ESにおける長所の書き方|伝わる構成・例文・注意点について
2025年10月31日

ES(エントリーシート)に書く長所って、毎回すごく悩むんです。見つけ方がわからないし、見つけてもどこまでが“強み”として伝わるのか自信がなくて。文字数指定もあるし、どうまとめればいいのか迷っています。
なるほど。ESでの長所は自己PRの中でも企業が特に注目するポイントですからね。ただ、伝え方や表現を少し工夫するだけで、印象は大きく変わりますよ。


そうなんですね。でも「協調性」とか「責任感」って、みんな使いがちじゃないですか?それでも伝わるものなんでしょうか。
確かに使いがちですが、大切なのは“自分らしい具体性”をどう盛り込むかです。今回は文字数別の書き方や避けたいNG例、長所の見つけ方など、ESの長所を魅力的に見せるための方法を整理していきましょう。

目次
ES(エントリーシート)で長所が求められる理由

ここでは、ESで長所が求められる理由について、企業視点からの3つの要素に分けて整理します。
本セクションを読むことで、選考通過に直結する長所の書き方を戦略的に捉えられるようになります。
企業がESで長所を聞く背景
ESで長所を問うのは、学生の自己理解の深さを確かめる目的があります。理由は、自身の価値観や行動特性を言語化できるかどうかが、入社後の成長可能性と直結するためです。
たとえば「継続力」を長所とした場合、継続力を発揮した場面や成果を具体的に述べれば、企業側が学生の魅力を理解しやすくなるでしょう。また、価値観の共有度や社風との適合性も読み取れることから、選考上の基準にもなります。
結論として企業は、人物像を立体的に捉えるためにESで長所を確認しているのです。
ESにおける長所の位置づけと役割
ESに記載する長所は、書類選考全体の印象を左右する重要な要素となります。自己PRや学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)と違い、性格や行動様式に関する情報を簡潔に伝える場であるためです。
たとえば「責任感がある」と書く際は、ただの主張で終わらず、失敗を引き受けて改善に努めた行動例を交えると説得力が増します。加えて、ES全体の構成バランスにも影響するため、文頭で簡潔に伝える設計が求められるでしょう。
長所は、ESにおける基盤の一部を形成する要素といえます。
企業目線での評価ポイント
企業がESを見るときに注目するのは、長所の内容よりも表現手法と再現性の有無です。理由は、業務にどう活かせるかを読み取るためには、根拠ある論理と行動の整合性が必要になるためです。
例として「柔軟性」を挙げる際、変化の多い環境下で臨機応変に対応した具体的な体験を記述すれば、評価の精度が高まります。さらに、抽象表現よりも行動描写に重きを置くと、採用担当者も判断しやすくなるでしょう。
結局のところ、評価されるのは文章の美しさではなく、業務遂行力の根拠なのです。
ESに記載する長所に関する意見が欲しい人には、キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」がおすすめです。キャリアアドバイザーによるカウンセリングを通じ、客観的な視点から紹介した求人に適した長所を導き出します。
【基本編】ES(エントリーシート)における長所の書き方

ここでは、ESで長所を効果的に伝えるための書き方について3つの視点から説明します。
長所が伝わる構成と注意点を踏まえることで、質の高いES作成が可能になります。
以下コラムでは、ESにおける自己PRについて触れているので、あわせて参考にしてください。
関連コラム
エントリーシートの自己PR|就活で効果的な書き方と例文を紹介
また、キャリチャンで提供している履歴書・ES作成マニュアルもぜひ利用してみてください。
【就活対策資料】
履歴書・ES作成マニュアル
構成の基本は結論から
ESに長所を書く際は、結論から書きましょう。なぜなら、冒頭で伝えたい内容を明確にすることで、読み手の理解が格段に高まりやすくなるためです。
たとえば「私の長所は行動力です」と書き始めると、採用担当者はその後に続く根拠やエピソードを自然と受け入れやすくなります。加えて、文章に個性を持たせることで、テンプレート的な構成であっても印象に残りやすくなるでしょう。
まずは簡潔に、結論から述べることがES作成においては必須です。まずは簡潔に、結論から述べることがES作成においては必須です。
ESで伝わる長所の条件
ESで伝わる長所の条件として、具体性や再現性が挙げられます。理由は、職場での行動がイメージできる内容でなければ、企業が評価しにくいためです。
例として「協調性があります」ではなく「意見が対立した場面で双方の立場を整理し、合意形成に貢献した経験がある」と書くと伝わり方が変わります。さらに、入社後にどのように活かせるか簡潔に触れることで、企業側に将来の働き方まで想起させられるでしょう。
結果として、選考通過の確率も高まります。
長所を書く際のNG例と注意点
長所を書く際に注意すべき点は、曖昧な表現や根拠のない主張を避けることです。なぜなら、採用担当者にとって印象に残らない文面では人物像が浮かびにくいためです。
たとえば「人と話すのが得意だと思います」のように締めくくられていると、説得力に欠けてしまいます。また「明るい性格です」とだけ述べても、再現性が伝わらないかもしれません。
さらに、単なる自己評価で完結させると、信頼性を損なう原因にもなります。文章には、必ず具体的な根拠を添えるように意識しましょう。
【文字数別】ES(エントリーシート)の長所の書き方

ここでは、ESで長所を記述する際の書き方を、文字数別に解説します。
ここで解説する内容を読むことで、与えられた文字数に応じた最適な構成が理解できるでしょう。
50字で書くときの要点
50字以内で長所を伝える際は、内容より印象を重視した構成が求められます。なぜなら、文字数が極端に限られるため、伝えるべきは詳細よりも「伝わるかどうか」だからです。
たとえば「最後まで責任を持って行動する粘り強さがあります」といった書き方であれば、性格の特徴と行動が明確に伝わります。加えて、余計な装飾表現は避け、結論を文頭に置くことで読み手が理解しやすい文章を書くようにしましょう。
印象に残るひとことに仕上げることが、50文字という短い文字数で自身の長所を伝えるためのポイントです。
<50文字で長所を書く際の例文>
物事を計画的に進め、目標達成までの手順を着実に実行する力があります。
100〜200字で伝える場合の構成
100〜200字で長所を作成する際は、簡潔ながらも説得力ある展開が重要になります。理由は、内容が短すぎると印象が薄れ、長すぎると要点がぼやけるためです。
「粘り強さ」が長所なら、課題への粘り強い対応と結果を1つのエピソードに絞って伝えましょう。また、抽象的な主張だけでは不十分なため、行動と成果を結びつけることが求められます。
文章の冒頭に結論を置き、具体行動との関連を明示する構成を意識しましょう。文章の冒頭に結論を置き、具体行動との関連を明示する構成を意識しましょう。
<100〜200字で長所を書く際の例文>
私の長所は計画性です。ゼミ活動でプレゼン担当になった際、発表までの1カ月を週ごとにタスク管理し、メンバーに共有したことがあります。
その結果、資料作成や練習が計画通りに進み、発表本番でも高評価を得られました。事前準備を徹底する姿勢は、業務でも活かせると考えています。
400字で差をつける構成法
400字で長所を伝える場合は、以下5つの要素を順番に盛り込むと説得力が増します。
- 結論
- 課題
- 行動
- 成果
- 応用
上記を盛り込むことで、読み手が人物像を多角的に評価しやすくなります。たとえば「計画性」を長所とする場合、困難な状況下で計画を立て、成果を出した事例を述べたうえで、今後の仕事への活かし方に触れると効果的です。
さらに、数値データや第三者からの評価も加えると、客観性が高まり印象に残りやすくなります。仕上げとして、企業との接点を明確にする文で締めましょう。
<400字で長所を書く際の例文>
私の長所は計画性です。大学では学園祭の運営委員としてステージイベントを担当しました。
具体的な内容として、複数の出演団体と連携しながら全体の進行スケジュールや会場設営計画を作成し、逆算形式でタスクを配分したことがあります。進行が遅れていた団体には個別にヒアリングを行い、必要に応じてスケジュールを再調整しました。
結果、当日は予定通り全プログラムを実施でき、来場者数も前年を上回る結果を出せたことが自慢です。計画に基づいた行動だけでなく、予測外の事態に柔軟に対応することで全体最適を追求する力も養えたと感じました。
この経験を通じて得た計画性と対応力は、入社後の業務においてもプロジェクトの円滑な遂行に役立つと考えています。
ES(エントリーシート)の長所を魅力的に伝える書き方の工夫

ここでは、ESの「長所」欄をより魅力的に伝えるための工夫について解説します。
ここで紹介する内容を、読み手の記憶に残るES作成にお役立てください。
以下コラムでは、ESの通過率をより高めるためのポイントも紹介しています。
関連コラム
エントリーシートの通過率はどれぐらい?通るESの作り方も解説
抽象表現は具体例で補う
長所に関する記述で抽象的な言葉を用いる場合は、具体的な行動や成果で補強する必要があります。なぜなら「主体性がある」や「柔軟性が高い」といった言葉は一見わかりやすい反面、記憶に残りにくいためです。
たとえば「柔軟性がある」と記載するだけでなく「急な仕様変更にも即座に対応し、代替案を提示してチームを前進させた」など、背景や成果を具体的に示すことで印象が格段に高まります。
さらに、「3日で修正案を3案用意した」や「5名をまとめていた立場で対応した」など、客観的な情報を加えると説得力も増すでしょう。もっとも、説明過多になると主張が埋もれてしまうため、端的に要点を示しつつ、印象に残る工夫を加えて仕上げるべきです。
採用担当者の視点で見直す
長所の記述は、自分の主観だけで構成せず、採用担当者の視点を意識して見直す姿勢が求められます。理由は、読み手が「自社で活躍する姿」を具体的に想像できるように構成されていなければ、魅力が伝わりにくいためです。
たとえば、論理的な構成がなされているか、志望動機や自己PRとの整合性が取れているかなどを確認しましょう。さらに、企業が求める人物像と自分の長所が重なるかを意識し、「自社でこの力は活かせそうだ」と思わせる視点を盛り込むと効果的です。
とはいえ、企業研究の結果をそのまま書き写すだけではいけません。自分の言葉で構造を整え、他項目と一貫性を持たせた文章に仕上げてください。
絞り込んだうえでエピソードを選ぶ
長所を伝える際に、エピソードを複数盛り込むのではなく、もっとも印象的な1つの場面に絞り込みましょう。なぜなら、エピソードが分散すると、長所の印象が弱まり説得力も失われるためです。
たとえば、成果が大きい話よりも、自分の行動や工夫に焦点を当てた内容の方が、面接官の記憶に残りやすくなります。例として「チームの方向性が定まらなかった場面で、自ら全体の進行を再構築した」というように、自分の貢献と背景を明確にした構成が有効です。
また、共感されやすいストーリーであるか、読み手が「自分も同じ立場なら同様に行動する」と思えるかも重要になります。
まずは1つの経験に絞り、その中での行動・思考を丁寧に描写しましょう。
ES(エントリーシート)の長所でよく使われる強みと表現例

ここでは、ESで頻出となる長所のジャンルと、それぞれを効果的に伝えるための工夫を紹介します。
本セクションを読むことで、自身の特性に合った長所表現を具体的に言語化できるようになるでしょう。
協調性・チームワーク系
ESでよく使われる長所として「協調性」や「チームワーク」が挙げられます。ただし、汎用的に見られる一方で、受け取り手によっては主体性に欠ける印象を与えるかもしれません。理由は、他人に合わせるだけの姿勢として誤認されやすいためです。
たとえば「他人の意見に同調した」と書くだけではなく、「自ら進んで全体の調整役を担った」といった能動的な表現にすることで印象が変わります。加えて、チーム内で果たした「役割」を明記することで、貢献の度合いが明確になるでしょう。
「議論がまとまらない際にファシリテーターとして意見を分類し、全体の合意形成に導いた」など、具体的な行動を交えると説得力が高まります。複数人の成果であっても、自分の行動を切り出して伝える工夫を忘れずに取り入れましょう。
責任感・誠実性・継続力系
「責任感」「誠実性」「継続力」も、ESの長所によく使われる強みです。ESに記載する際には、長期間にわたる努力や信頼の積み重ねを軸にエピソードを構成しましょう。なぜなら、日々の地道な行動の継続こそが、責任感・誠実性・継続力の本質であるためです。
例として「毎朝学部の掲示物を確認し、全体に情報を共有する役割を2年間継続した」というように、日常的な行動に焦点を当てることで、誠実さが伝わりやすくなります。また、ただルールを守るだけでなく「なぜ守るべきだと考えたのか」という内面の姿勢にも触れると、読み手に深みを与えられるでしょう。
学生生活の「当たり前」を魅力的に見せるためには、行動の背景や考え方を丁寧に記述することが重要です。
行動力・主体性・挑戦系
ESの長所欄には「行動力」「主体性」などの挑戦系のものを入れるのも効果的です。ただ「動いた」事実よりも「なぜ動いたのか」に焦点を当てると伝わりやすくなります。理由は、企業が知りたいのは勢いではなく判断力と再現性だからです。
たとえば「サークル活動で方針が迷走した際、全体を立て直すべく独自にヒアリングを実施し、改善案を提案した」など、具体的な行動の裏にある思考と動機を含めて記載しましょう。また、挑戦の中で得た学びや変化を丁寧に記述することで、人物としての成長もアピールできます。
さらに、行動力が単発ではなく、ほかの場面でも発揮されることがわかると、企業は安心して評価できるでしょう。
挑戦の先にある継続性や応用可能性を、積極的に盛り込んでみてください。
ES(エントリーシート)の長所は業界ごとに書き方を変えるべき

ここでは、業界ごとに異なる評価軸に合わせて、長所をどう表現すべきかを具体的に解説します。
ここで解説する内容を読むことで、志望先の特性に応じたアピールができるようになるでしょう。
メーカー・商社系で評価される長所
メーカーや商社におけるESで安定的に評価される長所は「誠実性」や「責任感」などが挙げられます。理由は、長期的な取引や製造工程において信頼関係や規律遵守が前提とされるためです。
たとえば文系の営業職では、社内外との調整力や柔軟なコミュニケーション力が求められます。一方で理系の研究職では、ルールに従った実験設計や報告の丁寧さといった綿密な実行力が重視されがちです。
また、どちらにも共通する要素として「協調性」も重要視される傾向があります。現場や顧客と信頼関係を築くためには、規律を理解したうえで自分の役割を丁寧に果たせる姿勢が評価の対象となるのです。
<例文>
私の長所は誠実に業務へ向き合う姿勢です。大学の研究活動では、実験のデータ記録や報告書の作成を徹底し、指導教員から「安心して任せられる」と評価されました。
ルールを守りながらも、周囲との協力によって成果を高める工夫を常に意識したことが自身の強みです。
IT・ベンチャー系で響く長所
IT業界やベンチャー企業では「主体性」や「柔軟性」が最も重視される傾向にあります。なぜなら、変化が激しく、決まった正解のない状況に自ら対応しながら動ける人材が求められるためです。
とくに、現状に課題を見出し、スピード感をもって行動に移せる力が評価対象となります。たとえば「柔軟な思考力」をアピールする場合、考えを変えた背景や、失敗から学んで別のアプローチを取ったプロセスを明示すると説得力が増すでしょう。
また、挑戦に終わらず再現可能な力として表現することも重要です。意思決定と変化への適応力が、組織貢献の根拠となることを示す必要があります。
<例文>
私の長所は柔軟に物事を考え、即行動に移せる力です。
所属するサークルでイベント企画が停滞していた際、内容の方向転換を提案し、メンバーの意見を取りまとめて新企画を立ち上げました。変化を恐れず動く姿勢が、周囲にも好影響を与えたと考えています。
金融・コンサル系で有利な長所
金融やコンサルティング業界では「論理性」や「冷静な判断力」といった資質が高く評価されます。理由は、データ分析や利害調整を正確に行う業務が中心となり、精神的な安定や慎重な思考が欠かせないためです。
たとえば、資料作成や数値管理において抜け漏れがなく、計画通りに成果を出せる力は信頼につながります。また、面談やプレゼン場面では、交渉や説得のスキルも加点対象です。
加えて、ストレス耐性や落ち着いた対応ができる点も、対人業務の多い金融・コンサル業界では重要視される傾向があります。論理的でありながらも、協調的な姿勢を併せ持つ人材が理想とされるでしょう。
<例文>
私の長所は、物事を冷静に整理し、的確に伝える力です。
ゼミでプレゼン担当を任された際、論点がぶれない構成と簡潔な資料設計を行い、教授から「論理展開が明快」との評価を得ました。このことをきっかけに、常に根拠を意識して話す姿勢を心がけています。
福祉・教育・公務系で信頼される長所
福祉や教育、公務分野では「傾聴力」や「共感力」といった対人スキルが特に求められます。理由は、多様な背景を持つ相手との信頼関係の構築が、業務遂行において欠かせない要素だからです。
実績よりも、相手の声に耳を傾け、相互理解を積み重ねる姿勢が評価される傾向にあります。たとえば「倫理観」や「責任感」を示すエピソードがあれば、数値的な成果がなくとも説得力を持たせられるでしょう。
また、日常的な関わりの中でどのように信頼を得たかを丁寧に描くことが大切です。過程に焦点を当てた記述が、読み手に安心感と誠実な印象を与えます。
<例文>
私の長所は、相手の気持ちに寄り添いながら行動できるところです。
ボランティア活動で高齢者のお話にじっくり耳を傾ける中で、「話を聞いてもらえるだけで嬉しい」と言っていただいた経験があります。相手の立場に立った接し方を、常に意識するきっかけになりました。
ES(エントリーシート)に最適な長所の選び方

ここでは、自分の長所をどのように選べば、よりESで評価されるかについて整理します。
ここで紹介する内容を、ES作成を通じた企業研究や自己分析にも役立ててください。
企業の求める人物像に合わせる
ESで伝える長所は、志望先の企業が求める人物像に合致していることが前提となります。なぜなら、どれだけ魅力的な強みでも、組織の価値観とずれていれば評価にはつながりにくいためです。
たとえば、採用ページや募集要項には「自律」「挑戦」「誠実」などのキーワードが明記されていることが多いため、できるだけ反映した表現を使いましょう。また、OBOG訪問を通じて現場のリアルな人物像を把握するのもおすすめです。
さらに、業界研究で得た情報と自分の経験をつなげることで、説得力のあるアピールが可能になります。単に自分の特性を伝えるだけでなく、企業の視点から見て「活かしどころ」が明確になることが重要です。
エピソードに信頼性を持たせる
長所を伝える際は、裏付けとなるエピソードに信頼性があるかが重要になります。理由は、曖昧な自己評価では読み手に納得感が与えられないためです。
たとえば「いつ・どこで・何を行ったか」という5W1Hを整理し、主観ではなく具体的な行動や場面を記述することが求められます。誇張表現や成果の過大評価は逆効果になりやすく、事実ベースの記載が好まれるでしょう。
さらに、主観的な気づきと実際の結果のバランスが取れている構成が好印象を与えるでしょう。採用担当者にとっては「実際に行動できるか」が判断軸であるため、証明としてのエピソードは不可欠です。
志望動機・ガクチカとの整合性を重視する
ESにおける長所は、志望動機や学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)と内容に一貫性があることが理想です。各設問がバラバラの内容では、学生の“軸”が読み手に伝わりません。
たとえば「主体性」をガクチカで強調している場合、長所でも同様の価値観が伝わる構成にすることで説得力が増します。とはいえ、内容が重複しすぎると読み手に飽きられてしまうため、視点や場面を変えて補完するよう工夫が必要です。
加えて、面接での深掘りを想定し、各設問の内容が食い違わないよう見直しておくことも重要になります。
面接での立ち回りについては、キャリチャンの就活支援サービス「面接サポート」がおすすめです。志望動機やガクチカとESの長所がマッチしているかの確認や求人の紹介も含め、徹底的にサポートします。
ES(エントリーシート)に書く長所で避けたいNGパターン

ここでは、ESに書く長所として不適切なパターンを3つの観点から紹介します。
ここで解説する内容を読むことで、ESでの誤ったアピールを防ぎ、伝わる自己表現が可能になるでしょう。
抽象的すぎる表現
抽象的な長所表現は、ESにおいて避けるべきポイントです。「頑張り屋」や「優しい」といった言葉は幅広く解釈でき、読み手に具体像が伝わりません。
たとえば、努力をアピールする場合でも、どのような行動を通じて達成したのかが語られていないと説得力が生まれないでしょう。また、本人の性格だけを述べるのではなく、成果や変化を示す工夫が求められます。
すなわち、再現可能な能力としての「長所」を描写することが重要なのです。
企業ニーズと乖離した長所
応募先企業の特性やニーズと異なる長所を記載するのも、できるだけ回避しましょう。理由は、企業ごとに求める資質が明確に異なり、ミスマッチが発生すると評価を下げる要因になるためです。
たとえば、金融やコンサルのように論理性を重視する職種で「人を楽しませる」といった強みを押し出すと真剣味が伝わらなくなる可能性があります。応募先の業界や社風を理解したうえで、自分の特性を適切に表現する視点が重要です。
すなわち、自身の強みをできるだけ企業ニーズに沿った形に言い換える姿勢が前提となるでしょう。
自己認識と事実のズレ
自己評価と実際の根拠が一致していない長所は、説得力を欠く要因となります。なぜなら、客観性のない主張は読み手に疑念を抱かせ、信頼を得られないためです。
たとえば「リーダーシップがある」と述べる場合、自身の行動と他者からの評価が一致していなければ、単なる自信過剰と受け取られるおそれがあります。自己認識と事実のズレを防ぐためには、第三者の評価や具体的な成果を交えることが重要です。
数字や客観的なエピソードを活用し、信頼性を高めることも推奨されます。
ES(エントリーシート)に書く長所が思いつかないときの対処法

ここでは、ESでアピールすべき長所が見つからない場合に取り組むべき3つの方法を紹介します。
ここで紹介する内容を実践することで、自分でも気づいていなかった強みを明確に言語化できるようになるでしょう。
また、以下のコラムで自身の長所・短所を分析し、どう答えるべきかという疑問を解消できるのであわせて参考にしてください。
関連コラム
就活で長所・短所を問われた時の答え方|面接・ES・履歴書の例文を紹介
自己分析で洗い出す
ESに書く長所を見つけるためには、自己分析で行動の共通項を洗い出す方法が有効です。
過去の経験を振り返ることで、自分の思考や行動のクセが浮き彫りになります。
たとえば、学業・アルバイト・部活動といった場面で自分がどのような役割を担っていたかを振り返ると、自然と「特徴的な行動パターン」が見えてくるでしょう。加えて、「よく任される役目」「他人から評価された発言や対応」などもヒントになります。
成果そのものではなく、成果に至るプロセスに注目すれば、表面的でない本質的な強みが導き出せるはずです。
キャリチャンで提供している自己分析ワークシートもぜひ利用してみてください。
【就活対策資料】
自己分析ワークシート
他己分析も活用する
自分の長所を見つけられないときは、他己分析によって第三者の視点から見た自分を把握することが効果的です。他己分析とは、他者に自分の長所や短所、印象について分析をしてもらうことを指します。
自分では意識していない行動や、評価されている特性に気づくきっかけになるため、他己分析がおすすめです。たとえば、家族や友人、ゼミの仲間などに「一緒にいて安心する」「責任感がある」といった評価を受けていれば、強みとなります。
とはいえ、ただ第三者に言われた内容を並べるのではなく「なぜそう評価されたのか」「どの行動が印象的だったのか」といった背景を深掘りすることが重要です。
自己像と他者像の違いを確認することで、強みに厚みを持たせられます。
短所を裏返して探す
ESに書く長所が思いつかない場合、短所を裏返すことで強みを見つける方法も試してみましょう。なぜなら、短所は見方を変えれば、長所として機能する側面を持つためです。
たとえば「慎重すぎる」という短所は「リスク管理ができる」という表現に変換できます。また「優柔不断」は「複数の視点を考慮してから判断する」と言い換えられるでしょう。
短所を長所に変換する際は、自分の行動に伴うエピソードを再解釈する視点が不可欠です。ネガティブな特徴でも、周囲にどのような好影響を与えたかを示せば、説得力のある強みに昇華できるでしょう。
提出前にES(エントリーシート)の長所を見直すポイント

ここでは、ESに記載した長所を提出前に再確認すべき3つのポイントを紹介します。
ここで解説する内容を読むことで、長所がより的確かつ魅力的に伝わるよう調整できるでしょう。
ESに記載する長所を見直したい人には、キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」がおすすめです。キャリアアドバイザーがESに記載された内容を客観的に判断し、紹介した求人の選考において長所をより活かすためのアドバイスを提供します。
全体の整合性をチェックする
ES提出前には、長所が志望動機や他項目と一貫しているかを必ず確認しましょう。なぜなら、内容に一貫性がない場合、自己理解が不十分だと判断される可能性があるためです。
たとえば、志望動機で「変化に柔軟な環境に魅力を感じた」と書いている一方で、長所に「慎重で安定志向」と記載すると、価値観のブレを印象づけてしまいます。また、ES内で同じような表現を何度も使っていないか、主張が重複していないかも確認すべきです。
さらに「自分は何を伝えたいのか」を軸に置き、キーワードが一貫しているかも見直しましょう。
第三者視点で読み直す
ESの仕上がりを確認する際には、自分以外の目線から内容を見直すことが欠かせません。
理由は、書き手の意図と読み手の受け取り方が異なることが多いためです。
たとえば、説明不足や表現の曖昧さは、自分では気づきにくいでしょう。キャリアセンターのアドバイザーや就活経験のある先輩などにチェックを依頼すると、初見の読者としての率直な意見を得られます。
また「結論が伝わりやすいか」「読後に印象が残るか」など、伝わるかどうかを基準にフィードバックをもらうことが重要です。第三者の視点を通すことで、論理性と説得力の精度を高められるでしょう。
技能的な部分も再確認する
ESの提出直前には、ES全体の表現や形式面も細かく確認しておく必要があります。なぜなら、内容が優れていても、誤字脱字や敬語の誤用があると印象が大きく損なわれるためです。
たとえば「〜と思います」の多用は自信のなさにつながりかねません。また「〜ました」「〜です」が続きすぎると単調になり、読み手の集中を妨げる可能性があります。
さらに、所定の文字数やフォーマットに過不足がないか、文字の詰まりや余白の乱れがないかも確認すべきです。最後に音読することでリズムや違和感を発見できるため、習慣化をおすすめします。
ESにおける長所は場面ごとに適した書き方が重要
ESにおける長所の記載は、ただ自身の強みを述べるだけでは不十分です。企業が何を重視しているかを読み取り、業界や職種に応じて伝え方を変える視点が欠かせません。
加えて、文字数ごとに適した構成や表現方法を工夫することで、読みやすく印象に残るESになります。抽象表現には具体的な行動や結果を添え、企業ニーズと一致する資質かどうかを常に意識することが重要です。
また、自己分析と他己分析を組み合わせて長所を洗い出すことで、説得力ある内容に仕上げられます。さらに、提出前にはES全体との整合性や技能的な表現まで見直し、完成度を高める作業も怠ってはいけません。
ESにおける長所は、書き方ひとつで評価が大きく変わる項目です。場面や段階に応じて最適なアプローチを選ぶことで、選考突破へ確実に近づくでしょう。
「就活相談サポート」に参加しよう!
この記事の監修者

平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。
































