簡単解説!年功序列の意味と入社するメリットを就活のプロが教えます
2024年5月29日
Aさんはどんな会社をメインに就職活動しているんですか?
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Aさん
行きたい業界の大手企業をメインに受けてたんですけど、年功序列の組織ってどうなんだろうって最近悩んでるんです。
年功序列って悪いイメージを持たれがちだけど、メリットもちゃんとあるんですよ。
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Aさん
え、そうなんですね。昔の悪しき風習だと思ってました。頑張って成果を出しても、若手は給料が上がりづらいとか。
メリットもあります。年功序列のメリット・デメリット をおさらいして、Aさんに合う企業を探してみましょう。
キャリアアドバイザー 平崎
目次
年功序列の基礎知識を学ぼう
“年功序列“聞いたことはあるけど、意味はなんとなくでしか知らない!そんな人のために、年功序列についてわかりやすく解説します。
年功序列の意味と実態
年功序列とは、官公庁や企業などにおいて勤続年数、年齢などに応じて役職や賃金を上昇させる人事制度・習慣システム。
(引用元:Wikipedia)
簡単にいうと「入社したては給料低いけど、長く勤めていれば給料アップするし、役職も必ずつけますよ!」という意味です。
終身雇用制(同じ企業に定年まで働くこと)を前提に、役職や給料アップを約束した年功序列制度が働く人の安定雇用や生活を保証してきました。
しかし近年、年功序列を廃止する企業が増えつつあります。最近では「日立」「パナソニック」などの日本を代表する大手企業が年功序列を廃止し話題を呼びました。
ですが年功序列は社会的に一般化されていることや、現に年齢や勤続年数を重ねている人にとって死活問題となることから、年功序列はそう簡単には完全廃止することはできないでしょう。
年功序列制度を取り入れている企業
年功序列を取り入れている企業の多くは日本を支える大手企業です。
勤続年数や年齢に応じて役員や給与がアップするということは、年を重ねるごとに人件費が必然的に上昇します。人件費を確保するためにも企業そのものの業績アップをしなくてはなりません。
業績アップのためには事業拡大や新規事業の着手などを行うでしょう。これらをするためには継続的な企業の成長が絶対条件となります。
このような継続的成長を遂げている企業の多くが大手企業であることから、大手企業は年功序列を取り入れていることが多いのです。
しかし、先ほども述べたように日立やパナソニックなどの大手企業が年功序列を廃止しているケースもあります。そのため、必ずしも“大手企業=年功序列ではない”ことを覚えておきましょう。
反対に、ベンチャー企業やスタートアップ企業などの若い企業では「成果主義」や「実力主義」といった個人の能力によって評価する制度を設けていることが多いです。
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年功序列の企業に就職する3つのメリット
年功序列の企業に就職することで主に3つのメリットが発生します。具体的にどんなメリットがあるのか、解説していきます。
ライフプランを立てやすく、将来への安心感がある
年功序列は年齢や勤続年数に応じて給与がアップされることから、人生設計が立てやすいという最大のメリットがあります。
とくに住宅などの長期的な支払いに対しても計画が立てやすく、また給与がアップする仕組みから生活に支障が出ることも少なく、購入計画なども立てやすいです。
このような“将来に対する安心感がある”ことは、働くことに対して前向きになれますし、大きなメリットだといえます。
反対に、個人の能力によって評価される「成果主義」や「実力主義」などでは、成果を出せば給与はアップするが、もし成果を出せなければ給与は低くなります。
また、毎月成果を出し続けるということも難しいことから、給与額に波もあるため不安定です。
愛社精神が育ちやすく、帰属意識が高まる
年功序列は大きなミスなどがない限り、基本的には年齢や勤続年数に応じて給与のアップや役職をもらうことができます。たとえ、若い社員は給与が低いとしても「あと何年我慢すれば上司と同じ額の給与がもらえる」というモチベーションを持つことができるのです。
そのため、必然的に長く会社に勤めるようとします。そうすることで自然と愛社精神が育ち、帰属意識も高まるのです。
また先ほども述べたように、給与アップが約束されている=安心感につながることから、自然と会社のために尽くそうという意識も生まれます。
チームワークや連帯感が強まる
日本では年長者を敬う文化が根強く定着していることから、先輩を中心とした団結力が生まれやすいです。
年功序列は、経験や実績を積んだ上司から指示を受けて仕事をすることになります。「先輩は絶対」という風潮と、実際に実績のある上司からのアドバイスは仕事への成果に繋がりますし、自然と連帯感も強まります。
このような年長者を敬う文化こそがチームワークへと繋がり、結果として企業全体の業績アップにも繋がるのです。
反対に成果主義では、チームというよりも“個人”で頑張ることが多くなります。また、個人の能力で評価されることから、年下が“先輩”になることもあり、年長者を敬う文化が根強い日本ではこのような立場をよく思わない人も多くいるのです。
年功序列制度のデメリット
年功序列はメリットと同じ数だけデメリットも発生します。もちろん、全ての年功序列を取り入れている企業に当てはまるわけではありませんが、デメリットも一緒に把握しておきましょう。
若い社員が評価されない
年功序列は年齢や勤続年数に応じて給与のアップや昇格があることから、いくら能力があり、仕事ができても若いというだけで評価されないことがあります。
いくら頑張っても劇的に給与が上がることがないのは、仕事に対するモチベーション低下にも繋がりますし、結果として早期退職につながることもありえます。
「あと何年頑張れば給与がアップするから、今は我慢時。」このように割り切れるのであればいいですが、年齢や勤続年数に関係なく個人の能力を評価してほしいのであれば、年功序列の企業は向いていないかもしれません。
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チャレンジ精神が生まれにくい
何度も言う通り、年功序列は年齢や勤続年数に応じて給与がアップするため、いくら頑張っても若いというだけで評価されないことがあります。年功序列では減点があっても、加点はあまりないのです。
そのため、「年齢や勤続年数が重なるのを待つ」というスタンスになり、自然とチャレンジ精神は失われていきます。
長く勤めることで自然と愛社精神は育つものの、若いうちではなかなか愛社精神は育ちにくく、仕事ができる優秀な人材ほど早期退職するケースが多く見られます。
会社自体の生産性が落ちる可能性もある
若い人がいくら仕事を頑張っても給与アップや昇格に繋がらない一方で、年齢や勤続年数を重ねたにも関わらず仕事ができない人に対しても仕事ができる人と同等の高額な給与、役職が与えられます。
役職があるにも関わらず、仕事ができない人に高額の給与を支払うことは、仕事を頑張る若い人たちにとっては腑に落ちないことですし、会社としても“無駄”だと感じることもあります。
このような上司が増えれば当然、会社自体の生産性も落ちることになりますし、最悪の場合自分の給与にも影響がでることもあり得ます。
また、会社自体の質が落ちれば、自分のスキルアップも見込まれなくなりますし、結果として満足のいく仕事ができないことも考えられます。
そのため、企業を選ぶ際は年功序列か、そうでないかだけでなく、深くまで知っておく必要があります。
成果主義のメリットとデメリットも知っておこう
近年、年功序列を廃止し「成果主義」を取り入れた企業が増えつつあります。理由として、終身雇用制度の破壊や人件費の削減、雇用スタイルの多様化などが挙げられます。
そんな「成果主義」とは、企業において業務の成果、それに至るまでの過程によって評価し、報酬や人事を決定すること。(引用:Wikipedia)
簡単にいえば、「年齢や勤続年数は関係ない!仕事で成果を出せば給料アップするし、昇格もさせるよ!」ということです。
一見メリットばかりのようにも思いますが、もちろんデメリットも同じ数ほど発生します。具体的にどんなメリット、デメリットがあるのか解説していきます。
メリット
モチベーションが上がる
成果主義は個人の能力が評価されるため、自身の給与アップのために自然と仕事を頑張ろうとします。また、同じような意識の人も多いことから、優秀な人材が集まりやすく、仕事に対してのモチベーションもアップします。公平に評価される
成果主義では年齢や勤続年数に左右されることなく、成果を出せばそれに見合った評価をされます。反対に、いくら頑張っても若いというだけで評価されない年功序列は不平等な評価だといえるでしょう。自身のスキルアップにつながる
仕事に対しての意識が高く、優秀な人材が集まりやすい成果主義の企業では「周りに負けたくない」「給与アップのため」という気持ちが生まれることから、自然と自信のスキルアップへと繋がります。人件費を削減できる
成果主義では仕事ができる人に対して給与をアップする仕組みから、効率よく人件費を使うことができます。一見、会社にとってだけのメリットにも思えますが、人件費がかかりすぎてしまい、結果として経営が傾くとなれば自分にも影響が出るため、働く人にとっても人件費の削減は重要なことだといえます。
デメリット
給料がアップしないこともある
個人の能力を評価することから当然、評価されなければ給与がアップすることはありません。もし長く勤めたとしても評価されなければずっと給与は低いままですし、自然と挑戦意欲も低下してしまいます。個人プレイになり、全体が崩れやすい
成果主義ではチームというよりも“個人”で仕事することが多いことから、連携が取れず、会社全体が崩れやすいというデメリットがあります。企業のような組織はチームワークが重要なため、チームワークの良し悪しは事前にリサーチしておくべき事項です。一部職種では評価されにくい
成果が目に見えてわかる職種(営業職など)ではモチベーションがアップし、大きなメリットを得ることができますが、経理などの一部職種では評価がされにくく、成果主義の制度をメリットだと感じることができないでしょう。離職してしまう可能性もある
能力に応じて給与がアップするということは当然、評価されない月があればその月は給与が下がることになります。このことに対し「来月は頑張るぞ」と思えればよいですが、「もうダメだ」となれば離職に繋がりかねません。また、このことに対して“不安定”と感じてしまう人も成果主義は向いていないでしょう。
年功序列のメリットデメリットを知り自分に適しているか見極める!
年功序列は昔からある制度で、働く人の安定雇用や生活を支えてきました。しかし、メリットがある分、デメリットも存在し、最近では年功序列を廃止する企業も増えてきています。
廃止されることで「成果主義」や「実力主義」といった制度を取り入れる企業が増えてきていますが、これらにもメリットだけでなくデメリットも存在します。
どちらの制度に対してメリットを感じるのか、デメリットに目をつむれるのかからあなたに合った企業を見極めてください。
もし1人で見極めるのが難しいようであれば、大学のキャリアセンターや就活エージェントなどの就活のプロに頼りましょう。
プロだからこそ知る企業の仕組みや制度などを教えてくれ、あなたに合ったアドバイスをしてくれるはずです。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。