就活でのオワハラに注意!知っておきたい実態と適切な対処法をプロが解説

 2023年3月22日

就活の現場で年々増えているオワハラについて、何か対策はしていますか?

キャリアプランナー 平崎

就活生 Aさん

まったくしていないです。先輩から「内定承諾を強要してくる企業もある」と聞きましたが、正直他人事だと思っていました。

オワハラ対策を怠ってはいけませんよ。オワハラの被害にあう学生は増えており、パニックになって内定を承諾してしまう学生も多いようです。

キャリアプランナー 平崎

就活生 Aさん

そこまで深刻な問題なんですか…..。でも、具体的にどのような対策をすればいいのでしょうか?

それでは「オワハラの事例」や「オワハラの対処法」を紹介していきます。オワハラで就活を失敗させないためにも、参考にしてくださいね。

キャリアプランナー 平崎

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企業がオワハラをする意図とともに解説

企業がオワハラをする意図とともに解説

オワハラとは、「就活終われハラスメント」の略で、企業が就活中の学生に対して内定を条件に、他社の選考を終わらせるよう要求する行為です。企業という立場を利用し、就活生にこのような行為を要求するのはハラスメントとして問題視されています。

しかし、このオワハラは近年増え続けており、学生にとって大きな悩みの種となっています。では、なぜ企業はこのような行為を要求するのでしょう。まずは企業がオワハラをする意図を解説します。

優秀な学生を確保したいという焦り

オワハラをする企業の一番の目的は“優秀な学生の確保”です。「自分の企業に絶対入社してほしい」「他の企業にとられたくない」という焦りから、内定をチラつかせ、企業へ定着させようとするのが主な目的です。

優秀な学生のほとんどは大手企業に持っていかれてしまうことから、経団連に所属しておらず、採用スケジュールに縛りのない中小企業やベンチャー企業などがとくにこのような目的でオワハラをする傾向があります。

優秀な学生は貴重ですし、どの企業も欲しいと思っているため、見つけ次第囲っておきたいというのが企業の本音のため、優秀だと判断された学生はオワハラの被害にあいやすいという特徴があります。

採用活動にてこずっている

「予定していた人数が集まらない」「辞退者が多かった時のための事前防止」などの理由から、採用活動にてこずってしまい、オワハラをしてしまう企業もあります。

売り手市場と言われている今、予定していた人数よりも学生が集まらないという企業は年々増えています。新しい年度を迎えるにあたって先行投資をした以上、予定していた人数を確保しなくてはならない企業はオワハラを用いて学生を集めるのです。

また、毎年辞退者が続出する企業では、事前に辞退者が出ることを想定し、人がある程度減っても大丈夫なぐらい人を囲い込んでおきたいという理由からオワハラしている企業もあります。

どちらにせよ、採用活動にてこずっていることが原因でオワハラをしていることが分かります。

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具体的なオワハラの手段と適切な対処法

具体的なオワハラの手段と適切な対処法

オワハラをする企業には様々な意図が隠されていますが、正直就活生にとっては厄介な行為です。周りの友人や先輩が経験したように、自分もいつ経験してもおかしくありません。

また、オワハラには「内定が出る前」「内定後」「内定辞退」の3つの状況によって違ったパターンで繰り出されますので、それぞれの状況に合わせて適した対応を取りましょう。

ここからは企業の思うつぼにならないために、オワハラが行われる具体的な実例と解決策を解説していきます。

内定と引き換えに就活を終えるように要求する

[実例]

オワハラの代表格として挙げられるのが、「内定出してあげるから他社の選考や内定を辞退して」と、内定を引き換えに就活を終えるように要求する行為です。これは“内定が出る前”にされる行為です。

「内定を出すから他社の選考を辞退して」「他社の内定を辞退したら内定を出すよ」など、企業によって言い方は様々なですが、このように内定を条件に他の選考を辞退させるような行為は立派なハラスメントです。

ひどい場合はその場で他社へ電話し、辞退をさせようとする企業もありますので、しっかりと企業を見極め、適切な対応を取りましょう。

[対処法]

一番円満な対処法としてオススメなのは、「その場では承諾し、就活を続けてのちに辞退する」方法です。ここで「それはできません」などと断れば内定がもらえない可能性がありますので、内定を獲得するためには「わかりました」と承諾するのが安パイです。

また、内定はのちに辞退することが可能ですので、その場で承諾してしまっても後で辞退すればいいだけの話です。変に断ってしまい、気まずい空気になるぐらいならその場は丸く収めておいた方が得策です。

もし、その場で他社の選考を辞退させようとしてきた場合は、“電話をかけるフリ”をすればOKです。もし「通話画面を見せろ」などと言われたら拒否し、その場でお断りをしましょう。そのようなことを要求してくる企業へ入社する必要はありません。縁がなかったと潔く諦めましょう。

オワハラの対処法がわからない人は、キャリチャンで無料開催している「就活相談会」を活用してください。プロのカウンセラーが1対1で相談にのってくれるため、周囲を気にせずハラスメント問題の悩みを相談できます。zoomを活用したオンライン面談も実施しているので、一人で悩まず相談してください。

承諾書にサインさせようとしてくる

[実例]

内定を引き換えに交渉したのち、学生からのOKをもらった後すぐに内定承諾書にサインさせてくる行為です。これは“内定後”に行われるオワハラです。

書面にサインさせることで辞退させにくい雰囲気を作るのが企業の目的です。書類には「2020年4月の入社を約束します」「内定を辞退することはありません」などといった文言が書かれている場合もあります。

書類を提示されることでビビってしまい、ついサインしてしまう、またサインしたからには辞退しにくいと訴える学生が多くいます。

[対処法]

内定承諾書へのサインを求められた際のベストな対処法は、「サインをして、のちに辞退する」です。その書類サインしちゃってOKなんです。なぜなら、内定承諾書には“法的拘束力”がないからです。

つまり、内定承諾書にサインしてのちに辞退しても何の問題もないです。ですから、その場を丸く収めるためにもサインしちゃった方が良いのです。

もちろん入社する気がなく、断れるのであれば断ってしまってOKですが、断りづらい場合はとりあえずサインだけしちゃい、後から辞退しましょう。

他社の選考日と懇親会などを同じ日にする

[実例]

他社の選考を受けさせないために、懇親会や研修などを他社の選考日と同じにしてくるというパターンのオワハラもあります。これは“内定承諾後”によく行われる行為です。

特に多いのが、選考が始まる6月1日や、最終面接に合わせて企業の予定を被せてくるパターンです。企業は「この研修にこないと内定は取り消す」などと脅迫し、絶対に参加させようとしてきますが、これは立派なハラスメントですので注意しましょう。

ひどい例として、泊まり込みで研修を行い、他社の選考を受けさせないようにする企業もあったそうです。

[対処法]

選考日程を被せてくる行為には「理由をつけて欠席する」ことが最善策です。正直に「他社の選考に行く」と言うのではなく、体調不良や家庭の事情など、相手が納得せざるを得ない理由をつけます。そうすることで疑われることなく他社の選考をすることができるのです。

もし、「参加しないなら内定は取り消し」と言われたら「わかりました」と言って参加しなくてOKです。他社の選考に行きましょう。だって、そんなことを言ってくるような企業に入社する必要なんてないからです。

そんな脅迫をしてくるような企業は入社後にも同じことをしてくることは目に見えています。体調不良や家庭の事情といっても理解してもらえないような企業はこっちから願い下げです。

また、面接の段階で他社名や選考状況などを言わないことも大切です。他にもSNSに「今日は面接」などと書かないようにしましょう。オワハラ企業がSNSをチェックしていたらすぐにウソがばれてしまい、厄介なことになってしまいます。

飲み会などで内定を辞退しにくい環境を作る

[実例]

飲み会や懇親会を頻繁に開き、学生と親睦を深めることで辞退しにくい雰囲気を作るという手法です。これも“内定承諾後”に行われるハラスメントです。

頻繁に会えば仲が深まるのは当然ですし、飲み会の席などで「4月からよろしくね」「期待しているよ」などと言われれば嬉しくなってしまうもの。ましてお酒の席でなら余計に真に受けてしまうのではないでしょうか。

このように、優しくされたり、期待されると「ここまでしてもらったのに断るわけにはいかない」「期待に答えたい」と思うのが日本人です。しかし、そんな優しさにつけこんでくるのがオワハラです。騙されてはいけません。

[対処法]

辞退しにくい雰囲気を作られてしまった場合の対処法は「雰囲気に惑わされずに自分の意思を尊重するという強い意志を持つこと」です。

確かに優しくされたり、期待されると誰だって嬉しいですし、飲み会などを参加することで企業の人に情が湧いてしまうことは仕方ありません。ただ先ほども述べたようにオワハラをする企業はそんなあなたの優しさにつけこんでいるだけなんです。

それに本当にそんなことを思っているとも限りませんし、このようなことは誰にでもいっているかもしれません。

気分をよくしてしまったがゆえに、一瞬の気の許しが今後の自分の人生を左右させてしまうということを忘れてはいけません。「いい人」だと思い、期待に応えたくなる気持ちもわかりますが、自分がどうしたいのかを明確にして、強い意志で対応しましょう。

もし、心が揺らいでしまうのが怖いという人ははじめから飲み会などに参加しないようにしましょう。先ほどのように体調不良や家庭の事情などを用いり、お誘いを断っちゃいましょう。

本番を想定したオワハラ対策の練習をしたい人は、キャリチャンで無料開催している「面接サポート」を活用してください。キャリアプランナーが1対1で対応し、模擬面接の練習サポートも実施しています。zoomを活用したオンライン面談のため、ぜひ気軽に参加してください。

脅迫してくる

[実例]

「内定が出る前」「内定後」「内定辞退」のどの状況でもありうるのが脅迫です。具体的な例は下記のとおりです。

  • 内定が出る前→「承諾しないと来年からあなたの大学の人は取らない」
  • 内定後→「内定を辞退するようなことがあれば他の企業に言いふらすからね」
  • 内定辞退→「採用にかかった費用を払え」「訴えてやる」「辞退は認められない」

上記はよくあるケースの脅迫です。どれも内定を承諾せざるを得ない、もしくは内定を辞退しにくい状態に持っていくような言葉ばかりです。

このようなセリフを言われると恐怖から企業に従ってしまう、と毎年多くの学生から相談を受けるほど、このような脅迫は多くあります。

また、始めに説明した「内定を出すから他社の選考は辞退しろ」も脅迫です。就活生の就活の妨げるような発言はすべて脅迫だととらえましょう。

[対処法]

脅迫をされた際の適切な対処法は「強気な姿勢でいること」と「その企業の選考を取りやめること」です。まずは強気な姿勢でいることが大切です。少しでも弱みや隙を見せてしまうと相手のペースに巻き込まれてしまうだけです。言われたことなんて気にしないという気持ちでいましょう。

それにどんな脅迫も基本的には企業の方が不利になるケースが多いです。「大学から取らない」と言っても、あなたのようなオワハラをしてまで欲しいと思うような人材がいる大学から人が来なくなるのは困りますし、「辞退を他社に言いふらす」と言っても、そんなことをいちいち言いふらす企業の方が悪印象です。

また、「費用払え」や「訴えてやる」も無効です。どちらかといえば訴えることができるのは企業側ではなく学生側です。なぜなら「費用払え」などといった脅迫は、脅迫罪や強要罪などになるケースがあるからです。

そのため、何を言われても気にするなというのは難しいと思いますが、「このようなセリフはたいして意味がない」と思うようにしましょう。

そして、今すぐその企業の選考を取りやめます。このような脅迫をする企業に入社しても、同じような脅迫から仕事にも影響が出ることが目に見えているので危険です。内定の有無に関係なく、今すぐ選考または内定辞退をしましょう

ひどい場合は必ず人に相談すること!

自分で対処できる程度のオワハラであればよいですが、一人で対処するのが難しい場合、もしくは不安だという人は必ずすぐに人に相談してください。

あまりにも大きな内容の場合は弁護士に頼るのが一番心強いですが、費用なども掛かってしまうので、まずは労働相談情報センター へ相談しましょう。

また、すぐに相談できる相手として大学の先生やキャリアセンター、そして就活エージェントなども頼りになります。

キャリチャンでも就活に関する悩みや不安を解消するためのイベント「就活相談会」を開催しています。オワハラ被害の相談もはもちろん、今後の就活のサポートまで行います。ぜひ参加してみてください。

利用者の声

そのほかのオワハラ事情と注意すべきこと

そのほかのオワハラ事情と注意すべきこと

上記のような手段の他にも「オワハラを受けた企業が本命だった」「内定出したら入社する?と面接の流れで質問された」など、様々な状況が考えられます。

では、そのような状況ではどのように対処していけばいいのでしょうか。オワハラの事情と注意点について解説します。

本命の場合も今一度考える

本命企業から「内定出すから他の選考は辞退して」と言われるとつい舞い上がってしまうと思いますが、すぐに承諾するのではなく今一度よく考えてください。なぜ考えるべきなのか、それはいくら本命企業だとしても“その企業はオワハラをしてくるような企業”だからです。

入社後にこのようなハラスメントが横行している可能性もありますし、仕事上でも何かを条件に犠牲にするものが増えていく可能性もあります。もしかしたら飲み会などで退職しにくい雰囲気を作ってくるかもしれません。最悪の場合、脅迫されることもあるかも…。

もちろん、オワハラをするすべての企業がこのようなことをするわけではありませんが、このような可能性を考えたうえで、「オワハラをする企業に入社してもいいのか」を今一度考えた方が良いです。

ただ、入社する気持ちが強ければ承諾しても構いませんし、単純にその場内定をいただけたのなら素直に受け入れましょう。

「内定を出したら入社する?」はオワハラ?

よくある質問の一つとして「内定を出したら入社する?」というものがあり、これについて「オワハラなのではないか」と疑問を持つ人が多くいます。

しかし「内定を出したら入社する?」という質問自体はオワハラではありません。なぜならこの質問は学生の入社意欲や熱意などをはかることが目的だからです。つまり、この質問をしたからといって実際に内定がもらえるとか限らないのです。

ですので、この質問を受けたからと言って「ここはよくない企業だ」などと判断しないようにしましょう。しかし、「はい入社します」と答えたうえで、「じゃあ他の選考を今辞退して」などと要求してきた場合はオワハラに該当するので注意してください。

内定承諾後でも内定は辞退できる

先ほども述べたように、オワハラを断ることができず、仕方なしに内定を承諾してしまったとしてものちのち内定辞退をすることは可能です。たとえ承諾書などにサインしてしまったとしても承諾書には法的拘束力はないので問題ありません。

「内定承諾しちゃったどうしよう」と思い詰めてしまい、それがストレスになってしまえば他の選考はうまくいきません。「別に今ここで承諾してしまってもあとで断ればいいや」という気持ちでいることが大切です。

しかしまた、オワハラをしてくるような企業ですので、様々な口実で辞退させないようしてくると思いますが、入社したくないのであれば断固拒否してください。入社先を決めるのは企業ではなく、あなたです。

また、たとえ嫌な企業だとしても辞退する際は丁重に謝り、礼儀正しく対応してください。辞退する以上、少なからず企業へ迷惑をかけることになりますので、たとえオワハラからの辞退だとしても、丁重に対応するのが大人としてのマナーです。

また、こちらが挑発的な態度でいると企業側も「採用にかけたお金を払え」などと脅迫してくる可能性もあるので、企業側を逆上させないためにもしっかりとマナーを守りましょう。

おわりに

オワハラ被害を訴える就活は毎年増えており、売り手市場の影響からオワハラを行う企業自体も増えてきています。

上記で紹介したようなわかりやすいケースの場合がほとんどですが、最近では巧妙な手口から学生にオワハラを行う企業もあるそうなので、見極めが難しくなってきています。

しかし就活は自分の今後の人生を決めていくものです。入社先も企業が決めるのではなく、自分で決めるのです。そのためオワハラという企業のペースに流されるのではなく、自分の意思をしっかりと持つようにしましょう。

また、オワハラに屈せずに対処していくことも大切ですが、一人で対処しきれない場合はすぐに人に頼ってください。

弁護士は費用もかかるので気軽に相談できないと思いますが、大学の先生やキャリアセンター、労働相談情報センター、さらに就活エージェントなら気軽に相談できると思うので、すぐに相談しましょう。人に相談すればその分早く解決します。

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この記事の監修者

監修者:平崎泰典

平崎 泰典

株式会社ジールコミュニケーションズ 
HR事業部マネージャー

2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。

主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。

就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。

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