【21卒8月の就活事情】急ピッチに進む選考と変わる就活の在り方
2022年3月25日
緊急事態宣言が解除され、採用活動に活気が戻りつつある8月。しかし、いまだに採用活動を続ける人も多く、そしてなかなか内定が取れないという人も少なくない。
なぜかというと、やはり8月時点でもまだまだ新型コロナによる影響を大きく受けているからだ。一見、就活が戻りつつあるように感じていても、やはり例年とは違った形となっている。
8月ということで本来であれば就活もだいぶ終盤へと近づき、内定式に向けて準備をしている頃にも関わらず、やはり今年は例年とは同じようにいかないようだ。
そんな例年とは違った就活をこれから乗り越えていくためには“今の就活事情”を把握する必要がある。この記事では8月に起きた変化をニュースから読み取り、今とこれからの就活の在り方を探っていく。
今現在就活をしている人はこれを読んで、8月の就活事情からこれからすべき行動を見極めていこう。
目次
【8/6】親からの口出しがひどい?内定後に揉める親子
今年は新型コロナの影響もあれ、例年とは違った就活となっている。その中で内定辞退に「親」が関係するという、新たな変化も起きているようだ。そもそも「親」が内定辞退にかかわるのは新型コロナが影響なのか?
内定辞退に「親」が関係?
Yahoo!ニュースが「内定辞退」に関する記事を掲載した。その内容は、企業が恐れる内定辞退に「親」が関係しているというもの。(出典:内定後に親子がもめる理由、原因は「親の時代遅れ」にあった)
新型コロナウイルスの影響によって例年とは違った形となった今年の就活。そんな中でも内定率は約8割に達している。中には「不安」という理由から内定を複数承諾している学生も多くいるだろう。そこで企業側は「内定辞退」を恐れているというのだ。そしてそんな内定辞退に「親」が関わっているそうだ。
「内定を出した後、内定承諾書へ署名できるかを尋ねると、7割くらいの学生からは『親に相談してもいいですか?』という答えが返ってくる。こうした学生の数は、この10年で右肩上がりに増えている印象がある」
(引用:Yahoo!ニュース)
上記以外にも、 レバレジーズが運営する新卒就職支援サービス「キャリアチケット」が行った『就職活動におけるオヤカク調査』(2019年)によると、「就活の中で親に相談したタイミング」として最も多かったのが「内定を得たとき」(26.5%)、そして同調査の「就職活動で親に反対されたか」という質問に対して「ある」と答えたのは男性14.8%、女性はなんと33.3%もあったのだ。
つまり、多くの学生は親に内定について相談をし、女性の3人に1人は「親に反対された」経験があるというわけだ。
「親の時代遅れ」によって揉める親子
人生の先輩、一番の理解者、そんな親に意見を求めるのはいいことだろう。しかし前述にもあるように親に相談することで「反対」されてしまい、揉めてしまうケースも少なくなというのだ。
Yahoo!ニュースによると、大手ベンチャー企業さえ反対する親がいるというのだ。揉める背景にあるのは「就職環境のギャップ」。つまり、親世代と子世代との就職を取り巻く環境が大きく変化したことに対して親世代の就活の常識が通用しないことを理解できていない親が多いというのだ。
親世代が就活を行っていたのは約30年前で、その頃はバブル期、つまり超売り手市場だった。受ければ受かる時代を生きてきた親世代はその感覚から抜け出せずに、子世代の就活の難しさを理解しようともしない。そんな親と子の環境と価値観の違いによって揉めてしまうのだ。
その中で親の意見を受け入れてしまったり、親の意見から妥協することで「内定辞退」という決断を下してしまう人も少なくないようだ。
最後に決めるのは“自分”
親と子の価値観の違いの他にも、自分を思って意見を言ってくれている親も少なくない。かわいい子供がつらい思いをしてしまわぬよう、ついつい心配にはいられないのが親だ。
しかし、どこの内定を承諾し、どこの内定を辞退するのかを決めるのは自分だ。最後には自分の意志ですべてを決めなくてはならない。なぜならこれからの人生は自分のものであり、自分で決断しないと後悔してしまうからだ。
確かに親の意見も時には聞き入れた方がいい場合もあるだろう。しかし親に求めるべき意見や価値観の違いなどを理解したうえで最後には自分で判断しなければならないのだ。
弊社においても「親からの口出し」に関する記事を掲載している。親からの口出しに上手に対処する方法などが書かれているので、ぜひ参考にしてみてほしい。
【8/7】「厳しい」からこそ続ける就活
新型コロナによって明らかに厳しいものとなっている21卒の就活。そんな厳しい就活の中でも内定を獲得している人は一定数いるが、そんな学生でも多くが“就活を続けていえる”そうだ。その背景には「厳しさ」が関係している。
就活が「厳しい」と感じる学生約6割
#SHIFTにおいて、内定率とアンケート結果による「就活の厳しさ」についての記事が掲載された。今年の就活では約6割の学生が厳しいと実感しているようだ。(出典:6割の学生「就活厳しい」――コロナ禍で希望通りづらい現状も)
ディスコ社によると21卒の8月1日時点の内定率は83.7%。一見高い数値にも思えるが、例年よりも下回る数値となっており、そして内定を持っていても「不安」という思いから就活を続けている学生が多くいる。
そんな「不安」を仰ぐのはやはりコロナ禍による就活の厳しさが原因だ。実際に下記のアンケートでは59.6%の学生が厳しいと答えた。
さらにアンケートを詳しく見てみると、就職先が決定した学生においても55,1%もが「厳しい」と振り返る結果だった。実際に就活をしてきた人からするとコロナ禍での就活は厳しいと体感しているものも多いだろう。
状況に応じて「複数内定」も考えるべき21卒の就活
コロナ禍による厳しい就活において「不安」から就活を続けている学生も多い。中には複数社の内定の承諾を検討している人もいるだろう。実際にYahoo!ニュースのこちらの記事にもコロナ禍による不安から「複数の内定承諾したい」と考えてる人が多くいることが記載されている。
では実際に厳しい21卒の就活において複数社の内定承諾は必要なのか。複数社の内定を承諾すれば内定辞退の手間もかかるし、リスクも高い。
しかし、21卒の就活では時に複数社の内定承諾が必要になる場合もありそうだ。なぜなら実際に新型コロナによって不安定な就活状況にあるからだ。すでに内定取り消しといった実例があることを考えると、内定先が不安定な場合には複数社の内定承諾をしておいた方がいいだろう。
多くの就活生が厳しいと感じる今年の就活。実際に厳しいものとなっている21卒の就活では時に難しい決断をしなくてはならない時があるだろう。本来、複数社の内定承諾はリスクが高い。しかし状況に応じて考えるべき時があることを覚えておこう。
【8/13】アンケートから見るWeb面接の実態
新型コロナによって「オンライン」による就活が主流化されている。緊急事態宣言が解除された今でもまだまだ面接には「Web面接」を用いている企業も多いようだ。しかしそんなWeb面接に対してもいろいろ感じる部分がある学生も少なくないようだ。
まだまだ面接は「オンライン」がメイン
JIJI.COMが先日、株式会社ジェイックが21卒の学生を対象に行った「Web面接に関するアンケート」についてまとめた記事を掲載した。
さっそくアンケートを見てみよう。上記のアンケートを見てみると8月時点でもまだまだWeb面接が中心なのが分かる。新型コロナの勢いは収まる気配がないものの、緊急事態宣言が解除されたことで就活は少しずつ再開している。
しかしそれでもやはり対面による就活はなかなか難しいようだ。実際に面接だけでなく、対面による合同説明会もいまだに開催されていないことを見ると、これから先もまだまだWeb面接がメインとなるだろう。
Web面接では不安という声
Web面接がメインの中、もう一つのアンケートからWeb面接に対する不安が見えてきた。アンケート内容は「Web面接のみで就職先が決定することについて」だ。
上記のアンケートから、「とても不安」「やや不安」という回答が61.9%もあったのだ。これらの結果から、実際に会わないことがどれだけ不安になるのかがわかる。
これまでの就活ではインターンシップやOB訪問などを通して直接的に企業の雰囲気を見ていき、相性を見極めていくことが企業選びのうえで必要な工程だった。実際に自分の目で見て判断しないと納得いく決断はできないだろう。
しかし今年は直接的に企業と接することが難しい。こればかりはどうすることもできない。そのため、21卒ではWeb面接やそれ以外の手段からいかに企業を見極められるかが大切なのだということだろう。
不安な気持ちもわかるが、不安なままでは企業選びに失敗する。そのため、様々な角度から企業を見ていく力をつけておこう。
【8/21】「採用一時中断」から今後の就活への不安
新型コロナによって採用活動を一時中断していた企業は意外にも多くある。そんな中断していた企業が多くあることによって8月以降の就活事情に大きな変化が起きているようだ。
約6割が採用活動を一時中断していた
先日SankeiBizが、採用活動一時中断に関するアンケートと就活傾向についてまとめた記事を掲載した。この時期では約6割もの企業が新型コロナウイルスによって採用活動を一時中断したというのだ。
4月に発動された緊急事態宣言によって採用活動を一時中断していた企業が意外にも多くあり、多くは約2か月も採用活動を一時中断していたというのだ。
実際に多くの学生もなかなか思うように選考を受けられないことを実感していただろう。その結果、いまだに多くの学生が内定を所持しておらず、8月時点でも多くの学生が就活を続けているのだ。
急ピッチに進む選考への対応に苦しむ就活生
新型コロナウイルスによって多くの企業が採用活動を一時中断していたことで、これまで思うように就活ができなかった人が今慌てて就活を行っている。そして企業側も急いで採用活動を行っているのだ。
なぜなら多くの企業は10月の内定式を目安に採用活動を終えたいと考えているからだ。たいていの企業は10月の内定式を目安に入社に向けての準備を進めていく。そのため、10月時点ではある程度の内定者を確保しておきたいのだ。
それにダラダラと採用活動を行えばその分コストがかかることにもなるため、選考フローを短くしたりなどの対策を取りながら急ピッチに採用活動が行われている。
そんな急ピッチに進む選考に多くの学生が対応に苦しんでいるというのだ。しかし企業は待ってはくれない。どんなに大変でも、“今の就活”に対応するしかないのだ。
夏も終わり、これから秋採用が本格化する。今年の秋採用は例年とは違うため、“今の就活”に対応できるよう、万全な対策が必要となるだろう。弊社においても秋採用への対策コラムを掲載しているので、ぜひ参考に対策をしていこう。
4年の秋からでも内定は獲得できる!出遅れ就活生のための必勝法教えます【8/24】コロナ禍就活では「企業サイト」が有益な情報源
感染拡大防止として対面による合同説明会やインターンシップなどが行われておらず、多くの学生が情報収集に手こずっている。そんな中で21卒の有益な情報源は「企業サイト」に変化しつつあるというのだ。
約6割が「個別企業HP」を有益な情報源を回答
先日戦略人事の時代がキャリタス就活2021を運営するディスコ社が発表した「2021年卒 採用ホームページに関する調査」についてまとめた記事を掲載した。この記事によると、学生の約6割が個別企業のサイトを“有益な情報源”と認識しているというのだ。(出典:コロナ禍で重要度増す“採用ホームページ”、学生からの好感度1位の企業は?)
志望企業について調べる際、有益な情報源について57.2%が「個別企業のホームページ」と答えたのだ。次いで「インターンシップ(35.5%)「就職情報サイト(34.6%)」「個別企業の説明会(32.4%)」と回答し、1位の個別企業のホームページとは差がついていることがよくわかる。
これまでの就活ではインターンシップはOB訪問、企業説明会や面接など、企業と直接的に接触する機会から企業についての情報を得るのが主流だった。しかし今年は新型コロナによって対面による接触が難しくなり、その結果「個別企業のホームページ」が上位を占めることになったのだろう。
緊急事態宣言によって採用活動が一時中断となった企業も多くあったが、企業HPならいつでも情報を得ることができるとし、今年の就活では個別企業のホームページが有益な情報源となったわけだ。
Webだけでなく、様々な角度から企業を見よう
緊急事態宣言が解除されてもいまだに対面による面接やインターンシップはできない状態が続いている。そのため、今後の就活においても「個別企業のホームページ」が有益な情報源となるであろうが、それだけでは情報として少ないといえるだろう。
前述でも述べたように、通常であればインターンシップやOB訪問、企業説明会などを通して様々な角度から情報を得ていたことを考えると、いくらコロナ禍だといっても企業HPだけでは情報薄なのだ。
企業への熱意を伝えるためには企業についての理解を深めておかないといけないし、企業への理解不足はミスマッチを引き起こす原因にもなる。そのため様々な角度からたくさんの情報を得ないといけない。
しかし、だからといって企業と直接的に接触するのは難しい。ではどうすればいいのか。もちろん企業HPからの情報は有益だし、必須ツールだ。ただ今年はそこに「就活エージェント」を合わせるとよいだろう。
就活エージェントは企業側と直接コンタクトを取っているため、学生が知りたい情報をピンポイントに聞き出してくれるのだ。普段聞きづらいような内容も就活エージェントなら代弁してくれるため、どのツールよりも有益な情報源だといえるだろう。
おわりに
本格的な夏採用の時期。今年は例年と違って就活を行く学生が多く、そして採用活動を行う企業も多くあった。そのため、通常であれば就活が落ち着くこの時期にも様々な変化が起きている。
就活を続けていく以上は様々な変化や就活事情に敏感でなくてはならないし、今の流れにあった行動が必要となる。それにまだまだ新型コロナウイルスによる影響も受け続けているし、これからの就活においても様々な影響・変化を及ぼすこととなるだろう。
そのため、今どんなことが起きているのかをしっかりと把握し、これからどうなるのかを想像しながら行動しよう。いまだに内定がない人は特に時間の限られた中で行われるこれからの就活を成し遂げられるよう、今後の動きを予測しながら行動することが大切だ。
就活相談サポートに参加しよう!
この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。