説明会や面接で録音はOK?注意すべき3つのポイントを解説
2022年3月29日
「説明会や面接で録音はOKなのか?」「説明会や面接を録音する時の注意点」について、3000人以上の就活生支援をしてきたキャリアカウンセラーとして解説します。
「説明会や面接を録音してもいいのかな」と思ったことはありませんか?録音した方が今後の練習や反省に繋がりそうだけど、面接官が不快な思いをして採用に影響が出たら困る…と悩んでしまいますよね。
キャリチャンでは、3000人以上の就活支援の実績をもとにして、説明会や面接で録音してもいいのか、録音をするメリットとデメリットなどをまとめています。 説明会や面接の実態を知ることで、就活にどのように活かせば良いのかを探っていきましょう。目次
説明会や面接で録音はOK?
説明会や面接で録音することは問題ないのでしょうか、録音や公開に関することをまとめていきます。
録音は法的に問題なし
企業や面接官個人によって録音に対する好みはありますが、説明会や面接で録音を行っても構いません。
許可を得た録音はもちろんのこと、許可を得ずにされた録音は「秘密録音」や「無断録音」といいますが、法的には問題になりません。また、許可を得ていなくてもハラスメントを受けた際には録音されたものが証拠となります。
仮に、企業側が「録音禁止」という看板を置くことで録音をしないで欲しいという意思を表明していたとしても、それには強制力はなく、従うか、録音を行うかは学生に任されています。
公開は法的に問題あり
無断で録音したものを公開すると、プライバシー侵害や名誉棄損、業務妨害などに該当し、法的な問題になることがあります。
録音を公開することで社会的評価を低下された場合には名誉棄損、社会的評価の低下までいかない時にはプライバシー侵害となります。また、録音が公開されることによって大きな騒動となった場合や業務に影響を及ぼした時には業務妨害に該当することもあります。
無断で録音したものを公開し、企業の利益が害した場合であっても問題にならないのは、公開することで「公共の利害に関係」し、「専ら公益を図ることにある」時だけです。
間違っても不快に感じたからという安易な理由で報復的にSNSなどで公開することは絶対に避けてください。大きなトラブルになってしまうとその企業だけではなく、全ての就活に響く可能性があるので慎重に行動してください。
法的文章の説明
名誉棄損に該当する事柄であっても、3つの事例に該当する時は罰しないと明記されています。
それが「1:公共の利害に関すること」「2:公益図ることが目的」「3:真実であった時」は名誉棄損に該当していても処罰の対象としないことになっています。
公共の利害とは公訴(検察官が裁判所に訴えること)されていない犯罪行為のこと、公益のための行動で、それが真実であった場合は名誉棄損に該当していても処罰対象にはならないという意味になります。
説明会や面接を録音する際の心得
説明会や面接を録音するなら、どのようにすればいいのでしょうか?録音する際の心得やスマホでの録音について解説します。
録音するなら「秘密録音」
録音するなら「秘密録音」にしましょう。
録音することは法的に問題がない行為とはいえ、企業や面接官側が喜ぶ行為ではありません。録音以外の方法で同じ効果を得ることができるのであれば、そちらをオススメしますが、音声による記録というのはメモや記憶に頼った記録よりも鮮明で、確実なのは事実です。録音していることが発覚すると不合格、不採用という決断がされるリスクを負うことができるのであれば、バレないように頑張りましょう。
事前にボイスレコーダーやアプリがどれくらいの音量で、鮮明に保存できるのかを確かめ、録音中には不用意にレコーダーやスマホに触って発覚しないように気をつけましょう。
説明会なら録音の許可を得るのもあり
どうしても録音したいのであれば、許可を得ない「秘密録音」をオススメしておりますが、説明会ならば許可を得て録音するのもありだと思います。
応答が行われる面接と、情報提供が主な説明会とでは趣旨が異なるといえます。その中で録音の許可を願い出るのは、面接で録音を希望するのと比べると印象が違うでしょう。面接で録音を希望してもほぼ間違いなく嫌がられるのに対して、説明会では熱心であるという評価を受ける可能性もあります。
企業によっては「録音は遠慮してください」といわれることもあるため、許可を希望した際に断られたのであれば録音をしてはいけません。
許可を得た際には録音だけに頼らず、メモを取る姿勢を作ることでより良い評価に繋がるでしょう。
スマホでの録音
録音する機器はスマホで構いませんが、電源がオンになっていますので、「設定」などで音はもちろんのこと、バイブも鳴らないように設定しておきましょう。
鳴動しても=録音とはなりませんが、説明会や面接に挑む時には電源オフがマナーとされていますので、外部の人にスマホの電源が入っていると分からないように配慮しましょう。また、より精密な録音を求めるのであればボイスレコーダーを使用しましょう。
ボイスレコーダーは高性能なものであればノイズキャンセリング機能がついたものがあり、雑音を除去することが可能になります。ボイスレコーダーを選ぶ際には費用や機能、録音時間に注目しましょう。
説明会や面接を録音する時の3つの注意点
説明会や面接を録音する際の3つの注意点をご紹介します。
注意点1:録音の許可を取るのはオススメしない
事前に録音の許可を取る方法がありますが、この方法はオススメできません。
あらかじめ許可されていない時点で企業は録音を歓迎していないことになり、その上で録音の許可を願い出ると企業側からの印象は悪くなるでしょう。あえて悪い印象を残すことになり、録音することによって得られるメリットは失われてしまいます。
許可を取って録音するのは、本命以前に練習として受ける企業に限っておきましょう。
注意点2:録音も簡単ではない
単純に録音するといっても簡単ではありません。
自分の声だけを録音するのであれば、ジャケットのどこかに機材を入れておけば可能ですが、相手の声も録音したいのであれば様々な工夫が必要になります。雑音や布ズレの混入、発覚しないように録音するなど、気を配る必要があります。
どうしても録音したいのであれば、事前に機器の性能を確かめるためにも練習が必要になります。
注意点3:スイッチを入れるタイミングに気をつける
スマホやボイスレコーダーのスイッチは建物に入る前につけましょう。
説明会や面接の直前、もしくは室内に入った後でスイッチを入れるのは、不快に思われる可能性が高く当然NGです。 企業は録音を歓迎していないことが多いが、法的に録音は問題がないのであれば、録音は企業にバレないようにした方がよく、バレないためには見られる心配が少ない建物の外なら発覚の可能性を大きく減らすことができます。録音そのものには問題がなくても、相手がどのように感じるのかを考えることで、どこでスイッチを入れればいいのかが分かると思います。
また、スイッチを入れた後は無駄に触って不信感を与えないように気をつけましょう。
説明会や面接を録音する3つのメリット
説明会や面接を録音する3つのメリットをご紹介します。
メリット1:反省の材料になる
説明会や面接を録音し、それを聞くことで反省や分析の材料になります。
自分の声というものは自身が思っているよりも、こもっていたり、小さかったりしますが、録音機器という客観性のある材料を聞くことで今後の対策になり、「もっと大きな声で話そう」「もっとハキハキと伝えよう」という反省にも繋がります。
面接を受けている最中にはベストを尽くせていると思っていても、実際には受け答えが質問とズレていたり、面接官の意図を理解できていなかったりすることがあるため、録音を聞き直すことで次回へと活かすことができます。
メリット2:ハラスメントへの対抗手段になる
説明会や面接を録音する最も大きなメリットは、ハラスメントへの対抗手段になるという点です。
説明会や面接の場で行われる主なハラスメントとして、オワハラやパワハラがあります。オワハラは受けると就職に関して大きな制約を受けることになり、今後の人生に作用してしまいます。パワハラを受けても就職への制約は受けませんが、精神的に大きな負担となってしまうでしょう。
実際にハラスメントを受けるかどうかは別にして、自分にはボイスレコーダーで「録音しているんだぞ」という思いは大きな支えになるでしょう。
メリット3:同日に複数の企業を受けても対応しやすい
説明会や面接を録音するメリットは、同日に複数の企業の説明会や面接に挑んでも対応がしやすいという利点があります。
録音をしないのであれば、メモや記憶に頼るしかなく、同日に複数の企業を見て回ると混乱してしまう可能性があります。
しかしながら、録音機器を使い後から聞き直すことで現場の状況を再度確認することができ、記憶と照らし合わせることが可能になるため、聞き逃しもなくなります。
説明会や面接を録音する2つのデメリット
説明会や面接を録音することでどのようなデメリットがあるのでしょうか。
デメリット1:企業は録音を歓迎しない
説明会や面接を録音する最も大きなデメリットは、企業は録音を歓迎していないという点です。
法的には録音は許されていたとしても、企業には合否を決める権限があり、「録音をするような学生は当社には不要である」と判断すれば、不採用となってしまうため、録音には大きなリスクを伴うことになってしまいます。
どのような理由で録音したいと思い、録音することで何が得られるのかを考え、録音以外の手段では得ることができないものなのかと知恵を絞らなければなりません。
慎重に考えて録音以外の方法では不可能だと判断して、初めて録音に踏み切りましょう。
デメリット2:許可を得ても印象は悪い
説明会や面接を録音するデメリットは、例え許可を得ることができたとしても印象が悪い点です。
学生が録音許可を求めた場合、多くの企業は法的にある程度の知識を有していることから許可する可能性が高いです。しかし、許可したからといって歓迎というわけではなく、どのような印象を持つのかは面接官や企業によりますが、多くの企業は録音に対していい印象を持っていません。なぜなら、問題があれば非難の理由になりますが、良いところがあっても称賛の理由にはならないからです。
つまり、企業にとって録音されるというのはデメリットしかないのです。録音したいという学生は、録音に対して企業がどのような感情を持っているのかを想像する必要があります。
おわりに
説明会や面接を録音するのはアリですが、大きなリスクを伴います。
リスクが伴う理由は企業にとって録音されるということにメリットがなく、必然的に録音に対して警戒感を持っていることにあります。録音に踏み切る前に、代替え手段はないのかを真剣に考えた上で他の方法が見つからなかった場合に、初めて録音を実行してください。
しかし、録音される側にはメリットがないことから発覚した場合には大きなマイナス評価を受ける可能性があります。録音するからには企業側には絶対に分からないような方法を選び、録音したものは自分以外の人間には決して公開せずに、録音した材料を次の面接に活かせることを念頭に置いてください。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。