志望動機で「人の役に立ちたい」はNG?良くない理由と上手に気持ちを伝える方法
2025年12月18日

この前、面接で「仕事を通じて人の役に立ちたいです」って言うのは避けた方が良いって聞いたけど本当かな?
本当ですよ。考え方としては素晴らしいと思いますが、就活の面接においては、その発言は逆効果になってしまう可能性があるので避けた方がいいですね。


別におかしなことは言ってないと思ったのですが、ダメなんですね。
どうしてダメなのでしょうか?
わかりました。では、今回は就活の面接で「人の役に立ちたい」と言うのがなぜ良くないのか解説します。
あわせてどういった言い方をすればいいのかも解説するので参考にしてみてください!

志望動機に「人の役に立ちたい」がNGといわれる理由

冒頭にも述べたように、就活での志望動機として「人の役に立ちたい」はNGです。企業や面接官によっては、あまり良い印象を抱かない可能性があります。しかし就活生の中には、心から人の役に立ちたいと願い、それを就活軸として企業探しをした人も少なくないですよね。
それなのに、なぜ「人の役に立ちたい」という志望動機がNGなのでしょうか。納得のいかない就活生に向けて、コラムの初めに「人の役に立ちたい」を志望動機としてはいけない理由について説明します。今後の就活で語る志望動機を考え直す際の参考にしてください。
「人の役に立ちたい」がNGな理由
「人の役に立ちたい」という志望動機がNGな理由は、そもそも求められている質問への回答として成り立っておらず、志望動機の内容には相応しくないからです。「人の役に立ちたい」という志望動機は、その企業に入ると人の役に立つ仕事ができて、社会貢献できるという点だけにフォーカスを当てています。けれどもESや面接で求められる”志望動機”は、その企業を志望する動機を答えるもので、その仕事を志望する動機を答えるものではありません。
どちらも縮めれば”志望動機”となってしまいますが、ESや面接の中で求められる”志望動機”とは、特に指定がない限り「その企業を志望する動機」のことです。つまり分かりやすく言い換えると、企業側は「他にも似たような企業がたくさんある中で、なぜうちの会社を志望したのですか?」と聞いています。それなのに「人の役に立ちたいから」と答えたら、同じような仕事をする企業すべてに当てはまり、その企業を志望する動機を述べたことにならないわけです。
それでは相手の質問とこちらの回答が適合しないので、質疑応答として成立せず、話がすれ違っています。「質問の意味を勘違い→理解力の低い人」「聞いていることと違うことを答える→協調性のない人」などと思われて、評価が下がってしまうのです。それどころか、その企業だからこそ志望しているという熱意がちっとも伝わらないため、「この仕事ができれば他の会社でもいい→入社の可能性は低い→内定を出しても意味がない」と判断される恐れもあります。
それに「人の役に立ちたい」という志望動機は、人の役に立ちたい就活生が志望する企業にとっては耳にタコができるほど聞いていて、印象に残りにくい言葉です。「人の役に立ちたい」という志望動機は、医療や介護、インフラなど一般に社会貢献度が高いイメージのある業界を志望する人に多く見受けられます。ところがそういう業界・業種の企業で働く人からすると、「人の役に立ちたい」という言葉は日頃から聞き飽きていて、ほとんど当たり前と言ってもいいくらいのことです。
しかも志望してくる学生はみんながみんな「人の役に立ちたい」と述べるので、今さら志望動機としてそんなことを言われても、「またその話か」という程度で何の印象にも残らないでしょう。もちろん「人の役に立ちたい」と思い、それを軸として企業選びをするのは良いことです。しかし人の役に立つ仕事ができる企業を志望するからこそ、志望動機はそれとは別の視点で、同業他社ではなく”その企業”を志望する理由を述べる必要があります。
そもそも“人の役に立っていない仕事”はない
「人の役に立ちたい」という志望動機は、すべての仕事はそもそも人の役に立っているため、志望企業への固有の熱意が伝わらず、他の企業でも良いと思われてしまうからです。
企業が採用したいのは、単に仕事をする人ではなく、自社の成長に貢献し、売上や利益を高めてくれる人です。自社の理念や方向性に共感し、愛社精神がある人は、会社の利益につながる仕事をしてくれます。
一方、「人の役に立てれば満足」という人は、会社の利益や方針を無視した自己満足的な仕事の進め方になる可能性があり、会社の成長に貢献しないこともあります。
したがって企業は、「この会社に貢献する=人の役に立つ」と考え、自社の理念や目指す方向に共感して、会社の利益・成長に貢献したい人を求めています。
自分の志望動機がその企業に貢献できる内容になっているか自信がない場合は、当サイトキャリチャンの就活支援サービスである「就活相談サポート」を利用してみてください。就活のプロであるキャリアアドバイザーが、志望内容を確認して改善のアドバイスをします。
面接官から好印象を得る回答内容を作成して、内定を獲得していきましょう。
人の役に立ちたい気持ちを上手に伝えるコツ

ここまで述べてきたように、「人の役に立ちたい」は就活における”志望動機”として通用しません。ただし、仕事を通して人の役に立ちたいと思うのは素晴らしいことですし、それを就活軸として仕事選び・企業選びをするのがNGだと言っているのではないです。「人の役に立ちたい」という志望動機の問題点は、仕事を通して人の役に立ちたいと思っていることや就活方針そのものではなく、その伝え方にあります。
ただ「人の役に立ちたい」とだけ伝えると、どんな仕事にも当てはまるので”その企業”を志望する動機にならないばかりか、別にこの企業でなくてもいいし、人の役に立つならこの企業の利益や成長なんてどうでもいいと思っていると誤解されてしまうのです。しかし、もちろん就活生の皆さんは決してそんなつもりではなく、その企業だからこそ人の役に立てると考えて志望しているのだと思います。
では一体どのように伝えたら、その「人の役に立ちたい」という思いを変に誤解されることなく、就活で通用する志望動機として表現できるのでしょうか。ここからは、「人の役に立ちたい」という気持ちを上手に志望動機として伝えるコツについて説明していきますので、参考にしてください。
具体的かつ論理的に伝えるように意識する
仕事を通して人の役に立ちたいという自分の気持ちを、就活で通用する志望動機として上手に表現するコツは、具体的かつ論理的に伝えるよう意識することです。「人の役に立ちたい」という表現は、それが正直な気持ちだとしても、あまりに漠然とし過ぎています。たとえば極端な話、企業の保有する機密情報を社外に漏洩することは犯罪ですが、漏洩してもらった側からすれば大変人の役に立つ行為だとも言えるわけです。
「人の役に立ちたい」というのは漠然とし過ぎて何がしたいのか不明瞭だからこそ、いかようにも解釈でき、さまざまな誤解を生んでしまいます。ですから志望動機ではただ「人の役に立ちたい」と答えるのではなくて、自分にとって「人の役に立つ」とは具体的に何を指すのか、どう人の役に立ちたいのかを説明しましょう。それは言い換えると、自分の頭の中で思い描いている「人の役に立っているイメージ」を企業側へ分かるように説明して、そのイメージを共有するということです。
そのためには自分が「誰に対して」「どのように」役に立ちたいのか、その結果としてどんな状態となれば”役に立った”と考えられるのかという「理想像」まで語る必要があります。ただし、いくら内容が具体的でも話があちらへ行ったりこちらへ行ったりと込み入っていて、ESを読む人・面接で回答を聞く人に分かりにくいのではダメです。それらの内容が相手にとって分かりやすいよう、きちんと筋道を立て、順序良く論理的に説明することが大切になります。
そのように自分の頭の中にあるイメージを言葉で具体的な言葉で論理的に説明できれば、おかしな誤解を受けることなく、自分の気持ちを正確に伝えることができるのです。また、前述のように企業は採用活動において、自社の理念や目指す方向性に共感し「その企業の利益に貢献する=人の役に立つこと」と考えてくれる人を求めています。それだけでなく就活生自身も、その企業で働くことが「人の役に立つ」という就活軸に合致すると感じたからこそ、その企業を志望したはずです。
それはつまり、自分でははっきり意識していなくても頭のどこかで「その企業で働く(その企業に貢献する)こと」=「人の役に立つ理想像」と結びついているに他なりません。そのため志望動機の中では無駄な誤解を与えないよう、「人の役に立ちたい」という気持ちをもっと企業にとって分かりやすい言葉で、「この会社に貢献したい」などと言い換えるとなお良いです。
自分だけのオリジナルな理由を述べる
「人の役に立ちたい」理由をより具体的にすることで、本気でそう思っていることが人事にも伝わります。
話を具体的にするために重要なのが“オリジナルな理由”を考えることです。先ほども述べたように、「人の役に立ちたい」という動機はみんな同じになりがちです。
しかし、そこで周りと差をつけることができれば、好印象を与えることができるのです。
オリジナルな理由を考えるためには、自己分析が欠かせません。
- 自分はどんな人間か(性格)
- なぜ人の役に立ちたいと思ったのか
- 自分の強みがどう人に役に立つのか
- 自分が周りに与える影響はなにか
- 「人の役に立ちたい」を自分の中でどう捉えているか
上記のことを5W1H(Who誰・Whenいつ・Whereどこで・Whatなにを・Howどのように)をもとに、人の役に立ちたい理由をまとめれば、厚みのある回答をすることができます。
そしてさらに重要なのが、“その企業にとって役に立つこと”を中心に理由を述べることです。先ほども述べたように、企業側は「売上や利益を高めてくれる人」を求めています。
企業が求めている人材に近づかなければ当然、内定は遠のいてしまうので、人の役に立ちたいという気持ちに合わせ、自分が企業にとってメリットのある人材だとアピールしましょう。
就活エージェントから“伝え方”を学ぶ
就職活動において「人の役に立ちたい」という志望動機で好印象を得るためには、就活エージェントなどのプロに伝え方を学ぶことが最も効果的です。
この動機が漠然としていると誤解を招きやすいという問題は、伝え方を工夫することで解決できます。
具体的には、プロはあなたの漠然とした思いを明確にし、企業に好印象を与える具体的な要素や言葉遣いを熟知しています。彼らはあなたの志望動機の本質を変えずに、より魅力的に伝える方法を教えてくれます。
なので、志望動機で悩んだら、就活エージェントに相談することを強く推奨します。
当サイトキャリチャンでも就活支援サービスである「就活相談サポート」を用意しています。就職相談サポートでは経験豊富なキャリアアドバイザーへの相談が可能です。
「人の役に立ちたい」という志望動機をどのような表現で伝えればいいかアドバイスをするので、ぜひ活用してみてください。
人の役に立ちたい気持ちを伝える際に注意すべきこと

志望動機で「人の役に立ちたい」という気持ちを伝える際は、その企業への貢献につながる内容にすることが重要です。
なぜなら、企業は自社の利益や成長に貢献できる人材を求めているからです。
具体的には、あなたが語る「人の役に立つイメージ・理想像」が、志望企業の業務内容や理念とズレていないかを徹底的に確認する必要があります。もしズレていれば、その企業に対する志望動機として成立せず、熱意や志望度の高さが伝わりません。
また、「人の役に立つ理想像」が曖昧で、どの企業にも当てはまるような内容では、志望度の低い使い回しだと判断されてしまいます。
したがって、好印象を得るためには、業界・企業研究に基づいて、あなたの「人の役に立ちたい」という思いが志望企業の目指すものと一致する必要があります。
その上で、その企業独自の業務・理念に直結する形で貢献できることを具体的に示すことが大切です。
「そんなこと言われると難しくて、どうやって回答すればいいかよくわからないな…」
となってしまう場合は、当サイトキャリチャンの就活支援サービスである「就活相談サポート」を利用してみてください。これまで何人もの就活生を見てきたキャリアアドバイザーが、回答内容について一緒に考えます。
すでに自分なりの回答内容がある場合でも、内容のブラッシュアップができるので、ぜひ活用してみてください。
おわりに
人の役に立っていない仕事がないことから、就活において「人の役に立ちたい」はあまり言わない方がよい言葉です。
社会人は人の役に立って当たり前のこと(仕事)をします。そのため企業はその先の「売上や利益を高めてくれる」「企業にとってメリットとなる」人材を探しているのです。
また「人の役に立ちたい」は、「仕事できれば会社はどこでもいい」と言っているのと同じです。そんな人、企業側が欲しいと思うわけありません。
そのため、人の役に立ちたいという気持ちも大切ですが、そのさらに先を見据えて動くようにしましょう。
就活は、企業が求めている人物像に近づくことも大切なことです。自己分析や企業研究を重ね、自分に合った企業を見極めましょう。
また、面接での回答内容について不安がある場合は周囲の人に客観的な意見を聞いてみるといいでしょう。その際は就活について詳しい人に聞けるとベストです。
当サイトキャリチャンの就活支援サービスである「就活相談サポート」では就活のプロによるサポートを受けられます。面接での回答内容が本当にそれで大丈夫なのかの確認や模擬面接も可能なので、ぜひ利用してみてください。
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この記事の監修者

岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。
































