内定承諾書の返送時のマナーや添え状の書き方を徹底解説!
2022年11月4日
内定承諾書が届いたみなさん、おめでとうございます。その内定承諾書にサインをして会社に返送すれば晴れて内定が確定し、就活は終了ですよ。内定承諾書の返送には添え状が必要ですが、書き方やマナーは大丈夫ですか?
キャリアプランナー 岡田
就活生 Aさん
ありがとうございます。内定承諾書に添え状が必要だなんて知りませんでした。まだ返送前で良かった!
でも実は今後も就活を続けたいので、内定承諾書の提出を迷っています。内定承諾書を返送したら、絶対就活を終わらせなきゃいけないんでしょうか?
なるほど。そのように感じたのであれば、内定と内々定の違いや、内定承諾書とは何なのかをきちんと理解できていないかもしれませんね。また、内定承諾書の書き方やどのように返送すればよいのかマナーを知らない人もいるでしょう。
このコラムでは内定承諾書とは何なのか、その意味や返送までの流れ、添え状の書き方などを解説します。辞退も含めた内定承諾書に関するさまざまなマナーについても掲載しておきますので、参考にしてください。
キャリアプランナー 岡田
目次
内定承諾書とは
内定承諾書とは、内定者が入社を契約するための書類です。企業で内定を獲得すると、内定を得たことを通知する内定通知書が企業から送付されます。
内定が内々定と違うところは、裁判などでも正式な労働契約として通用するので、簡単にこの約束を破ることはできないという点です。
企業は内定という契約を結ぶにあたり、内定者の入社意志を最終確認する目的で学生に内定承諾書を送ります。内定承諾書の記載内容は「入社することを承諾すること」「正当な理由なく入社を拒否しないこと」「内定取り消しの事由に対して異議を申し立てないこと」などです。
学生は入社意志を固めたら、それらの条件を承諾したという意味で内定承諾書に署名捺印し、返送します。これによって双方の意志が確認できたことになり、労働契約が成立したと見なされるのです。
- 内定者が単位取得不足などで大学を卒業できなかった場合
- 内定者が病気やケガなどの健康上の理由により働けない状態になった場合
- 内定者に犯罪行為があった場合
- 会社の業績悪化など経営上やむを得ない場合など
【内定取り消し事由の例】
内定承諾書を返送しなければ内定が取り消しになる恐れがあるので、入社の意思が固まったら返送期限までに返事をしてください。内定承諾書に署名をして返信すると、企業は就活生の受け入れ準備を始めます。
内定承諾書の提出後に内定を断ると、企業がした準備はすべて無駄になってしまいます。企業へ迷惑をかけないようにするために、内定を断るなら承諾書を提出する前にしましょう。
今ある内定を承諾すべきかどうか迷う場合は、キャリチャンの無料イベント「就活相談サポート」で、プロのキャリアプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。内定承諾を迷うのには単なる内定ブルーの場合もあれば、内定先の何かが心に引っかかっていて、無意識に警鐘を鳴らしている場合もあります。就活のプロと一緒にその正体を明らかにし、気持ちよく内定承諾の決断が下せるようにしましょう。結果として内定辞退という結論に至った場合も、そのまま再就活をお手伝いしますので安心してお任せください。
内定承諾書を返送する流れ
本項では、内定承諾書を返送する流れについて紹介します。内定承諾書を誤った手順で送り返してしまうと、「常識がない」と思われてイメージダウンにつながりかねません。本記事で内定承諾書を返送する手順を理解し、常識ある社会人としての一歩を踏み出しましょう。
内定通知書が届く
内定を獲得すると、内定通知書の中に内定承諾書と条件提示書が同封されて自宅に届きます。条件指示書とは、就業場所や勤務時間など労働をするうえで内定者が知っておく必要がある条件が明記されている書類です。
内定が出たら、内定通知書が企業から届いているかを確認してください。
内定通知書に同封されている書類を確認する
内定通知書には、内定承諾書や条件提示書が内定通知書に同封されています。先ほど紹介した条件提示書には労働条件が事細かく書き留めらているので、自身が認識している労働条件と一致しているかを確認してください。
意図的に騙されるようなことはそうそうないですが、面接などで企業は良い部分ばかりを強調しますし、聞いている方も自分の都合の良いように受け取ってしまいがちです。自分にとって重要な条件を聞き漏らしていたり、解釈の違いが発生したりすることは大いにあり得ます。ですから内定通知書や条件提示書の中身をよく読んで、業務内容や労働条件などの面でお互いの認識に相違がないか、きちんと書面で確認する必要があるのです。
また、内定取り消しはそう頻繁に起こることではありませんが、コロナ発生直後の状況を見ても分かるように、経済が不安定なときには理不尽な内定取り消しがないとも言い切れません。万一トラブルになったときに厄介ですから、内定取り消し事由に関してもしっかり確認しておくべきです。
それらさまざまな記載事項を確認したうえで、内定を承諾するかどうか決めましょう。
内定承諾書を締切日までに会社へ届くように返送する
内定承諾書に同意する場合は、締切日までに会社へ届くように返送してください。内定承諾書の提出期限は企業によって異なりますが、期限が長く設定されている場合でも、承諾の意思が固まっているなら早く返送した方がベターです。
もちろん入社先を決定するのは今後の人生にとって大事な決断ですから、慌てて決めるのではなく、きちんと考えるべきです。しかし郵便物はさまざまな理由で遅延することがありますし、ギリギリまで悩んでいたと思われると入社後の印象が良くありません。早く返送した方が企業の担当者が迅速に手続きを進められますから、印象が良いはずです。そのため、きちんと考えた末に内定を承諾すると決めたら、なるべく早く返送しましょう。
内定承諾書の返送期限を過ぎると、内定契約の打診が無効になってしまう恐れがあります。送られてきた書類をよく読み、いつまでに返送しなければならないのか、内定承諾書の提出期限も忘れずに押さえておくことが大切です。
ただし内定を承諾するかどうかは就活生の人生を大きく変える決断なので、企業へお願いすれば返送締切日を延長してくれる場合が多いです。返送締切までに内定承諾書を提出できない人は、企業へ連絡して内定承諾書の提出期限の延長(内定保留)をお願いしてみましょう。
とはいえ、内定保留にも守るべきマナーが色々ありますし、必ずしも認めてもらえるとは限りません。「内定保留のやり方がよくわからない」「保留可能な状況などについて知りたい」「保留を断られて困った」という就活生は、キャリチャンの「就活相談サポート」で相談してみてください。
内定承諾書を返送する際は必ず添え状を同封する
内定承諾書を返送する際は、「添え状」をつけて送るのがマナーです。
添え状とは、書類を送付する際に表紙の役割をする文書です。添え状には、誰が何をどのような目的で送付したのかを明確に記載します。
内定承諾書に限らず、企業と郵送物をやり取りする際には、添え状をつけて送るのが一般的なビジネスマナーとなっています。添え状には目的や内容物が記載された書状を添付することで、相手に郵送物の確認をしやすくさせると同時に、梱包ミスを早期に発見してもらったり、同封物の一部紛失などによって「送った」「送っていない」といったトラブルを予防したりする役目があります。
そのため内定承諾書を返送する際は、必ず添え状を同封しましょう。ただしこれまで企業と書面のやり取りをしたことがない人もいると思いますので、詳しいやり方を次項から説明します。
内定承諾書に付ける添え状の書き方
ここでは、添え状の書き方を解説します。添え状は、どの書類が同封されているかをただ記載すればよいわけではありません。ビジネスマナーに乗っ取った書き方で書かなければ、企業側を不快な気持ちにさせてしまう恐れがあります。
本記事を参考に添え状を書いて、ビジネスマナーに沿った添え状の書き方を学びましょう。
添え状の書き出し
添え状を書く際は、日付・宛名・差出人情報を上部に記載してください。一番上に右揃えで日付、一段下に左揃えで宛名、さらに一段下に右揃えで自分の個人情報を記載します。
宛名で担当者名がわかっている場合は、会社名を略さずに正式名称で記入したうえで担当者名も記載してください。担当者名が分からない場合は「採用担当者様」と記入するのが無難です。
添え状の中身と例文
ここでは、内定通知書に同封する添え状の例文を紹介します。添え状は必要最低限の内容で大丈夫です。下記の例文を参考にして、あなたも早速添え状を作成してみましょう。
本文の初めには、中央に表題を記載します。その他の部分と区別がつきやすいよう改行を加えるとともに、文字を大きくしたり、太字にしたりしてもよいです。
本文そのものは左詰めで、「拝啓(左詰め)」と「敬具(右詰め)」の間に記載します。記載内容はまず「時候の挨拶」→「内定承諾書へのお礼」→「内定承諾書を返送する旨」の順です。その後に締めの挨拶として、今後の意気込みなどを記載すると印象が良いでしょう。
添え状の下部
添え状の一番下の部分の中央に「記」と記載し、その下に左詰めで送付書類の内容と部数を書き留めてください。添え状に同封書類が記載していれば、担当者は何の書類が入っているのかが手っ取り早く確認できます。
内定承諾書以外にも同封しているものがあれば、合わせて記載してください。最後は右詰めで「以上」と書きます。
ここまでが内定承諾書に付ける添え状の書き方です。例文を参考に作成してもらえれば問題ないと思いますが、もしも自信がないと感じたら、キャリチャンの「就活相談サポート」で相談することをオススメします。就活のことなら何でも、無料で相談できるイベントですので、気軽に活用してください。
内定承諾書に最適な封筒の特徴と送り方
社会人になったら封筒を使用する機会も多々あるので、内定承諾書に最適な封筒の特徴と送り方を知っておきましょう。
- 白や茶色など奇抜な色ではない
- 頑丈である
- 中の書類が折れない
- 中身が見えない
企業から返送用の封筒の指定がなければ、上記の4つの条件を満たした封筒で内定承諾書を返送しましょう。添え状および内定承諾書は大事な書類ですから、基本的には小さな封筒に折り畳んで返送してはいけません。運搬中に大事な書類が汚れたりシワになったりするのを防ぐため、企業に送る書類は折らずにクリアファイルに挟み、それがスッポリ収まるサイズの封筒に入れて返送します。
クリアファイルは返送する内定承諾書に合わせてA4サイズを使用しますが、色柄ものや使い古しなどではなく、無色透明できれいな状態のものを使いましょう。
宛先や同封物がかかれた添え状は、本に例えると同封する書類の表紙や目次の役目を果たすものなので、クリアファイルの一番表側にくるように挟みます。封筒に関しては、あらかじめ内定承諾書に返送用の封筒を同封してくれる企業もありますが、同封されていなかった場合、A4サイズの白い封筒を使ってください。
中の大事な書類が透けて見えないよう、しっかりとした厚手の紙質の封筒が良いです。封筒や添え状に記載する宛名・宛先は、(株)などと省略せず正式な名称を記載します。今後のトラブルを回避するためにも、書類の内容は間違いのないよう何度も確認したうえで返送することが大切です。
【安心】内定承諾書の提出後も内定辞退できる
さまざまな事情で内定承諾書の提出後に内定辞退したいと考える就活生の方も多いでしょう。結論から言うと、内定承諾書の提出後も内定辞退できます。ただし、内定承諾後に内定辞退できるのは入社日から2週間前までです。
なぜなら、民法267条に労働解約を申し出てから実際に解約されるのは2週間後と定められているからです。入社日から2週間過ぎてしまった場合は、一度入社した後に退職する必要があります。
また、内定承諾後に辞退する際は「電話」→「メール」→「手紙」の3段階にわたり、丁寧にお詫びの気持ちを伝えるのがオススメです。
内定承諾書を提出した後は、企業の方も入社が確定したものとして準備を進めています。内定承諾後でも辞退は可能なのですが、その場合は相手企業に多大な迷惑がかかり、感情的なトラブルに発展することもあります。
入社しないと決めたにせよ、せっかくあなたを評価して内定を出してくれた企業ですし、トラブルを回避するためにも辞退の連絡はマナーを守って行いましょう。
電話による辞退連絡のポイントについては次項で説明しますが、自信のない人はキャリチャンの無料イベント「再就活サポート」に相談してください。プロのキャリアプランナーが円満な内定辞退と再就活のお手伝いをしますので安心です。
【重要】内定辞退をする際に気をつけるポイント
内定辞退をする際に気をつけるポイントとして、以下の5つを紹介します。
- 内定辞退を決意したら担当者へすぐ電話する
- 企業の都合がよさそうな時間帯に連絡する
- 電話がつながったら内定辞退する理由を伝えるとともに謝罪する
- 担当者が不在の場合は日を改めて電話する
- 企業へ電話つながらなかったら一度メールで内定辞退を伝えよう
それぞれのポイントを押さえたうえで、円満な内定辞退を目指しましょう。
内定辞退を決意したら担当者へすぐ電話する
内定辞退を決意したら担当者へすぐ電話しましょう。なぜなら、早めに連絡すれば企業側は自身の代わりとなる就活生を採用できるかもしれないからです。内定辞退の連絡をする際はメールでしたいと思う方もいるかもしれませんが、極力電話連絡の方がよいでしょう。
メールでは内定辞退の連絡がすぐに届かず、あまりメール内容を確認していない方もいるかもしれません。重要な連絡は電話が当たり前と考えている人事の方もいるので、メールで済まそうとすると企業側の憤りを煽ってしまう恐れもあります。
内定辞退を決意したら、自身のためにも企業のためにも、とにかくすぐに担当者へ電話で連絡するべきです。
企業の都合がよさそうな時間帯に連絡する
企業の営業時間や昼休みの時間をさけるなど都合がよさそうな時間帯に連絡すると、電話に出てもらいやすくなるため連絡がスムーズにできます。
企業の営業時間後や昼休みなど電話に出ることが難しい時間帯に連絡した場合、電話に出てもらいにくくなるだけでなく、「非常識」と思われかねません。
最悪な印象で内定辞退をしないためにも、企業の都合がよさそうな時間帯を考えたうえで連絡するとよいでしょう。
電話がつながったら内定辞退する理由を伝えるとともに謝罪する
企業へ電話がつながったら内定辞退する理由を伝えるとともに謝罪しましょう。あなたが内定辞退すれば入社手続きや新人研修などの準備をしていた時間がすべて無駄になってしまい、企業は新たな人材を採用するための採用活動をしなければいけません。
「ほかの企業へ内定をもらった」や「ほかにやりたいことができた」など正直な理由を伝えて、企業への迷惑を謝罪をしましょう。
担当者が不在の場合は日を改めて電話する
企業へ電話がつながったとしても、担当者が不在の場合もあるでしょう。担当者が不在の場合は、日を改めて都合のよさそうな時間帯に電話するとよいです。担当者へ電話相手の方が伝言をしてくれようとするかもしれませんが、内定辞退の連絡を伝言で伝えるのは非常識と思われてしまいます。
そのため、担当者が不在であった場合は日を改めて電話連絡してください。
企業へ電話がつならなかったら一度メールで内定辞退の意思を伝えよう
営業時間内に電話をかけているのに企業へ電話がつながらなければ、一度メールで内定辞退する旨の内容を送付して電話するとよいでしょう。なぜなら、電話よりメール連絡の方が情報が相手へ早く伝わりやすい可能性があるからです。
ただ、メールのみで内定辞退を伝えると非常識と思われてしまうかもしれないので日を改めて電話連絡しましょう。
【絶対】内定承諾書は添え状を同封して期日以内に返送しよう
本記事で紹介したポイントを踏まえたうえで、内定承諾書を返送しましょう。ビジネスマナーに沿ってない内定承諾書を返送すると「社会常識がない」と入社前に自分の印象を悪くしてしまいかねません。
また内定辞退承諾書を提出したあとでも入社2週間前であれば、内定辞退はできます。諸事情により内定を辞退したい方は、早めに企業へ伝えるようにしてください。
キャリチャンでは、就活のことなら何でも相談できる無料イベント「就活相談サポート」を開催しています。相談内容は内定承諾書の返送や添え状のマナーに限らず、企業への電話、メール、手紙などのマナー含め、就活に関することなら何でもOK。プロのキャリアプランナーが1対1で相談に乗り、就活に関してあなたが疑問に思っていること、悩んでいることに解決策を導き出します。
その内定を承諾すべきかどうか見極めるコツや、内定辞退を決めた際の断り方なども相談に乗りますので、ぜひ活用してください!
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この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。