面接で「会社のイメージ」や「当社の印象」を上手に答えるコツをプロが解説

面接で「会社のイメージ」を聞く意図

「企業イメージ」や「当社の印象」を聞く質問は意外と多くされますが、ただイメージを知りたくて質問しているわけではありません。面接ですので、質問には必ず隠された意図があります。

では、「企業イメージ」や「当社の印象」を聞く質問にはどのような意図があるのでしょうか。解説します。

志望度の高さを確認

企業イメージを聞く意図は、学生の志望度の高さの確認です。つまり、企業イメージの内容から、学生の企業研究が十分かどうかを見極めることで、志望度の高さを図っているのです。

企業研究をしっかりと行えていれば、企業について理解を深めていることになるので、なぜその企業に魅力を感じたのか、なぜその企業で働きたいのかを明確に話すことができます。そしてこれらがしっかりと話せれば、志望度が高いと判断されるのです。

しかし、企業イメージの内容が福利厚生や給料などといった条件面ばかりだと、企業に魅力を感じたのではなく、“条件面に魅力を感じた”ことになるため、企業に興味がないと判断され当然、志望度も低いと認識されてしまいます。

つまりこの質問、企業研究が十分に行えていることをアピールする必要があるので、志望動機と近い内容になるはずなのです。もしここで志望動機の内容とズレが生じれば、企業研究が不十分だと判断されるので注意しましょう。

業務理解の確認からの企業との相性を図る

面接官は企業イメージから、学生が業務内容をしっかり理解しているかも確認しています。これもつまり、企業研究を十分に行えているかどうかがカギとなります。

先ほどは企業理解から志望度を確認しましたが、ここでは業務内容の理解から企業との相性を図ることが目的です。学生が業務内容をしっかりと理解し、どう向き合っていくのかを知ることで、企業と相性がいいのか、ミスマッチは起きないかを確認するのです。

企業は採用活動に膨大なお金、時間をかけています。そんなお金や時間をかけてまで採用した人がミスマッチから早期退職へとなってしまえば、すべてが水の泡となってしまいます。

企業はそんな事態は避けたいので、事前にミスマッチが起きないかのチェックを行うために企業イメージから学生の業務理解を確認するのです。

上手に「会社のイメージ」を答える方法

前述の意図から分かるように、”企業理解を深める”ことが「会社のイメージ」を答える上で重要なポイントとなります。面接官は就活生に「会社のイメージ」を聞くことで、企業理解の深さを推し量り、そこから志望度の高さと自社との相性を判断したいのです。もう少し踏み込んでいえば、その会社が何を目指し実際にはどんな業務を行っている企業なのかを、就活生が正確に理解できているか試していると言えるでしょう。

しかしそうは言っても、具体的にどんな内容を盛り込み、どう話をまとめていけばよいのか、まだよく分からないですよね。そこでここからは、面接で上手に「会社のイメージ」を答えるための、回答の作り方について解説していきます。

率直に感じた「会社のイメージ」を洗い出す

面接で上手に回答する手始めとしてまず初めにやるべきは、自分がその会社に対して率直に感じた「会社のイメージ」を洗い出すことです。面接官は自社に対してどんな印象を抱いているか聞いているのですから、その質問への回答としては、自分の頭の中にある「その会社のイメージがどんなものか」を答える必要があります。その部分が述べられていないと、質問と回答がかみ合わないです。そんな回答では話の中でどんなに魅力的なアピールをしていようが、相手の言葉を理解できないコミュニケーション能力の低い人物だと思われ、評価が下がってします。

ですからまずは、自分が頭の中でその会社に対し、どんなイメージを持っているのかを明確にしましょう。しかしそうは言っても、自分の頭の中にあるモヤモヤとしたイメージがどんなものなのか言葉で説明するのは、なかなか簡単ではないと思います。そこでオススメなのが、最初の段階で率直に感じていたイメージと、企業研究後に感じたイメージを洗い出して、2つを比較する方法です。

具体的にはまず、その会社の存在を知ったとき「○○な会社だな」という風に感じた率直なイメージがあるはずなので、それを思い出してみます。もちろん好きか嫌いかとといった感想ではなくて、漠然とでも「どんな会社だと想像したか」です。そして次に、その後の企業研究によって知り得た情報をもとに抱いた「会社のイメージ」を書き出してみます（文章でなく単語の羅列程度でもOK）。

企業研究の中ではその会社について様々な人が様々に言い表すのを見聞きするので、最初に抱いた漠然としたイメージの正体につながる言葉を引き出しやすくなるわけです。そのように、その会社についてよく知る前と後とでイメージを比較すると、自分の頭の中のモヤモヤとしたイメージを言葉として表現しやすくなります。就活生の中には、企業研究の前後でイメージがかなり違うものになった人もいると思いますが、それはそれで問題ないです。

違うなら違うで、どこがどう違うのかを考えれば、いま自分が会社に対して抱いているイメージがハッキリします。ただし面接で回答する「会社のイメージ」は、良い印象だけにしてください。就活生の中には「企業研究前は良い印象を持っていなかった」「企業研究した後に不安が残っている」という人もいるかもしれませんが、それは”言わぬが花”です。

”理解”とは単に知っているというだけではなくて、「○○の理解を得る」という風に、それに対する共感や了承を表す言葉でもあります。自分の所属する会社を悪く言われて喜ぶ人はいませんし、この質問で面接官が求めている会社への深い”理解”を示すことにもなりません。そんな風に会社に対して持っている全てのイメージをさらけ出すより、いま抱いている良いイメージの部分をもっと堀り下げ、その会社への熱意を伝えることの方が重要です。

面接で企業のイメージを答える際は「なぜそのイメージを抱いたのか」をきちんと言語化する必要があります。ただ、なかなか言葉にするのは難しいですよね。

そんな人にオススメなのが、キャリチャンの「面接サポート」です。面接での悩みを就活のプロ、キャリアプランナーに相談できます。面接対策に悩む方はぜひ活用してみてください。

なぜそのイメージを抱いたのかを考える

企業に抱いたイメージを洗い出したら次に、なぜそのイメージを抱いたのかを考えていきます。ここで重要になるのが「企業の魅力」と「その魅力からなぜ働きたいと思ったのか」です。これらを掘り下げるために重要なのが企業研究です。

まずは、企業の特徴や同業他社に比べて優れている点などから、企業の魅力を探し出してみましょう。そしてその魅力から、なぜ働きたいかと思ったのかを掘り下げます。

繰り返しになりますが、企業研究が不十分だとこの「なぜ働きたいか」の部分が薄っぺらいものになり、熱意を伝わらなくなってしまうので、しっかりと企業の魅力を掘り下げてください。

ここは志望度の高さや熱意を伝えるための「中身」となります。「なぜそのイメージを抱いたのか→企業の魅力は何か→その魅力からなぜ働きたいと思ったのか」1つ1つをしっかりと掘り下げていき、中身の濃い回答を用意しましょう。

会社のイメージからどう働きたいか・どう活躍できるかを考える

その会社に対するイメージと、そのイメージの理由を考えたら、次に「自分がそこでどう働きたいか・どう活躍できるか」という”働くイメージ”を考えます。単純にその会社について深く理解しているというだけでなく、自分がその会社にとって必要な人材であり、採用すべき人物だとアピールするためです。この質問から面接官が知りたいポイントが何にせよ、そもそも採用活動において企業は自社にとって採用する価値のある人材を探しているわけですから、結局その回答は最終的に採用すべきか否かという判断の材料となります。

つまりどんな質問に対しても、最終的には自分がその会社に必要な人材であり、採用に値する人物だという結論につなげていかなければなりません。そこで必要となるのが、自分がその会社でどう働きたいか・どう活躍できるかという”働くイメージ”です。面接官は就活生の語る”働くイメージ”が実際の自社の業務と一致するかどうかを見て、企業理解の深さを測り、熱意の度合いを見極めます。

しかしそれだけでなく同時に、就活生の語る”働くイメージ”からきちんと業務を理解した上で志 望しているのか、そこで必要となる資質を持っているのか見極め、採用する価値のある”相性の良い人物”かどうか判断するわけです。ですからしっかりと企業研究を行い、その会社の求める人物像と実際の働き方に則した”働くイメージ”を語れるようにしましょう。

深い企業理解に基づいた”働くイメージ”を語れれば、自然とその会社への志望度の高さや熱意は伝わるはずです。ただしそれだけではなくて、十分な自己分析を行い、自分の強みについてきちんと把握しておいてください。「自分の持っている強みを実際その会社でどのように活かせ、どう活躍できるのか」を具体的に語って、自分とその会社との相性の良さを伝えることが大切です。

PREP法を意識して話をまとめる

実際に面接で「会社のイメージ」や「自社に対する印象」について回答する際は、ここまでに説明した要素を盛り込み、PREP法という論法を意識して話をまとめていきます。なぜならPREP法を用いると、面接官にとって話が分かりやすくなり、就活生のアピールしたいことも伝わりやすくなるからです。

PREP法は、商談のプレゼンなどのほか面接の質疑応答でもよく使われる文章構成法で、最初に結論を述べ、後から説明を加えていくのが特徴となっています。

日本人の大多数は起承転結の文章構成の方が慣れているとは思いますが、それを面接での質疑応答で用いるのは良くありません。起承転結で回答しようとすると、質問に対する答えが最後に述べられることになります。面接官からすると自分が聞いたことに対する答えをなかなか述べてもらえず、長々と前置きを聞かせれた末に、最後の最後でようやく答えが得られるわけです。

それでは知りたい答えがすぐに聞けなくてイライラすると同時に、結果的に何を述べようとしているのか分からなくて混乱してしまいます。「いつ答えが得られるのか」ということに気を取られているので、ようやく最後に答えが出てきた時には、前に述べられた説明もアピールも忘れ去られてしまうでしょう。

紙に書かれた文章と違い、前に述べられたことを読み返せない口頭の質疑応答には、起承転結の文章構成は適さないのです。それに引き換えPREP法では、話の主旨となる結論部分を最初に提示することによって、聞いている面接官にも話の全容が掴みやすくなります。それと同時に、就活生の伝えたい熱意やアピールの部分は知りたいことが得られた後に述べられるので、落ち着いて耳を傾けてもらえ、印象にも残りやすいはずです。

【例文】会社のイメージの答え方

先程のPREP法を「会社のイメージ」「自社に対する印象」という質問への回答で述べるべき内容に当てはめると、回答の流れは以下のようになります。

面接での質疑応答で最初に述べるべき結論Pは、質問に対するダイレクトな答えである「自分がその会社にどんなイメージを抱いているか」です。そうすることで前置きなく質問と回答が直結し、面接官が話を聞きやすくなります。その次に(2)R（理由）として、自分がなぜそのイメージを抱いた理由を述べましょう。ただし(3)Eの志望動機へと話をつなげていきたいので、ここでは志望企業の優れた点（自分が魅力的だと感じた点）を理由として挙げると、話の展開に無理がないです。

そして、その会社の優れた点が自分の価値観においてどう魅力的に映り、ここで働きたいと思ったのかを(3)の具体例Eの中で述べます。つまり(3)では、自分の志望動機につながる「会社への共感・理解」を、具体的な言葉で言い表すということです。

それから最後に最終的な結論Pとして、自分がその会社でどう働いていきたいか、どう活躍できるかという「働くイメージ」を述べて話を締めます。ただし答え方のコツだけ見ても分かりにくいと思いますので、以下の例文を参考にしてください。

上の例では、○○というスポーツの道具を扱うスポーツ用品店を志望する学生をイメージしました。最初に自分の中にある会社のイメージを述べ、そのように思った理由を、実際に店舗を利用した経験から具体的に挙げています。店舗を利用できないような会社の場合でも、その会社の商品を使った感想、説明会やインターンで会社の人と会話した感触など、漠然とした想像ではなくて直接的に自分の中のイメージを湧きたたせるような事柄を挙げられると良いです。

その次は、業界・企業研究などで知り得た情報を基に、その会社の方針に対する共感・理解を示しています。上のように、同業他社とは異なる点や業界での立ち位置などを含んだ内容にすると、「他社ではなくてこの会社に入りたい」という熱意と志望度の高さが伝わるはずです。

その次は、業界・企業研究などで知り得た情報を基に、その会社の方針に対する共感・理解を示しています。上のように、同業他社とは異なる点や業界での立ち位置などを含んだ内容にすると、「他社ではなくてこの会社に入りたい」という熱意と志望度の高さが伝わるはずです。

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会社のイメージを答える際の注意点

回答のコツと例文を読んで、何となく回答のイメージは湧いたでしょうか。ポイントとなるのは、自分なりに感じたその会社のイメージをPREP法を使って説明し、志望動機→自分自身が働くイメージへとつなげて、熱意と相性の良さをアピールすることです。

ただし、自分ではそんなつもりはなくても、中には面接官の好印象を得られないNG回答となってしまう場合があります。ここからは会社のイメージとしてどんな回答がNGなのか、注意点について説明しますので、自分の回答を考える際の参考にしてください。

CMなどからイメージだけを語るのはNG

その会社に対するどんなイメージを答えるにせよ、CMやHPで企業が打ち出すキャッチコピーをそのまま引用したような、浅いイメージ・浅い内容を語るのはNGです。そんなものはその会社について大して知らなくても言えるものですから、企業研究不足だと思われ、熱意や志望度を疑われてしまいます。もちろん前述のような「志望動機へとつながるその会社への共感」を表明し、熱意と相性の良さを示すには、その会社の掲げている理念や方針を参考にすべきです。

その会社が目指しているものと全く違うイメージや説明を述べてしまったら、「うちの会社の方針に合わない＝相性の悪い人」と思われるか「うちの会社について誤解している人」だと思われて、内定は遠のいてしまうでしょう。しかしだからと言って企業が大々的に掲げているそれを、そのまま引用したのではダメです。そんな誰でも述べられるようなイメージでは、会社に対する深い理解を示したことにはならず、結局は「うちの会社についてあまり知らないようだ」と思われて、同様に内定が遠退いてしまいます。

採用活動において、”自社への理解が浅い人”に内定を出す会社など絶対ありません。なぜなら、そういう人は志望度が低くてせっかく内定を出しても辞退したり、入社しても「思っていたのと違った」などとミスマッチを感じて早期退職したりして、採用活動が無駄になる可能性が高いからです。ですから面接で「会社のイメージ」を答える際は、事前にその会社についてしっかり研究することが大事になります。

そして会社の理念や方針から逸脱しないながらも、自分独自の感性による解釈を加えた「会社のイメージ」を語ってください。その会社の「インターンや説明会に参加した」「商品やサービスを利用してみた」「社員との接触を図った」といった実体験から、実際に自分が感じた印象を述べられると良いです。自分独自のオリジナルな「会社のイメージ」になるとともに、それに対する説明も具体的な内容を語れるため、回答そのものや企業理解度・志望度への信ぴょう性が増します。

そのイメージを抱いた理由が伝わらない内容はNG

面接で「会社のイメージ」を答える際、そのイメージを抱いた理由が面接官に伝わらないような内容ではNGです。くり返し述べているように、企業は「会社にどんなイメージを抱いているか」という質問への回答から志望度や相性の良さを判断しています。しかし、その判断材料となるのは就活生の語る「会社のイメージ」そのものではなくて、そのイメージを抱く根拠となっている理由や事例の方です。

先の例文を見ても、その会社への理解度や熱意は最初に述べるイメージ（最初の結論P）ではなくて、その後の説明（理由Rと具体例E）に表れているのが分かると思います。そして、そこで示した会社への共感や理解が最終的に、「この会社で働きたい・活躍できる」という最後の結論Pにつながるわけです。それこそが、この質問で企業の知りたがっている志望度や相性の部分になります。ですからこの質問への回答では、最終的に必ず「どう働きたいか」「どう活躍できるか」という自分が働くイメージを述べましょう。

その会社に良い印象を抱いているからこそ志望しているはずですから、結局のところ「会社に対するイメージ（最初の結論P）」＝「この会社で働きたい・活躍したい（最後の結論P）」となるはずです。とはいえ何の脈絡もなくいきなり働くイメージだけを述べても、口では何とでも言えますから、ちっとも志望度や相性の良さを信じてもらえません。「会社に対するイメージ」と「この会社で働きたい・活躍できる」が、自分の中でなぜイコールで結ばれるのかを、面接官に説明する必要があります。

それは言い換えると、その会社のどこにどう共感して志望に至っているのかという動機を、面接官に説明するということです。そのため面接で「会社のイメージ」を答える際は、その根拠となる理由Rと具体例Eの部分が大事なります。理由を具体例の部分をしっかりと深く語って、「この会社で働きたい・活躍できる」という最後の結論へ論理的に話をつなげてください。

おわりに

会社のイメージや当社の印象を聞く意図は、就活生の志望度の高さ、つまり企業研究を十分に行っているかを確認するためです。ただし別にどんな印象を持っているかというイメージそのものを知りたいわけではないので、「〇〇というイメージです」の後の説明部分をしっかりと述べるようにしましょう。その際イメージの根拠となる説明部分は、その会社のどこにどう共感して志望に至ったのかという、志望動機に近いものになるはずです。

ESや面接の中ですでに語っている”志望動機”と、ズレが生じないようにする必要があります。もし回答や企業研究に自信がない場合は、就活エージェントなどのプロに頼ると良いです。就活エージェントなら、あなたの中で漠然としている会社のイメージを上手に言葉に表し、あなたを最大限アピールできる回答を一緒に考えてくれます。

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