内定先に不安を感じる…。そんな時の対処法とやり直すべきかの判断基準
2023年1月6日
本来であれば内定式を終え、入社まで社会人になるワクワク感に胸躍らせている時期のはずなのに、あなたは内定先に不安を抱き、どうすればいいのかと悩んでいるんですね?
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
そうなんです。必死の思いで内定を獲得したんですが、内定式を終えた後から不安を感じるようになって……。
でも卒業までもう時間もないし、こんな時期じゃ採用活動を行っている企業も少ないし、就活をやり直したくても難しいのではないかと思って悩んでいます。
うんうん。その気持ちはよく分かりますよ。でも、そんな風に不安を感じたまま、仕方なく今の内定先へ入社するような状況は良くありません。今の内定先へ入社するにしろ、就活をやり直すにしろ、きちんと納得して就活を終えられるようにすべきです。
このコラムでは、内定先に不安を抱いた時の適切な対処法について紹介します。就活をやり直すべきかどうかの判断基準についても合わせて紹介しているので、ぜひ最後までご覧下さい。
キャリアプランナー 平崎
内定先に不安を感じてしまう理由と対処法
内定式後をきっかけに内定先に不安を感じてしまう人は多くいます。そんな内定先に不安を感じる理由については様々で、それぞれの理由に対してはそれぞれに適した対処法があります。
では具体的にどのような理由から内定先に不安を感じてしまうのでしょうか。ここではそんな内定先に不安を感じる理由と理由別に対する対処法についてご紹介します。
内定ブルーによって不安を感じる
内定先に不安を感じてしまう理由として最も多い理由が「内定ブルー」によるものです。内定ブルーとは、内定をもらった企業の中から就職先を決断し、就活を終えた学生が陥るブルーな気分(憂鬱)のことです。理由はないのになんとなく勉強や部活にやる気が出ない「五月病」や、婚約したとたんに結婚を迷い始める「マリッジブルー」と症状がよく似ています。
内定ブルーに陥ると特に理由もないまま内定先に対して漠然とした不安を感じてしまいます。そんな内定ブルーは、先のことを考えすぎてしまう人やなかなか自分で決断できない優柔不断な人、さらには憧れや理想だけで業界・企業を見ている人が陥りやすいといわれています。
就活は将来が左右するほど重大な決断を下す場ということで心配から不安な気持ちを抱いてしまったり、内定ブルーになってしまうのは仕方のないことかもしれません。ただ、そのような気持ちからでは満足のいく判断ができませんので、しっかりと対処しましょう。
具体的な対処法は、行動から不安を解消できる情報を収集し、自分の意思を尊重することです。内定ブルーに陥ると漠然とした不安を抱いてしまうため、まずはそんな不安を打ち消すための行動を取ることが重要となります。
具体的には、内定先が就活軸に当てはまるかの見極め、企業に対する熱意の再確認です。改めてこれらを確認することで不安を打ち消すの情報が収集できますし、最終的に自分の意志で判断を下すことができます。ここで不安要素が打ち消されない場合には、内定ブルーによる一時的な不安ではなく、そもそも内定先が間違った選択の可能性がありますので、改めてしっかりと確認しましょう。
もしも、自分が内定ブルーかもしれないけれどどうすればいいかよく分からない場合には、就活エージェントなどの就活のプロに相談してみるのも1つの手です。キャリチャンでは、就活に関することなら何でも相談できるイベント「就活相談サポート」を連日開催しています。参加は無料ですので、プロのキャリアプランナーへ気軽に相談してみてください。
悪い点ばかり気になるようになった
入社が決まることで内定先の悪い点ばかりが気になるようになってしまい、「本当にここに入社していいのか」と不安を感じてしまうパターンです。
付き合うまでは相手のことが大好きで、悪いとこなんて気にもしなかったのに、付き合いが長くなればなるほど悪いところが気になるようになる恋人関係と似たような感覚で、内定先に対してもこのような感情を抱く人は多くいます。
そんなときの適切な対処法は、悪いと感じる点が本当に悪いのかを調べ、会社に入社する際のメリットと比較することです。まずはその悪いと感じる点が本当に悪いものなのかから調べていきましょう。
ここで「自分の中で悪いもの」なのか、それとも「世間的に悪いものなのか」を見極め、世間的に悪いもの、つまりブラック企業に当てはまるような条件ばかりが揃う企業の場合には入社を考えた方がよいでしょう。
しかし、「自分の中で悪いもの」の場合には入社する際のメリットと比較し、悪いものがメリットよりも上回るかどうかを判断しましょう。ここで悪い点を捨てきれない場合には入社を考えます。
改めて内定先を見た時に軸に当てはまってない気がした
内定を獲得することで冷静に内定先を見ることができ、その際に「就活軸に当てはまっていない」と感じることで不安を感じてしまうパターンです。これまでは内定を獲得することに必死で気づけなかったけど、冷静に内定先を見れるようになった今だからこそ感じてしまう不安です。
実際、就活をしているときは周りが見えなくなるものですし、今年の就活では新型コロナウイルスの影響から「今後景気がどうなるかわからないから、とりあえず内定承諾しておこう」という考えから、内定を獲得した人が多くいました。
そして、そんな就活軸に当てはまらないという不安による適切な対処法は改めて内定先が就活軸に当てはまるかどうかをしっかりと見極めることです。
入社する企業は就活軸に当てはまっていないと後悔するだけでなく、ミスマッチから早期退職もしかねませんので、少しでも不安な場合は必ず見極めなければなりません。そしてここで軸に当てはまらない場合には就活のやり直しが必要となるでしょう。
ブラック企業だと周りに言われた
親や親族、家族や恋人、中には内定先に努めている先輩などから「ブラック企業だよ」といわれることで不安を感じてしまうパターンです。自分で決めた内定先でも、周りにこのようなことを言われることで不安を感じてしまうことはよくあり、自分の決断が間違っていたのではないかとさらに不安を感じてしまうのです。
さらには、口コミサイトなどで悪いことばかり書かれているのを見ることで不安に感じる人も多くいます。口コミサイトは会社の“リアルな声”が垣間見えるため、余計に不安を感じやすいものです。
この場合の適切な対処法は、まずは本当にブラック企業かどうかを見極めることです。噂が本当かどうかをまずは見極めることによって、内定先に入社すべきかどうかを判断しましょう。
また、内定先が世間的にブラック企業とまでいかない場合、この場合においては自分の中でブラック企業の定義を定めてみましょう。そして自分の中でブラック企業に当てはまるかどうかを判断してみてください。世間的にブラック企業だといわれていても、自分の中でのブラック企業に当てはまらない場合には入社を決断しても後悔はしないはずです。
就活をやり直すべきか迷った時の判断基準
様々な理由から内定先に不安を感じ、どう対処すべきかと悩む人がいる中で、「就活をやり直すべきかどうか」を迷う人も多くいることでしょう。しかし、この時期ですので就活のやり直しが難しいのではないかと考えていると思います。ただ、だからといってこのまま妥協するのも心残りでしょうし、やり直すかどうか迷っているまま入社してもうまくいかないでしょう。
ここでは、そんな心残りな判断をしてしまわないために、就活をやり直すべきかどうか迷った時の判断基準について解説します。中にはどのような時期であれ、就活のやり直しが必要な場合もありますので、やり直すべきか迷っている人含め、内定先に不安を感じる人もチェックしましょう。
まずは“就活軸”に当てはまるかどうかを考える
まずは、内定先が就活軸に当てはまるかどうかを見極めてください。就活では就活軸に当てはまる企業=自分に合った企業に入社することが最終目的となりますので、軸に当てはまらないと判断された場合にはどのような時期であれ、就活のやり直しが必要となります。
ですから、まずは改めて自分の就活軸を見直してみてください。どのような企業を求めていたのか、また自分の強みが活かせる企業はどんなとこだったのかを見直し、その条件に内定先が当てはまるかどうかを見極めましょう。
就活軸を明確にし、内定先との相性を図ることで内定先に対する不安が何だったのかが明確にもなりますし、取るべき行動もハッキリしますので、まず初めに必ず見極めていきましょう。
一時的な感情ではないかを考える
次に、内定先に不安を抱く感情が一時的なものではないかを考え見てください。前述の内定先に不安を抱く理由でもお話ししているように、内定先に不安を抱くのは「内定ブルー」によるものの可能性もありますから、一時的な感情かどうかを見極めます。
就活は将来を左右するほど重大な決断をする場ですので、一時的な感情から迷いや不安を感じてしまうものです。しかし、そこから考え込みすぎてしまうと内定ブルーを発症してしまいますから、客観的に内定先を見ることが大切です。
特に、前述より内定先が就活軸に当てはまる場合には一時的な感情から不安を抱いている場合が多いですから、就活のやり直しを考える必要はないでしょう。
内定先の何に問題があるかを考える
内定先に何か問題がないかも考えてみましょう。ここでは感情や固定概念などを取り払い、単純に内定先に問題と感じる部分があるかを考えます。
ブラック企業に当てはまる条件がある企業なのか、また自分の中で納得できない部分があるのかを考え、デメリットとなる部分を挙げていきます。そして次に入社する際のメリットを考え、デメリットとメリットを比較した際に、デメリットの方が多い、またはデメリットに目をつむれないと判断した場合には就活のやり直しが必要となるでしょう。
ただ、繰り返しになりますがここで一時的な感情から判断してしまったり、固定概念によって判断してしまっても正しい決断を下せませんので、自分の意思を強く持って判断するようにしましょう。
残っている企業と内定先とを比較する
就活軸に当てはまっているかわからない、一時的な感情なのかわからないといった場合には、今採用活動を行っている企業を確認し、内定先とどちらが良いかを考えるのも1つの手段です。残っている企業の中に内定先よりもいいと思える企業があれば、就活をやり直してもよいと思います。
ただし、その企業から必ずしも内定がもらえるとは限らないことも覚えておきましょう。そんな風に就活のやり直しにはリスクが伴うことを考えると、本来はしっかり就活軸に当てはまるかどうかを見極めた方がいいですし、一時的な感情じゃないかを考えた方が悔いのない判断ができます。
ですから自分一人で判断が難しい場合には、就活エージェントやキャリアセンターなどのプロに相談するのがオススメです。就活のプロに頼れば、客観的かつプロ目線の適切なアドバイスをしてくれます。キャリチャンでは、就活をやり直すべきかどうか迷っている人のためのイベント「再就活サポート」を開催しています。利用は無料ですので、気軽に活用してください。
就活のやり直しを決断した時にすべきこと
前述より内定先を見極め、就活のやり直しが必要かどうかを判断したうえで「就活をやり直す」と決断したら早速行動を起こしましょう。ここではそんな、就活のやり直しを決断した時にすべきことについてご紹介していきます。
就活のやり直しはどの時期であれ、時間や企業数が限られていますから厳しいものとなります。ですから、そんな厳しい就活を乗り越えるためにもしっかりと確認していきましょう。
就活軸を見直し、満足いく企業の条件を定め直す
まずは、また内定先に不安を感じることがないよう、満足いく企業の条件を定めてください。これまでの就活軸で問題ないか、また変化が必要な場合には変更をしていきましょう。
さらに、これまでの就活を通して変化してきた企業に求める条件や、自分に合っている企業の条件などを考えたうえで就活軸を見直すと、より満足いく企業の条件がハッキリとするでしょう。
不安を感じないためには、あらかじめ不安を感じることのない企業を選ぶことが最善の策となります。また、これからの就活は企業数が限られていますから、その中から自分に合った企業を探していくためにも就活軸が明確である必要があります。
ですから、満足いく企業の条件を明確にするための作業にはしっかりと時間をかけてください。このベース部分がブレてしまうと、ふたたび内定先に不安を抱くことになります。
軸に当てはまる企業に対しての熱意を明確にする
前述より定めた就活軸に対する熱意も明確にしておきましょう。具体的には就活軸に沿って選んだ企業に対する熱意です。「就活軸に当てはまる」だけでなく、具体的にどのような部分に魅力を感じ、なぜこの企業を選んだのかをハッキリさせます。
そのためにも、選んだ企業に対する理解をしっかりと深める必要があります。十分に企業研究を行うのはもちろん、もともとの内定先との違いや内定先よりも改めて志望した企業の魅力などを考えながら、志望企業に対する熱意を明確にしていきましょう。
ここは志望動機を伝えるうえでも必要な作業になりますし、「なぜ初めから弊社を選ばなかったの?」「内定先よりも弊社がいい点とは?」といったこの時期ならではの質問を答えるうえでも、企業に対する熱意は重要な要素となりますので、しっかりと明確にしておきましょう。
行動量を増やし、実践から企業を見極める
就活軸を明確にし、就活時に沿った企業を選んだらあとは行動あるのみです。就活のやり直しは時間が限られていますから、とにかく行動することが重要となります。また、時間が限られているということですので、ここで面接練習などに時間を充てるのももったいないので、実践を通して力をつけるようにしましょう。
これまで就活を行い、内定も獲得してきたわけですから、基礎部分に問題はありませんので自信をもって積極的に面接を受けていきましょう。
ただし、数打ちゃ当たるで面接を受けてはいけません。時間がないことで焦りを感じ、つい数打ちゃ当たるからエントリーをする人がいますが、就活軸に当てはまっていない企業を選んでもまた不安を抱く結果となりますし、そもそも受かる可能性も低いです。
ですから、前述より明確にした就活軸をもとに、就活軸に当てはまり、かつ不安を抱くことがないほど理解を深めた企業を厳選してエントリーしていきましょう。慎重になりすぎず、そしてこれまで以上の行動量で就活をしていきます。
就活エージェントに頼り、確実なサポートを受ける
就活のやり直しは時間や企業数が限られているため、これまで以上に厳しい就活になることが予想されます。それに万が一失敗してしまうと内定がないまま卒業を迎えてしまう可能性もありますので、そのようなことがないよう、就活のプロによるサポートを受けましょう。
就活軸に沿った企業を選ぶといっても、この時期は採用活動を行っている企業自体が少ないので見つからない可能性があります。しかし、就活のプロである就活エージェントを頼れば就活軸に沿った企業を紹介してくれるのです。
また、その企業が求めている人物像なども教えてくれるため対策がしやすいですし、企業探し・企業分析の手間が省けて非常に効率的です。さらに、「就活をやり直すか迷う」という場合にもやり直すべきかどうかをプロによる視点から判断してくれます。
キャリチャンでも就活をやり直す人のためのイベント「出遅れ就活サポート」を開催しています。このイベントでは就活のやり直しを決断した人が次は必ず不安を抱くことのない就活をするためのサポートを行っています。
また、就活をやり直すべきかと悩む人、不安で不安でどうすればいいのかわからないという人などの相談にも乗ります。完全無料ですので、ぜひ気楽にご参加ください。
やり直すが難しい場合はどうすればいい?
就活のやり直しは基本的にいつでもできるものとされていますが、内定を辞退していない状態では入社2週間までがタイムリミットとなります。なぜなら雇用契約が解除されるのには、解約通知をしてから2週間かかるからです。
また、基本的に企業側の都合関係なしに内定を辞退することも可能とはされていますが、「社宅の手続き」などといった社外が関わることで内定辞退が難しい場合もあります。
このように、内定を辞退できても次の入社に間に合わない、内定を辞退すること自体ができないという場合には“とりあえず入社する”、または“既卒として就活をする”という選択をせざるを得ない可能性があります。
しかし、入社することで不安が消える可能性もありますし、入社することで力をつけられれば転職でも有利になるため、就活軸に当てはまる企業であれば入社は間違った選択ではありません。
ただ、就活軸に当てはまらない場合には入社はせず、“既卒”として就活をする選択をしてください。何度もお話ししているように、就活では就活軸に当てはまる企業=自分に合った企業に入社することが大切なため、ここで当てはまらないと判断した場合には既卒を選んだ方が良いのです。
最近は既卒でも内定がもらいやすくなってきていますから、過敏に既卒を敬遠するのではなく、前向きにとらえてみましょう。状況的に就活のやり直しが難しい場合には一度冷静になり、自分にとってどっちの選択が正しいのかがしっかりと考えましょう。
おわりに
必死の思いで獲得した内定も、後々不安を感じてしまうことはよくあることです。むしろ内定先に不安を感じるのはそれだけ自分の将来に真剣な証ですし、就活に本気で向き合えているためいいことです。
しかし、それが内定ブルーによる一時的な感情である場合もあるため、過剰に悩む前に不安感じる原因をしっかりと見極める必要があります。そしてその原因に対して必要な行動を起こしましょう。
また、就活のやり直しをすべきかどうかを考える際は、「就活軸に当てはまるかどうか」「一時的な感情からではないか」「メリットよりもデメリットが上回るか」を基準に見極めてください。
そして就活のやり直しを行う際には、不安な気持ちを抱くことのない企業選びをするための就活軸をしっかりと定め、就活エージェントのサポートを受けながら就活に挑みましょう。
出遅れ就活サポートに参加しよう!
この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。