面接対策はこれさえ読めばOK!定番質問一覧と面接タイプ別対策をプロが解説
2023年3月23日
4月になりましたね、面接を受ける機会も増えてきましたか?
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
はい、すでに2社の面接を受けました。でも次の面接はWeb形式なんです。初めてだからちょっとドキドキするなあ。
Webでの面接はここ数年で一気に増えましたからね。Web面接への不安はないですか?
キャリアプランナー 平崎
就活生 Aさん
今まで通りでよいのかと思っていました。対策は必要でしょうか?
では今回は、面接のタイプ別対策と「集団面接→個人面接→最終面接」の段階別で面接対策を紹介しましょう。よくある質問集もあるので、ぜひ参考にしてください。
キャリアプランナー 平崎
面接対策に必要な準備と対策方法
23卒の就活生の中には早期選考やインターンに参加せず、企業の面接を受けること自体が初めてだという人もいますよね。面接官は人を見極めるプロですので、付け焼き刃で上辺だけ取り繕っても面接対策はうまくいきません。
そこでタイプ別の詳しい対策の話をする前に、まずは面接対策をするのに必要な準備と、どの面接にもベースとなる共通の対策法について解説します。全ての面接の基礎となる重要な部分ですから、すでに面接を経験している人もきちんとできているか確認しながら参照してください。
自己分析から「就活軸」を定める
具体的な面接対策を行うための準備として、まずはしっかりと自己分析を行い、自分の就活における「就活軸」を定めましょう。
就活軸はたとえば「グローバルに働ける仕事」「社会貢献できる仕事」などといった、どのような基準で仕事や企業を選ぶのかという自分の方針であり、全ての就活の基盤となる重要なものです。就活軸がブレていると、その企業を志望した動機自体に根拠が薄く、自分の熱意がうまく伝わりません。
また、就活軸は面接で聞かれることもあるので、自分の中でただぼんやりと思い浮かべておくだけでなく、言葉として明確にしておく必要があります。徹底した自己分析によって過去の行動や選択を振り返り、自分のモチベーションの原点がどこにあるのか、自分の個性や強みも把握したうえで就活軸を定めることが大切です。
ただし社会で働いたことのない学生にとって仕事選びは身近なものではありませんから、就活軸を自力でゼロから考えだすのは難しい人もいるでしょう。そのような人はインターネットなどで先輩社会人はどのような就活軸を定めていたのか調べ、参考にするとよいです。
その中から自分にフィットするものを選び、自己分析の結果を踏まえて自分なりのアレンジを加えます。就活軸の定め方と面接で就活軸を聞かれた時の回答例については、下記のコラムでさらに詳しく解説していますので参考にしてください。
上手な「就活の軸」の作り方|面接での回答ポイントを就活のプロが解説
“その会社でなくてはならない理由 “を明確にする
面接対策を行う準備の2番目は、企業研究と業界研究を徹底し、 “その会社でなくてはならない理由 “を明確にしておくことです。
しっかりとした就活軸を持って仕事を選んでも、軸に当てはまる企業や同じような仕事ができる企業はたくさんあります。その多数の企業の中から、他社ではなくその会社を志望している理由を明確にしておかないと、志望度の高さや熱意は伝わりません。
「こういう仕事がしたい」「こういう会社に入りたい」というだけだと、面接官に「それに当てはまればうちの会社じゃなくてもいいのかな」と思われてしまうのです。ですから面接では、他の会社ではダメで「その会社に入りたい」ということを明確に示す必要があります。
そのために欠かせない準備が、徹底した企業研究と業界研究です。その会社自体への理解を深めるとともに、条件の近い同業他社と比較することで、志望企業の魅力に気付きやすくなります。
その会社の業界内での位置づけや他社と違う独自の特徴などを徹底的に調べ上げ、他の会社よりその会社を受けたいと思った理由を見つけましょう。面接の前の対策として必ず、面接を受ける全ての企業に対して1社ずつ “その会社でなくてはならない理由 “を明確にしておいてください。
よくある質問の対策をして、万全な気持ちで面接にのぞんでも、予想だにしない質問に困惑してしまう場面もあるでしょう。キャリチャンの「面接サポート」では、模擬面接を通して面接対策をサポートしていきます。
よいところや改善点を具体的にアドバイスしていくので、面接への不安が拭えない人はぜひ参加してくださいね。
「端的」に話す癖をつける
どのタイプの面接にも共通している面接対策は、端的に話す癖をつけておくことです。国語の授業では起承転結の文章ばかり習うので日本人はその順番で話を組み立てることに慣れていますが、ビジネスシーンにおいてはそれが通用しません。
起承転結は最後まで聞かないと話の主旨が分かりませんが、口頭で説明する際は文章を読むのと違って前に述べたことを振り返れないため、聞き手が内容を理解しにくいのです。
就活の面接も含め、ビジネスシーンでは基本的に起承転結で順を追って話すような回りくどい説明は良しとされず、端的に話すことが求められます。面接で端的に話すために意識すべき対策は、「結論から述べる」ということです。
受験の対策として、全体の趣旨を把握しやすくするために「論文読解の問題は、はじめに最後の段落を読め」と教えられた人もいると思います。それと同様の対策を、面接では聞き手(読み手)ではなく話し手(書き手)の方が行うというわけです。
自分がこれから何を話すつもりであるかという結論を話の冒頭に宣言することで、聞き手が内容全体を理解しやすくなるとともに、説明も手短に済みます。面接で質問の回答をするのにオススメの文法は「PREP法」という論法です。
【PREP法】
「Point(結論)」→「Reason(理由)」→「Example(具体例)」→「Point(結論)」
PREP法はビジネスのプレゼンなどでよく用いられる論法で、論理的で説得力のある主張を展開できます。
面接の基本的な流れを把握する
具体的な面接対策として、まずは入室から退室までの、面接の基本的な流れを把握しておきましょう。基本的な流れを分かっていないと戸惑いますし、「しまった間違えた」「これで合っていたかな?」なんて気になっていては、不安や焦りで質疑応答どころでなくなってしまいます。
入退室の基本的なポイントは以下の通りです。
- 3回ノック
- 中から応答があってから「失礼します」と言ってドアを開ける
- 部屋に入り、ドアの方を向いて静かに閉める
- 面接官の方を向いて、挨拶をしてから一礼
- 椅子の横に立って、着席の許可が出てから席に座る
- 面接が終わったら立ち上がってお礼を述べ、お辞儀
- ドアの前で面接官に一礼してからドアを開ける
- 退出して静かにドアを閉める
【入室】
【退室】
ただし就活において個人面接と集団面接では、若干入退室のやり方や流れが異なります。また、集団面接の場合は自分だけでなく他の就活生もいますから、想定通りに行かないことも少なくありません。
個人面接でも、「初めからドアが開いている時はノックするのか?」「コートの置き場所は?」など、基本の流れにプラスして知っておきたいところです。急なトラブルなどにも対応できるよう、さまざまなシチュエーションを把握し、練習のうちから対策しておいてください。
本番を想定した“緊張感のある雰囲気 “のもと練習を行う
面接対策としての練習は、本番を想定した緊張感のある雰囲気で行います。面接練習は単に手順を覚えるだけではなく、面接の雰囲気に慣れ、緊張した中でも実力を発揮できるようにするための対策です。
リラックスできる場所や服装、気の許せる相手など、気の緩んだ雰囲気で練習しても全く意味がありません。ですから面接対策としての練習では、自宅以外の場所できちんとスーツを着用し、普段から付き合いのある人ではない社会人を相手に、緊張感を持った練習を行うことが大切です。
できればただの社会人より、大学のキャリアセンターや就活エージェントなど「就活をよく知っている人」に面接官役をお願いしましょう。就活のプロの目線で見た適切なフィードバックが受けられるので、面接対策として最も効果的です。
キャリチャンでも、「模擬面接イベント」を開催しています。就活のプロである経験豊富なキャリアプランナーが、1対1で模擬面接を行う完全無料のイベントです。
面接初心者への対策として基本の質問を中心に面接を行い、就活のプロから見たフィードバックを行います。さらに面接後は、面接の結果を踏まえてあなたに合った企業紹介と内定獲得に向けたサポートもしていますので、これを見逃す手はありませんよ。
「まだほとんど面接対策できてない」という就活生も大丈夫!キャリチャンのキャリアプランナーが基礎からバッチリ指導しますから、安心してご参加ください。
服装などの身だしなみも意識する
服装や髪形など就活にふさわしい身だしなみを整えることは、面接対策の基本です。面接では単純にスーツを着用していればよいのではなく、清潔感のある身だしなみで、相手に与える第一印象が大切になります。
そのため練習の段階でも、本番と同様の身だしなみが必須です。服装だけでなく髪型や化粧なども含めて、社会人の目から見て就活にふさわしい身だしなみができているか、練習の段階でチェックしてもらいましょう。それに普段着で面接練習をしても、緊張感が得られず身が引き締まりません。
前述のように面接対策は、本番と同様の緊張感の中で行ってこそ効果があります。また服装などの見た目だけでなく、正しい敬語や話し方が自然にできるというのも、面接での第一印象を左右する重要なポイントです。
姿勢、声の大きさ、滑舌、笑顔など、緊張した状態で自分が人に与える印象についても、身だしなみと同じく練習の段階でチェックしてもらい、対策しておいてください。
対策必須!面接でよくある質問
面接では就活生の印象を見るだけでなく、その学生の人柄をチェックするための質問がいろいろされます。しかし面接は必ずと言っていいほど緊張するものですから、何も考えずに面接に望んでも、自分の良さをアピールするような回答はできません。
面接で聞かれる質問は企業や職種によっても異なりますが、ここからはどの企業でも聞かれることの多い、対策必須の質問をご紹介します。回答のポイントや例文を掲載しておきますので、しっかり読んで事前に対策しましょう。
「自己紹介をお願いします」
自己紹介は、どの企業でも一次面接や集団面接などの面接初期で必ず聞かれる質問です。自己紹介は他の質問と違って自分の名前を名乗ることが主体ですから、名前と所属に加えて自分を簡潔に言い表すくらいの短い回答になります。
しかしただ名乗っただけでは何の印象も残りませんので、面接官に自分のインパクトを残すためには対策が必須です。自己紹介は「大学名・学部名・学科名」「名前」「大学で学んだことや部活動など」「大学でのエピソード+一言でまとめた自分の紹介」「あいさつ」の順で述べます。
全体を1分程度にまとめて、長くなり過ぎないように対策してください。面接ではアイコンタクトをしっかり取り、強調したい部分とそうでない部分で強弱をつけながら話しましょう。
【回答例】
○○大学△△学部の××××です。大学ではバレーボール部に所属し、セッターを務めていました。セッターは得点を決める花形のポジションではありませんが、私は瞬間的に状況を判断し、的確な戦術を立てられる対応力のある人間です。本日は貴重なお時間を頂き、ありがとうございます。よろしくお願いします。
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「志望動機を教えてください」
志望動機はどの種類の面接においてもほとんど必ずと言っていいほど聞かれる質問であり、それだけ企業が重視している質問でもあります。
企業への自分の思いをストレートにぶつけられる質問なので、面接の質問の中でもとくに力を入れて対策しておきたいところです。志望動機はESにも記載しますから、面接でもそれと根本的に食い違ってはいけません。
ただし一度考えたものをくり返し述べるのではなく、面接ごとにより良い伝え方を練り直しましょう。その企業への熱意を伝えるためには、企業理解を深め、その企業のみに特化した志望動機としてください。
また、その企業が求める人物像や強みを把握したうえで、それに沿ったアピールをすることが大切です。
【回答例】
私が御社を志望しましたのは、御社が○○の分野において先駆的な存在であり、社会に役立つ斬新な製品を生み出しているからです。もともと私が工学部に進学したのも御社の○○を見て、御社のように生産活動を通じて社会貢献したいと思ったことがきっかけでした。もし御社に採用していただけましたら、大学で学んだ生産工学の知識を活かし、御社の○○の生産力向上に貢献したいと考えています。
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「自己PRをしてください」
自己PRは、その就活生が自社で活躍してくれるかどうか、今後の可能性を推し量るための質問となります。どんなに優秀で熱意のある就活生でも、その企業で必要とされている強みを持っていなければ、企業にとっては採用する意味がありません。
ですから自己PRへの面接対策は、 “自分の強みを志望企業でどう活かすか “を述べることが絶対条件です。そのためには、自己分析と企業研究を徹底して行ってください。
自己分析をしっかり行って自分の強みを把握するとともに、企業研究から志望企業でどんな能力が求められているのか把握し、それに当てはまる強みを語ることが大切です。
語り出しは「私は○○な人間です」や「私の強みは○○です」など、インパクトのある一言で自分を表しましょう。続いてその根拠となる理由と具体例を述べ、最後はその強みが志望企業でどのように活かされるのかを語ります。
【回答例】
私はチームの盛り立て役です。周囲のコミュニケーションを円滑にし、鼓舞させることができます。私のアルバイト先では以前、スタッフの間に軋轢があって全体の売り上げが下がっていました。そこで毎週全員で小さな目標を立てて互いにサポートし合うことを提案したところ、スタッフ間の協力ができるようになり、前年より5%売り上げを伸ばせました。私はこの強みを活かし、入社後も職場の皆さんと協力して御社を盛り立てていきたいと考えています。
自己PRで内定を狙え!好印象間違いなしのアピール方法をプロが伝授します
「学生時代に力を入れていたことは?」
ガクチカは、その就活生の人柄や思考性を見極めるために、多くの企業で聞かれる質問です。企業はガクチカを通して、その就活生の人柄や考え方が自社の方向性とマッチしているかを確認しています。
ガクチカへの面接対策は、「何を頑張ったか」よりも「なぜそれを頑張ろうと思ったのか」という、理由を語ることが重要です。ガクチカで自分の思考性を語る場合は、STAR法と呼ばれる論法を用いるのがオススメです。
STAR法は「Situation(状況)」→「Task(課題)」→「Action(行動)」→「Result(結果)」の順で述べる論法です。これをガクチカに当てはめると、面接ではまず初めに「何を頑張ったか」という状況を述べてください。
その後「なぜそれを頑張ろうと思ったのか」「どのような壁があったのか」「どのように乗り越え、何を得たのか」の順で説明しましょう。
【回答例】
私は営業のインターンシップに力を入れていました。人とコミュニケーションを取るのが好きで、営業職に就きたいと考えていたからです。しかし実際に営業すると、全くうまくいきませんでした。そこで先輩に相談したところ、相手は一人一人違うからマニュアル通りではダメだと教えてくれました。そこから相手に合わせて話の切り口を変えることを学び、だんだん契約が取れるようになりました。この経験から仕事の面白さを感じ、ますます営業への意欲が高くなっています。
【例文あり】内定に近づける!選考を突破できる「ガクチカ」の書き方
「最後に聞きたいことはありますか?」(逆質問)
逆質問は、面接が完全に終了となる前に自分をアピールする最後のチャンスです。逆質問は面接ごとに聞かれることもありますし、最終面接では特にほぼ全ての企業で聞かれます。「質問がない」と答えてしまうとその企業に対する興味が薄いと思われますので、必ず対策しておきましょう。
考えておいた質問がそれ以前の会話の中で出てしまう可能性もありますから、逆質問は1つだけでなく、5つ程度用意して対策しておいてください。
逆質問は実際の業務内容や、入社を前提とした質問がオススメです。業務内容に関する質問では仕事に対する姿勢をアピールできますし、入社を前提とした質問ではその企業への入社意欲ややる気をアピールできます。
- 御社で活躍している先輩はどんな方ですか?
- 活躍している先輩は入社後どれぐらいで成果を出しましたか?
- 昇進していくためにはどんな能力が求められますか?
→将来像をイメージできる&活躍したいんだな、と感じる質問
- 達成感を感じるとき、やりがいを感じることは何ですか?
- 御社で活躍している人に共通点はありますか?
- 入社者に期待する点を教えてください
→仕事へのやる気や、興味を持っていると感じると感じる質問
- キャリアステップを教えてください
- 入社後はどのような流れで実際の業務に携われるのでしょうか?
→入社後を見据えた質問&成長志向が伝わる質問
- ○○の資格(スキル)を活かせる場はありますか?
- コミュニケーション能力の高さを発揮できる機会はありますか?
→自分の長所をアピールできる質問だが、過度にアピールしすぎないように注意
種類別!面接のタイプ別対策法
初めにご紹介した自己分析や端的に話すといった対策は、どの種類の面接においても共通するベースとなります。ベースなしに個別の対策だけしても就活では通用しませんので、しっかり押さえておいてください。
そして共通の対策とよくある質問への対策ができたら、次は個別の面接について対策していきましょう。ここからは、それぞれの面接に対する適切な対策法について解説します。
Web面接
23卒の就活では、2月から新型コロナウィルスが流行していることによって、テレビ電話を利用したオンラインによる面接を行う企業が増えています。以前は外資系企業やU・Iターン就活など一部に限られていてあまり一般的ではありませんでしたが、今年に限っては感染拡大を防ぐため、Web面接を行う企業が多い見込みです。
23卒の就活生は例年と違って誰しもWeb面接を受ける可能性があるので、今のところ予定がなくても必ず対策が必要になります。Web面接の手段はSkype、LINE、FACETIME、Messenger、zoom、aooear.in、ハングアウト、ベルフェイスなどがありますが、主に使われるのはSkypeです。
利用にはアプリのダウンロードとID登録が必要ですので、Web面接への対策の第一歩として事前に済ませておいてください。また安定したネット環境を整えて、面接の途中で途切れてしまったりしないよう対策しなくてはいけません。
不特定多数の人がデータ容量をシェアし、電波状況なども関わるフリーWi-Fiは接続が不安定なので、できれば個人の回線で、無線ではなく有線LANを利用した方が安定しています。
さらにWeb面接への対策としては、Web面接特有の流れを把握しておくことも必要です。接開始10分前にはパソコンの前に座って接続状況やログインの確認を済ませ、3~5分前には準備が整った旨のメッセージを企業へ送ります。
企業から「準備OK」などのメッセージが来た場合には自分から発信しますが、企業側から着信があればそのまま受けてOKです。
ただし画面に映った面接官の顔を見てしまうと、相手にはあなたの目線が下がったように見えますから、面接中は画面ではなくカメラを見て話をするようにします。Web面接への対策として一度実際に予行演習を行い、目線や話し方などを確認しておくとよいです。
【コロナ対策】23卒は「Web面接」が増える?やり方を今のうちに確認しておこう
一次面接
一次面接への対策は、説明会に行く前から始めておくとよいです。就活において一次面接は面接最初の関門であり、面接を受ける母集団が大きいため通過率が低い傾向にありますから、早めにしっかり対策しておく必要があります。
一次面接ではたくさんの就活生を面接しなければならないので、面接官はベテランの人事や役員ではなく、若手の社員が担当する企業が多いです。そのため一次面接では人柄を深く見極めるというより、見た目と少し話した感じの印象によって、最低限自社の社員として恥ずかしくない人物かどうかが判断されます。
ですから一次面接への具体的な対策は、まず「第一印象」を良くすることです。もちろん面接で見られている印象とは、「かっこいい」「きれい」「オシャレ」といったような基準ではありません。
清潔感のある身だしなみやマナーと、笑顔・挨拶・ハキハキした話し方といったコミュニケーション能力です。社会人から見て好感度の高い「第一印象」となるように心がけてください。また一次面接では、ESと同様の基本的な質問をされる傾向があります。
前章でご紹介した面接でよくある質問を中心に、回答の質を上げておくことも一次面接の重要な対策です。一次面接は面接を受ける人数が多さから「集団面接」となる企業も多いので、集団面接の流れについても対策しておきましょう。
これさえ読めばOK!『一次面接』を突破するための秘訣をプロが伝授します
二次面接
二次面接への対策は、一次面接を終えたらすぐに始めてください。二次面接は一次面接の内容がベースとなるので、一次と二次で話が食い違ってしまわないよう対策する必要があります。
一次面接の内容をメモなどに書き留めておき、それを基に二次面接の対策を行うとよいです。二次面接では、その就活生の人柄や能力が「企業が求める人物像に合致するか」、「志望度は高いか」といったことをチェックされます。
企業が志望度の高さを判断する基準は、就活生の企業理解度です。ですから二次面接では、自分の強みや考え方が企業の求める人物像と合致することと、企業理解の深さをアピールします。
一次面接が終わったらもう一度自己分析と企業研究を行い、一次面接の振り返りと合わせて志望動機を練り直しましょう。
一言で面接対策といっても、どの段階での面接なのか・どういう形式で受けるのかによって、対策方法はバラバラです。キャリチャンの「面接サポート」では、あなたの就活の進捗に応じてプロのキャリアプランナーが面接についてアドバイスします。
「初めて個人面接を受ける」「グループディスカッションが苦手」など、不安や悩みがあればお気軽にご相談ください。
ESや一次面接と大筋で食い違わないようにしながらも、より企業の求める人物像に近く、より深い企業理解を示せるように表現を工夫します。もちろん身だしなみや話し方などの印象が良いことは大前提で、二次面接の対策はさらに内面部分を磨くイメージです。
また二次面接では、自分が答えた内容に対してかなり突っ込んだ深掘り質問をされる可能性が高いので、何を聞かれても答えられるように対策しておきます。
最終面接
最終面接への対策は、志望動機の練り直しと逆質問を用意しておくことです。最終面接は多くの場合、企業のかじ取りを行う役員などの上層部によって、その就活生が本当に企業に適した人材なのかを判断されます。
そのため最終面接で見ているポイントは、就活生の人柄が社風に合うか、将来的な展望も含めて必要な人材か、本当に入社する意志があるかなどです。志望動機を最終的に練り直し、企業に必要な人材だということをアピールできるように対策しておきましょう。
将来その会社でどうなりたいのかといった、その企業に合ったキャリアプランを明確にしておくことが大切です。
また最終面接では、必ずと言っていいほど最後に「何か質問はありますか?」と聞かれます。この「逆質問」が就活生にとって、完全に面接が終了する前に自分をアピールできる最後のチャンスです。
その企業への興味がないと思われてしまいますので、間違っても「質問はない」などと答えてはいけません。最終面接の前は前章のよくある質問を参考に、特に逆質問の対策をしておいてください。
集団面接
集団面接への対策は、個人面接とは違う特有の流れや見られているポイントを、しっかり押さえておくことです。集団面接は一次面接として取り入れる企業が多く、短時間に大勢の就活生を判断するために、4~6人程度を1つのグループとして行われます。
入室の際は先頭の人だけがノックし、全員が椅子の横に揃って「お座りください」と言われてから着席するのがマナーです。退出の際はバラバラに出るのではなく、ドアに近い人から順に部屋を出ます。
個人面接と違って他の就活生と一緒に面接時間を共有していますから、長々と回答して面接時間を独占してはいけません。そのため集団面接では、とくに「端的に話す」ということが重要となるので、しっかり対策しておいてください。
また集団面接では、自分が回答している間だけでなく、他の就活生が回答しているときの態度も見られています。「自分には関係ない」という顔でぼんやりしていては印象が悪いです。
他の就活生の回答に対して意見を求められることもあるので、きちんと耳を傾けておく必要があります。
【集団面接を突破しよう!】好印象を狙うためのコツとよくある質問をご紹介
リクルーター面談
リクルーター面談に対しては、初めにご紹介した基本的な面接対策でOKです。ただしリクルーター面談は通常の面接と違い、どのタイミングで行われるのか決まっていません。
リクルーターが接触してくる時期は、説明会の後、書類選考の後、ある程度面接が進んでからなどさまざまです。突然行われることもあるので、いつリクルーターが接触しても大丈夫なように、早いうちから対策しておく必要があります。
リクルーター面談への具体的な対策は、“その会社が求める人物像を理解し、その会社でどうなりたいのか “を明確にすることです。しっかり自己分析と企業研究を行って企業理解を深め、将来のビジョンを考えておいてください。
リクルーターは人事担当の社員ではありませんが、もちろん自社が優秀な学生を確保する手助けをするために就活生に接触しています。リクルーターは就活生の志望度を上げるために企業についての情報を提供したり、学生の資質を見極めたりするのです。
「面接」と言っていなくても、何気ないリクルーターとの会話が評価の対象となり、本採用に影響することもあるので注意しましょう。
就活生なら知っておきたい『リクルーター』の接触目的と上手な関り方を解説
GW・GD
グループワーク(GW)やグループディスカッション(GD)への対策は、まずそれぞれの流れと役割を把握しておくことです。GW・GDは面接では見えない学生の本当の姿を、学生同士の議論を通してチェックする目的で、書類選考と筆記試験が終わった後、面接に進む前に行われます。
GDは複数人の学生がグループとなって、与えられたテーマから結論を導き出すために話し合いを行う課程を評価される選考であり、GWはそれに共同作業が伴うものです。どちらも大まかには「自己紹介」→「役割分担とタイムスケジュールを決める」→「話し合い(+共同作業)」→「意見のまとめ」→「発表」というような流れになります。
役割分担は人数によっても異なりますが主に「司会」「書記」「タイムキーパー」「監視員」「アイディアマン」「発表者」などです。発言数の多くリーダーシップをアピールしやすいことから、司会などの役割が有利と思われがちですが、そうとも限りません。
企業は「発言に責任を持っているか」「自分の役割を果たせているか」「対立意見に対してどう対応しているのか」「相手の意見に耳を傾けているか」といった点から、その就活生が周りの人たちと働くことができる人物かどうかを見ています。
GW・GDでは目立つ役割を担うことよりも、それぞれの役割をきちんと理解し、自分に合った役割を担うことが大切です。そのためGW・GDに対しては、練習でさまざまな役割を経験し、自分に合った役割を探しておくことが重要な対策となります。
【就活生必見】グループディスカッション(GD)の役割と成功のためのコツ
グループワークが苦手な就活生のために上手に乗り切るためのコツを伝授します
圧迫面接
圧迫面接への対策は、よくある事例を把握しておき、どう対処すべきなのか事前に確認しておくことです。よくある圧迫面接の事例には、以下のようなものがあります。
- 質問攻めにされる
- 「なんで?」と繰り返される
- ダメだしされる
- 反応がない
- 興味なさそう
- 怒ったような態度をされる
圧迫面接は会社の事業規模に関係なく、営業や販売、接客、クレーム対応部署など、客先からのクレームにさらされる職種の就活に多いです。
学生生活では経験しないことなので苦手とする学生が多いですが、圧迫面接は就活生のストレス耐性や対応力をチェックする目的で行われます。
面接官は就活生の仕事への適性をはかるためにわざと嫌な態度を取るのであって、本気で学生のことを嫌っているわけではありません。
ですからどのような圧迫面接に対しても、怒ったり委縮したりせず「冷静に対応する」ということが大切です。練習でさまざまなシチュエーションの圧迫面接を経験しておくと、本番でも冷静に対処しやすくなります。
おわりに
面接は企業があなたを見極めるための、就活の核ともいえる部分ですので、しっかりと対策することが大切です。
面接対策としては、徹底した事前準備を行い、緊張した中でも力を発揮できるよう本番を意識した練習をしましょう。
面接練習はキャリアセンターや就活エージェントなど、適切なアドバイスが可能な「就活を知っている人」を相手に行うことをオススメします。
本番さながらの雰囲気で行われる模擬面接は、とくに面接対策として効果的です。キャリチャンでも無料の模擬面接イベントを開催していますので、ぜひ参加してみてください。
模擬面接に参加しよう!
この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。