、体力的にも厳しい状況になっていくでしょう。仕事の種類によっては、実際に自分が感染するリスクもあります。医療業界を目指す就活生は、それらの厳しさやデメリットについて理解し、受け入れる覚悟が必要です。面接においても、「うちは○○だけど大丈夫?」などと、デメリットやリスクについて承知しているかどうか聞かれることがあります。そんなときにも動揺を見せず、十分な覚悟ができていると示せるように、あらかじめ業界・職種・企業についての理解を深め、回答を考えておいてください。
“なぜ医療業界なのか”を業界・企業研究から明確にする
医療業界を受ける際、まずは自分の中で“なぜ医療業界なのか”を明確にします。まずはこの軸となる部分を明確にしておかないと、熱意を伝えることができません。
ですから、医療業界に興味を持ったきっかけや、目指そうと思った理由などから掘り下げ、業界研究と合わせてしっかりと明確にしていきましょう。
“なぜ医療業界なのか”を明確にしたら次に、「なぜこの分野(業種)なのか」「なぜこの企業(病院)」なのかも明確にしていきます。医療業界は様々な分野に分かれ、様々な企業(病院)が存在しますので、“その中からここを選んだ“という理由が明確でないと、あなたの志望度や熱意は伝わらないのです。
実際に面接においても、「なぜうちなの?」と聞かれることもありますので、しっかりと明確にしておきましょう。企業研究はもちろん、同業他社と比較することによって、よりその企業の魅力に気づきやすくなりますので、条件の近い企業と比較してみましょう。
医療の重要性を把握し、医療で何をしたいのかを明確にする
医療業界を目指すためには、医療の重要性を把握し、医療で何をしたいのかを明確にする必要があります。
医療業界はどの分野においても「人の命」と関わりのある仕事ですので、生半可な気持ちではいけませんし、どの企業・病院においても真剣に「医療」と向き合えている人でないと、仕事を任せられないと思っています。
また、そんな医療で何をしたいのか、医療を通してどんなことをしていきたいのかといったこともしっかりと伝えないといけません。医療は専門分野になりますので、「ただ頑張りたい」という思いでは熱意が伝わらないのです。
ですから、まずは日本の産業において医療がどれほど重要なものなのかを考え、そこからそんな医療を通じて何をしたのかを明確にしていきましょう。インターンシップに参加するなど、“現場”に立つことでより医療を身近に体験することができるため、オススメです。
基本的な医療の知識を身につける
医療業界では病院・医療機関だけでなく、どんな分野においても「基本的な医療の知識」が必要となります。なぜなら、薬や医療機関などは患者の気持ちを理解していないと、本当に必要なものを作ることができないからです。
製薬会社や医療機器メーカーでは直接的に患者とコミュニケーションが取れませんので、どんなものを必要としているのかは病院側の意見や、これまでの研究データなどがもとになります。
しかし、ここで基本的な医療の知識がなければ必要なもの、患者が求めているものをどう作っていけばいいのかわかりません。それにどんな分野においても仕事中は医療用語が飛び交っていますから、基本的な医療の知識がないとどこの業種においてもまともに働けないのです。
ですから、医療業界を目指すのあれば基本的な医療の知識はしっかりと身につけておくようにして下さい。どんな分野においても必ず医療知識は必要となります。
業種によってアピールすべきことを変える
医療業界には様々な分野が存在し、それぞれの仕事内容や有効なアピールポイントは異なります。ここではそんな業種別の対策についてご紹介していきます。
基本的なベースは上記で紹介したものになりますが、ここではさらにプラスαとしてアピールすべきことを紹介しているので、自分の目指す業種をチェックしていきましょう。
【病院・医療機関】
病院内においてどのポジションで働き、そこで何をしていきたいのかなど、明確なものをアピールしていきます。
また、病院勤務は直接的に患者と関わりを持つこととなりますので、コミュニケーション能力が高いことや、寄り添って一緒に回復を目指していくという思いも合わせて語るとなお良いです。
【医療機器メーカー】
どんなモノを求めているのかを理解し、みんなが望んでいるものを作り上げるという、学ぶ姿勢が高く評価されます。
また、医療に関する知識も深いとより高く評価されますので、積極的にアピールしていきましょう。さらに、志望する企業が取り扱う機器についても理解を深めておくことが大切です。
【製薬会社】
他の企業ではなく、“この企業でなくてはならない”という思いを伝えることがポイントです。
そのためにも、どのような医薬品を取り扱い、どのジャンルにおける市場シェアをどの程度占めているのかなどを押さえておきましょう。また、同業他社との比較を行い、その企業の魅力をしっかりと見つけておきます。
【介護福祉】
人と密に関わる仕事ということで、人間性などをチェックされる傾向があります。そのため、「協調性」や「コミュニケーション能力」などを積極的にアピールしていくのが効果的です。
また、大変で人気も低い介護業界をなぜ“わざわざ選んだのか”を明確し、それらの思いを伝えることも大切です。人助けをしたいという気持ちを合わせてアピールしましょう。
必要に応じて資格を取得する
医療関連の仕事は専門職となりますので、特に病院においては国家資格をはじめとした「資格所有」が義務付けられていることがほとんどです。
多くの資格は医療関連の学校に通い、所定の過程を修了することを条件に取得となりますので、資格取得のために今はしっかりと学業に力を入れていきましょう。また、学校を通して様々な資格を取得できるチャンスもあると思いますので、必要に応じて積極的に資格取得を目指します。
中には、「専門的な学校に行っていない場合は資格取得できないの?」と思う人もいるかもしれませんが、そんなことありません。独学でも取得できる医療系の資格がいくつかありますので下記より確認してください。
- 医療事務
→病院やクリニックなどの医療機関において事務作業を行う際に役立つ資格 - 福祉住環境コーディネーター
→高齢者や身体障碍者にとって安全で快適に過ごせられる住空間を整備・提案する際に役立つ資格 - 登録販売者
→ドラッグストアや薬局にて一般医薬品の販売ができる資格 - 介護職資格
→高齢者の状態に応じた食事の提供をし、健康のサポートをする際に役立つ資格
製薬会社や医療機器メーカーなどの営業職を目指す場合などにも、医療に関する知識があることを証明できますので、取得することをオススメします。
文系学生が医療業界を目指す方法は?
医療業界といえば基本的に医療を専門的に勉強してきた理系学生が中心となりますが、中には「文系学生だけど、医療に関わる仕事がしたい!」という人もいると思います。
しかし、先ほどもお話ししたように、医療に関わる仕事は専門的な学校を通じ、資格を取得することが必須条件となっていることから、新卒の就活をきっかけに文系学生が医者などを目指すのは正直不可能です。
だからといって、全くもって文系学生が医療関係の仕事ができないというわけではありません。確かに医者などの病院勤務は難しいですが、製薬会社や医療機器メーカーの「営業」などなら文系学生でも目指すことができます。
ただ、たとえ営業職だとしても医療に関する知識は必要となりますので、独学でしっかりと学んでおきましょう。インターンシップに参加すれば直接医療に触れられるため、知識を蓄えるのにオススメな環境です。
主な医療会社と売上高の平均年収
最後に主な医療会社をいくつかご紹介します。どんな業種を志望するにしろ、医療業界を目指す以上は下記の企業は覚えておくべきですので、しっかりとチェックしていきましょう。
武田薬品工業株式会社
医薬品業界最大手の武田薬品。連結売上高の約9割を医療用医薬品売上が占め、消化性潰瘍治療薬、制癌剤等を主力製品としています。
「優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する」という企業理念から、様々な薬品を世に送り出し、医療業界を引っ張ってきました。
- 社名:武田薬品工業株式会社
- 売上高:1兆8,074 億円(連結)
- 平均年収:1005万円
アステラス製薬株式会社
山之内製薬と藤沢薬品工業とが合併して発足したアステラス製薬。国内最大規模の営業体制と、両者の強みを有した研究軍によって、医薬品売上高順位で世界17位の地位を誇ります。
アステラス製薬は子会社を含め80社を展開しており、国内での医薬品開発・販売にとどまらず、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどにおいて原料や製品を輸出しています。
- 社名:アステラス製薬株式会社
- 売上高:1兆3,116億億円(連結)
- 平均年収:1073万円
オリンパス株式会社
医療事業・科学事業・映像事業の3つの分野で、内視鏡、顕微鏡、デジタルカメラ、小型録音機などの光学機器、電子機器を製造・販売しているオリンパス。内視鏡分野では世界シェア75%程度を占めるほど、医療用の光学機器や顕微鏡分野では世界規模で活躍しています。
カメラ部門においても、ICレコーダーが、かつてのマイクロカセットレコーダー時代からのブランド力もあり、国内で50%、国外で70%近いシェアを占めています。
- 社名:オリンパス株式会社
- 売上高:7646億円(連結)
- 平均年収:867万円
テルモ株式会社
医療用機器を製造しているテルモ。カテーテルや人工心肺装置などでの心臓・血管領域商品は世界で高いシェアを持っています。日本では、注射器にあらかじめ薬品が充填されている「プレフィルドシリンジ」がトップシェアを誇ります。
2005年には世界一細い注射針「ナノパス33」でグッドデザイン大賞に選ばれました。ちなみに社名の「テルモ」はドイツ語で体温計「Thermometer (テルモメーター)」が由来だそうです。
- 社名:テルモ株式会社
- 売上高:5,878億円(連結)
- 平均年収:753万円
株式会社ニチイ学館
医療・介護・教育事業を取り扱う介護業界の最大手であるニチイ学館。医療関連事業では、医療機関における診療報酬請求等を行う医事業務受託事業を中心に、その他医療機関経営に対するコンサルティングを行っています。
ヘルスケア事業では、介護予防や訪問介護、通所介護などの在宅系介護や家事代行サービス、高齢者専用賃貸住宅の介護保険外サービスなどを行っています。
- 社名:株式会社ニチイ学館
- 売上高:2,735億円(連結)
- 平均年収:394万円
おわりに
医療業界には病院や医療機関だけでなく、製薬会社、医療機器メーカー、介護福祉など様々な業種・職種が含まれます。しかし業種・職種は違っても、それぞれが人命にかかわる責任の重い仕事を担っている点では同じです。そのため医療業界では、どの企業どの施設においても、求める人材のハードルが高く設定されています。若手の人材が不足し、人を欲しているにもかかわらず、医療業界の選考は難関なのです。
医療業界を目指す就活生は、それをきちんと頭に入れて万全の対策を取る必要があります。まずは学校でしっかりと学び、医療に関する知識も身に付け、業界・企業研究を十分行ってください。医療の重要性はもちろん医療業界に就職するデメリットも把握したうえで、「なぜ医療業界へ進みたいのか」「なぜこの業種・この企業なのか」といった志望の動機と、「そこで自分が何をしたいのか」というビジョンを明確にしておくことが大切です。
とはいえ医療業界を目指す就活生には、「学校が忙しくてなかなか就活対策の時間が取れない」「専門外からの挑戦で選考に自信がない」という人もいますよね。そんな就活生には、医療業界を目指す学生に特化した就活支援や企業紹介なども行っているキャリチャンの無料イベント「再就活サポート」がオススメです。このイベントでは、プロのキャリアプランナーがあなたの専属サポーターになり、納得のいく内定を獲得できるまで二人三脚で就活をお手伝いします。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。