既卒から大手企業への就職は無理?既卒就活の進め方とコツを解説
2023年7月13日
就活生 Bさん
今年から既卒として就活をするんですが、大手企業への就職は無理でしょうか…?
そんなことはありません!大手企業にも既卒生を受け入れている企業はありますよ。ただし、大手企業に固執しすぎると本来の目的を見失って、就活が進まなくなる恐れがあるので注意しましょう。
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Bさん
言われてみれば、去年の就活も大手企業にこだわっていたところはあったかも…。でもやっぱり、できれば大手企業に就職したいです!
わかりました。それでは今回は、既卒から大手企業に就職するための方法やコツについて解説します。既卒が入りやすい業界も紹介するので、就活の参考にしてください!
キャリアアドバイザー 平崎
目次
既卒から大手企業への就職は無理?企業の採用状況
既卒として就活をする人にとって不安なことの1つが、「そもそも企業は既卒を採用しているのか」ということではないでしょうか。そこでここからは、企業の既卒者の採用状況について2つの資料をもとに解説します。
原則として大学卒業後3年間は新卒と同じ扱い
就活の上で卒業後3年以内の既卒者は、原則として新卒と同じ扱いになります。なぜなら、厚生労働省は事業主が青少年の募集及び採用に当たって講ずべき措置として、少なくとも学校卒業後3年間は既卒者も新卒採用枠で応募を受け付けるよう企業に求めているからです(青少年の雇用機会の確保等に関して 事業主が適切に対処するための指針)。
そのため、既卒だからといって新卒の求人に全く応募できないということはありません。また、既卒の場合はすでに学校を卒業しているので、新卒枠以外に第二新卒枠や中途採用枠にも応募できます。つまり応募可能な窓口の種類は、むしろ既卒の方が幅広いわけです。
ただし、最終的にどんな人物を採用したいか決めるのは企業です。応募自体は可能でも、必ずしも全ての企業の全ての採用枠で選考対象になるとは限らないことも覚えておきましょう。
既卒を新卒採用の対象外としている企業は30%未満
独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表した「企業の多様な採用に関する調査」によると、新規大卒採用で対象とする既卒者の卒業年と企業規模の関係は以下の通りでした。
100人 未満 (%) |
100~ 299人 (%) |
300~ 999人 (%) |
1000人 以上 (%) |
無回答 (%) |
全体 (%) | |
---|---|---|---|---|---|---|
前年度卒のみ | 17.4 | 20.5 | 19.7 | 12.9 | 16.6 | 17.5 |
2年程度前卒まで | 11.2 | 13.1 | 10.9 | 9.6 | 10.4 | 11.1 |
3年程度前卒まで | 21.8 | 21.2 | 25.3 | 34.6 | 27.0 | 25.4 |
5年程度前卒まで | 3.1 | 0.8 | 2.7 | 1.6 | 3.7 | 2.4 |
5年程度超前卒まで | 3.4 | 2.5 | 5.0 | 7.6 | 3.7 | 4.3 |
既卒者は対象としていない | 25.3 | 28.6 | 30.8 | 30.5 | 25.4 | 27.9 |
無回答 | 17.8 | 13.2 | 5.6 | 3.3 | 13.3 | 11.4 |
このデータから、従業員数が1000人以上の大規模な企業でも「既卒者は対象としていない」と回答している割合は約30%しかないことがわかります。つまり企業規模が大きくても、約70%は既卒者を新卒採用の対象としているわけです。ですから「既卒に大手は無理」などと、初めから諦めてしまう必要はありません。
ただし選考対象になることと、実際に内定を獲得できるかどうかは別の話です。一般的に、既卒の内定率は新卒より低い傾向があるので、無理ではないにせよ簡単ではないということは覚悟しておきましょう。
既卒の就活がどのくらい厳しいのかなど、就活状況についてもっと詳しく知りたい人は、キャリチャンの「就活相談サポート」を活用してください。この就活支援サービスでは、就活のプロであるキャリアアドバイザーに就活に関する幅広い相談ができます。
既卒から無理して大手企業への就職を目指す危険性
さきほどの解説からもわかる通り、既卒であっても大手企業に就職はできます。しかし、既卒でなくても大手企業への就職は簡単ではありません。それでも無理して大手企業への就活を目指すには、危険性やリスクが伴うことを知っておくことが大切です。
既卒になる原因の1つは「大手企業に対するこだわり」
既卒だからといって、大手企業への就職が無理ということはないですが、理由もなく無理やり大手企業にこだわるのはオススメできません。なぜなら、新卒で就職できず既卒になる原因の1つは、大手企業に対する強いこだわりだからです。
大手企業は、人気が高く応募する人数も多いので競争率が高くなります。また、優秀な学生が集まる傾向があるため、選考に合格することも難しいです。
しかも既卒の内定率は一般的に、新卒の半分以下だと言われています。大手企業に限った既卒の内定率を示すデータはありませんが、新卒で受けたときよりいっそう厳しいのは確かです。
そのため、既卒の就活でも大手企業ばかりにこだわり過ぎると、いつまでも内定を獲得できないままズルズルと就活を続けることになるかもしれません。
「大手企業=ホワイト企業」ではない
大手企業へのこだわりが強い既卒の就活生は、必ずしも「大手企業=ホワイト企業」というわけではないことを知っておきましょう。
大手企業に対するこだわりが強い人の中には、「大手企業=ホワイト企業」だから大手企業に就職したいと考えている人は多いでしょう。実際、大手企業の方が安定していることが多く、ホワイト企業である可能性は高いです。
しかし、大手企業の中にもブラック企業と呼ばれる厳しい環境の企業はありますし、中小企業やベンチャー企業でも働きやすく環境が整えられている企業もたくさんあります。つまり、ホワイト企業に就職したいからという理由で、大手企業にこだわり続ける必要はないのです。
下記のコラムでは、ホワイト企業の見極め方について詳しく解説しています。中小企業やベンチャー企業の中からホワイト企業を見つけたい人は、ぜひ一度目を通してみてください。
関連コラム
これされ読めばOK!ホワイト企業の特徴と見極める方法を就活のプロが徹底解説
「大手企業」か「就職」か優先順位を明確にしよう
どうしても大手企業に就職することへのこだわりを捨てられない人は、「大手企業に就職すること」と「就職すること」の優先順位を明確にしておきましょう。
どうしても大手企業を諦められず、大手企業の内定が出るまで就活をし続けるのも1つの選択肢です。しかし、大手企業にこだわりすぎて就職する機会を逃し、いつまでも職歴がない状態になると、大手企業だけでなく多くの企業で採用してもらうことが難しくなります。
それに、就職をしてスキルを磨くことで大手企業に転職できる可能性もあります。こういったことを踏まえて、今何を優先すべきか冷静に考えてみてください。完全に大手企業への就職を諦める必要はありませんが、職歴のない期間を長引かせないよう、視野を広げて就活することをオススメします。
既卒から大手企業へ無理なく就職するための就活の進め方
ここからは、既卒から大手企業に無理なく就職するための就活の進め方を解説します。大手企業への就職を目指したい人はもちろん、既卒としてどのように就活を進めればよいかわからない人も、ぜひ参考にしてみてください。
ステップ1|新卒での就活を振り返る
既卒者が就活を行う上で最も大きな強みが、一度就活をした経験があることです。その強みを活かすためにも、きちんと過去の就活を振り返る時間を作りましょう。
- 前年の就活の流れ
- 具体的なスケジュール
- 受けた企業の数やリスト
- 取り組んだ選考対策
まずは上記のように、前年の就活で取り組んだことを書き出し、過去の就活の経験をアウトプットしましょう。そこから「どこを改善すべきか」「足りなかったことは何か」「今年にも活かせることはないか」などについて考えるためです。そうすることで、今年の就活で活かせる学びや気づきを得られます。
既卒として就活に取り組む人の中には、過去の就活の経験を振り返りたくないと思う人もいるかもしれません。しかし、この振り返りをするかどうかで就活の質が変わり、大手企業に就職できるかどうかも変わってきます。まずは無理のない範囲で構わないので、改善に取り組んでみてください。
ステップ2|既卒就活関連の情報を集める
既卒として就活する場合も、いきなり動き出すのではなく、まずは情報収集をしましょう。なぜなら、既卒として取り組む就活と新卒での就活とでは、異なる部分が多いからです。
- 新卒のように全員が似たスケジュールで動いているわけではないこと
- 新卒に比べると就活で不利になる可能性があること
- 面接で既卒ならではの質問をされる可能性があること
上記のように、新卒として就活に取り組んでいた時には気にする必要がなかったことが、既卒就活では出てきます。そのため、新卒の時と同じようなやり方で就活に取り組んでいると、上手くいかなくなる可能性があるのです。
また、既卒での就活では新卒での就活とは違って、周りに自分と同じ境遇の就活仲間がいないことも大きな特徴です。就活仲間がいなければ知れる情報も少なくなるので、自分から積極的に情報を集める必要があります。
ステップ3|自己分析をして既卒になった理由を説明できるようにする
既卒から無理なく大手企業を目指すには、新卒から既卒になったタイミングで改めて自己分析を行うことが大切です。自分のやりたいことや興味のある業界、どんな社会人生活を送りたいかなど、改めて考え直すと、これまで見えてこなかったことに気づけるかもしれません。特に、新卒での就活を通して自分の考え方や価値観が変わったと実感がある人は、積極的に取り組む必要があります。
ただし、これまでと同じ自己分析を繰り返すだけでは、新たな発見が得られない場合もあります。そういう時は別の手法を取り入れ、これまでとは違った角度からの自己分析を試してみるとよいです。
キャリチャンでも、自己分析の基礎から学べる解説付きのワークシートを用意しているので、ぜひ活用してください。
【就活対策資料】
自己分析ワークシート
また、既卒として改めて自己分析をする時は、既卒になった理由を考えておきましょう。既卒での就活では、「なぜ既卒として就活をしているのか」という質問が必ずと言ってよいほど聞かれるからです。この質問に納得感のある回答ができなければ内定獲得が遠のくため、自分の過去に向き合うことがつらくても必ず考えておきましょう。
ステップ4|幅広く業界・職種・企業を見る
すでに就職したい業界や職種、企業が決まっているかもしれませんが、既卒として就活を始める際はこれまでの志望に固執せず、改めて幅広く検討してください。
視野が狭い状態で既卒の就活に挑むのは危険です。既卒での就活は新卒以上に難易度が高いため、選択肢を狭めると、より就職が難しくなってしまいます。
また、前年の就活で特定の業界や職種ばかりを見ていて、内定を獲得できなかった人は、もしかすると自分に合っていない業界や職種を選んでいた可能性もあります。そのため、自己分析も含めて一から就活をやり直す気持ちで、業界や職種、企業を見るように心掛けましょう。
とはいえ選択肢が増えると、そのぶん業界研究の範囲も広がり、混乱してしまう人もいるかもしれません。そういう場合は、キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」がオススメです。就活のプロであるキャリアアドバイザーが、就活生一人ひとりにピッタリ合った求人を紹介します。
ステップ5|選考対策を徹底的に行う
既卒として無理なく就活に取り組むうえで最も重要と言っても過言ではないのが、選考対策を徹底的に行うことです。既卒者は新卒と比べると1年間長く就活をしているイメージがあるため、企業からより厳しい目で見られる傾向があります。
また、大手企業はほかの企業と比べるとより優秀な学生が集まるため、ほかの学生と渡り合えるようになっておく必要があります。
- 就活マナー
- ES作成
- 筆記試験対策
- グループディスカッション対策
- 面接対策(一次・二次・最終など段階ごとに)
前年も選考対策に取り組んでいたと思いますが、改めてしっかりと取り組んでください。既卒から大手企業に就職するためには、前年の選考対策の方法にとらわれず、本番で力を発揮できるよう選考対策を工夫することが重要になります。
また、既卒ならではの質問に対してしっかりと回答できるように練習しておきましょう。既卒ならではの質問と対策について知りたい人は、下記のコラムを参照してください。
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【例文あり】既卒ならではのよくある質問5選を紹介!完璧な答え方を教えます
ステップ6|新卒の時よりも多くエントリーする
たくさんエントリーをすれば内定を獲得できるわけではありませんが、既卒の場合、新卒よりも難易度が上がるため多くの企業にエントリーする必要があります。特に大手企業志望の場合は競争率が高いため、必然的に不合格が多くなることを見越して、たくさんの企業にエントリーする必要があるわけです。
また、数だけでなく業界や職種も幅広くエントリーしましょう。そうすることで、自分に合う業界や職種を見つけやすくなり、内定にも近づきやすくなります。
しかし、一度にたくさんのエントリーをすると十分に選考対策ができなかったり、選考を受けることに必死になってしまったりします。そうなると、せっかく得た選考を受けられるチャンスを無駄にすることになるかもしれません。
そのため、少しずつ時期をずらしてエントリーし、同じ時期に選考を進んでいる企業があまりにも多くならないように自分で管理しましょう。また、企業によってエントリーの期限に間に合わなかったということがないように、しっかりとスケジュールを立てて計画的にエントリーをしてください。
ステップ7|1社1社丁寧に選考を受けていく
既卒での就活に限ったことではありませんが、大手企業の内定を獲得するためには1社1社丁寧に選考を受けていくことが大切です。
たとえば、ESを企業ごとに合わせて時間をかけて作成したり、各企業の筆記試験の種類を事前に把握して対策をしておいたりするなど、できることはたくさんあります。
また、面接対策も時間をかけて入念に行いましょう。主要な質問に対する回答を事前に考えておくことはもちろん、自然な話し方ができるように実践的な練習を行ったり、第三者にフィードバックをもらったりするなど、色々な選考対策を取り入れてみてください。
また、面接本番に過度な緊張をしないためには、面接に慣れておくことがとても大切です。そのため、面接対策は1人で取り組むのではなく、就活セミナーや面接対策サービスを使って実際に面接官役を立て、本番に近い雰囲気で練習をしてください。
グループディスカッションや集団面接などを実施する企業もあるので、必要な場合は丁寧に時間をかけて対策しましょう。企業の選考フローは、就活関連の口コミサイトで把握できる場合があります。
既卒から大手企業へ無理なく就職するためのコツ
既卒から大手企業への就職を目指す場合、さきほど解説した就活の進め方に加えていくつかのコツを知っておいた方が就活がスムーズに進みます。できるだけ早く内定がほしい人や大手企業への就職にこだわりたい人は、これから解説するコツを実践してみてください。
既卒になってからすぐに就活を始める
既卒から無理なく大手企業への就職を目指すには、できるだけ早く動き出すことが大切です。最初に紹介した表を見てもわかるように、既卒の就活では、卒業後の期間が長くなればなるほど不利になる傾向があります。
新卒での就活が上手くいかず凹んでいるかもしれませんが、ゆっくり休憩している余裕はありません。また、新卒のように周りの学生が一斉に動き出すことはなく、自分自身で始めるタイミングを決めるため、動き出すのが遅くならないように注意する必要があります。
ただし、既卒になってすぐにエントリーする必要があるというのではないです。いつでも動き出せるように、前年の就活を振り返ったり、自己分析をしたりするなど、できることから少しずつ取り組みましょう。
既卒の就活では「卒業から今まで何をしていたか」といった質問もよく聞かれます。すぐには就活に取り組めない事情がある場合も、全く何もせず遊んでいたという事態は避けた方がよいです。アルバイトや資格の取得など、面接で答えられるようなことをしておくと選考での回答に困らないでしょう。
アピールポイントになる資格を取得する
既卒から無理なく大手企業への就職を目指すには、ESや面接でアピールポイントになる資格を取得することをオススメします。
既卒就活の強みの1つは、大学に行く必要がないため新卒以上に就活に割ける時間があることです。その時間を使って資格取得に励めば、「就労意欲が低いのでは?」「能力的に劣るのでは?」といった、新卒で就職できなかったことに対する企業側の懸念を払しょくできます。
特に、以下のようなポータブルスキルと呼ばれる業界や職種問わず活かせる知識やスキルを身につけられる資格であれば、幅広い企業でアピールできます。
- TOEIC
- 簿記
- MOS
- ITパスポート
- 秘書検定
大手企業など競争率が高い企業では、1つ大きなアピールポイントがあると有利になりやすいので、志望している業界や職種で活かせる資格を取得しておくのもよいでしょう。また、専門性や難易度が高い資格も大きな強みとなります。
ただし、資格取得に力を入れ過ぎて、就活がおろそかになると元も子もないので、就活と資格取得のバランスを取りながら勉強を進めることが大切です。
就活エージェントを活用する
既卒から無理なく大手企業への就職を目指すには、無料で利用できる就活エージェントを活用するのが一番の近道です。就活エージェントを活用すれば、既卒での就活の進め方を教えてもらえたり、既卒者を積極的に募集している企業の求人を紹介してもらえたりなど、就活をより効率的に進められます。
就活エージェントというと新卒向けのイメージが強いかもしれませんが、既卒を対象としているエージェントもあります。また、既卒者に特化したエージェントもあるため、いくつかを並行して自分に合うものを選ぶという使い方をすると効率が良いかもしれません。
既卒としての就活に不安を抱えている人や既卒を積極的に採用してる企業の求人を知りたい人は、ぜひ一度就活エージェントを活用してみてください。
就職しやすい業界や職種を選ぶ
既卒から無理なく大手企業への就職を目指すには、就職しやすい業界や職種を選ぶのも1つの方法です。
就活では自分が働きたい業界を選ぶことも大切ですが、就職難易度が高い大手企業となると自分の興味ばかりを優先していると内定をなかなか獲得しづらくなります。そのため、業界や職種以上に、大手企業に就職することにこだわりたい人は、就職しやすい業界の大手企業を選んでみてください。
また、業界だけでなく職種によっても就職しやすいかどうかは大きく異なるため、就職しやすい職種から選ぶと内定獲得しやすくなるでしょう。既卒から大手企業への就職がしやすい業界や職種については、次の章で詳しく紹介します。
ただし、あまりにも興味を持てない業界や自分が取り組みたいと思えない職種を無理に選んでしまうと早期離職につながる可能性があるので、慎重に判断しましょう。
既卒でも無理なく大手企業に入れる業界・職種
さきほども解説した通り、大手企業の中でも業界や職種によって、就職しやすいかどうかは大きく異なります。そこでここからは、既卒でも無理なく大手企業に入れる業界・職種について詳しく紹介します。
IT業界
IT業界は、既卒からでも無理なく大手企業に就職しやすい業界の1つです。近年は、IT業界が急速に発展していることはもちろん、社会的な需要が拡大しています。そのため、事業を拡大する企業も多く、その結果人手が必要となり積極的に採用を行っている傾向があるのです。
IT業界と聞くと、自分には縁のない業界と感じるかもしれません。しかし、学歴やスキルなど関係なく応募できる企業が多いため、比較的ハードルが低いと言えます。
また、未経験で入社したとしても、入社後に一からIT関連の知識やスキルを身につけられる研修を用意している企業が多いため、手に職をつけたい人や将来的に独立したい人にもオススメの業界です。
小売業界
小売業界は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど、生活に身近なサービスを提供している業界です。
小売業界の大手企業となると日本各地に店舗があり、それらの店舗を運営する必要があるため、たくさんの人を雇用しています。また、小売業界は比較的離職率が高いため、常に人手不足であることでも知られている業界です。
そのため、既卒からでも無理なく大手企業への就職が目指しやすいと言えるでしょう。また、学生時代に接客業のバイトをしていた人であれば、自分の経験を強みとしてアピールできます。ただし、ネットショッピングなどの普及により事業を縮小している企業もあるため、しっかりと業界研究や企業研究を行うことが必須です。
運送業界
ネットショッピングの普及により、社会的な需要が急速に拡大しているのが運送業界です。拡大する需要に対して人手が足りおらず、積極的に人材を募集しているため、既卒でも無理なく大手企業を目指せます。
ただし、運送業界といっても、貨物輸送や旅客輸送、陸運、空運、海運など様々な種類があるので、志望する場合はしっかりと業界研究をすることが必要です。また、募集が多くなっているのは配送に関わるドライバーであることも多いため、運転免許が必須となることもあります。
また、企業によっては過酷な労働環境である場合もあるので、企業研究をしっかりと行うことが大切です。さらに、長距離の配送ドライバーの場合は不規則な生活リズムとなるので、自分の理想とする社会人生活とのずれが生まれないか、しっかりと考えておきましょう。
営業職
営業職は、自社のサービスを顧客に提案したり販売したりする職種です。ほかの職種と比べると、学歴や専門性を重視されにくく人柄やポテンシャルを見て採用されることが多いため、既卒でも採用されやすい傾向があります。
ただし、業務内容からも分かるようにコミュニケーション能力が必須であるため、面接でしっかりとコミュニケーション能力をアピールする必要があります。そのため、時間をかけて面接練習に取り組むことはもちろん、自分だけで練習するのではなく就活イベントなどを活用して自然な雰囲気で話せるように練習しましょう。
また、営業職と一括りにいっても、ルート営業や新規開拓営業、個人営業や法人営業など、様々な種類があるため、自分の強みを活かせるものを選べるようしっかりと調べておきましょう。
IT系の専門職
既卒から大手企業に就職しやすい業界としても解説した通り、IT業界は需要の拡大により人手不足です。その中でも、特に専門職の人材は不足しているので、既卒からでも無理なく内定を狙えます。
IT専門職と聞くと、ハードルが高いと感じるかもしれませんが、未経験の人材を一から育成することを前提に採用している企業も少なくないので、挑戦してみたい気持ちがあればチャレンジしてみてもよいでしょう。
また、IT系の知識やスキルを身につけられれば、自分自身の市場価値を高めることにも繋がるため、将来的に好条件・好待遇で転職できる可能性が高くなります。
既卒から大手企業に就職しやすい業界や職種の中で、自分に合うものがどれなのかわからない人は、キャリチャンの「再就活サポート」を活用してください。就活生一人ひとりの希望や強みに合った企業を、就活のプロであるキャリアアドバイザーが厳選して紹介します!
既卒から大手企業への就職も戦略的に就活を進めれば無理じゃない!
既卒として就活をするとなると、「ブラック企業しか就職できないのでは」「大手企業なんて到底無理」と思う人もいるでしょう。しかし、しっかりと戦略的に就活を進め、選考対策にもきちんと取り組めば、既卒から大手企業に就職することは可能です。
ただし、特に理由がなかったり、自分のプライドや承認欲求を満たすためだけに大手企業への就職を目指したりするのはやめましょう。就活のゴールは就職することではなく、就職後に楽しくやりがいを持って仕事に取り組めることだからです。
しかし、自分1人で就活に取り組んでいると、企業の知名度や規模など比較しやすい部分を見てしまう人もいると思います。そんな人は、就活のプロであるキャリアアドバイザーに相談して、企業選びの方法について相談してみるのがオススメです。
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既卒に大手企業は無理なのかどうかに関するQ&A
日本で一番入るのが難しい企業は?
東洋経済オンラインの「最新版「入社が難しい有名企業」ランキング200社」では、日本で一番入るのが難しい企業としてマッキンゼー・アンド・カンパニーが挙げられています。この企業は、外資系のコンサルティングファームです。
既卒が大企業に入れる確率は?
既卒が大手企業に入れる確率ははっきりとはわかりませんが、新卒と比べると確率は下がることは間違いありません。資格やスキルの習得はもちろん、新卒枠だけでなく第二新卒枠や中途採用枠にも応募するといった工夫をしましょう。
既卒とは何歳まで?
既卒とは、学校卒業時に就職しておらず職歴がない人を指しますが、特に年齢に関する定義はありません。ただし、新卒として応募を受け付けている年齢は、25歳くらいまでとしている企業が多いです。
この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。