就活で「縁」はあるのか?真相と縁と巡り合うための方法を知ろう!
2022年11月30日
突然ですが、就活において“縁”ってどう思いますか?就活に限らず色々な場面でこの“縁”という言葉は重要視されていますが、あなたにとって“縁”をどれほど大事に思っていますか?
キャリアプランナー 平崎
就活生 Bさん
正直“縁”ってよくわかっていません…。「ご縁がありましたら…」「良い縁に巡り合えますように」など聞いたり、自分自身も使ったりはしていますが、それが就活において重要なものなのかはよくわかりません。
確かになんとなく意味はわかっていてもその“縁”というものを実感するのって難しいですよね。しかしこの縁というものは就活においてとても重要なものとなりますので、その意味をしっかりと理解しておく必要があります。今回はそんな“縁”について見ていきましょう。
キャリアプランナー 平崎
就活における「縁」とは?
冒頭にも述べたように、一般的に”縁”とは人や物事とのつながり、関わり合い、その関係に至る巡り合わせなどを意味する言葉です。たとえば血のつながった家族のことを「血縁」と言ったり、関わりを断つことを「縁を切る」、新たに関係を築くきっかけを指して「○○が縁で知り合う」などと言ったりします。
またそれが良い関係性であれば、巡り合わせが良かったと考えて「良縁」と呼び、望んでもいないのに切るに切れない関係であれば「腐れ縁」と呼ぶわけです。就活も結局は自分と企業やそこで働く人たちなどとの関わりによって成り立ちますから、それらとの良縁と巡り合えるか、良縁を結べるかどうかが成功のカギとなります。
しかしそうは言ってもまだ漠然としていて、具体的にどういうことなのか腑に落ちない就活生もいるかもしれません。そこでコラムの初めに、就活における”縁”とは何かと、その縁が就活にもたらす影響について説明しておきます。
企業との縁
就活における”縁”とは、まず第一に自分と企業との縁です。世の中に無数に存在する企業の中からその企業を選び、選考を受けることによって、それまで自分とは何の関わりもなかった企業と接点が生まれることになります。もしも就活でその企業を受けていなければ、そこにずっとその企業が存在していても、自分と関わることは永遠になかったはずです。
ところが何らかの理由でその企業の募集に目を留め、選考を受けたことによって、何もしなければ存在しなかったはずのつながりが自分と企業との間に生まれます。
それこそが、自分と企業との”縁”です。
ただし就活の中で生まれる企業との”縁”は恋愛などと同様に、良い縁もあれば悪い縁もありますし、実を結ぶ縁もあれば実らない縁もあります。たとえ選考を受けて企業と”縁”ができても、それが自分にとって相性の良い良縁だと感じれば就活に力を入れますが、自分に合わないと思えばその縁を自ら断ち切るわけです。
それは就活生の方だけでなく、企業側にも同じことが言えます。企業側から見てその就活生に相性の良さを感じず、そのつながりが良縁とは思えなければ、内定には至らずに不合格通知によって企業側から縁を切られるのです。自分の方も企業側も互いに相性の良い「良縁だ」と思えて初めて、就活での縁が実を結び、入社へと至ります。
ですから簡単に言えば、就活において「縁があった」「縁がなかった」というのは、その就活生と企業との相性の良し悪しだと言っても過言ではないです。そして、自分も企業も「良縁だ」と思える相性の良い企業と出会うことが、就活における良縁(良い巡り会わせ)だとも言えるでしょう。つまり就活を成功させるためには、お互いにとって相性の良い「良縁」を見極めて受ける必要があります。
キャリチャンでは、就活生と企業を結び付け、お互いにとって良縁と思える相性の良い企業を見つけ出すお手伝いをしています。「自分にとっての良縁とはどんな企業なのか?」「これまで良縁と思える企業と出会えていないので紹介してほしい」という就活生は、ぜひキャリチャンの「就活相談サポート」で相談してください。
面接官との縁
就活の成否に関わる縁としては、企業との縁だけでなく、面接官との縁も影響が大きいです。先程も述べたように、選考を受けると就活生にはその企業との縁(=つながり)が生まれますが、それと同時に企業だけでなく面接官とも縁が生まれます。しかも結局のところ、企業側から見た就活生との縁が良縁かどうかを見極め、合否の判断をするのは面接官です。
ですから当然、企業との相性だけでなく、面接官との相性も合否に大きな影響を与えます。もちろん面接官は、自社の仕事や社風と就活生の適性を考えて、良縁かどうかを客観的に判断するはずです。しかし面接官も人間ですから、その判断に主観が全く入らないとは言い切れません。
面接官にとって相性の良い就活生なら、多少説明が下手でも質疑応答の内容を理解してもらいやすく、良縁かどうかの判断はややプラスに働きます。逆に面接官にとって相性の悪い就活生だと、質疑応答の前から若干ネガティブなフィルターがかかり、話の内容も好意的には受け止められにくいわけです。
また就活生の方にしても、同じ企業を受けるにせよ、担当した面接官によって「話しやすい」と感じる場合と「何だか話しにくい」と感じる場合があります。自分が話しやすいと感じる相性の良い面接官なら、あまり緊張せずコミュニケーションがとんとん運んで気分も乗ってくるので、自分の良さを上手にアピールできるでしょう。ところが自分が話しにくいと感じる相性の悪い面接官が相手だと、会話がぎこちなくなるため余計に緊張し、自分の良さを伝えるどころではなくなってしまいます。
そうしたことから結果的に、自分と面接官との相性の良し悪しによって合否の判断が変わってくるのです。もしも自分の面接を担当した面接官との相性が良ければ、内定にも結び付きやすくなり、その面接官とは「縁があった」と証明されることになります。
OBや社会人との縁
就活に影響を与える”縁”としては、OBやその他の社会人との縁も大きいです。就活をしていると面接官以外にも、説明会や就活イベント、OB訪問、インターンなどを通して様々な社会人と出会い、そのたびに縁(=つながり)が生まれます。もちろんその縁は、初めはほんの小さな接点で、細くて切れやすい蜘蛛の糸のようなつながりです。
しかしそんな微かな縁も自分の方から不用意に断ち切らず大切にしておくと、やがては太いパイプとなって、就活の成否を大きく左右する良縁となることがあります。たとえば、OB訪問に協力してくれた卒業生などとの縁が良い例です。
面倒だからと通り一遍の対応で済ませてしまえばそれまでの縁ですが、意欲的にOB訪問に取り組み、お礼メールなども丁寧にしておくと、相手もそれに応えてくれるかもしれません。自分とOBとの相性が良ければ真面目な姿勢に好感を持たれ、その後も何かとやり取りが継続して、ほんの微かなつながりだった関係が徐々に深まっていく場合があるのです。
その中で企業・業界の内情について詳しく情報を得られたり、選考の傾向や合格のコツなどを教えてもらえたりするだけでも、就活ではかなり有利に働きます。またOBの意見が採用に影響を与える企業も多いので、場合によっては選考への強い後押しを得られたり、「うちに来なよ」とスカウトされたりといったこともあり得るわけです。
そのようにして就活の中で知り合ったOBその他の社会人との交流が、実際に就活を成功させるのに役立ち、その人がいる企業や業界へ入るきっかけとなるケースがあります。そうなれば、そのOBその他の社会人とは「縁があった」と言えるでしょう。
就活仲間との縁
就活に影響と与える縁の中には、企業や社会人ばかりでなく、自分と同じ就活仲間との横のつながりもあります。同じ学校の友人、中学・高校の同級生、同じ企業・業界を受けている人など、それらすべての縁が自分の気持ちや行動に影響を与え、結果として就活にも影響を与えるのです。たとえば就活が長引いて疲れてきたときでも、同じ学校やかつての同級生がひたむきに就活している姿を見れば、自然と「自分も頑張らなくちゃ」という気分にさせられます。
就活生の中には、何となく就活する気になれなかったのだけれど、周りの人が内定をもらっているのを見て、慌てて就活を始めたなんて人もいるはずです。また同じ企業や業界を受けている就活生とは、自分が交流を持とうとしなければその場限りの縁ですが、その気になれば相性の良い就活仲間と出会えることもあります。そうした縁を継続していると、時には就活に役立つ情報が入ってくることもありますし、就活がうまくいかずに落ち込んだ時にも支え合うことができるわけです。
就活生一人ではネガティブ思考に陥りがちですが、心が折れそうな時だって仲間と互いの不安を共有し、励まし合えば、就活へのモチベーション維持につながります。そして就活の間ばかりでなく、就活後は同じ苦境を乗り越えた仲間として絆が深まり、社会人になっても続く友人関係を築けるかもしれません。
入社後も最初の数年は色々と苦労が多いですし、同じ職場の人には話せないこともありますから、そうした悩みを吐き出せる横のつながりは非常に貴重です。コロナ禍の就活では就活生同士の交流が持ちにくい環境にあるとはいえ、就活のためにも社会人生活のためにも、就活仲間との縁を大事にしてください。
就活で「縁」に巡り合うための方法
ここまで述べてきたように、企業との出会いも、そこで働く社会人や就活仲間との出会いも、すべてが”縁”です。それら一期一会の縁を1つ1つ大事にし、そこから良縁を見つけられれば、結果的に就活の成功へとつながっていきます。
しかしそうは言っても、自分はこれまでのところ良い縁に巡り合えていないし、どうすればいいのかも分からない就活生が多いですよね。そこでここからは、就活の中で良縁に巡り合うためには具体的にどうすれば良いのか、就活生の取るべき行動について説明します。
「縁」と「運」の違いを明確にする
就活で良縁に巡り合うためにまずきちんと理解しておかなければならないのは、「縁」と「運」とは全く違うということです。初めに説明したように「縁」は人や物事とのつながり、巡り会わせなどを意味する言葉ですが、それを「運」と同様に偶然巡ってくるものだと勘違いしていると、良縁には巡り合えません。
そもそも「縁」とは、ある結果を生じることになる間接的な原因や背景などを指し、A→B→C…→Zに至ったというような、遠回しで継続的な因果関係を表します。そしてAの次の結果がどうなるかや、その後も因果関係が継続されるかどうかには必ず人の行動が関与するわけですから、結局のところ「縁」は自らの意志・判断によってもたらされる巡り会わせです。
一方で「運」とは、自分の行動によってもたらせるものではなく、人の意志を超越した偶然の巡り会わせのことを言います。簡単に言えば、縁は自分が自らの意志によって築き上げるもので、運のように自然発生するものではないという違いがあるわけです。つまりこれまでの就活で良縁を掴めないのは自分のこれまでの判断や行動が生んだ結果であり、運が悪いのではなくて、自業自得ということになります。
縁が運と同じくいつか勝手にやってくるものだと誤解し、これまで通りの就活を何も変えないでいると、このままいつまで経っても良縁に巡り合うことはできないでしょう。しかし裏を返せば、自分の判断や行動次第でこれからいくらでも良縁と出会えるということですから、落ち込む必要は全くないです。このあと説明する具体的な行動を参考に、自らの意志で良縁をつかみ取るための一歩を踏み出してください。
徹底した自己分析と業界・企業研究
就活で良縁と出会うためにやるべき具体的な行動の第一歩は、徹底した自己分析と業界・企業研究です。そもそも自分にとって就活の成功とは何かと考えると、自分が歓迎され、自分自身もずっとそこで働いていきたいと思えるような”自分に合った企業”へ入社することだと言えます。つまり就活で言うところの”良縁”とは、その糸口が何にせよ、手繰っていくと最終的に「自分に合った企業への入社」へとつながるような縁です。
前述のように”縁”は自分の行動によってもたらされるものですから、「自分に合った企業への入社」へとつながる良縁を見つけたいなら、その前提として自分に合った企業を探すための行動を取っていなければなりません。そのために不可欠となる下準備が、徹底した自己分析と業界・企業研究です。どんな企業が自分に合うのか分からなければ探しようがないですから、まずはそれを知るために、自分のことと業界や企業のことをよく理解する必要があります。
また自分が歓迎されて自分も長く勤めていきたいと思える企業とは、もともと持っている自分の個性が無理のない形でそのまま活かされる企業だと言えるでしょう。なぜなら、その企業で求められる資質を自分が持ち合わせていなければ歓迎されませんし、自分自身も働いていて辛くなるだけだからです。ですから徹底した自己分析によって自分の個性(強み、性格、価値観、将来像など)を明らかにしたうえで、業界・企業研究を行い、どんな業界・企業でならそれらが活かせるのかを考えてください。
そこから、「自分の個性が活かせる”自分に合った企業”を見つける」ことを目的として、それを実現できるような就活軸を定めていきます。ただし、隠れた良縁との出会いを逃さないためにも、初めから探す範囲をあまりに狭くし過ぎるのは良くないです。視野を広く保ち、たくさんの企業を知って、様々な縁と巡り合えるようにしておきましょう。
積極的に説明会やOB訪問に参加する
就活の中で良縁と巡り合うためには、説明会や就活イベント、OB訪問、インターンなどへ積極的に参加することが大切です。企業との縁や人との縁は、それらの企業や人と接触して初めて生まれます。就活における良縁を見つけようにも、そもそも自分の周りに企業や人との縁が存在しなければ、良い縁も悪い縁も見つけようがないです。
説明会や就活イベント、OB訪問、インターンなどへたくさん参加すればするほど、その分たくさんの企業・たくさんの人と出会い、様々な縁が生まれます。就活生が探している”良縁”も、その中に含まれているはずです。ですから、できるだけ多くの説明会や就活イベント、OB訪問、インターンなどへ参加して自分の周りの”縁”を増やし、”良縁”と巡り合うチャンスを増やさなければなりません。
その企業・業界で働く社員から話を聞く機会を増やせば、自分の志望先についてより深く理解でき、その企業との縁が自分にとって良い縁かどうか見極める材料となります。同時にそこで働く個々の社員との間にも縁が生まれ、前述のように相性が良ければ、就活に力を貸してもらえたりスカウトされたりといった可能性もあるわけです。結局のところ、その企業・業界が自分に合うかどうか判断するのは、就活生自身であり、そこで働く人たちとなります。
そのため就活生とそこで働く人が直接的に接触し、お互いの姿を自分の目で見て確認し合うのが、自分に合った企業へとつながる良縁を見つけるための近道です。また、説明会や就活イベント、OB訪問、インターンなどへ参加すれば、自分と同じ企業・業界を志望する就活仲間との出会いも期待できます。そのように自分自身が積極的に就活の場へと出ていくことで、様々な縁と巡り合い、良縁を掴んでいってください。
基本的な就活対策を徹底して行う
就活の中で良縁をつかみ取るためには、ES対策や面接対策など、基本的な就活対策を徹底して行う必要があります。企業によって選考方法は多少異なるものの、企業と就活生との相性を判断するのに最も重要となる就活の山場は、たいてい二次面接として行われる「個人面接」です。個人面接で面接官が様々な質問を行い、就活生が回答の中で自分がその企業の求める人物像に合致していることを説明して初めて、相性の良さが証明されます。
しかし最初から応募者全員に一人一人面接をしたのでは、あまりに選考人数が多く、時間がかかり過ぎです。そこで企業は、自社の求めるレベルに達しておらず自社との相性をはかるまでもない就活生を、まずはES選考やグループ面接によってふるいにかけます。グループ面接では多少の質疑応答がありますが、一人一人の持ち時間が少ないため相性をはかるというより、社会人として最低限の受け答えができるかどうか見るのが目的です。
そして個人面接で様々な質疑応答からじっくり相性を見極め、誰が受かってもおかしくない状態まで候補者を絞って、役員面接での最終判断を仰ぐことになります。ところが個人面接の前のES選考やグループ面接の段階で通過できないと、エントリーによって生まれた企業との縁が、そこで途切れてしまうわけです。それでは面接官とも企業とも深く関わる機会がなく、面接官との縁を結ぶこともできませんし、自分が相性の良い人間だと説明することもできません。
前述のように”良縁”とは、自分と相性の良い”自分に合った企業”への入社につながる縁です。それなのに面接官や企業との相性の良さを判断してもらう前に縁を切られてしまっては、それが本当は良縁だったのかどうかも分からず仕舞いとなります。ですから、自分と企業との相性を判断する場である個人面接まで確実に縁をつないでいられるよう、ES対策や面接対策などの基本的な就活対策をきちんと行ってください。
キャリチャンの「就活相談サポート」では、就活生と相性の良い企業を紹介するだけでなく、その良縁を確実に内定獲得へとつなげられるよう就活対策も支援しています。ES対策も面接対策もちろん無料。プロのキャリアプランナーがマンツーマンでサポートしますので、安心してお任せください!
「縁」のある企業かどうかの見極め方
初めに説明したように、就活の成否には企業との縁、面接官やその他の社会人との縁、就活仲間との縁など様々な”縁”が絡んできます。しかし就活における最終的な目的は「自分に合った企業へ入社すること」ですから、その企業との縁が果たして、自分にとっての”良縁”なのかどうかを見極めていくことが大切です。
良縁でなければなかなか内定はもらえませんし、たとえ入社できても、それが自分に合った企業だと思えなければ良縁とは言えません。ですから、きちんと相性をはかって自分と「縁のある企業」を選びましょう。ここからは、自分と縁のある企業かどうかの見極め方について説明していきます。
就活軸に当てはまっているかどうか
自分と縁のある企業かどうか見極めるには、まずその企業が自分の就活軸に当てはまっているかどうかを確認してください。就活軸は、自分がどのような企業への就職を目指すのかという就活の方針であり、企業選びの大まかな基準でもあります。そして就活の最終目的は、自分が歓迎され、自分自身もずっと働いていきたいと思えるような”自分に合った企業”への入社を果たすことです。
それを実現するために徹底した自己分析と業界・企業研究を行い、自分の個性や業界・企業の特徴を考慮して、”自分に合った企業”を選べるよう就活軸を定めました。それができているなら、その企業が自分の就活軸に当てはまるかどうかを見れば、縁のある企業なのかどうかは一目瞭然となるはずです。ところが就活軸は大まかな指針に過ぎないので、たとえ就活軸には当てはまっても、給与や勤務地、福利厚生といったその他の希望条件を満たさない場合が多々あります。
そのため就活をしていると、様々な企業を見ていくうちに混乱してきて、自分にとって何が一番大事なことだったのか分からなくなることがあるのです。確かに、満たしていない条件が自分にとって重要度が高いのであれば、結局は入社後に大きな不満を感じて早期退職につながるので、やはり自分と縁のある企業とは言えません。しかし少なくとも就活軸に当てはまらない企業は、満足度以前にそもそも就活の目的を果たせないわけですから、そんな企業を選んでしまったら本末転倒となります。
しかも就活軸は自分の個性が活かせるように考えたはずなので、それに当てはまらないということは自分の個性が歓迎されず、内定をもらえる可能性も低くい企業です。つまり就活軸に当てはまらない企業は、就活生の方から見ても企業側から見ても相性の悪い、縁もゆかりもない企業だと言えます。
ですから自分にとって縁のある企業かどうか迷ったときは、他の条件はさておき「まずは就活軸に当てはまることが大前提」と考えて、それを真っ先に確認するようにしましょう。その他の部分は、就活軸に当てはまったうえで検討すればよいことです。
面接官や社員との会話が心地いいかどうか
自分と縁のある企業かどうか見極めるには、面接官やその他の社員との会話が、自分にとって心地よいかどうかも重要な目安となります。なぜなら、仕事においては周りとのコミュニケーションが全ての基本となるからです。その企業に入社するということは、そこで求められる仕事をこなしていくだけでなく、そこで働く人たちと毎日会話をすることになります。
先輩から仕事を教えてもらうのにも、上司から指示を受けたり報告したり、あるいは同僚と協力して仕事を進めていくのにも会話が不可欠です。「面接官との縁」のところでも説明したように、人にはそれぞれ話しやすいと感じる相手と、何だか話しにくいと感じる相手があります。会話のリズムや言葉遣い、勢い、表情など、話をしていて心地よく感じる相手と不快感を感じる相手、つまり自分の会話の相手として相性の良い人と悪い人のタイプがあるわけです。
もしも毎日一緒に働く人たちとの会話が自分にとって不快だったら、うまく意思疎通が図れず仕事もスムーズに進みませんし、会社に馴染むこともできません。もちろん会社には大勢の人がいますから、自分と相性の良い社員もいれば悪い社員もいるのは当然で、一人の人間だけを見て全体を判断するのは危険です。しかし人間の話し方というのは往々にして周りからの影響が大きく、その人が多く時間を過ごした環境や、その環境の中で「良い」とされている価値観が反映されます。
そして社会人にとって多くの時間を過ごす場所とは会社であり、会社というのは同じ価値観を共有する人が集まるものです。そのため複数の社員と会話を交わし、同じように心地よい・不快と感じるなら、その会社の多くの人が同じ傾向であり、入社後も同様に心地よい・不快と感じると推測できます。ですから面接での質疑応答がスムーズにできたか、面接官との会話が弾んだか、電話対応をした人などその他の社員との会話が心地よかったかなどをチェックすると、その企業で働く人との相性が分かるわけです。
これから一緒に働くことになる相手との相性が良ければ、その分早く会社に馴染んで、意思疎通もうまくいき、仕事の上での成長も早いだろうと期待できます。結果として社員との相性が良い会社は、自分も快適に仕事ができて満足度が高く、また期待度の高さから内定ももらいやすくなるため、縁のある企業だと言えるでしょう。
社内の雰囲気が自分に合っているかどうか
自分と縁のある企業かどうか見極めるには、社内の雰囲気が自分に合うかどうかも大事です。企業にはそれぞれ、社風と呼ばれる、その会社独特の雰囲気や風土があります。そして社風は、その企業の上層部やそこで働く多くの人の中で「良い」とされている価値観の反映されたものであると同時に、創業からの長い年月をかけて培われるものです。入社してから「どうも雰囲気が合わないな」と思っても、自分一人の力で変えられるものではありません。
たとえばどういうことかと言うと、互いが活発に意見交換していて常に賑やかな会社もあれば、逆に個人の集中力を高めるために静まり返っている会社もあります。また団体スポーツのように仲間意識が強く、互いにフォローし合って仕事を進めようとする企業もあれば、逆に競争によって互いを高めようとし、ライバル意識の強い企業もあるはずです。そうした会社の雰囲気が自分に合わなければ、毎日職場での居心地が悪くて会社に馴染めず、仕事も大変やりにくいことでしょう。
それだけでなく自分が「良いこと」と思うことと、会社が「良いこと」としている価値観が違うので、自分なりに精一杯努力しても評価されないわけです。つまり雰囲気の合わない会社は、入社後仕事へのモチベーションを保つことが難しく、選考の際も内定も得にくくなりますから、自分とは縁のない企業だと言えます。その会社の雰囲気が自分に合うかどうか見極めるには、社員同士のやりとりが自分にとって心地よいかどうかを判断基準にすると良いです。
仲の良さそうな雰囲気にせよライバル心むき出しの雰囲気にせよ、自分がその雰囲気に違和感を感じないのであれば、相性の良い企業だと考えられます。相性の良い会社では自分も満足感が得られ、内定も出やすくなるので、縁がある可能性が高いです。
その会社で働くイメージができるかどうか
最終的には社員との会話や会社の雰囲気などを踏まえ、自分がその会社で働いていくことをイメージできるかどうかが、縁のある企業かそうでないかを見極めるポイントとなります。たとえ就活軸に当てはまっていたとしても、そこで自分が働くイメージが湧かないなら、縁のある企業とは言えないです。就活では、自分がその企業でどのように活躍するつもりなのかを具体的に語って初めて、企業側も就活生に興味を示してくれます。
それなのに自分自身が働くイメージを持てなければ、当然のことながら、選考の中で自分の活躍する姿を語ることができないわけです。同時に、自分がそこで働いているイメージが湧かなければ「この会社に入りたい」という熱意が生まれないので、選考への準備にも力が入りません。そんな風に自分の活躍図も語れず、熱意も感じられないのでは当然、内定などもらえるはずがないです。
仮に人手不足のあまり内定をもらえたとしても、結局は自分の方が仕事や職場に違和感を感じて、早期退職となってしまうでしょう。つまるところ、就活軸に当てはまろうと当てはまらなかろうと、自分が働いていくイメージを抱けない企業とは「ご縁がなかった」という結末になります。
ですから、就活軸に当てはまる企業を選んだうえで、説明会や選考を通してその企業の社員や会社の雰囲気をよく知り、自分が働くイメージができるかどうかを考えてください。自分の個性が仕事に活かせて、そこで働く人や会社の雰囲気にも馴染め、自分が働いていけるイメージを持てる企業が、「縁のある企業」だと言えます。
「ご縁がありましたら」は不採用フラグなのか?
面接の締めなど「ご縁がありましたら…」という言葉を聞き、不採用フラグと捉えて落ち込む就活生もいますが、一概にそうとも言い切れません。「ご縁がありましたら…」というのは就活に限らず、結果が良いとも悪いとも明言せず、お茶を濁すときによく使われる言葉です。つまり「ご縁がありましたら…」という言葉は、「ご縁があるかどうか今は即答できない」=「合否の告知は後でする」ということを意味しています。
少なくともその場で即決してもらうことはできなかったと言えますが、だからといって必ずしも不合格とは限らないのです。実際「ご縁がありましたら」という言葉が不合格フラグとなるかどうかは、企業によって異なります。確かに、合格の就活生にはその場で合格を言い渡し、不合格の就活生には直接言いにくいので、書面で通知するという企業もあるでしょう。
また合格か不合格か決めかねる就活生に、とりあえず「ご縁がありましたら」とお茶を濁し、他の就活生との兼ね合いを考えてから決めるケースもあります。その場合は「ご縁がありましたら」と言われたら、不合格となる確率が高いわけです。しかし企業によっては、合否の可能性に関わらず全員に「ご縁がありましたら」と言い、その場で通知しない方針を取る場合もあります。
あるいはその場では評価をつけるだけで、全員分の評価を集計してから決めたり面接官には決定権がなかったり、単純に「今は分からない」という意味で使われる場合もあるのです。そのように、不合格のつもりがなくても「ご縁がありましたら」と言う企業もあるので、その言葉だけで合否を判断しないでください。
結果が気になる気持ちは分かりますが、「ご縁がありましたら」=「合否の結果を今は言わない」というだけの意味に過ぎません。結局のところ結果が通知されるまで何も分からないわけですから、無駄に悩むのは止めて、今できることに集中するべきです。
おわりに
就活には企業との縁、面接官やその他の社会人との縁、就活仲間との縁など、様々な縁が存在し、それらが複雑に絡んで合否の結果へとつながっています。ただし縁というのは運と違って偶発的に訪れるものではなく、自らの行動によって導き、つないでいくものです。自分に合った企業への入社につながる良縁と巡り合うためには、明確な就活軸と十分な準備・対策、自ら積極的に企業と接触する行動力などが大切になります。
そのうえで、その企業との縁が自分にとって”良縁”なのかどうか、直に自分の目で見極めていきましょう。しかしそうは言っても、コロナへの警戒感からまだまだオンライン授業・オンライン就活が続く中、「就活での縁を見極める自信がない」「就活仲間と縁がない」という孤独な就活生も多いですよね。そんな人には、就活エージェントなどのプロに頼ることをオススメします。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。