【例文あり】メールでも大丈夫?失礼のない適切な選考辞退の連絡方法
2025年7月28日
いま受けてる企業の選考を辞退したいんですけど、メールで連絡しても問題ないでしょうか?電話は苦手だから、できればメールで連絡したいんですが…。
基本的にはメールで辞退しても大丈夫ですが、状況によっては電話の方がいい場合もありますね。いずれにしても、マナーを守って丁寧に伝えることが大切ですよ。
そうなんですね。具体的には、どんな状況だとメールより電話の方がいいですか?あと、どんなメールを送れば失礼にならないのかも知りたいです!
では今回は、選考を辞退するときに失礼のないメールの書き方・伝え方について解説します。例文も紹介するので、参考にしてください。
選考辞退の連絡はメールでいいの?
冒頭にも述べましたが、選考辞退の連絡はメールで伝えてよいのかどうか、以下にまとめておきます。
以下で詳しく解説するので、参考にしてください。
基本的にはメールでも大丈夫
基本的に、選考辞退はメールでも大丈夫です。
メールは送受信の記録が残り、企業側の確認不足を避けられることや、送る際にあまり時間を気にしなくていいという利点があります。
とくに選考がそれほど進んでいない場合、大量の志願者がいるような大企業では、全ての辞退者が電話をかけると企業も対応が大変です。そのため、選考辞退を伝えるのはメールで構わないとされています。
丁寧な文面になるように心がけることが、相手企業に対する礼儀であるといえるでしょう。
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電話連絡の方がよいケースもある
選考辞退の連絡は基本的にメールで構いませんが、電話連絡の方がよいケースもあります。たとえば以下のような場合は、メールより電話で連絡した方がよいでしょう。
■ かなり進んでいる選考を辞退する場合
選考段階がかなり進んでしまってから選考辞退する場合は、メールより電話で連絡することをオススメします。
ES(エントリーシート)などの書類選考や初期面接を突破した段階であればメールで辞退しても問題ないですが、何度も顔を合わせて面接してもらった後に選考辞退する場合は、企業側も採用への期待が膨らむ分だけ辞退に対するダメージが大きいです。
とくに最終面接あたりまで進んでいる場合は、ほとんど内定出しが決まりかけているケースもあります。
それだけ手間と時間をかけてもらったことに対する感謝とお詫びの気持ちを、自分の声で直接伝えた方が誠意が伝わるでしょう。辞退すれば無関係になるとはいえ、最後まで敬意をもって接するのが社会人としてのマナーです。
■ 選考直前の辞退の場合
基本的にはメールで選考辞退を伝えるのはOKとされていますが、選考直前の場合の連絡は必ず電話にしましょう。採用担当者は多忙なので、すぐにメールを確認できるとは限りません。
選考前日以降に「選考辞退します」という意図のメールを送信しても、選考日時の前までに読まれない可能性があります。そうなれば面接官は辞退を知らずに待ちぼうけを食わされ、大変失礼になってしまう危険性があるのです。
そういった緊急性の高い連絡は、必ず電話で行うのが社会人の一般的なマナーと考えられています。メールで選考辞退を伝える際にはゆとりをもって2日前には送信し、2日前を過ぎたら電話で連絡するようにしましょう。
【例文つき】選考辞退で送るメールの書き方
選考辞退メールの書き方のポイントは、以下の4つです。
例文を交えながら解説します。
要件のわかる件名をつける
件名で選考辞退を要望するメールであることが分かるようにするのがポイントです。
【例】
- 選考辞退のお願い
- 選考辞退のお知らせ
- 選考辞退のご連絡
このようにすることで件名を見るだけで、「これは辞退のメールか」と認識してもらうことが可能で、見逃される可能性が減ります。
企業とのやり取り、就活生の対応、迷惑メールなど、企業は1日に多くのメールを受け取っています。そのため、件名に要件が記載されていないものはすぐに確認してもらえず、最悪の場合読まれない、読まれないまま迷惑メールだと勘違いして削除されてしまう可能性もあるのです。
そのため、件名だけで要件がわかるようにしておくことで、企業の人がメールに気づきやすくなります。また、「選考辞退のお願い 山田太郎」など、名前も入れておくとより丁寧で、すぐにメールを確認してもらうことができます。
本文では辞退の意思を明確に伝える
選考辞退の連絡をするメールの形式は、その他のビジネスメールと同様です。最初に宛先、次に挨拶、そのあと選考辞退の旨を明確に伝えましょう。下記に例を掲載しますので、照らし合わせて使ってください。
【例文】
■■■■株式会社
人材開発部 人事課 ●●様
お世話になっております。
□大学の◇学部の山田太郎と申します。
先日は、次回選考のご連絡を頂き、ありがとうございました。
誠に申し訳ありませんが、諸般の事情によりこのたびの選考を辞退させて頂きたく、ご連絡を差し上げました。
貴重な時間を頂いたにもかかわらず大変申し訳ございませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
末筆ながら貴社の益々の発展をお祈り申し上げます。
———————————–
□大学◇学部 山田太郎
住所
電話番号
————————————
上記のようにすることで、選考辞退したいことを明確に伝えられます。
注意して欲しいのは「前株」なのか「後ろ株」なのかということです。どちらが正しいではなく、企業によって違います「前株」と「後株」を間違えるのは企業名を間違っているのと等しく、とても失礼になりますので気をつけてください。
辞退の理由は簡潔でよい
選考を辞退する理由は伝える必要がありません。「諸般の事情により」「諸般の都合により」「一身上の都合により」と記載するようにしましょう。
もちろん理由を述べても構いませんが、「選考を受けていると志望度が薄くなった」「面接官の人間性が嫌で」などの相手を下げる理由であるなら絶対に伝えてはいけません。
また、第一志望の企業から内定をもらえた事が理由なら、「他社から内定」と伝えても構いませんが、企業名などは伝えない方がいいでしょう。
他には、「希望の職種が変わった」と伝える方法もありますが、基本的に理由を伝えたところで特に意味もないことから、理由は伝えない方がオススメです。
どうしても理由を伝えないと気が済まないのであれば、理由を聞いた側がどのように感じるのかに気をつけて伝えましょう。
感謝と謝罪の気持ちを込める
一番重要なのが、企業側に対して感謝と謝罪の気持ちを込めることです。企業は時間と手間、経費を使って選考を進めていて、現時点であなたを欲しい人材となり得ると評価してくれています。
例え、第一志望から内定が出たから選考を辞退するとしても、選考が進んでいた企業が他にもあったということは、心の支えになっていたはずです。
選考辞退をするにしても、最後まで礼儀を尽くすことでお互いに気持ちよく終えられると思います。
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選考辞退メールを送ったら電話がかかってきた時の対処法
選考日までに時間があるなら辞退の連絡はメールで問題ないですが、それだけで終わらない場合もあります。選考辞退を伝えるメールを送信すると、企業から電話がかかってくることがあるのです。
そのため、ここでは選考辞退メールを送ったら電話がかかってきた際の対応方法について、以下の2点から解説します。
知らずに電話を受けると焦ってしまうので、正しい対応方法を理解したうえでメールを送るようにしましょう。
電話の対応方法
電話がかかってきたら必ず応対しましょう。メールで伝えられた辞退意思が確かに本人のものか、本当に辞退でよいのか(日程の都合によるものなら再調整してくれる用意がある)などを、確認するための電話かもしれません。すでに受けるのをやめた企業とはいえ、かかってきた電話を無視するのはマナーとしてもよくないです。
電話がかかってきたときに応対できず履歴が残っていた場合も、折り返し電話をしましょう。折り返し電話をするのは勤務時間内で開始直後・休憩時間・終了直前以外であれば問題はありません。
電話で辞退を伝えると、理由を聞かれたり、食い下がられたりすることがあります。面倒でも感情的にならないように気をつけ、冷静に受け答えしてください。相手企業を批判して傷つけることがないように配慮をし、丁寧に対応することが大切です。
折り返し電話例
電話に出られずに、折り返す際には下記を参考にしてください。
【例文】
お世話になっております。
私、□大学◇学部の山田太郎と申します。
先日(先ほど)選考辞退の旨をメールでお送りしたところ、御社からの着信がありましたので、折り返し連絡をさし上げております。
お手数をおかけしますが、ご担当の方はいらっしゃいますでしょうか?
このように伝えるとよいでしょう。
また、留守電などに担当者の名前が残っていた場合は、もっとシンプルに「選考辞退の件で折り返しお電話さし上げたのですが、ご担当の○○様はいらっしゃいますか」といった表現で済む可能性もあります。電話をかける際には配慮が必要ですが、必要以上に恐れる必要はありません。
一度頭の中で話す言葉をイメージして挑むと、落ち着いて電話することができると思います。
選考辞退メールを送ったら訪問を要請された時の対処法
選考辞退のメールを送ると、稀に「直接来ていただけますか?」などと来社を求められることもあります。滅多にないことですが、知らないと慌ててしまうので、対応方法を知っておきましょう。
選考辞退メールに対して来社を求められたときは、以下の3つを参考に対応してみてください。
以下で詳しく解説します。
訪問要請は断ってもいい
選考辞退のメールを送ったときに来社するよう促された場合は、断っても構いません。
もちろん受け入れてもいいですし、その方が誠意は伝わると思います。とはいえ、会社への訪問には時間や費用がかかるので、強制はできないはずです。
同じ地域内であれば来社も容易かもしれませんが、県や地域を越える就活の場合は簡単には移動できず、かかる費用も馬鹿になりません。また、遠距離でなくても学業と就活を両立する忙しいスケジュールの中では、そうした時間をかけたくないと考えるのは当然です。
企業としては直接会って辞退理由の詳細を聞き、就活生の問題を取り除いたり、考え直してくれるよう説得を試みたりすることで「最善を尽くした」と納得したいのかもしれません。しかし、既に辞退を心に決めている学生にとっては訪問するメリットがないため、無理に応じる必要はないでしょう。
訪問を断る時の文面
メールで訪問を要請されたときには、訪問辞退もメールでの連絡で構いません。その際には下記の例文を参考にしてください。
なお、メールの件名は、相手のメールに返信する際メーラーが自動的につけてくれる「Re:××××」のままで送るか、「選考辞退に関する訪問について」などとすればわかりやすいでしょう。
【例文】
■■■■株式会社 人材開発部 人事課 ●●様
お世話になっております。
□大学◇学部 山田太郎と申します。
選考辞退の件につきまして、ご連絡をいただきありがとうございます。
しかしあいにくと時間の調整がつきませんので、貴社への訪問についてはご遠慮させていただきたく存じます。
誠に勝手で申し訳ありませんが、このまま辞退とさせていただくことをお許しください。
熟慮を重ねた末の結論ですので、ご理解の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
末筆ながら、貴社の益々の発展をお祈り申し上げます。
———————————–
□大学◇学部 山田太郎
住所
電話番号
————————————
上記のようなメールで、訪問要請を辞退できます。また、電話で連絡する場合も上記の内容で問題ないでしょう。
必ず返事をする
訪問要請を辞退するにしろ、受諾するにしろ、必ず返事はしましょう。どのような内容のものであれ、無視をするのはマナーとしてよくないです。
就職した後には、企業間の取引や仕事上のお付き合いが生まれるかもしれません。その際、過去に礼儀を欠いた行為をしていると、良好な関係を築きにくくなります。
また、辞退するまでの選考に企業は多くの手間と費用をかけていることを留意し、評価してくれたことに対する感謝を込めて返事や返信をしましょう。
返事をするのは社会人としてのマナーであると認識して、丁寧な受け答えを心がけることをオススメします。
選考辞退をメールで連絡する期限
明確な決まりがあるわけではないですが、選考辞退をメール連絡で済ませるなら、遅くとも選考日の2日前までには送信するのが一般的なマナーと考えられます。それを過ぎるようなら、『電話連絡の方がよいケースもある』でも述べたように、電話で連絡した方がよいでしょう。
とはいえ、2日前というのはメール連絡でも問題ないと考えられる最低ラインです。選考を辞退するという決意が固まったら、2日前といわず、できるだけ早く連絡することをオススメします。
連絡が遅くなればなるほど、企業は次の選考の準備を進め、会場を押さえたり、対応する社員の手配を行ったりしている可能性が高まります。その分だけ、実施するはずだった選考を辞退したときにかかる迷惑も大きくなり、企業側の反発を招くリスクも高くなるということです。
もちろん、連絡をせずに選考をすっぽかすようなことはやめてください。相手の意に沿わない連絡をするのは誰しも気が引けるものですが、早く連絡した方が相手にとってもその時間を有効に活用でき、親切です。後回しにしないようにしましょう。
選考辞退に関する注意点
選考辞退はメールで手軽に済ませられるとはいえ、注意すべき点もあります。選考辞退を考えたら、以下の2つに注意してください。
あとで後悔することのないよう、注意点を把握しておきましょう。
決断はしっかりとする
選考辞退の決断は、本当にそれでいいのか焦らずしっかりと考えたうえで下してください。決断後は速やかな連絡が必要になりますが、安易に辞退すると後戻りはできないので、決断そのものを急ぐ必要はありません。
いったん辞退しまえば、「やっぱりその企業で働きたい」と思っても、おそらく難しいでしょう。あなたがキャンセルした選考日はほかの予定で埋まってしまい、日程の再調整がきかない場合もありますし、すでに選考が次の段階に進んでしまっていて、企業側も今さら前段階の選考をやり直せないかもしれません。
何より、志望⇒辞退⇒やっぱり志望と態度がコロコロ変わることによって、あなたの志望度や発言に対する信頼が揺らいでおり、印象が悪くなっています。仮に再選考が認められたとしても、「内定を出してもまた辞退すると言い出しかねない」と思われ、受かる可能性はかなり低くなってしまうでしょう。
焦った結果、決断を誤って後悔することもあります。自分の将来と真剣に向き合い、本当に辞退していいのか慎重に考えましょう。
迷うくらいなら選考を進める
本当に辞退してもいいのか、のちのち後悔しないかと迷うくらいなら、とりあえず次の選考に進んでみるのも一つの手です。場合によっては選考が進むことで、「やっぱりここで働きたい」と思えるような、新しい発見があるかもしれません。
「本命の第一志望の企業から内定が出た」というのが理由なら決意を固めるのに十分ですが、「企業の雰囲気が好みじゃない」「面接官の話し方や人間性がちょっと」というものなら、辞退を決めるには少し早いかもしれません。
選考が進めば、より多くの面接官や役員の方と話す機会が増えるため、企業の雰囲気に対する印象が変わるかもしれませんし、好みではない面接官がいても、他の人には好感を持つ可能性があります。
企業の一面だけ見て「気に入らない」と思っても、ほかに良い面がたくさんあるなら、「やっぱり働きたい」と思うかもしれないのです。どんな企業にも良い面・悪い面がありますし、気が合う人・合わない人がいます。辞退すべきかどうか迷うくらいなら、もう少し選考を進めて、その企業のことをもっと見てから決めても遅くはないでしょう。
選考辞退メールはできるだけ早く丁寧に
選考辞退を決意したなら、できるだけ早く連絡をしましょう。選考日の直前であれば電話で連絡するのが基本ですが、選考日まで十分な日数があるならメールでも辞退できます。
ただし、辞退メールを送るときには感謝とお詫びの気持ちを込め、無用なトラブルに発展しないように配慮しましょう。企業は採用を進めるにあたり、多くの労力と費用をかけていることを忘れないことで、丁寧な対応ができると思います。
今後の選考を受けないにしても、相手がどのように思うかということを考えて行動することができれば、社会人として礼儀を尽くした対応ができるでしょう。
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。