【例文あり】面接で「内定がない理由」を答える方法を就活のプロが伝授
2025年6月27日
なぜ内定がないのかについて、面接で聞かれたことはありませんか?
あります。あれって、どう答えればいいんでしょうか。正直、「そんなの私が知りたいよ」って感じなんですけど。
そうですよね。自分でも理由がわからないから困ってるのに、それを聞かれるのは精神的な負担が大きいでしょう。なんだか責められてるように感じる就活生もいるかもしれません。
そうなんです。しかも、変に答えたらマイナスな印象になって、ここも落とされるんじゃないかって面接中に不安になると、なおさらうまく答えられなくて。
わかりました。では、今回のコラムでは内定がない理由をうまく答える方法について解説します。どう答えたら高評価が得られるのかや、考えても理由が浮かばない場合の対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
面接で「内定がない理由」を聞く意図
面接では「内定がない理由は何ですか?」と聞かれることがあります。このような学生にとって答えにくい質問を、なぜ面接官が聞いてくるのか不思議に思っている就活生もいるでしょう。
別に面接官は、内定がないことを責めているわけではありません。以下のような意図から、学生に「内定がない理由」を聞いています。
どんな質問においても、質問の意図を把握していないと適切な回答ができませんので、しっかりと面接官の意図を確認しましょう。
原因の把握と改善に努めているかを確認するため
面接で「内定がない理由」を聞く意図は、学生自身が内定がない原因を把握し、内定がない状況を打破するために改善に努めているかを確認するためです。つまり、自分の欠点に対して客観的に原因を分析し、改善できる人間かどうかを把握するのです。
なぜ内定が取れないのか、その原因を自分で知ろうとし、改善に向けて行動できる人間かどうかを把握することで、社会人として成長できる人材かどうかを見極めることができます。
社会人として成長するためには、失敗に対して真摯に向き合えるかどうかが重要になります。「失敗したらそのまま」という人が成長できるはずがありませんし、そのような人を企業は雇いません。
ですから、学生が社会人として成長を続けられる人なのかどうかを見極めために、学生の欠点に対する原因把握から、改善できる人間かどうかを質問を通して確認します。
内定がないのには、もしかするとアプローチの仕方や面接での受け答えなどに原因があるかもしれません。
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人柄から企業との相性を見極めるため
面接で「内定がない理由」を聞くのには、その回答から学生の人柄を把握し、企業との相性を見極めるという意図もあります。
前述のように、「内定がない理由」の回答からは、自分の欠点を把握できているか、欠点を改善するために行動できるかを読み取れます。それはすなわち、その人物に成長性があるかどうか、入社後のポテンシャルをはかる1つのモノサシです。
そこから面接官は学生の人柄を把握し、自社と相性がいいのか、企業にとって必要な人材なのかを見極めていきます。新卒の場合は基本的にポテンシャル採用なので、成長性にかかわる人柄は、重視している企業が多いです。
面接で相性をしっかりと見極めることができないと、ミスマッチから早期退職へとつながりかねません。そうなれば今までにかけた時間やお金はすべて水の泡となってしまいます。
そのようなことを避けるべく、企業側は様々な角度から学生を見極め、学生の人柄と企業が求める人材とがマッチしているのか、企業の雰囲気と合うのか、そして会社のために働いてくれる人材なのかどうかを確認していきます。
つまりこの質問への回答では、これまでの就活から自分の足りない部分を学び、自ら改善に努められる成長性の高さをアピールする必要があるわけです。
内定がない理由を上手に答えるポイント
「内定がない理由」を聞く企業の意図を理解したら、次は面接で上手に答えていくための対策をしていきましょう。
「内定がない理由」は学生にとって答えにくいネガティブな質問だと思いますが、以下のようなポイントを押さえれば、マイナスイメージにならずよいアピールができるはずです。
それぞれのポイントを詳しく解説します。
内定がない原因を客観的に見つめ直す
面接での回答を考える前にまずは、「なぜ自分には内定がないのか」その理由を“客観的”に見つめ直してみましょう。
主観的な分析では思い込みから視野が狭まってしまい、本当の原因が見つけにくくなります。自分では「これかな」と思うところがあっても、必ずしもそれが原因だとは限りません。できるだけ感情を抜きにして、客観的に自分を見るように心がけることが大事です。
また、内定がない理由は「そもそも数受けてない」「相性が悪かった」などといった表面的な部分ではなく、「なぜ相性が悪いのか」といった内面的な部分を突き止める必要があります。
そのためにも、自分には何が足りないのか、他の学生とは何が違うのかなど、“客観的”に自分を見ていくことが大切なのです。また実際に他者に自分を見てもらう事で、自分の内定がもらえない原因がハッキリしますし、改善もしやすくなるため良いでしょう。
この質問では、内定がもらえない原因をハッキリ答える必要がありますので、まずは自分の中で内定がない原因をしっかりと明確にしていきましょう。
今の状況をどのように改善しているか考える
前項より、内定がない理由を明確にしたら次は、「内定がない状態を打破するためにはどう改善していくべきなのか」を考えます。面接では、学生が欠点を改善できる人かどうかを見られていますから、改善するための行動も考えておかなくてはなりません。
また、実際に内定を獲得していくためには今の状況を把握し、改善のための行動を取らなくてはならないため、しっかりと考えていきましょう。
その欠点を改善するためにはどうすればいいのか、どんな行動を取ることで今の悪い状態を抜け出せるのかなど、これらも“客観的”に考えていきます。
また、実際に改善に向けて取っている行動なども洗い出しましょう。そしてそれらの行動は本当に効果があるのか、どんな行動から就活に向き合っているのかなどを洗い出し、まとめていきます。
「原因」と「改善のための行動」を正直に述べる
「内定がない原因」「改善のためにすべきこと・していること」をまとめたら、それらを面接で“正直”に述べていきます。面接官は内定がない原因そのものではなく、学生の成長性や人柄をチェックすることが目的ですので、正直に述べないとそれらを見極められません。
悪いイメージを持たれたくないからといって、自分を繕った回答をするのはよくないです。学生の人柄を見極めにくくなりますし、「ウソをついてごまかそうとする」ということに対し、かえって悪い評価を受ける可能性があります。
繰り返しになりますが、内定がないことが悪いのではなく、その問題に対してちゃんと向き合えているかどうかが大切です。しっかりと向き合えていることを証明するためにも、内定がない原因は正直に答え、改善のための行動も明白にしてハッキリと答えましょう。
伝え方も意識して答えよう
面接では自分の良さをアピールするためには『伝え方』も大切です。「内定がない原因」と「改善のための行動」を上手に答えていくためにも、伝え方を意識していきましょう。
そこでオススメなのが「PRER法」です。PRER法とは、簡潔かつ説得力のある文章を作成する際に用いられる文法です。PREP法に当てはめて話すことで、相手に話の内容が伝わりやすくなります。
- P=Point(結論)
- R=Reason(理由)
- E=Example(事例・具体例)
- P=Point(結論を繰り返す)
ここでいう結論は、「内定がない理由」です。次に内定がない原因はどこにあるのか、その理由を具体例と合わせて答えていきます。そして、改善のためにしている行動、またはこれからすべき行動について語っていきます。
ビジネスマンは「結論から話す」ことを求められますので、今のうちからしっかりとマスターしておきましょう。
【例文】内定がない理由の回答例
内定がない原因を明確にし、どう改善していくのか、改善のためにどんなことをしているのかをハッキリさせたら実際に回答していきましょう。ここでは「内定がない理由」を上手に答えるための例文をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
内定がない原因は、「自分の強みをしっかりと把握できていない」ことです。自己分析不足によって自分の強みを把握できておらず、その結果自分に合った業界や企業を選べていなかったのだと思います。
業界や企業を「自分にできること」ではなく、「自分がしたいこと」という基準から選んでしまい、その結果、自分の強みを活かせる企業と巡り合えないまま、内定獲得に至っていないのだと思います。
実際に面接を通しても自分の強みと企業が求めるスキルとの相違を感じましたし、満足に自分をアピールしきれていませんでした。
ですから今は、自己分析を徹底的にやり直し、「自分」について理解を徹底的に深めるようにしています。そして、「自分がしたいこと」ではなく、「自分の強みを活かせる企業(業界)」を探すように心がけてます。
また、自分の強みを具体的にどう活かせるのかを把握すべく、受ける業界や企業についても徹底的に調べています。そうしながら私は「自分」を知ることで視野を広げながら就活をしています。
まずは、内定がない原因は何かをハッキリと伝えます。その原因によって就活にどのような影響を及ぼしたのか、またそれが原因だと気づいたきっかけなどを語り、具体的な改善法を述べていきましょう。
内定がない理由を答える際の注意点
面接で内定がない理由を述べる際には、以下の点に注意しましょう。
内定がない理由というネガティブな質問だからこそ、伝え方には注意が必要です。以下で詳しく説明するので、参考にしてください。
否定的な発言に終始しない
内定がない理由を述べる際は、否定的な発言に終始しないように気をつけましょう。「自分の存在を受け入れてもらえない」「どうせ内定がもらえない」「何をしても改善されない」といった否定的な発言はネガティブな印象を与えてしまい、評価が下がってしまいます。
欠点を改善できる人間かどうかを見極めることも大切ですが、それ以前に自分に対して否定的な人間だと判断されれば内定は遠のきます。なぜならネガティブ思考で否定的な意見ばかり述べる人は、自分だけでなく周りの人のモチベーションも下げてしまう恐れがあるからです。
また、仕事には困難がつきものであるため、企業が欲しがるのは課題に対しても前向きに取り組み、それを解決する能力のある人です。原因に対して改善は難しいといった否定的なことをいえば、課題解決能力が低い人間だと判断されてしまうため、余計に評価は下がります。
ですから、内定がない理由ということでネガティブな内容になりがちではありますが、否定的な発言ばかりしないように心がけてください。ネガティブな内容だけで終わらせるのではなく、「自分は欠点を改善できる人間だ」ということをアピールするためにも、前向きな発言をしていきましょう。
「わかりません」は避ける
たとえ内定がまだ出ていない理由が明確でなくても、「わかりません」と答えるのは避けたいところです。その一言が、仕事における課題解決能力や改善意欲に欠けるという印象を与えてしまうかもしれません。
仕事で成果を出すためには、失敗の原因を自ら考え、改善に努める姿勢が大切です。そのような前向きな姿勢が、ご自身の成長を促します。
また、自分の課題や改善点を客観的に見つめる誠実さも、良い評価につながる大切な要素です。「課題から目を背けず、乗り越えようとする人」と判断されれば、仕事を任せたいと思ってもらえるでしょう。
内定がまだ出ていない原因を「わからないまま」にしておくのは、自身にとってもったいないことです。現状を乗り越えるためにも、まずはその理由を自身で分析し、必要な対策を考えていきましょう。
真摯に考えても理由がわからない場合は、次で説明する対処法を試してみてください。
考えても内定がない理由がわからない場合の対処法
真剣に取り組んでいるのに内定がもらえず、その原因がわからない場合には、就活のプロである第三者に面接の様子を見てもらうことをオススメします。
なぜなら、自分では気づきにくい課題や改善点が、最終的な評価の場である「面接」での立ち居振る舞いに表れていることが多いからです。自分一人では主観的になりがちですが、就活のプロによる客観的な視点を取り入れることで、これまで見えなかった原因を的確に突き止められます。
面接の様子を見てもらうのに適した人が周りにいない場合は、大学のキャリアセンターや就活エージェントに相談するとよいでしょう。
とくに就活エージェントは、数多くの学生を見てきた経験から、個人の癖や改善点を的確に見抜くプロフェッショナルです。単に原因を指摘してくれるだけでなく、一人ひとりに合った具体的な対策を教えてくれるため、効率的に改善を進められるというメリットがあります。
ですから、もし内定が出ない原因がわからずに悩んでいるのであれば、一人で抱え込まずに専門家の客観的な視点を活用しましょう。それが、原因を明確にし、面接での回答を可能にするだけでなく、実際に内定獲得へと繋がる確実な一歩となります。
ここまで読んで「特に問題がないのに内定がないのはなぜ?」と思ったら、それは面接での受け答えが理由かも知れません。
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「内定がない理由」は遅い時期の面接でよく聞かれる質問
内定がない理由は学生にとって答えにくい質問ですが、企業側にとっては学生を見極めやすいという、都合の良い質問です。そのため、「内定がない理由なんで自分が一番知りたいよ…。」と思う気持ちもわかりますが、しっかりと面接対策をしていかなくてはなりません。
まずはしっかりと内定がない理由を明確にし、その問題に対してどう改善していくべきなのかを考えていきましょう。そしてそれらをPREP法に当てはめ、何を伝えたいのかを意識しながら述べていきましょう。
また、面接で上手に答えていくためには面接練習が欠かせません。どんな質問にも堂々と答えられるよう、万全な準備とそれらを存分に発揮できるようにしましょう。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。