固定残業代の企業はやめとけ?ホワイト企業か判断する方法を紹介

 2024年10月29日

エントリー時期が近づいてきましたが、志望企業は決まりましたか?

キャリアアドバイザー 平崎

就活生 Aさん

気になる企業があるんですが、固定残業代が導入されているんです。友達からはやめとけって言われるんですが、これってブラック企業に当てはまりますか?

固定残業代だけではブラック企業とは判断できないですね。

キャリアアドバイザー 平崎

就活生 Aさん

どんな項目を確認すればブラック企業なのかがわかりますか?

このコラムでは固定残業代制度についてや、ホワイト企業か判断するポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

キャリアアドバイザー 平崎

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固定残業代とは

固定残業代とは

固定残業代とは、あらかじめ一定時間分の残業時間を見込んで給与に含める制度のことです。まずはそんな、固定残業代の仕組みや導入する企業の意図について紹介します。

そもそもまず企業が絞りきれていないという人は、下記のコラムも確認してみてください。

固定残業代の仕組み

固定残業代とは、あらかじめ一定時間分の時間外労働代を給与に含める制度のことです。固定残業時間が設けられている場合、実際の残業時間が規定を下回っていても、あらかじめ定められた固定残業代が支給されます。

たとえば固定残業代が30時間に設定されている場合、残業時間が30時間以内でも、30時間分の残業代が一律で支給されます。もし30時間を超えた場合でも、その分の残業代も別途支払われます。

固定残業代を導入している企業の意図

固定残業代を導入する意図は、人件費の削減であるケースが多いです。

固定残業代を導入すると、基本給が下がります。そのため、超過分の残業単価や、ボーナスの支給額も下げられるという、メリットが企業に発生します。

求人票を見たときに収入が高くても、基本給が低く設定されている場合があるでしょう。ですから、固定残業代の企業の求人票を確認する際は、基本給も必ず確認するようにしてください。

その他にも、企業側が一律支給にして給与計算を簡単にしたい場合や、求人票の金額面の見栄えをよくするためのケースも挙げられます。

固定残業代のある企業はやめとけと言われる理由

固定残業代のある企業はやめとけと言われる理由

近年、固定残業代を導入している企業を多く見かけますが、その中でなぜ「固定残業代のある企業はやめとけ」と言われるのでしょうか。

その要因とされる理由が以下の4つです。

それぞれの理由について詳しく紹介します。

就活のプロがオススメできる企業を知りたい人はキャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」への参加がオススメです。固定残業代の企業は避けたいと考える人は、就活のプロに相談してみてください。

仕事量に対して給料が低いことがある

固定残業代の企業は、仕事量に対して給料が低いことがあります。

固定残業代を除いた給料を見ると、仕事量が見合わないと感じることがあるでしょう。仕事量が多いのに固定残業代が低く設定されているため、働損に感じてしまうことがあります。

帰宅しづらい雰囲気の場合がある

固定残業代は、実際に残業していない場合でも給与がもらえる仕組みです。そのため、企業によっては「残業代をもらってるのに帰るのか?」とプレッシャーをかけられる場合があります。

固定残業代の分だけ働かなければいけない文化が根付いており、周りの先輩たちも当たり前のように残業している場合は注意が必要です。若手社員は帰りづらくなり、企業への滞在時間が長くなることがあります。

激務の可能性がある

固定残業時間が長いと、激務の可能性があります。企業によっては固定残業代が長く設定され、実態も長期残業している場合があるのです。

固定残業代が60時間に設定され、社員の平均残業時間が50時間程度の場合、激務といえます。また労働基準法に違反していることも指摘されるでしょう。

ただし、固定残業時間が60時間に設定されていても、平均残業時間は20時間程度と、実質の残業時間が短いケースもあるため、志望企業の実質の残業時間を確認することが大切です。

残業代が支払われないケースがある

固定残業代の企業はやめとけと言われる理由として、残業代が支払われないケースがあることが挙げられます。

残業代の計算を簡単にするために、固定残業代を導入しているケースがあります。固定残業代にすれば一人一人の残業時間を計算しなくても、一律で支給すればよいので給与計算が楽になります。

しかし、残業時間を把握していないため、もしも固定残業代を超えていても超過分の給与が支払われない可能性があるのです。固定残業時間を超えた場合には自分で申請するケースもありますが、企業によっては残業代を申請しない文化が根付いていることもあり、タダ働きになることがあります。

固定残業時間を超えた時間分の給料をもらうのは従業員の権利ですが、申請しづらい空気を感じてしまうこともあるでしょう。

ブラック企業を避けたい場合は、キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」で就活のプロがオススメする企業を紹介してもらいましょう。就活エージェントは企業の内情を知った上で紹介しているので、ブラック企業に入社してしまうリスクを下げられます。

固定残業代のある企業で働くメリット

固定残業代のある企業で働くメリット

固定残業代は悪い印象が多くある一方で、実はメリットもいくつか存在します。具体的には以下の3つです。

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

実際の残業時間よりも多く給与がもらえるケースがある

残業代が固定のため、実際の残業時間よりも多く給与がもらえるケースがあります。固定残業代は残業してもしなくても残業代が支払われるため、業務時間が短くても収入が安定します。

特に、繁忙期と閑散期がはっきり分かれている企業の場合、閑散期はほとんど残業がないでしょう。その場合でも繁忙期と同様の残業代が支払われるため、少ない労力で収入を多く得られることがあります。

効率よく仕事をこなせる

残業が多くても少なくても給与が一定のため、効率よく仕事をこなせるようになるのもメリットといえます。残業代で稼がなければいけない企業の場合は、だらだらと残業する人も多いです。

基本給が低い企業の場合は、業務を効率よくこなしても残業時間が短いと手取りが減ってしまいます。

しかし、固定残業代の場合は、残業時間が短くても一定の給与をもらえます。そのため、早く仕事を終わらせ、プライベートを充実させようという気持ちになれるでしょう。

固定残業時間を超えても追加で残業代が支給される

固定残業代の残業時間を超えても、追加の残業代が支払われる点もメリットです。固定残業代を導入する企業は、固定残業時間を超過した分の残業代も支払う必要があります。

そのため、最低限の残業代を維持できる上に、さらに年収をあげることもできるのが固定残業代を導入する企業で働くメリットといえるでしょう。

固定残業代ありでもホワイトな企業か判断するポイント

固定残業代ありでもホワイトな企業か判断するポイント

固定残業代を取り入れている企業がホワイト企業か判断するためのポイントは、以下の8つです。

固定残業代を導入する企業にはブラック企業も存在するため、上記のポイントをしっかり確認しましょう。

ブラック企業かどうか自力で見極める自信がない人は、キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」への参加がオススメです。あなたの希望や不安に感じる部分をしっかり聞いて、ピッタリのホワイト企業を紹介します。

超過残業代の有無

まずは、固定残業代として設定されている時間よりも残業した際に、超過分の残業代がしっかり払われるかを確認してください。

超過分の支払いがされないのは違法ですが、企業によっては残業時間を記録する仕組みがなく、超過残業代が支払われない可能性があります。

超過分の残業代を支払わない企業はブラック企業といえるため、注意が必要です。どのように残業時間を把握しているか、どの程度固定残業代分を超えて支払いがある人がいるかなどを確認しておくとよいでしょう。

平均残業時間

毎月の平均残業時間を確認します。固定残業代分の時間ぎりぎりまで毎月労働が発生しているようであれば、激務の可能性があります。

たとえば固定残業代40時間分が給与に含まれており、毎月40時間程度残業が発生している場合などは、激務であるといえます。繁忙期と閑散期はあるか、それぞれ何時間程度残業時間があるかなどを調べておくとよいでしょう。

平均勤続年数

平均勤続年数も確認しておきましょう。勤続年数が長い企業は、従業員が満足している場合が多く、働きやすい環境であると考えられます。

超過残業代がきちんと支払われていなかったり、残業する風土が根付いていたりする企業では、社員の離職率が高くなることが予想されます。

そのため、社員がどの程度勤続しているのか、退職理由はポジティブなものなのかなどを確認してみてください。

基本給

固定残業代を含まない基本給を確認し、相場と比較して低すぎないかを確認しましょう。固定残業代を導入する企業は、基本給や残業代などをまとめた金額が記載されているケースが多いです。

そのため、固定残業代を含んだ給料が高くても、残業時間を考えると安い水準の可能性があります。

福利厚生

福利厚生が充実しているかは、社員のことを考えた働きやすい企業であるかがわかるポイントです。企業年金や退職金などの制度が整えられているかは、人生に関わる問題です。社会保険や退職金制度が整えられているかどうか、きちんと調べましょう。

また、女性は育休産休制度があり、きちんと活用されているかを確認することも大切です。ライフイベントを迎えた際も働きやすい制度が揃っている企業であれば、長く働くことができます。

企業の知名度

ホワイト企業か見極めるためには、企業の知名度も確認しましょう。

知名度やネームバリューのある企業は、実態がブラック企業であればすぐに社会問題になりやすいです。そのため、働きやすい環境がきちんと揃っている傾向にあります。

一方で知名度の低い企業は、固定残業代の超過分の残業代を支払われなくても、問題になる可能性が低いため、なかなか改善されない可能性もあるでしょう。

ホワイト企業マークの有無

企業がホワイト企業マークを持っているか確認しましょう。

ホワイトマークとは、厚生労働省が実施している「安全衛生優良企業公表制度」のことです。

企業が労働者の安全や健康への取り組みに対して積極的で、高い水準を維持していることを認めています。

ホワイト企業マークを取得している企業は、ホワイト企業として国から認定されているため、安心して働ける環境が整っているでしょう。

安定性

経営が安定しているという点もホワイト企業の特徴です。

業績が不安定な場合、待遇が良かったとしても、その待遇が続くとは限りません。働き方が大幅に変わる、大量の人員削減が行われるなど、安定しないケースもあります。

ホワイト企業か判断する際には、業績の安定性を数年にわたって確認するとよいでしょう。業界や企業についての調べ方がわからないという人は、以下の資料を活用してみてください。

固定残業代に関するよくある質問

固定残業代に関するよくある質問

最後に、固定残業代に関するよくある質問について回答します。

それぞれ解説していきます。

固定残業代は何時間までならホワイト企業?

固定残業時間は、20時間以下ならホワイト企業といえます。

20時間なら1日1時間程度の残業なので、体の負担は軽いです。それ以上の場合でもホワイト企業の可能性はもちろんありますが、実際の残業時間を調べておくとよいでしょう。

固定残業代が45時間はやばい?おかしい?

固定残業代が45時間の場合、法律的には問題ありません。しかし、毎月45時間に近い、またはそれ以上の残業をしている場合もあるので、内情を確認する必要があるでしょう。

毎月45時間を超えた残業が発生している場合、労働基準法に違反し、ブラック企業に該当するケースもあります。

残業代が支払われない場合はどうすればいい?

固定残業時間を過ぎた時間の残業代が支払われない場合、企業に請求できます。

残業した証拠が必要なため、タイムカードの記録やオフィスの入出館記録などを集め、企業と交渉しましょう。それでも企業が応じない場合は、訴訟して残業代を請求することになります。

「固定残業代の企業はやめとけ」とは言えない!

固定残業代は、あらかじめ一定時間分の時間外労働代を基本給に含める制度のことです。残業時間が少なくても一定の金額が支給される点が最大のメリットといえます。

一方で、長時間残業が当たり前になっていたり、超過残業代が支払われなかったりといったリスクもあるため、内情を確認することが大切です。

固定残業代の企業であってもブラック企業であるわけではないので、平均残業時間家ホワイト企業マークの有無などを確認し、入社して問題ない企業であるか確認してみてください。

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この記事の監修者

監修者:平崎泰典

平崎 泰典

株式会社ジールコミュニケーションズ 
HR事業部マネージャー

2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。

主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。

就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。

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