内々定の取り消しを防ごう!よくある取り消し理由と対処法
2024年9月26日
こんにちは、なんだか嬉しそうですね?
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Aさん
内々定をもらえました!やっと就職先が決まります…!
ちょっと待ってください、内々定はあくまでも口約束。取り消しされるケースもあるので油断してはダメですよ!
キャリアアドバイザー 平崎
就活生 Aさん
そうなんですか?どうして内々定が取り消しになんてなるのでしょうか。
気になりますよね。そこで今回は、どうして内々定取り消しがあり得るのかや、違法性のある取り消しに対する対処法をお伝えします。
キャリアアドバイザー 平崎
目次
そもそも内々定とは?
無事に内々定を手にしたことだと思いますが、そもそも内々定の仕組みや定義について理解していますか?内々定について理解を深めていないと取り消しのリスクなどについて知ることができませんので、まずは内々定についてから理解を深めていきましょう。
ここではそんな内々定の定義と内々定を出す企業の目的、内定との違いや内々定取り消しが違法になるのかどうかについて解説していきます。
内々定の定義とは?内定との違いから解説
内定とは選考や面接などを通し企業が「ぜひ入社してほしい」と思った学生に対して、入社の約束をすることです。この約束には正式な契約(労働契約)が結ばれています。
そして内々定は、内定のような正式な契約ではないが、「10月になったら契約を結びます(内定を出しますよ)」と、“口約束”をしている状態です。
内定 | 内々定 | |
---|---|---|
労働契約 | 成立している | 成立していない |
取り消し | 内定取り消し事由に該当しなければ不可 | 法的な制約はない |
つまり、どちらも入社の約束はしているが、正式な契約(労働契約)が結ばれているか、いないかという違いがあります。
そのため、正式な契約が結ばれている内定は、法的な拘束力があるため、正当な理由がなければ簡単には取り消すことはできません。
しかし、労働契約が結ばれてない口約束の内々定は、企業・学生側ともに取り消しすることは可能です。
ただ、取り消しが可能といっても「気が変わった」などといった理由で取り消されることはなく、社会的にやむを得ないと判断されるような理由がなければ、そう簡単には内々定取り消しはありません。
とはいえ内々定が、内定よりも簡単に取り消しできるのは確かです。そう簡単に取り消されることはないと油断しないようにしましょう。
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企業が内々定を出す目的
企業側が内定を出す理由は、学生を採用したいという気持ちを伝えるためです。法的拘束力のない口約束ではありますが、採用基準を満たし、事実上の合格だと判断した際に、内々定を提示します。
また、これらを伝えた上での反応や本人の意識、それにより採用側としても入社承諾を見込めるか判断するケースなどもあります。企業側は優秀な学生の早期確保、学生側も早い段階で入社の約束があるということは精神的に大きなメリットとなるでしょう。
さらに学生側の場合、とくにデメリットなく内々定を辞退することは可能です。しかし、企業側もやむを得ないと判断した理由があれば、簡単に内々定を取り消すことが可能です。
メリットの多い内々定ではありますが、内々定をもらったからには、取り消されないための万全な対策が必要となります。
内々定取り消しは違法にはならないのか?
取り消し理由にもよりますが、残念ながら内々定は内定のような正式契約でないことから、違法になることはあまりありません。企業側の一方的な不当な取り消しであれば内々定取り消しをなくすことはできても、法的な処置を取ることは難しいです。
しかし内定の場合は異なります。内定の場合、内定をもらった時点ではまだ働いていないものの、卒業後に会社で働くこと、そして入社日が決められていることから、内定を交わした時点で「入社日以降に雇用する」という契約がされていることになります。そのため、内定通知書を受け取った後の内定取り消しは「解雇」と同じ扱いになるのです。
企業は厚生労働省の労働契約の終了に関するルールの「整理解雇」を守らないといけません。
- 人員削減の必要性
→人員削減措置の実施が不況、経営不振などによる企業経営上の十分な必要性に基づいていること - 解雇回避の努力
→配置転換、希望退職者の募集など他の手段によって解雇回避のために努力したこと - 人選の合理性
→整理解雇の対象者を決める基準が客観的、合理的で、その運用も公正であること - 解雇手続の妥当性
→労働組合または労働者に対して、解雇の必要性とその時期、規模・方法について納得を得るために説明を行うこと
上記のルールが守られていないと内定の取り消しは成立しません。ですので、上記以外の理由での取り消しは「不当解雇」ということになります。
このように、労働契約が結ばれているかどうかで内々定と内定との取り消し条件は大きく異なってきますので覚えておきましょう。
よくある内々定取り消し実例
内々定の取り消しはしやすさから意外と多くあります。では具体的にどのような理由から内々定が取り消されてしまっているのでしょうか。ここではそんなよくある内々定取り消し実例についてご紹介します。
よくある内々定取り消し実例を把握しておけば、自分が当てはまらないための対策ができますのでしっかりとチェックしておきましょう。また内々定取り消しには不当になるケースもありますので、合わせて確認してください。
よくある内々定取り消し実例と理由
内々定取り消しが正当であると判断される場合の実例を解説します。下記のような理由は内々定取り消しが正当だと判断されるので、学生側が取り消し無効の申し入れをしても挽回は難しいので、あらかじめ注意しておきましょう
- 1単位不足により卒業できなかった
- 2入社までの準備不足
- 重大な違法行為の発覚
- SNSに不適切な内容の投稿をした
- 健康状態の悪化(妊娠発覚も含む)
- [企業側]人件費が経営を圧迫してしまう etc…
1つ目は「学業」に関することで内々定が取り消しになるケースです。単位不足や卒論が間に合わず卒業できなかったなどといった理由はもちろん、卒業前に「退学」になってしまえば内々定は当然、取り消されます。
2つ目は「入社までの準備」に関する内々定での取り消しケースです。内定予定通知の返信がなく音信不通になった、入社条件である資格が取得できなかった、会社が提示した書類を提出しなかった(提出期限を守れなかった)などの場合に内々定が取り消しになることもあります。
3つ目は「違法行為」の発覚による内々定取り消しケースです。警察沙汰になるのはもちろん、迷惑行為や過去の犯罪歴などの発覚でも内々定が取り消される場合があります。
4つ目は「SNS」が原因による内定取り消しです。SNSに会社の悪口や不適切な内容の投稿をすることで企業に見つかり、内定が取り消しになるケースです。近年、就活生や内定者のSNSをチェックする企業が増えてきていることから、ここ最近では最も多い内々定取り消すの実例となります。
5つ目は「体調面」による内々定取り消しのケースです。入社に影響が出るほどの大けがをしてしまった、病気になってしまった(持病の悪化も含む)などといった理由や、女性の場合は妊娠発覚により内定が取り消される場合もあります。
そして最後の6つ目は、「企業側による事情」です。具体的には「人件費が経営を圧迫してしまうため、既存の社員を確保するために、内定者の契約を取り消す」というものです。経済が不安定になると、これらの理由から内々定が取り消されてしまう人も少なくありません。
内々定取り消しが不当になるケース
内々定は正式な契約ではないことから、取り消しはよくあります。しかし、中には内々定取り消しが不当なケースとなる場合もありますので、その線引きを把握しておきましょう。具体的な内々定取り消しが不当になるケースは下記のとおりです。
- 内々定提示後に「社風を合わない」などといった理由から取り消し
- 過去の出来事による取り消し
企業と学生との間で内々定の承諾がされたにも関わらず、「社風に合わない」「やっぱ印象が良くなかったのかも」などといった抽象的かつ主観的な取り消しは不当だといえます。採用時に見極めることができたにもかかわらず、後付けのような理由は認められません。
また、過去の出来事による取り消しも不当になる場合もあります。もちろん「犯罪歴があった」という場合には不当にはなりませんが、記憶に新しい「日テレアナウンサーに内定したものの、過去にキャバクラで働いていたことで内定が取り消された」という事例のようなものは不当になるケースがあります。実際にこの事例においてものちに和解し、無事に入社したため、結果として不当な取り消しとなりました。
このように内々定取り消しには不当になるケースもありますので、これらを覚えておき、内々定が取り消されてしまった場合には適切に対処できるようにしておきましょう。
内々定が取り消されないために気を付けること
内々定取り消しにおいて不当な理由もありますが、それらを除くとやはり内定ほどの拘束力がないことから、内々定を取り消しには注意が必要です。では内々定を取り消されないためにはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
ここではそんな、内々定が取り消されないために気を付けることについてご紹介していきます。完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、対処できることはしておきましょう。
内々定を取り消される行為をしない
内々定を取り消されないためには「内々定が取り消されるよくある実例」をしないことが大前提です。よくある実例を見てもわかるように、多くの原因は自分にありますので、意識すれば未然に取り消しを防ぐことができます。
内々定をもらえるとつい浮かれてしまったり、就活のゴールを迎えた気になってしまう人が多くいますが、それらのせいで単位が取れなかったり、入社に必要な資格が取得できなければ内々定が取り消しになるのも当然です。
ですので、内定ほどの拘束力がないからこそ、自分にできること、すべきことはしっかりと行い、万全な状態で内定を獲得できるようにしておきましょう。
内々定を文書などの形で証明してもらう
内々定を取り消されないための行動とは少し異なりますが、内々定を言い渡されたら文書などの形にしてもらうようにすると良いでしょう。なぜなら内々定を文書などの形にすることで不当な取り消しを受けた場合に交渉することができるからです。
内々定は口約束である場合が多く、そのことから「内々定なんて言ってない」などといわれてしまうことがあります。しかし、そんな時に内々定を出された証拠を提示できれば対処することができるのです。
他のトラブルに対しても内々定を証明できるものがあれば交渉することができますので、事前対策として内々定を言い渡された時には文書やメールなどの形に残るもので証明してもらいましょう。
とはいえ、万が一内々定の取り消しが起きても安心できるよう、たくさん内定先を獲得したいと考える人も多いですよね。キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」では、無料で不安の相談に乗るだけでなく、具体的な求人を紹介できます。
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内々定が取り消された時の対処法
内々定を取り消されないために行動を意識することが大切ですが、それでも内々定を取り消されてしまうことは残念ながらあります。しかし本命企業からの内々定を取り消されてしまい、「はい、わかりました」とは簡単に思えないですよね。
では内々定が取り消されてしまっても諦めきれず交渉したい、不当なあ理由だと感じるから取り消し無効を申し入れたいと考えている場合にはどう対処すればいいのでしょうか。ここではそんな内々定が取り消された時の対処法について解説していきます。
取り消し理由を文書回答で求め、大学に相談する
内々定を取り消されてしまい、会社と交渉したい場合にまずすべきことは企業側に対して内々定を取り消した理由について「文書回答」を求めることです。内々定を文書などで証明してもらうように、取り消し理由についても文書やメールなどの形に残すことで「証拠」として提示することができます。
取り消し理由が学生自身の問題である場合は難しいですが、企業側の一方的なものの場合には一度文書に残すことで企業側は後々口出しすることはできません。ですので、まずは一度企業に対して取り消し理由を文書やメールで答えてもらい、交渉の材料を用意しましょう。そしてそれらの証拠を持ってまずは大学へと相談します。
大学はこれまでに同じようなケースの学生をサポートしているため、必要に応じた対応をしてくれますし、場合によっては大学側から直接交渉してもらえる場合もあるので、必ず相談しましょう。
ただし、内々定取り消しを交渉できる条件は自分に問題がない場合のみとなりますので、文書を求めた際に原因が明らかに自分の場合には交渉材料とすることは難しくなりますし、大学側もサポートしてくれません。ですので、不当だと判断される場合のみ、このやり方で対処していくようにしましょう。
就活エージェントを利用する
内々定が取り消しになったとき頼りになるもう一人の存在が就活エージェントです。就活エージェントは様々な企業とのつながりがあることから、就活エージェントを通して取り消し理由を聞いてもらえたり、交渉してくれる場合もあるため、一度相談することをオススメします。
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適切な行動で内々定の取り消しを防ごう
内定取り消しはまれに不当なものもありますし、不当な取り消しにはしっかりと対処しなければいけません。しかし、内定取り消しのほとんどが「学生側」の問題です。そのため、学生は内定が取り消されないようにするために、内定をもらったという自覚を持ち、問題となる行動をしないようにする必要があります。
苦労し、やっと手に入れた内定にホッとし、つい羽目を外したくなる気持ちもわかりますが、一瞬の気のゆるみが今後の人生をも左右してしまう可能性があるということを覚えておいてください。
内定獲得はゴールではありません。むしろ入社してやっとスタート地点に立てるのです。無事にスタート地点に立てるよう、一人の大人としての自覚をもって行動しましょう。
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この記事の監修者
平崎 泰典
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2016年に入社後、企業向けの採用コンサルティング業務を経て、就職・転職希望者に対する個別就職支援を担当。「キャリチャン」「合説どっとこむ」において年間100回以上の就職・転職セミナーの講師も務める。
主な担当講座に「営業職や種類が適性がよくわかる解説講座」「手に職をつけられる仕事解説講座」などがあり、これまで3,000名以上に対して講座を実施。
就職支援では「自己分析」と「業界研究」を得意として、就活初期の学生や求職者を相手に基礎からサポートを行う。年間1,000名以上の内定獲得を支援。