就活で周りと比べてしまうのはなぜ?原因と適切な対処法をプロが解説します
2023年3月23日
就活がうまくいかず、周りと比べてしまい落ち込んでいると聞きましたが、大丈夫ですか?
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
少し落ち込んでいます……。友人が次々と内定をもらっているなか、自分だけ内定をもらえないのが情けなくて……。
周りと比べてしまう気持ちはわかります。ただ、比べてばかりだと焦ってしまい、本来自分には合わない企業を選んでしまう可能性もありますよ。
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
ダメだとわかっていても色々と考えてしまって……。比べずに就活をがんばる方法を教えてほしいです。
わかりました。このコラムでは、就活で周りと比べてしまう就活生のために「原因や対処法」を紹介します。就活で悩んでいる人は参考にしてください。
キャリアプランナー 岡田
なぜ人は周りと比べてしまうのか?
自分でもマイペースに就活したいと思ってはいるものの、なぜか周りが気になる、どうしても周りと比べてしまうという人もいますよね。同じ企業を受けているわけでもないですし、大学の友人や近所の同級生などが自分の就活に影響を与えることなどないのに、なぜついつい周りと比べてしまうのでしょうか。
解決策を知るためにも、まずはコラムの初めに就活において周りと比べてしまう理由と、周りと比べてしまうしまう人の特徴についてお話ししておきます。
「周りと比べる」のは競争心からくるもの
そもそも「周りと比べてしまう」という心理は、自分以外の存在に対する競争心が働いて起きるものです。現代の学生は昔に比べて競争心が薄いと言われていますが、人間も動物である以上、本能的に群れの中で順位付けしようとする心理が働きます。
人間は他の動物より知能が発達している分、実際に戦って勝敗を決めるのではなく、自分と相手を見比べて頭の中で優劣をつけるわけです。中でも競争心が芽生えやすい人には、下記のような特徴があります。
- プライドが高い
- 負けず嫌い
- 神経質
- こだわりが強い
- 周りに流されやすい
- 周りからの評価を気にする
- 優柔不断
- 自分に自信がない
- 人に認められたい
上の例からも分かるように、競争心が芽生えやすいのは何も「プライドが高い」「こだわりが強い」といった我が強い人ばかりではありません。
競争心は周りより上に立ちたい時だけでなく、他人に遅れを取りたくない、群れからのけ者にされたくないといった時にも働きます。ですから「優柔不断」「周りからの評価を気にする」などの気の弱い人も、競争心が芽生えやすいタイプに当てはまるのです。
就活では特に“競争心”が強くなる
競争心は生活の中のどんな場面でも生まれることがありますが、就活では特に競争心が芽生えやすくなります。なぜなら就活では、自分の出来栄えを自分で判断する基準が分かりにくいのに対して、周りと比べる基準となるものには「内定」「就職先」など明確なものが多いからです。
本来就活は自分が志望企業とどの程度マッチするか、自分がどの程度マッチすると伝えられたか、という自分と企業の間だけの問題と言えます。しかし就活には受験勉強のように明快な正解がなく、自分の実力は企業にとって何点だったのか、果たして正しい就活を行えているのかはハッキリと表せません。
そのため「内定の数」などの分かりやすい基準で周りの人と比べ、優劣をつけることによって自分の就活を評価しようとしてしまうのです。具体的には「内定の数(内定の有無)」「就活の進み具合」「内定先の社会的評価」などが、自分の就活を周りと比べてしまう基準となります。
自分は大学の友人より内定の数が多いから自分の方が上だ、近所の同級生は自分より有名な企業の内定をもらったから自分の方が下だといった具合です。
またグループワークや集団面接など、他人と同席する就活の中ではなおさら「学歴やスキル」が上か下かといった基準で自分を周りと比べ、合格の可能性を推し量ろうとします。そのように就活では周りと比べて優劣をつけることで、自分の出来不出来を判断しようとするため、競争心が生まれやすいのです。
就活で周りと比べてもいいことは何もない
人間には多かれ少なかれ誰しも競争心がありますし、就活は自分の実力や正解不正解が測りにくいですから、周りと比べることで評価しようとしてしまう気持ちはよく分かります。けれども、自分の行っている就活が正解か不正解かは、入社後に自分自身が満足できるかどうかであって、周りと比べても分かりません。
それどころか自分の就活を周りと比べてしまうことは、デメリットばかりで良いことなど何もないのです。ここからは、就活で周りと比べてしまうことによるデメリットについてご説明しますので、覚えておいてください。
周りと比べることで自分を見失ってしまう
自分の就活を周りと比べてしまうことで、どんどん自分を見失ってしまう可能性があります。たとえば「周りの人はみんな内定をもらっているのに、自分だけ内定がない」「自分はまだ志望企業に迷っているが、周りは就活を進めている」といった場合です。
そのように自分の就活を他人と比較することで、自分は周りより劣っているという意識が生まれ、自分自身や自分が今やっていることに対して自信を失ってしまいます。
そして「なんとかしなくちゃ」という焦りから「もっとこうした方がいいのでは?」などとあれこれ迷ううちに、結局自分は何をしたいのか、何をすべきなのかといったことが分からなくなってくるのです。
その結果、就活で自分が進むべき方向を見失ってしまい、きちんとした軸や強い思いのない中でやみくもに選考を受けることになります。志望している根拠や自分のアピールポイントが曖昧な状態では、就活が上手く行くことはありません。
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冷静な判断ができなくなり、選択ミスをしてしまう
自分の就活を周りと比べてしまうことで、冷静な判断ができなくなり、選択ミスをしてしまうこともあります。本来就活は、自分がもらった内定の中から、時間をかけて自分に合う企業を見極めていくべきです。
しかしせっかく内定をもらっても、「周りより早く就活を終えたい」といった焦りで、見極める作業を省略してしまい、自分に合っていない企業を選んでしまうことがあります。また「周りよりも良い企業に行きたい」「自分の入社する企業が周りより劣っていると思われたくない」などの見栄も同様です。
自分が企業選びにおいて何を重視していたのかを忘れ、周りの人との勝ち負けで入社先を決めることで、最終的に自分には合っていない企業を選んでしまうことがあります。
そういった焦りや見栄で企業を選ぶと、自分に合うかどうかで判断していないので、入社後にミスマッチに気付き、早期退職へとつながりかねません。
自己否定が負の連鎖を引き起こす
自分の就活を周りと比べてしまうことで最悪なのは、自分自身を否定し、負の連鎖を引き起こしてしまうパターンです。「どうせ自分はあの人には敵わない」「自分は周りの人より劣っている」などと、周りと比べて自分を否定することで、どんどん自信がなくなっていきます。
そうした自信のなさは無意識に表情を暗くし、ネガティブなオーラが態度や発言にもにじみ出てくるので、面接官に良い印象を与えません。新卒の就活では実務経験で応募者の実力を測れませんから、印象と将来の可能性で合否が判断されます。
そしてどの企業だって、どうせ未知数の未経験者なら周りの雰囲気を暗くしてしまう陰気な人より、明るくフレッシュな新人が欲しいです。結果として自信のない人は面接で不合格となってしまい、なおさら「やっぱり自分はダメだ」と自己否定が深まります。
それを繰り返すうちに、自己否定→自信をなくす→自信のなさがにじみ出る→面接官にバレる→落ちる→自己否定→…という終わりのない負の連鎖にはまり込み、抜け出せなくなってしまうのです。
周りと比べないようにするための方法と対処法
ここまで説明してきたように、自分の就活を周りと比べてしまうことはデメリットばかりで良いことなど何もありません。このコラムを読んでいる中には、その弊害を実感している人も多いはずです。
そんな「分かっちゃいるけど、どうしても周りと比べてしまう」という就活生のために、ここからは周りと比べないようにするための方法と対処法について解説します。これを参考に自分のための就活を立て直し、後悔のないようにしましょう。
そもそも自分とは関係ないということに気づく
自分の就活を周りと比べてしまう人は、そもそも周りの人は自分の就活とは全く関係ないということに早く気付くべきです。就活とはいったい何なのか、自分が何のために就活を行っているのか、今一度考えてみてください。
対抗意識を燃やしている相手が特定の誰かなのか、周りの全員なのかは分かりませんが、たとえその人が近しい友人だったとしても、就職後は別々の道を歩んでいくことになります。
その人たちが今いくつの内定をもらっていようと、どれほど有名な企業に就職しようと、あなたの今後の人生には少しも影響しないのです。中には友人などではなく、切っても切れない家族や親せきと比べてしまう人もいるでしょう。
しかし家族や親せきにしたって結局自分とは違う人間ですから、そもそも自分とはやりたいことも持っている才能も異なりますし、今後の人生に求めているものも違います。何をもって就職の成功と考えるのか、人生のものさしの違う人、目指すゴールの違う人と比べるなんて、何の意味もないことです。
就活中に知り合った同じ道を目指す人と比べてしまう学生もいるかもしれませんが、その人だってたまたま志望先が少し重なったに過ぎず、全く同じものを求めていることはありえません。
自分と価値観の近い人と比べてしまう人は、その人の「専攻は何か?」「どんな人柄?」「何が好き?」「部活は何?」など、あえて自分ととことん比べてみるとよいです。そうすることで、自分とは求めているものが違うことに気付きやすくなります。
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自分自身と向き合い、就活力アップに励む
自分の就活を周りと比べてしまう人は、周りと比べてしまわないように、自分の就活に集中してください。就活で大切なのは「仕事が合う」「社風が合う」など、自分に合った企業に就職することです。
自分に合った企業でなければ、入社後に仕事や職場に対して満足できず、ストレスだらけの社会人生活となってしまいます。「自分に合う企業」というのは人それぞれに異なるので、就職先に他人と比べての優劣などなく、ただ自分にとっての良し悪しがあるだけです。
自分に合った企業を見極め、その内定を得るためには、自分という人間について正しく理解した上で、自分の良さを上手に企業に伝えるための就活力を高めなければなりません。
ですから就活で周りと比べてしまう人は、周りではなく自分自身ときちんと向き合い、内定獲得のために努力を重ねる必要があるのです。そうすることで自分の就活に集中できますし、就活力のアップにもつながります。
就活力がアップして自分の良さを伝えられれば、内定を獲得でき、それが自信になるはずです。そして自信を持っている人は企業にとってより魅力的に見えますから、その自信がまた次の内定へとつながっていくという、良い連鎖が生まれます。つまり就活で比べるべきは、「周り」ではなく「自分」です。
これまでの就活の結果に納得がいかないのなら、納得のいく就活となるように、過去の自分と比べて成長していきましょう。
【状況別対策法】前向きな捉え方をする癖をつける
自分の就活を周りと比べてしまう人は、どんな状況においても、暗い方向に考えるのではなく前向きに考える癖をつけることが大切です。
周りと比べてしまう人は具体的にどのように捉えればよいのか、就活におけるさまざまな状況別の対策法を下に記載しておきますので、参考にしてください。
- 内定の数(内定の有無)を比べてしまう
→内定の有無や数よりも、自分に合った企業かどうかを見極める方が大事のため、自分自身と向き合い、自分に合っている会社から内定をもらえることに注力する - 就活の進み具合を比べてしまう
→受けている企業によっても選考フローが違うため、進み具合は関係ない - 内定先を比べてしまう
→重要なのは入社してからのため、自分の納得のできる企業を選ぶようにする。むしろ入社するまでこんなことは比較の対象にならない - 学歴やスキル面を比べてしまう
→学歴やスキル以外で採用している優良企業は多くあるため、学歴やスキルではなく、人間性をアピールできるように面接練習を行う
周りと比べて自分を否定してしまうのでなく、前向きに物事考え、自分自身と向き合うことで、自分に合った企業に入社できます。選考中も内定後も、周りと比べてしまうと冷静な判断ができなくなるので、注意が必要です。
誰にでも競争心はありますが、就活で周りと比べるのは無意味でデメリットの多いことですから、上記を参考にして理性的に考え方を変えるよう努力しましょう。
たまには弱音を吐くことも大切
就活ではただ頑張るだけでなく、たまには弱音を吐くことも大切です。自分の就活を周りと比べてしまうことで苦痛を感じた時は、正直に「羨ましい」と口に出すのも、案外ストレス発散になります。
時には休息して家族や友人と遊びに行き、周りと比べてしまうことで抱えている思いや悩みを、人に相談するのも良いでしょう。しかしできれば就活に関する相談の相手はただ話を聞くだけでなく、あなたの気持ちを本当の意味で理解し、問題を解説するためのアドバイスができるプロの方がもっと効果的です。
キャリチャンでも、そうした就活への悩みを相談できるイベントを開催しているので、ぜひ活用してください。「就活相談サポート」という、就活に関することなら何でも相談できる完全無料のイベントです。
経験豊富なキャリアプランナーが1対1で話を聞き、的確なアドバイスによって、あなたの就活の悩みを解決へと導きます。「周りと比べてしまうことで自信を失った」「友達が羨ましくてたまらない」「どうしたら良いか分からなくなった」など、どんな小さな悩みでもOKです。独りで悩んでいても前に進めませんので、キャリチャンと一緒に取り組んでいきましょう!
おわりに
就活は学生にとって初めての経験ですし、何が正解なのか点数では表せませんから、ついつい周りと比べてしまう気持ちはよく分かります。
しかし内定の数や内定先の知名度など、自分の就活を周りと比べて競い合っても、何一つ良いことはないので注意してください。
自分を見失わず自分に合った就職先を見つけるには、周りと比べてしまわないように、自分の考え方を変える努力が必要です。
それでも自分の就活を周りと比べてしまって悩んだ時には、休息を取ったり、人に相談したりといった対策を取りましょう。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。