【面接対策】周りからどう思われている?「周りからの評価」の答え方
2023年12月4日
先日の面接はどうでしたか?
うまく話せましたか?
キャリアアドバイザー 岡田
就活生 Aさん
元々準備していた答えはうまく話せたと思います。
でも「あなたはまわりからどう思われていますか?」という質問にはつまずいてしまいました。どう答えるのが正解なんですか?
それは「他人からの評価」を問うものではなく「就活生自身の人柄」を問うものですね。
ただ自分の評価を伝えるだけではダメで、自分の人柄を表現した内容にする必要があります。
キャリアアドバイザー 岡田
就活生 Aさん
そうだったんですね……。
具体的にはどう答えればいいのか教えてください!次回の面接に向けて、知っておきたいです!
では、自分の人柄をどう表現し、どう企業側へアピールするのか、その方法と回答ポイントをご紹介しましょう。
面接で適切にアピールするため、参考にしてください。
キャリアアドバイザー 岡田
「周りからどう思われているか」を聞く意図
冒頭にも述べたように、面接で企業が「周りからどう思われているか」と聞くのは大まかに言うと、就活生の人柄を知るためです。しかし就活生の人柄を知って、具体的にはそれをどう判断しているのでしょうか。それが分からないことには、適切な回答・適切なアピールができませんよね。
コラムの初めにまずは、「周りからどう思われているか」という質問への回答から見える人柄によって、面接官が何を見極めようとしているのか説明します。
どのように働き、どう仕事と向き合うのかのチェック
面接官は「周りからどう思われているか」聞く意図は、就活生の人柄を知ることによって、その人が入社後どう働き、どう仕事と向き合うのかをチェックするためです。就活生が入社後どんな風に働くのか知りたくても、実際に一人一人仕事をやってみてもらうわけにはいきません。たとえ実際やってみてもらったとしても、短時間働いただけでは結局、入社後の仕事ぶりは予測できないでしょう。
見られていることが分かっていれば、怠け癖のある学生だって、その時だけ懸命に働くふりをするのは簡単なことです。しかし人間の性格や人柄は、必ず仕事への姿勢に表れます。普段から怠け癖のある人は仕事でも怠けるでしょうし、完璧主義の人は仕事の上でも完璧を求めるはずです。
ですから正確に人柄を見極められれば、その就活生が入社後”どのように働くのか、どんな風に仕事と向き合うのか”が分かります。
面接官は就活生への周りの人の評価を聞くことによって、入社後の仕事に対する姿勢を正確に予測しようとしているわけです。
企業が求める人物像に合っているかのチェック
面接官は「周りからどう思われているか」聞く意図は、その人が企業の求める人物像に合っているのかをチェックするためでもあります。なぜなら就活生の人柄が企業の求める人物像に合っていなければ、入社後ミスマッチが起こりかねないからです。企業にはそれぞれ特有の社風やビジョンがあり、それに応じて求めている人物像が異なります。
リーダーシップのある人物を求めている企業もあれば、協調性の高い人物を求めている企業もあるわけです。たとえ優秀な学生であっても、企業の求める要素を持っていなければ入社後活躍できませんし、本人も無いものを求められて辛くなり、結局は早期退職へとつながる恐れがあります。
企業側は膨大なお金と時間をかけ、採用活動を行っているため、学生の早期退社はなんとしても避けたいのです。
企業にとって戦力になり、かつミスマッチが起きないようにするためにも、面接官は「周りからどう思われているか」を聞いて人柄を見極めようとしています。
面接では、質問に対して単純な回答をするだけでは評価が上がらない場合もあります。面接官がどういう意図をもっているのか理解しておけば、うまく答えられるようになるでしょう。
キャリチャンの「面接サポート」では、 一対一での模擬面接で、あなたの答えに関してよい所や改善点をアドバイスしています。うまく話す自信がない人や、初めての面接で極度に緊張している人は、ぜひ練習のためにご利用ください。では、模擬面接を行っています。面接官の頭の中を理解できるチャンスなので、 ぜひご活用ください。
周囲とのズレがないかのチェック
自己評価と周りからの評価とのズレがないかチェックすることも、面接官が「周りからどう思われているか」という質問をする意図の1つです。大抵の企業はESか面接のどちらかで、自己PRを求めます。
自己PRでは、学生が自己分析で自分が強みだと思った部分をアピールしますが、自己分析が必ずしも的確であるとは限らないです。自己評価だけを基に学生を評価してしまうと、誤った合否判定を下してしまう恐れがあります。ですから面接官は、「周りからどう思われているか」を聞くことによって、より深く人柄を見極めようとしています。
それに自己分析が的確でなく自分のことをよく分かっていない人は、自分という人間の活かし方を知らないので、実際どんな強みを持っていても結局は入社後あまり活躍できません。
就活生が自分の活かし方を分かっているか判断するためにも、面接官は自己PRで話したことと周りからの評価にズレがないか、自己分析は十分にできているかを確認するのです。
周りからの評価を答えるポイント
先ほど説明した企業の意図からも分かるように、「周りからどう思われているか」という質問に対しては、自分の人柄をいかに表現できるかが回答のポイントとなります。しかし口先だけなら何とでも言えますので、内容や話し方を工夫して信ぴょう性を持たせるとともに、それを好印象へとつなげなければなりません。
一体どのように答えれば、本当に周りからそう思われていると印象付けられるのでしょうか。ここからは「周りからどう思われているか」という質問への回答で、具体的に自分の人柄をどう表現するのかについて説明します。
まずは「周りからの評価」を整理する
面接で「周りからどう思われているか」という質問へ適切な回答をするための第一段階は、まず事前に自分に対する周りからの評価を聞いて、それを整理することです。面接官は「周りからどう思われているか」を聞いているわけですから、「きっと自分はこう思われているだろう」などと勝手に推測し、主観的な意見を述べても好印象は得られません。そのように面接官の意図に沿わない回答をすると、質問を理解する能力がないと思われてしまうだけです。
ですから、まずは「周りからどう思われているか」への回答で話すネタを探すために、実際に周りの人からの評価を聞いて客観的な意見を集めます。自分の周りの友人、家族、就活カウンセラーなどから、実際に自分がどう思われているのか聞いてみてください。ただし人間だれしも良いところと悪いところがあるはずですから、良い評価だけでなく悪い評価も集めるのが、回答に信ぴょう性を持たせるコツです。
また就活カウンセラーはまだしも、友人や家族は他人を分析するプロではないので、漠然と「自分をどう思う?」などと聞かれても明確に答えられないこともあります。
そんな時は「リーダーシップがある」「意志が強い」「優柔不断」といった人柄を表すワードを一覧票にして、その中から当てはまるものを選んでもらうのも1つの手です。なぜそう思うのか理由も聞いておけば自分への理解も深められ、「周りからどう思われているか」への回答の中で、自分の人柄を表現しやすくなります。
評価の中から“企業の社風に合った強み”を掘り下げる
周りからどう思われているか客観的な意見を集めたら、その中から志望企業の社風に合った人柄を表現できる強みを選び、内容を掘り下げてください。面接官は単なる優秀な学生ではなく、自社の求める人物像に合致する学生を探していますから、志望企業が求めていない強みをアピールしてもまるで意味がないです。そのため面接では自分に対する周りからの評価の中で、その企業の社風に合う意見を述べ、自分がその企業の求める人物像に合致する人間だと示す必要があります。
なぜなら社風は、その企業が目指す方向性やその企業中で「良いこと」とされている考えを反映したものであり、大抵は企業の求める人物像とつながっているからです。その企業で求められているような人ばかりが集まっているからその社風になるとも言えますし、社風に合う人物を求めているから同じような人が集まるとも言えます。
ですから自分は周りから、その企業の社風に合った強みを持った人物だと思われていると語ることで、自分をその企業にとって魅力的な人物に見せることができるわけです。ただし口先では何とでも言えますから、確かに自分が周りからそう思われているということを裏付けるエピソードを語って、その話に信ぴょう性を持たせなければなりません。
その裏付けとなるのが、なぜ周りの人が自分に対してそう思うのかという理由や、実際に自分がその強みを発揮した事例などです。周りの人の評価を集めた時に聞いておいた理由を整理し、自分の過去の行動などを掘り下げて、話すべき内容をまとめましょう。
話す内容は“良評価7割・悪評価3割”
面接で「周りからどう思われているか」答える際は、良い評価7割・悪い評価3割のバランスで述べるのがポイントになります。良い評価は前述のように、自分の強みをアピールするために必要なので、できるだけ強く印象に残したいところです。しかし欠点のない人間なんているはずがないですから、悪い評価の方も少しは語らなければなりません。面接において企業は、特に学生の挫折経験や短所を知ろうとする傾向があります。なぜなら挫折経験や短所には、その人の本当の人柄が出やすいからです。
それなのに良い評価だけを語っては、回答に信ぴょう性が出ないばかりか、仕事の上でも失敗や汚点を隠そうとする不誠実な人間だと思われてしまうでしょう。それよりも悪い評価を隠さず認めることで誠実な人柄を表現できますし、改善に取り組んでいる事例を語れば自分のことをきちんと分かっていると思われ、逆に悪評をアピールポイントにだって変えられます。
ですから「周りからどう思われているか」への回答では、良い評価と悪い評価をバランス良く配分し、自分が企業の求める人物像に合致するというアピールへつなげていくべきです。具体的な表現方法としては、良い評価を得ている強みを入社後どう活かすのか、実際どう役立つのかを述べて、自分が企業にとってメリットのある人間だとアピールします。
悪い評価の方は、その欠点を入社までにどう改善するのかや入社後はどう取り組んでいくのかを述べ、失敗から学べる人間性をアピールすると良いです。しっかりと企業研究を行って求められている人物像を把握し、的確なアピール方法を考えてください。
面接では、質問に対していかにわかりやすく簡潔に答えるかが大切です。キャリチャンの「面接サポート」では、模擬面接を通して話す練習が可能です。同時に面接官の頭の中を理解するチャンスですので、トレーニングと思ってぜひ活用してください。
話す際は結論から!PREP法を意識しよう
実際に面接で「周りからどう思われているか」回答する際は、PREP法を意識し、結論から順を追って説明していきましょう。PREP法はビジネスでよく使われる文章構成法で、簡潔で説得力のある文章を作るのに効果的な論法です。
【PREP法】
- P=point(結論)→ どう思われているのか
- R=reason(理由)→ なぜそう思われているのか(裏付けエピソード)
- E=example(具体例)→ 実際に取り組んでいること
- P=point(結論)→ 良い評価が入社後どう活きるのか・悪い評価の改善
これを質問への回答へ当てはめると、PREP法で最初に語るべき結論は質問に対する直接的な答えなので、まずは実際に周りからどう思われているのかという評価を述べます。それから、なぜそう思われているのか理由を説明し、具体的な事例を出して信ぴょう性を補強するのです。
そして最後の結論として、周りからの評価となっている自分の強みや欠点を、志望企業へのアピールにつなげていきます。ただし「周りからどう思われているか」という質問では、答えるべき結論が良い評価と悪い評価の2つあるので、少々厄介です。
最初に答えたことの方が印象が強いですから、まずは良い評価の方から結論→理由→事例と説明していってください。その後、悪い評価の方も結論→理由→事例の順で説明します。最後に2つの話のまとめとして、良い評価を得ている強みを入社後どう活かすのか、悪い評価の欠点をどう改善するのか述べると良いです。
【例文】「周りからどう思われているか」の答え方
良い評価は「コミュニケーション能力がある」、悪い評価は「我が強い」という題材をもとに、回答例を作成しました。
- 周りからの評価は何か(良い評価7割・悪い評価3割)
- なぜそう思われているのかの理由(意識していることなど)
- 実際に取り組んでいること、悪い評価に対しての改善
- 良い評価は入社後どう活かされるのか、悪い評価はどう向き合っていくのか
これらのポイントと合わせ、実際にどうアピールするのかを意識しながらご覧ください。
「私は周りから“コミュニケーション能力が高い”と言われます。私自身、人と話すことがとても好きで、意識的に話しかけているのではなく、自然と話しかけることが身についていることから、このように思われるのだと思います。
自分から話しかけることで、いろんな人と出会うことができ、いろんな人の意見や価値観を知ることができたので、自分にとっても強みだと思っています。
しかし、“我が強い”とも言われます。学校行事やサークルなどでリーダーをする機会が多く、その際に自分の意見を押し通そうとしてしまうことがあるため、そのように思われるのだと思います。
今ではその弱点である“我の強さ”を直すため、自分の意見ばかりを押し通すのではなく、相手の話も最後までしっかり聞くように意識しています。
入社後は、コミュニケーション能力の高さを活かし、たくさんの企業・お客様と接していき、売り上げに貢献したいと思っています。反対に我の強さは入社までに改善し、自分の意見を押し付けるのではなく、相手の話を最後まで聞き、伝えるべき意見だけをしっかりと伝えらえるようにしたいと思います。」
周りからの評価を答える際の注意点
「周りからどう思われているか」という質問では、企業が就活生の人柄を見極めようとしているので、人柄がよく分からないような回答はもちろんNGです。しかし本質的な人柄を語っていたとしても、結果として不合格になりかねない回答もあります。
ここからは「周りからどう思われているか」答える際に、具体的にはどのような回答がNGなのか説明しますので、しっかり理解しておいてください。
社会人として欠点になるものはNG
たとえ自分の人柄を正確に表現していたとしても、周りからの評価として、社会人生活を送るにあたって重大な障害になると思われる欠点を挙げるのはNGです。企業は学生の採用に際して、自社の求める人物像に当てはまる以前に、社会人として他者と関わるのに必要なソーシャルスキルを備えていることを大前提にしています。
良い評価だけでなく悪い評価も述べなければならないとはいえ、まともに社会へ馴染めない人間だと思われたら、採用してくれる企業はありません。たとえば「コミュニケーション能力が低い」「自己中心的」「ネガティブ」「自分に甘い」といった要素は、社会人生活を送るにあたって重大な生涯となります。
自分が周りからそのように思われていると面接で述べてしまうと、たとえ改善するための努力を示したとしても、かなり評価が低くなるので避けた方が良いです。
もしも実際そのような欠点を周りから指摘されている場合は、「自分に甘い→マイペース」などと、言い方を変えて伝えるようにしましょう。
過剰な良評価はかえって印象が悪くなる
いくら「周りからどう思われているか」という質問への回答で自分の良さをアピールしたいといっても、過剰な良い評価はかえって印象が悪くなるので注意してください。その理由は簡単に言えば、「うさん臭くて嘘っぽい」からです。
全く欠点のない人がいるはずもないのと同様に、周りから手放しで大絶賛されている人なんて、そうそういるものではありません。できるだけ自分を良く見せたいという気持ちは分かりますが、嘘や誇張によって周りからの評価を偽るのは、絶対にNGです。
面接官は就活生の本質的な人柄を見抜くプロですから、周りからの評価やその理由、事例などの中で嘘を吐いたり話を盛ったりすると、すぐにバレます。
その結果、自分への印象をよくするどころか信用を無くしてしまい、もちろん合否の判断にも悪影響を及ぼすはずです。ですから面接では、自分が周りからどう思われているかを正直に伝え、嘘偽りのない本当の自分をアピールしましょう。
おわりに
「周りからどう思われているのか」の質問は、企業側が学生の人柄を見極め、企業との相性を図るためにしています。
そのため、ただ伝えるのではなく、企業にとってメリットのある人材だということをアピールするように回答を心がけましょう。
また、周りからの評価だけでなく、どんな質問に対してもしっかりと対策することが大切です。面接練習はすればするほど上達しますし、自分も納得のいく面接をすることができます。
面接準備はぜひ、就活のプロフェッショナルである大学のキャリアセンターや就活エージェントに頼ってください。あなたに合った対策を必ずアドバイスしてくれます。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。