就活うつ(鬱)は危険!主な症状や原因、対策法・予防策を解説
2024年8月9日
なんだか元気がないですね。どうしました?
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Bさん
就活がうまくいかなくて、おっくうになってきちゃいました。でも就職しなくちゃいけないから、イヤイヤ続けてる感じです。
確かに就活はストレスに感じることがたくさんありますよね。でもあんまり無理に続けると、就活うつになる危険もあるので注意しましょう。
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Bさん
就活うつって何ですか?
就活うつは、就活が原因で引き起こされる心の病です。今回は就活うつの症状や原因、対処法について解説するので、一緒に確認していきましょう!
キャリアアドバイザー 平崎
目次
就活うつ(鬱)とは?具体的な症状と原因
就活をしていると「就活うつ(鬱)」という言葉を耳にする機会があると思います。なぜなら実際に、毎年一定数の就活生が就活うつにおちいっているからです。しかし、そもそも就活うつとは具体的にどのようなものなのか、知らない人も多いのではないでしょうか。
「就活うつ」とは、就活中に抱えたストレスが要因で心が病んでしまう病です。一般的によく聞くうつ病とは違い、就活における行動が要因でうつ症状を発症してしまう病気のことを指します。
就活うつを放置していると、就活に大きな影響を及ぼすだけでなく、私生活にも影響を及ぼす恐れがあります。とはいえ、そもそもどのようなものなのか知らないと、自分にその危険性があるのか判断できないですよね。
また、就活うつと向き合うためには、まず原因となる行動を自分の中で明確にする必要があります。
そこでこの章では、以下の2つについて解説していきます。
就活うつは誰にでも起こりうるものですし、すでに就活うつに陥っている人もいるかもしれません。しっかりと理解を深めましょう。
就活うつの具体的な症状
就活うつの症状には「精神的なもの」と「身体的なもの」があります。
【精神的な症状】
- 気分が落ち込む
- 憂うつ
- 何もやる気が起きない
- 悲観的になる
- ネガティブ志向になる
- イライラする
- 落ち着かない
- 常に不安感を感じる
- 何にも興味が持てない
- すべてが嫌になる
- 死にたいと考えるときがある
- 何をしても手につかない
【身体的な症状】
- 朝起きれない
- 夜寝れない
- 一日中、体がだるい
- 頭痛
- 吐き気
- 気持ち悪さ
- 疲労感が抜けない
- 食欲がない
- 体重減少
- 便秘・下痢
- 息苦しい
- めまい
上記のような症状が慢性的に続くと、就活うつの恐れがあります。慢性的に続かなくても、週に何日かは気分が落ち込む、就活のことを考えると具合が悪くなるといった場合も注意が必要です。
就活うつは自分で気づいていないだけで、多くの人が発症しています。自分が就活うつだと気づかないままでいると、せっかく就活をしても集中できず、本来の力を発揮できません。自分に当てはまる症状がないかチェックしておきましょう。
関連コラム
就活で涙が止まらない?つらいときに試したい対処法と心理学
就活うつになる主な原因
就活うつを発症してしまう主な原因には、以下のようなものがあります。
【ES】
- ESが通過しない
- ESがうまく書けない
【面接】
- 面接がうまくいかない
- 面接に落ちる
- 面接の緊張感に対する苦手意識
- 圧迫面接を受け、恐怖心を受けた
【内定】
- 内定がもらえない
- 自分の周りが内定を獲得している
【就活環境】
- タイトなスケジュールをうまくこなせない
- 学歴によるコンプレックス
- 悩みを打ち明けられない(打ち明ける相手がいない)
- 一人で就活をしている孤独感
- 特にやりたいことがなく、どうしていいのかわからない
【ES】
就活うつを発症する原因としてまずあげられるのは、ES(エントリーシート)に関する問題です。選考の第一段階であるESがなかなか通過しないと、就活が初めからつまづいてしまうことになります。ちっとも就活が進まない感じがして焦りが生じやすく、うつ症状を招きやすいです。
ESと同じころ実施される、SPIなどの適性検査も同様です。適性検査の実施時期は企業によってもばらつきがありますが、履歴書・ESとともに書類選考の一部になっている企業もあるため、なかなか通過しないと焦りが生じます。
【面接】
就活うつを発症する原因として次に考えられるのは面接です。面接は就活のメインと言っても過言ではありません。そんな面接に落ちてしまったり、うまくいかなかったりすると自分を否定されたような気分になってしまいます。
就活では、良くも悪くも自分をはっきりと評価されます。とくに面接はそれらが露骨に現れるので、面接に落ちれば気持ちが沈んでしまうのも当然です。
また、面接の対策にたくさんの時間と労力を費やす人も多いため、うまくいかなかったときの精神的なダメージも大きいです。さらに面接による緊張感への苦手意識や、圧迫面接のトラウマなどもうつ症状を招く大きな要因となります。
【内定】
就活うつを発症する原因には、内定に関する問題も少なくありません。就活では、本命企業から内定を獲得することを目標に活動していくため、内定に関する問題は重大です。本命企業から内定がもらえなかった、本命どころかどこからも内定がもらえない、などとなれば頭を抱えてしまうことになるでしょう。
先ほどもお話ししたように、就活は良くも悪くも自分をはっきりと評価されるため、内定がもらえないと「自分はどこからも必要とされていない」とネガティブな気持ちに陥りやすいです。
さらに、周りがどんどん内定を獲得していくと、自分だけ置いて行かれた気分になり、不安をあおります。内定を獲得する時期や数など、周りと競う必要はないものの、どうしても比べてしまうのが就活です。しかし、それがうつ症状を発症する大きな要因となるので、注意しましょう。
【就活環境】
就活うつを発症する原因は、就活環境によるところも大きいです。忙しすぎる就活スケジュールをうまくこなせない、学歴の低さやリーダー経験の有無によるコンプレックスなどが挙げられます。
さらに悩みを打ち明ける相手がいないことや、一人で就活をしている孤独感、やりたいことがなく、どうしていいのかわからないことも、うつ症状を発症させる要因です。
就活は慣れないことの連続です。その中でさまざまな変化が起きるだけでもストレスなのに、受け入れがたい出来事が起きれば気分が沈んでしまうのは当然でしょう。しかし、それらがうつ症状を発症させてしまうこともよく理解し、上手に付き合っていけるようにしましょう。
もし上記のような原因で就活のストレスが溜まっている場合は、キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」に参加してください。あなたが受かりやすい相性のよい企業を紹介し、選考対策も二人三脚でサポートします!
就活うつが就活へおよぼす影響
就活うつによる就活への影響は重大です。就活の中には就活うつになりやすい要因がたくさんありますが、一度おちいると就活へさまざまな悪影響を及ぼします。
就活うつによる就活への影響は以下の通りです。
上記からもわかるように、就活うつによる影響は悪いものばかりです。より詳しく見ていきましょう。
就活が進まず、ずるずると長引く
就活うつを発症してしまうと、就活が思うように進まず、ずるずると長引いてしまう可能性があります。やる気が起きなくなったり、体調を崩したりすると就活がストップしてしまうため、就活が思うように進みません。
やる気が起きなくなる、憂うつな気持ちになるといった症状が出ると、就活に向き合うのが億劫になってきます。そうなるとだんだん「なんで就活をしなくてはならないのだろう」「就活をする意味がわからない」と考えるようになり、行動できなくなるのです。
健康な人でも就活をしていると「ちゃんと練習の成果を発揮できるか」「面接がうまくできるか」など、不安に思うことはたくさんあります。しかし、就活うつの人はその思いがさらに強くなってきてしまい、すぐに行動を止めてしまうのが特徴です。
ただし、あなたが就活を止めても、企業の採用活動は止まりません。あなたが手を止めている間に企業はどんどん就活生に内定を出し、採用活動を終えていきます。そうなれば、選択肢はどんどん減っていき、就活の難易度が上がってしまうでしょう。
就活の難易度が上がると、たとえ体調が回復してもまた過酷な環境に嫌気が指し、ふたたびうつ症状を招く恐れがあります。
また、たとえ手を止めていなくても気持ちが落ち込んだまま就活をしていては、まともに活動できません。やる気のまま書いたエントリーシートを魅力的に思う人はいないですし、覇気のない態度で面接を受けても受かることはないです。
このように、就活うつを発症した状況では就活はうまくいかず、ずるずると長引くことになる可能性が高いことを覚えておきましょう。
関連コラム
就活はいつまで続ければいい? 早く終えるための対策を徹底解説
誤った選択をしてしまう
就活うつになると、正しい判断ができなくなり、誤った選択をしてしまう可能性があります。就活では、自分にとって正しい判断をする必要があるため、判断力が鈍るのは致命的です。
就活うつによって気分が落ち込む、不安感を感じる、何も手がつかなくなるといった症状が出ると、何も考えたくない状態になります。就活うつでなくても、何か物事がうまくいかなかった時に先のことを考えるのは難しいものです。
それが就活うつとなれば、さらにその考えが重症化します。就活うつの人は常にネガティブなことを考えているため、「どうせこの選択も間違える」「また選択を間違えたらどうしよう」と、先走って嫌なことばかりを考えてしまうのです。
そして、その常に悪い方向ばかりを考えるネガティブ志向が、冷静に物事を考える力を低下させ、誤った選択をさせます。
就活は選択の連続です。エントリーする企業、面接を受ける企業、複数ある中から内定を承諾する企業など、自分で自分の将来の選択をしていかなくてはなりません。しかし、冷静に物事を考えられていないと、重大な選択を誤り、就活の失敗を招く恐れがあります。
体調を崩してしまう
就活うつになると体調を崩してしまい、就活がストップしてしまいます。「就活うつの具体的な症状」からもわかるように、症状としてすでに体調不良は現れているはずです。そして、その体調不良が悪化すると、就活を止めざるを得なくなることがあります。
就活では、企業のリサーチやエントリーシートの作成、自己分析や企業研究など、いろいろやるべきことがあります。
受ける企業を探すために合同説明会へ参加したり、自己分析や企業研究をするためにOB/OG訪問やインターンシップなどにも参加したりと、意外と労力を使うものです。さらに、面接を受けるためにも暑い中、寒い中動き回らないといけませんし、場合によっては遠征することもあります。
また、実際に体を動かす以外にもエントリーシート作成や自己分析など、慣れない作業をするのにも労力を使うでしょう。
しかし、一日中体がだるい、気持ち悪さや吐き気があるといった状態では、それらの活動を行えません。そうなれば、どんどん出遅れてしまい、就活が長引く原因にもなります。
就活が進まないだけでなく、体調不良が悪化してしまえば、さらなる病気も招きかねません。そうなれば就活どころではなくなってしまいます。
就活うつになりやすい人の特徴
就活うつになってしまう人には、共通の特徴がいくつかあります。そうした特徴に当てはまる場合は、就活うつにならないよう、とくに気をつけて就活を進める必要があるでしょう。
就活うつを警戒すべきか把握しておくために、どのような人が就活うつになりやすいのか知っておきましょう。
就活うつの原因は、一言でいえば就活によるストレスです。就活の中でストレスを抱えやすい人には、以下のような特徴があります。
とはいえ、これだけの情報だと、自分に当てはまるのか判断がつきにくいかもしれません。それぞれの特徴について以下で詳しく説明するので、参考にしてください。
まじめで努力家
何に対してもまじめに取り組み、努力を惜しまない人は就活うつになりやすい傾向があります。
まじめで努力家な人は、就活がうまくいかなかったり就活の中で嫌なことがあったりしても、まわりに愚痴をこぼさず、ひたすら我慢してしまいます。我慢強いがゆえに我慢するのが当たり前になっていて、自分の心が発するSOSのサインに気づきにくく、知らぬ間にストレスをため込んでしまいがちです。
また、まじめで努力家な人は就活がうまくいかないときや就活で嫌なことがあったときに、「自分の努力が足りなかった」と考え、いっそう努力しようとします。それ自体はよいことですが、度が過ぎると自分で自分の精神状態を追い込んでしまうことにもなりかねません。
まじめであるがゆえに「運が悪かった」「○○だったから仕方ない」といった気楽な言い訳ができずに自分で自分を責め、逃げ場をなくしてしまうわけです。
しかし就活はうまくいくときより、うまくいかないときの方が多いです。就活生の平均エントリー数は20社ほどですが、受かるのはそのうちの1社か2社で、なかなか内定を得られない場合もあります。
そのため、うまくいかないたびに自分を責め続けていると、いくら我慢強い人でもいずれはストレスの限界を超え、就活うつを発症しやすいのです。
完璧主義でプライドが高い
完璧主義でプライドが高い人も、就活うつになりやすい傾向があります。なぜなら完璧主義でプライドが高い人は、就活に対して完璧を求めるあまり、少しの失敗でもダメージを受けやすいのです。
先ほども述べたように、就活では思うようにいかないことがほとんどです。どんなに努力しても失敗するときはしますし、どんなに学歴が高くても、なかなか内定がもらえない人だってたくさんいます。
しかし完璧主義な人は、自分が思い描いた目標を絶対に叶えたいという思いが強く、自分に妥協を許しません。少しでもダメだったときに激しく落ち込み、就活に対するやる気も無くしやすいです。
また、プライドが高い人は自分に対する評価が高いため、難易度の高い目標を設定する傾向があります。そのぶん就活では壁にぶつかる確率が高く、プライドを打ち砕かれることが多いです。自分のプライドを満足させる就職が難しくなったとたんに、ぷつんと気持ちが切れてしまう可能性があります。
さらに、完璧主義の人やプライドが高い人は周りからの見え方も気にします。自分を良く見せたい、自分はすごいと思われたいという気持ちが強いため、完璧な自分でなくなったときに気持ちが落ち込みやすく、うつ症状を発症しやすいのです。
周りの評価が気になる
周りの評価が気になるのも、就活うつになりやすい人の特徴です。周りの評価を気にする人は、自分の意思よりも周りからどう思われるかを優先してしまうため、自分の思うように就活ができずに就活うつへとおちいりやすい傾向があります。
本来、就活は自分が定めた将来像を実現させるために活動するものです。自分がどのような道に進みたいのか、どのような企業に入社したいのかなどを考えながら活動していくことが正しい就活のあり方といえるでしょう。
しかし、周りの評価を気にしてしまう人はそうはいきません。他人からどう見えるかばかりが気になり、本来自分にとって最良の選択ができなくなります。
それでなくても就活では、内定を獲得するスピードや獲得した数など、周りと比べてしまうことが多くあります。就活は自分の将来を決める活動なので、周りと比べる必要はないとはいえ、どうしても周りは気になるものです。
そのため周りの評価を気にしてしまう人は、より周りの状況に敏感になります。そして他の人と同じかそれ以上の進捗でない場合には、「自分はなんてダメな人間なんだ」と自己を否定し、うつ症状を発症させやすいのです。
思い込みが激しい
思い込みが激しい人も、就活うつになりやすいといえるでしょう。なぜなら、思い込みが激しい人は固定概念にとらわれやすくて柔軟な発想ができず、考え方が極端だからです。自分の理想から少しでも外れると悪い方向にばかり物事を考え、うつ症状を発症しやすい傾向があります。
たとえば思い込みが激しい人は「いい大学を出たんだから大手企業に入社しないといけない」「〇〇の資格を持っているから△△業界から内定をもらわないといけない」など、勝手な固定概念にとらわれると、それが実現できなかったときに激しく落ち込みます。
また、思い込みが激しい人は、少しの失敗でも「自分は何をしてもダメだ」「自分を必要としてくれる企業なんてどこにもない」とすぐに悲観します。誰もあなたを否定していないのに、一度落ち込むととことんネガティブに物事を考えてしまうのです。
良くも悪くも自分をはっきりと評価される就活において、面接に落ちるといったことがあれば、落ち込んでしまうのは当たり前です。しかし、そこで「自分はダメだ」と激しく悲観し続けてしまうと、ネガティブ思考の連鎖から抜け出せなくなり、就活うつになってしまうので注意が必要でしょう。
人に頼るのが苦手
人に頼るのが苦手なのも、就活うつになりやすい人の特徴です。これまで誰にも頼らずに生きてきた人、誰かに頼ることに罪悪感や苦手意識がある人は注意してください。
就活は自分の将来を決める活動ですが、やることが多いうえにノウハウも必要であるため、ある程度は人に頼らないとスムーズに進みません。しかし、これまで誰にも頼らずに生きてきた人や、誰かに頼ることが苦手な人は、どのように頼ればよいのかわからないのです。
また、実際に就活がうまくいかなかったり悩んだりすることがあっても、「人に頼るのはよくない」「自分で頑張らないといけない」と思い込んで、そうした素振りすら見せないようにする人もいるでしょう。そうした傾向は長男や長女など、下に兄弟がいる人に多いです。
それでなくても人に頼らないことで就活がスムーズにいかないところに、誰にも弱音を吐けないことで、どんどんストレスが蓄積してしまいます。
自分の将来を自分で決めることは大切です。とはいえ、最終決定をするまでの過程を誰かに頼り、弱音が吐ける環境にないと、過酷な就活を乗り越えられません。就活で人に頼る大切さを知っておきましょう。
コミュニケーション能力が低い
コミュニケーション能力が低い人も、就活うつになりやすいです。就活は何かと人との関わりが多いため、人と関わるのが苦手な人にとっては厳しい環境といえるでしょう。
コミュニケーション能力が低い人は、自分の意見を伝えた後に相手の意見を聞き入れる体制が整っていない傾向にあります。そのため、円滑な会話を実現することに高いハードルを感じてしまうのです。
ハードルが高いと思えば人との関わりにストレスを感じ、それが多い就活という環境そのものを拒絶して、就活の手が止まってしまうこともあります。
とくにコミュニケーション能力の低い人は、面接に苦手意識があります。ただでさえ人と話すのが苦手なのに、面接では自分をアピールしなくてはなりません。さらには想像もしていなかった質問をされることもあり、アドリブも求められます。
正直、コミュニケーション能力の低い人にとっては地獄のような時間といっても過言ではないでしょう。そこで面接に落ちるといったことが起きれば、さらにダメージは大きく、うつ症状を発症しやすいのです。
うまく気晴らしができない
うまく気晴らしができないのも、就活うつになりやすい人の特徴です。就活には、ストレスを感じやすい要因がたくさんあります。
たとえば就活では、書き慣れないエントリーシートを何通も書き、企業についての理解を深めるためにさまざまな手段から研究を重ね、必要に応じて説明会やイベントにも参加しなければなりません。面接やインターンシップなどでは、今まで話す機会のなかった社会人とも関わります。
このように就活はやることが多くて、しかも慣れないことの連続なので、だれでもストレスを抱えやすいです。そのうえやり方がわからずスムーズにいかなかったり、不合格になったりすると、なおさらストレスを感じるでしょう。
そのため就活では、ストレスが溜まり過ぎないよう適度に気晴らしをして、ストレスを発散する必要があります。
しかし、気晴らしの手段を持っていない人や予定を詰めすぎて気晴らしの時間を取れない人は、どんどんストレスが溜まる一方のため、就活うつになりやすいです。
就活は今後の人生を決める重要なイベントですが、あまりに頑張りすぎるのも考えものです。ときには息抜きも必要であることを理解しておきましょう。
「就活うつかも?」と思ったときの5つの対処法
就活うつの症状やなりやすい人の特徴などを読んで、「自分も就活うつかも」と不安に感じる人も多いでしょう。
就活うつをそのままにしておくと、気持ちはさらに落ち込み、就活もうまくいかず、ずるずると長引いてしまう恐れがあります。そうならないためにも、就活うつかもしれないと思った人は以下のやり方から早急に対処していきましょう。
それぞれの対処法について解説します。
「自分には合わなかった」と気持ちを切り替える
就活うつの症状から脱却するには、就活の上でうまくいかないことがあっても、気持ちを前向きに切り替えるように意識してください。
できなかった自分を責め続け、自己否定に至ると、就活うつを発症したり悪化させたりしやすくなります。就活がうまくいかないときは「この企業は自分に合わなかっただけ」などと捉えて、ネガティブ思考におちいらないようにすることが大切です。
実際、採用選考で内定を得られるかどうかは、自分とその企業との相性で決まることも多々あります。もちろん選考への準備と対策は重要ですが、それさえ完璧にすれば必ず内定を得られるわけではありません。
就活生が「自分に合った企業で働きたい」と考えているように、企業側も「自社に合った人材を採用したい」と考えています。そのため、どんなに努力し対策を完璧に行ったとしても、自分と相性がよくない企業からは内定を得られないのです。
その反対に、自分と相性のよい企業を受けた場合は、選考で多少の失敗をしてもあっさり内定を得られることがあります。ですから、うまくいかなかった選考のことをクヨクヨ悩むより、早く気持ちを切り替えて自分と相性のよい企業を探す方が得策です。
いつまでも落ち込むことで、本当に自分と相性のよい企業の応募期間を逃してしまったらもったいないです。受からなかった企業のことはさっさと忘れて、もっと相性のよい企業を探しましょう。
次の行動に移ることができれば気持ちも紛れ、就活うつの症状も緩和されるはずです。
就活からいったん離れる
就活うつかもしれないと感じたら、就活から離れるようにしてください。就活うつは就活中に抱えたストレスが原因で心を病んでしまう病です。その症状を緩和するには、まず現在ストレスの原因となっている環境から切り離される必要があります。
就活からいったん離れ、就活のことを一切考えないようにすることで、ネガティブになった気持ちをリセットできます。就活サイトはもちろん、企業から届くメールボックスも、企業情報が記載されたSNSも一切見ません。
そうすることで気持ちが切り替わり、時間が経つと再度就活に向き合うことができるようになるはずです。
ただし、あまり長く就活から離れるのはリスクがあります。あなたが就活から離れている間に周りがどんどん内定を獲得し、採用活動を終える企業が増えてくることで、より深く不安を感じてしまう恐れがあるからです。
実際に、採用活動を終える企業が増えてくると就活の難易度が上がり、活動再開後に苦労します。そのため就活を離れる期間は、1週間くらいを目安にしましょう。
リラックスできる環境を設ける
就活うつかもしれないと感じたら、リラックスできる環境を設けるようにしてください。就活で蓄積したストレスを解消するには、原因となる環境から離れるだけでなく、自分が最もリラックスできる環境で過ごすことが大切です。
趣味に没頭してもよし、ひたすらドラマやアニメに没頭するのもよし、とにかくダラダラと過ごすのもよいでしょう。
重要なのは就活を忘れられること、嫌なことを一切考えることのない環境を作ることです。そうすれば気持ちを切り替えることができ、うつ症状も落ち着きます。
就活をしていると「休んではダメだ」「ダラダラしていると出遅れる」などと焦ってしまいがちです。その焦りはうつ症状を悪化させるだけなので、心が疲れているときは休む勇気も持つようにしましょう。
ストレス解消に効果があることを試す
就活うつかもしれないと感じたら、ストレス解消に効果があることを試してみましょう。前述のように、就活うつの主な原因はストレスなので、ストレス解消に効果があることを試すことはとてもよいことです。
ストレス解消に効果のある行為を、以下にまとめます。
- 十分に睡眠を取る
- 運動をする
- 自分の気持ちを誰かに話す
- 思いっきり泣く
- 思いっきり笑う
- 好きなものをたくさん食べる
- マッサージを受ける
- 湯船に浸かる
- 温泉・岩盤浴に行く
- カラオケで思いっきり歌う
- 叫ぶ
- 趣味に没頭する
- ひたすらダラダラする
ストレスに対して効能のあるセロトニンという脳内物質は、日光を浴びたり適度な運動をしたり感情が動かされたりすることで生成されるといわれています。しっかり睡眠を取ったら、閉め切った部屋に引きこもるのではなく外へ出て、自分が楽しいと思えることをするとよいでしょう。
必要に応じて専門家に相談する
就活うつかもしれないと感じたら、必要に応じて専門家に相談することも大切です。就活から離れたりリラックスできる環境を作ったりしてもなかなか症状が改善されない場合は、本格的に就活うつが進行している可能性があります。まずは専門家の診察を受け、専門的な治療を受けた方がよいでしょう。
精神科や心療内科、メンタルクリニック、こころのクリニックなど、専門の医療機関に相談してください。精神科や心療内科への受診に躊躇してしまう気持ちもわかりますが、風邪などで受診する内科とそう変わりありません。怖がらずに受診しましょう。
もし、それでも受診を躊躇してしまう、心療内科はハードルが高いという人は、キャリアアドバイザーへの相談もオススメです。病気の治療はできませんが、就活に関する悩みを解決してくれるため、うつ症状の緩和につながります。
キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」では、キャリアアドバイザーが就活に関する悩みを聞き、あなたに合った企業を紹介しながら、スムーズに就活できるよう二人三脚でサポートします。利用は無料なので、ぜひ気軽に相談してください。
就活うつを予防するための事前対策
前項では、就活うつかもしれないと感じたときの対処法について解説しました。とはいえ、就活うつの症状がでないようにできるなら、それに越したことはないですよね。
前述の対処法を取ることで、就活うつの症状はいったん和らぐかもしれません。しかし就活に復帰した後、以前と同じ就活の方法を続けたら、また同じことの繰り返しになってしまう恐れがあります。
そんなことにならないために、ここでは就活うつを予防するための事前対策について解説していきます。具体的な対策は、以下の4つです。
就活うつはちょっとしたことをきっかけに、誰にでも発症しうる病気です。しかし、少しのことを意識するだけで予防することができるので、以下よりしっかりと確認していきましょう。
休息をとるタイミングを決めておく
就活うつを防ぐには、就活を休んで休息をとり、息抜きするタイミングを事前に決めておくようにしてください。就活はストレスがたまりやすい要素がたくさんあるため、ときどき休息と息抜きが必要です。就活うつの予防策としても有効なので、適度に休みを設けましょう。
就活はやることも多いですし、周りの動きも早く、企業の採用活動も止まることはありません。そのため「休むわけにはいかない」「遅れてたまるか」と、つい頑張りすぎてしまう人が多いです。しかし、その多忙さがストレスを蓄積させ、就活うつを発症させてしまいます。
確かに、就活は今後の人生を左右する重要な岐路なので、真剣に取り組むことは大切です。とはいえ、人が頑張れる量には限界があります。真剣に取り組むのはよいですが、自分のキャパシティーを超えて頑張っても心身ともに疲れ果て、壊れてしまうだけです。
そんなことにならないためにも、就活を休む日を事前に決めておきましょう。「毎週日曜は休む」「一か月頑張ったら〇日はご褒美の日にする」など、定期的に息抜きと休息をとるだけで負担はグッと減ります。
自分のペースで動くことを意識する
就活うつを防ぐには、自分のペースで動くことを意識するのも大切です。
就活には内定を獲得する時期や数など、どうしても周りと比べてしまいやすい要素があります。しかし周りと比べると自分の出来の悪さに焦りを感じ、無理をして息切れしたりネガティブ思考におちいったりしがちです。
可能な行動量も進捗のスピードも人それぞれです。それなのに、周りに遅れまいと無理なペースで動くと身体もつらいですし、ストレスも溜まります。それに加えて、周りより遅れている=劣っていると考えることで自己否定に走りやすく、いっそう就活うつを発症しやすいのです。
そうならないためにも、焦らず自分にできるペースで就活を進めるようにしてください。
1日にどれぐらいのことができるか、どのペースでなら無理せずできるかを今一度を考え、就活スケジュールを組んでいきましょう。また、周りと比較しないことも意識することが大切です。
就活は他人より早く内定を取る必要も、他人より多くの内定を取る必要もありません。自分にとって満足のいく企業から内定をもらえれば十分です。そのことをよく理解し、周りと比較しないようにしましょう。
他にも選択肢はたくさんあることを知る
就活うつにならないためには、今あなたが見ている企業の他にも、たくさんの選択肢があることを知っておくことが大切です。特定の企業に固執し、まるでその企業には入れないと人生終わりかのように思いつめていると、就活うつを発症してしまう恐れがあります。
入りたい企業を定め、それを目標に努力を重ねること自体はよいことです。とはいえ、その企業が求めている人物像にマッチしていなければ評価は上がらないため、どんなに努力しても報われないことは多々あります。
結局のところ就活で内定を得られるかどうかは、その企業と自分の相性による部分が大きいのです。それに気づかず、落ちたことをいつまでも悩んでいると、うつ症状を発症しかねません。
「絶対この企業に入りたい」「○○に就職しなければならない」といった考えにとらわれていると視野が狭くなり、他の企業が見えなくなりがちです。しかし実際には、日本には数えきれないほどの企業があります。
そのうちのたった一社に落ちただけで、気に病む必要などまったくありません。広い視野を持って企業探しをすれば、あなたが入りたいと思える企業は他にもたくさんあるはずです。
あなたが今見ている企業は、そのうちのほんの一握りに過ぎないということをしっかり頭に入れておきましょう。そうすれば、すんなり内定を得られなくても気持ちを切り替えやすくなり、就活うつにおちいるのを回避できるでしょう。
就活支援を早いうちから受ける
就活うつにならないためには、就活支援を早いうちから受けておくこともオススメします。就活支援とは、就活エージェントやキャリアセンターなどが、あなたに合った企業を紹介し、内定を得られるようサポートするサービスです。
前述のように、一人で就活を進めようとすると以下のような障害が生じます。
- やることが多すぎて、無理をせざるを得ない
- 何が正解かわからないため不安を抱えやすい
- 弱点に気づけず同じ失敗を繰り返すことで、自己否定におちいりやすい
- 新たな発想をもたらす人がいないため、一度気分が落ち込むと抜け出せない
一人で就活を進めようとすると、こうした状況が高じてうつ症状を発症しやすいわけです。
ですから、一人でどうにかしようとしないで、人に頼ることを検討してみましょう。「自分の人生なのに、人に頼るなんて嫌だ」という気持ちもわかります。しかし、就活で大切なことは納得できる企業から内定をもらうことです。過程よりも結果を大切にしてください。
就活支援を受けることは恥ずかしいことでも、甘えでもありません。納得のいく結果を得るための最善策です。早いうちから支援を受ければ就活も楽になりますし、短期間で内定を得られるため、つらい就活環境から早く解放されます。
就活うつの原因である就活のストレスを大幅に軽減できるので、うつ症状におちいる間もなく就活を終えられるでしょう。
「就活うつになりたくない」「楽に就活を終わらせたい」という人には、キャリチャンの就活支援サービス「スピード内定サポート」へ参加するのがオススメです。苦手なタイプの選考が限りなく少ない企業を紹介し、選考対策も専任のキャリアアドバイザーが二人三脚でサポートします。
就活うつを防ぐための選考対策
先ほど述べたように、就活うつを防ぐためには事前に休む日を設けたり、就活に対する考え方を変えたり、就活支援を受けたりすることが大切です。しかし、他にもできることがあります。
それは、就活がスムーズに進むように選考対策を行うことです。就活うつの主な原因は就活の中で受けるストレスの蓄積であり、そのストレスは大部分が就活がうまく進まないことで発生します。
つまり、選考に落ちないことがうつ症状を発生させないための、重要な予防策となるわけです。
そこでここでは、就活においてネガティブ感情を引き出すきっかけとなりうる以下の2つの選考に関する対策法について解説していきます。
選考を通過しやすくすればストレスが溜まりにくくなり、ネガティブな感情も引き起こしにくくなるはずです。対策のポイントを押さえて、選考を通過しやすくしましょう。
書類選考における対策法
就活うつを防ぐには、以下の3つの対策を取ってエントリーシートの質を向上し、就活序盤に行われる書類選考を通過しやすくしましょう。
- 伝えたいことをしっかりと伝える
- 企業目線も意識する
- 個性を出す
エントリーシートでは、自分の伝えたいことを文章でしっかり伝えるように意識してください。書類選考では実際に会うことのない状態で自分をアピールしていくわけですから、伝えるべきことを書類上でしっかりと伝えられるようにする必要があります。
ただし自分のことを理解していないと、いくら文章力があっても自分を十分にアピールできません。まずは自己分析をしっかり行って、自分に対する理解を深めましょう。
また、エントリーシートを書く際は企業目線を意識することも大切です。「実際に会ってみたい」「面接で詳しく相性を見極めたい」と思わせるには、企業理解を深めていることと、自分が企業に合った人材だとアピールすることがポイントになります。
ですから、業界・企業研究を重ね、企業が求める人物像を把握したうえで、自分が当てはまっていることをアピールできるようにしましょう。
それに加えてエントリーシートでは、個性を出すことも必要です。企業には何百枚ものエントリーシートが届くので、他の人と同じような内容で、興味を引くことが書かれていないと最後まで読まれない可能性があります。
そうならないためにも、他の学生とは違うということがアピールできるよう、個性を出した内容にしていきましょう。
関連コラム
【エントリーシートの書き方】人事の目に留まるESの書き方をプロが教えます
【就活対策資料】
履歴書・ES作成マニュアル!
面接における対策法
就活うつを防ぐには、以下の3つの対策を取って面接の質を向上し、十分なアピールができるようにしましょう。
- 定番質問を押さえておく
- 変わった質問も把握しておく
- 本番に近い環境で練習する
面接対策をする際はまず、定番質問を押さえておきましょう。どの企業でも同じような質問をされることが多いので、事前にある程度の回答を用意していくと面接でスムーズに回答できます。
また、変わった質問も把握しておくとよいです。変わった質問は必ずされるわけではありませんが、されたときに回答を考えていないと頭が真っ白になって固まってしまい、印象が悪くなる恐れがあります。
ただし、これらの質問で高評価を得るためには、企業研究をしっかり行うことが大切です。質問にただ答えるのではなく、企業理解を深めて、企業側に刺さる回答をする必要があります。
関連コラム
面接前に対策したい「よくある質問」50選!回答法と例文を紹介
それに加えて、面接の練習は本番に近い環境で行ってください。これまでに面接の経験がない人にとって、企業面接は想像を絶する緊張感に包まれます。アルバイトなどの面接とも雰囲気は全く異なるので、その緊張感で上手に受け答えするのにぶっつけ本番は通用しません。
反対に、普段から本番に近い環境に慣れておくと本番で力を発揮しやすく、面接に対する苦手意識も薄れます。本番に近い環境での練習は、模擬面接を受けるとよいです。積極的に参加しましょう。
キャリチャンでも、面接対策のレクチャーと模擬面接を受けられる無料のセミナー「模擬面接WEBセミナー」を開催しています。面接での質疑応答に関して就活のプロからフィードバックをもらえるチャンスなので、ぜひ活用してください。
就活うつかも?と思ったらすぐに相談しよう!
就活うつは、誰にも起こりうる病気です。些細なことをきっかけにうつ症状は発症しますし、悪化してしまうこともあります。そして就活うつになると、いっそう就活がうまくいかなくなる可能性が高いです。
そうならないためにも、うつ症状があった場合にはすぐに改善のための行動を取ってください。ときどき休みを入れながら、自分のペースで動くことは甘えではありません。無理をせずに就活していきましょう。
また、就活では人に頼ることも大切です。なかには「人に頼るのが苦手」という人もいるかもしれませんが、人に頼ることで心身ともに負担を軽減でき、就活うつ予防にもなるため、勇気をもって頼りましょう。
繰り返しになりますが、就活うつは誰にでも起こりうる病気です。「私は大丈夫」と思わず、自分にも起こりうることを想定し、発症しないための予防をしてください。
「就活相談サポート」に参加しよう!
この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。