内定辞退の期限はいつまで?正しい辞退方法を例文と合わせて解説
2023年12月18日
内定辞退を考えているそうですね?
キャリアアドバイザー 岡田
就活生 Aさん
そうなんです。でも、どのタイミングで辞退をすればいいのか迷ってます。気まずい内容なので、なかなか伝えづらくて。
内定辞退は、決められた期限内に伝える必要があります。期限を守らないと辞退できないだけでなく、他社に入社することもできなくなる可能性があるんですよ。
キャリアアドバイザー 岡田
就活生 Aさん
それは困ります!いつまでに連絡すればいいですか?できれば、スムーズに辞退できる方法も教えてください。
今回は、内定辞退の連絡をいつまでにすればいいのかや、どのように申し入れればいいのかなどについてまとめています。ぜひ参考にしてくださいね。
キャリアアドバイザー 岡田
目次
内定辞退はいつまでに行うべき?
「内定を通知されたけど内定を辞退したい」「内定承諾したけどやっぱり辞退したい」など、さまざまな状況から辞退を考えている場合があります。その場合、いつまでに企業へ辞退の連絡をすればいいのでしょうか。
その答えは、以下のとおりです。
コラムの初めにまずは、「内定辞退はいつまでにすればいいのか?」の疑問に対する答えをそれぞれ解説します。内定辞退を考えている人はしっかりと期限についてチェックしてください。
原則は内定通知を受けて1~2週間程度で連絡する
通常、内定辞退は内定通知が来てから1〜2週間程度で連絡するのが基本です。企業によって異なりますが、たいていの企業は内定通知から1〜2週間程度で返事を求めます。原則的には期限内に、内定を辞退するのか、承諾するのかを決めてください。
企業によっては1ヵ月程度待ってくれる場合もあれば、学生の確保を目的に内定承諾書の提出を急がせる場合もあります。どのケースでも、内定通知が来たら早めの決断が必要です。また、内定を辞退する場合には特に早く連絡しなければなりません。
ちなみに承諾するか辞退するかを考えるために、“内定の保留”を申し入れることも可能です。あまり長くは待ってもらえないケースが多いですが、1〜2週間程度あれば待ってくれる傾向があります。
内定承諾後の辞退は10月の内定式前までに連絡するのがマナー
内々定の段階ですでに承諾の意向を伝えている場合は、内定式の前までに辞退の連絡をしてください。なぜなら、内定式において入社承諾書を取り交わし、それまで単なる口約束に過ぎなかった内々定が、正式な雇用契約である「内定」へと切り替わる企業が多いからです。
それによって、企業は内定式に参加した内定者を「来年度の新入社員」として認識し、これまで進めていた入社への準備を本格化させます。そのため、入社の意思がない場合には、企業側が来年度の新入社員として迎え入れる準備を本格化させる前に辞退の連絡をするのが一般的なマナーです。
ただし、内定承諾書自体には法的な拘束力がありません。「職業選択の自由」は憲法でも保証されている権利なので、内定式を過ぎたら絶対に辞退できないというわけではないです。
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内定辞退ができる法的な最終期限は入社の2週間前まで
内定辞退が可能な法的な期限は、入社日より2週間前です。10月以降も内定辞退は可能ですが、入社2週間以上前に連絡しないと契約解除の手続きが間に合わず、他社に入社ができない場合があります。
正式な内定契約を結んだあとの辞退の法的扱いは、すでに企業で働いている人が退職する場合と同じです。
民法上、雇用契約の解除には通知をしてから2週間かかると規定されています。ほかの企業に入社する予定でも、先に雇用契約を結んだ企業との契約解除がまだ確立していなければ入社できないのです。
ですから内定承諾後に辞退する場合は、どんなに遅くても、入社予定日の2週間前までには連絡してください。
また、企業側が入社に向けた準備を本格化してしまってから辞退の連絡をすると、かかる迷惑が大きくなります。その分、思わぬトラブルに発展する可能性も大きくなるので、伝え方には十分注意しましょう。
辞退を決めたら即連絡するのが鉄則
確かに内定辞退には「いつまでにすべき」といった期限がありますが、基本的には内定辞退を決めたら即連絡することをオススメします。
企業側はあなたに内定を言い渡した時点から、あなたが入社することを前提に採用活動や入社準備を行っています。つまり、内定を辞退すれば企業側がこれまで準備してきたものがすべて水の泡となり、あなたが抜けた採用枠を埋めるための対処をする必要が出てくるわけです。
実際、内定を辞退するケースは認められており、法的な拘束力もありません。しかし、辞退の連絡が遅くなればなるほど、「入社を前提としていたために失った採用機会や入社準備のために被った金銭的な被害を賠償してほしい」と怒る企業も出てきます。
実際に訴えられるケースは稀ですが、内定承諾後の辞退によって、多大なる迷惑をかけてしまうことは間違いありません。少しでも早く辞退を知らせて、企業側のダメージが最小限になるように配慮するのが、トラブルを避けるための鉄則だと言えるでしょう。
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いつでも同じ!内定辞退の方法とマナー
内定辞退はいつまでにするかも大切ですが、どう辞退するかによって企業側が受ける印象は大きく変化します。
内定辞退の方法は、実際には決まったルールは存在しません。ただし、ルールがないからといって各々好きな方法で辞退してもよいわけではないので注意が必要です。
内定辞退のやり方と守るべきマナーは以下のとおりです。
それぞれのポイントを詳しく説明していきます。これから違う企業で堂々と仕事していくためにも、円満に内定辞退できるようにしましょう。
原則として電話で連絡する
内定を辞退する際は、「電話」で連絡するのが基本です。なるべく早く伝えるためにも電話で連絡してください。
また、電話の後はメールもあわせて送ることをオススメします。メールを送れば、辞退の意向を伝えた記録を残しておけるためです。これにより、のちのち「言った」「言わない」のトラブルになるのを回避できます。
辞退の旨と謝罪を明確に
連絡をする際は、「内定を辞退したいこと」と「謝罪」をしっかり述べてください。企業側は内定者がどんな用件で連絡してきたのか把握できないと話が進みません。しっかりと辞退の旨を伝えて、敬意を払って謝罪します。
内定辞退は企業の予定を狂わせ、多大なる迷惑をかける行為です。自分を選んでくれた企業の期待を「辞退」の形で裏切ってしまうことになるため、謝罪するのは社会人としてのマナーといえます。
世間は狭いものなので、いつどこで辞退した企業と関わりを持つかわかりません。悪い印象が残ったままでは、仕事に支障が出てしまう可能性も十分にあり得ます。しっかりと謝罪し、悪い印象を残さないようにしましょう。
辞退理由は詳細まで述べないでOK
また、辞退理由についてはこちらから詳しく述べる必要はありません。「他社から内定をもらったから」「大学院進学を決めたから」「公務員を目指すことにしたから」など、簡単に答える程度で大丈夫です。
あまり詳しく話すと言葉尻をとらえられ、うまく言いくるめられたり、無理に引き留められたりする可能性もあります。相手から聞かれるまでは、こちらから詳しく説明する必要はないでしょう。
ただし、企業側から理由を聞かれたら、ある程度は説明の必要が出てきます。辞退理由の答え方については、下記のコラムを参考にしてください。
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連絡を行う時間帯や環境に注意する
電話・メールどちらの手段の場合も、内定辞退の連絡は、企業の営業時間内に行ってください。すぐに連絡がつくよう、始業後1時間、お昼休み、終業前1時間の忙しい時間帯は避けた方がよいでしょう。
メールも社用携帯やプライベート携帯と連携している場合があるので、深夜に送るのは避けるべきです。夜中にメールを送信している事実から、相手のことを考えない人物と判断される可能性もあります。
また、内定辞退の連絡を電話でする場合は、周りの環境にも気をつけてください。話が聞きとりにくいほどうるさい場所や電波環境が悪いところは避け、静かに話ができる場所から電話するのがマナーです。
内定辞退という重要な連絡を行うのに、うまく会話ができないとトラブルを招きかねません。相手のことを考えつつ、最適な時間帯と場所で連絡しましょう。
言葉遣いに細心の注意を払って会話する
いつ連絡するかや電話/メールといった手段に限らず、内定辞退の旨を伝える際には正しい言葉遣いや敬語を使うようにしてください。もし、想像していたのと違う会社であるため辞退する場合であっても、最後まで誠意を尽くして辞退するのがマナーです。
就活が終われば無関係になるとはいえ、たとえ企業に対する印象が良くなかったとしても、絶対に捨て台詞など吐かないようにしましょう。感情的なトラブルになると、今後の就活や社会人生活にまで影響を及ぼす可能性もあります。気をつけましょう。
正しく丁寧な言葉使いに終始気を付けて、失礼のないように対応することをオススメします。
【就活対策資料】
敬語マニュアル
また、メールの場合は自分の伝えたいポイントが相手に伝わらない可能性もあります。
一度作成したメールは、再度読み返して失礼に当たらないか、誤字脱字がないかなどをよく確認してください。可能であれば就活に詳しい誰かに、客観的な視点で一度確認してもらったうえで送付するのがベターです。
もし、相談できる身近な人がいない場合は、キャリチャンの就活支援サービス「再就活サポート」を活用してください。プロのキャリアアドバイザーが、円満な内定辞退と辞退後の新たな就活をマンツーマンでサポートします!
いつ連絡するかで変わる!内定辞退を伝える際の例文
内定辞退をする際は、すぐ連絡が取れるよう「電話」から行います。次に、辞退の意向を伝えた記録を残すためにメールを送りましょう。
例文は「内定承諾前の辞退」「内定承諾後の辞退」それぞれ記載してあるので、いつ内定辞退を伝えるかに合わせて参照してください。
電話連絡の例文
電話で内定辞退する場合、内定承諾前か後かで対応が異なります。内定受諾前の電話での伝え方は以下のとおりです。
【内定承諾前】
学生:お忙しいところ恐れ入ります。先日内定の通知をいただきました、〇〇大学△△学部の[名前]と申します。せっかく内定をいただきながら大変申し訳ないのですが、入社を辞退させていただきたいと思い、連絡させていただきました。
人事:そうですか。とても残念です。差し支えなければ辞退理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?
学生:御社と並行して選考を進めていた会社から内定をいただきました。最後まで悩みましたが、自分の適性などを考慮した結果、その会社とのご縁を感じたためこのような決断になりました。
人事:そうですか。承知いたしました。
学生:本来なら直接お詫びに伺うところですが、電話でのご連絡となり申し訳ございません。何卒お許しいただきたくお願い申し上げます。
【内定承諾後】
学生:お忙しいところ恐れ入ります。先日内定を承諾させていただきました、〇〇大学△△学部の[名前]と申します。大変申し訳ないのですが、入社を辞退させていただきたいと思い、連絡させていただきました。
人事:そうですか。とても残念です。差し支えなければ辞退理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?
学生:御社と並行して選考を進めていた会社から内定をいただきました。最後まで悩みましたが、自分の適性などを考慮した結果、その会社とのご縁を感じたためこのような決断になりました。
人事:そうですか、かしこまりました。
学生:一度内定をいただきながら、辞退を申し上げるなどと多大な迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。何卒お許しいただきたくお願い申し上げます。
ポイントは、内定を承諾したのにもかかわらず辞退した点をしっかりと謝罪する点です。そのほかについては、特に承諾前後で断り方に大きな違いはありません。
メール連絡の例文
基本的に電話で辞退する旨を伝えるのが一般的ですが、タイミングが合わないなどの理由で電話がつながらず、先にメールで連絡する場合もあるかもしれません。
内定承諾前・内定承諾後だけでなく、電話連絡済みの場合・先にメールで連絡する場合に分けて、内定辞退を連絡する際の例文を紹介します。
【内定承諾前 電話で連絡済みの場合】
この度は、内定のご連絡をいただき誠にありがとうございました。
先ほどお電話でもお伝えしましたが、最後まで悩んだ末、貴社の内定を辞退させていただくことにいたしました。
貴重なお時間をいただき、選考していただいたにもかかわらず、このような結果となってしまい申し訳ありません。
重ねてお詫び申し上げます。
末筆ながら、今後とも貴社のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げております。
【内定承諾前 先にメールで連絡する場合】
この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
このようなうれしいお知らせをいただきながら恐縮なのですが、検討の結果、内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。
面接でのご対応など貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、このような結果となり、大変心苦しく感じております。
本来であれば直接お詫びすべきでしたが、メールでのご連絡となり、何卒ご容赦いただきたく存じます。
末筆ながら、貴社のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げております。
【内定承諾後 電話で連絡済みの場合】
先日は採用内定を頂き、誠にありがとうございました。
先ほどお電話でもお伝えしましたが、最後まで悩んだ末、今回の入社については辞退させて頂くことを決意いたしました。
一度は入社の意思を伝え、大変お世話になったにもかかわらず、このような結果となってしまい誠に申し訳ありませんでした。
重ねて、お礼とお詫びを申し上げます。
末筆ながら、貴社のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げております。
【内定承諾後 先にメールで連絡する場合】
先日は採用内定を頂き、誠にありがとうございました。
一度は入社の意思を伝えておきながら恐縮なのですが、検討の結果、貴社への入社を辞退させていただきたくご連絡いたしました。
これまで大変お世話になったにもかかわらず、このような結果となってしまい、誠に申し訳ありません。
ご迷惑をおかけし、大変心苦しく感じておりますが、何卒ご容赦いただきたく存じます。
また、本来であれば直接お詫びすべきでしたが、メールでのご連絡となり、重ねてお詫び申し上げます。
末筆ながら、貴社のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げております。
メールも電話も基本的な内容は同じです。どんな用件(結論)なのかをわかりやすく簡潔に伝えるとともに、謝罪をしっかりと述べ、相手に敬意を払って辞退を申し入れてください。
いつ連絡するかで変わる!内定辞退に関するトラブルと対処法
内定辞退は互いにとって喜ばしい内容ではないため、トラブルを招きやすいです。せっかく辞退をしようとしても、トラブルを上手に対処できなければ納得のいく結果を残せません。
そうならないためにも、内定辞退時によくあるトラブルと対処法について事前に把握しておきましょう。内定辞退に際して想定されるトラブルは、以下の3つです。
内定を承諾する前、内定を承諾した後で起きるトラブルはさまざまですので、事前に確認しておくと落ち着いて対処できます。
内定辞退を断られた
内定承諾前、内定承諾後共に多いトラブルとして、内定辞退を断られるケースがあります。
例)
- 「辞退はしないでほしい」と説得してくる
- 「君が辞退すると採用がやり直しになる」と嫌味を言われる
- 「今の時期に言われてももう無理だよ」と完全否定される
さまざまなパターンがありますが、いずれにしてもあなた自身が辞退を決めたのであれば、その意思を通すことが大切です。
学生には職業選択の自由があるので、辞退すること自体は問題ありません。期限をしっかりと守り、正しいやり方で辞退を申し入れていれば企業側に断る権利はないため、受け入れてもらえるでしょう。
しつこく引き留められると同情して断り切れなくなる人もいますが、そもそも辞退を決めたのには理由があったはずです。企業側の理不尽な理由から引き留めている場合、入社後も企業側に支配されてしまう恐れがあります。自分が辞退と決めたのであれば、気持ちをしっかり持って、意思を貫き通しましょう。
しかし、実際に辞退すれば企業側に迷惑をかけてしまうのは確かです。そのため、嫌味などを言われても低姿勢を貫き、謝罪の言葉を述べることをオススメします。
世間は狭く、将来的にどこかでその企業と関わることになるか分かりません。多少腑に落ちなくてもこちらから謝罪して、円満に終わらせた方が大人な対応といえます。
対面で説明してほしいと要求された
電話で内定辞退を申し入れる場合、稀に「会社に来て直接言ってほしい」と言われる場合があります。その場合、基本的には会いに行った方が賢明です。そのような企業に対して「いかない」と言ってしまうと、のちに大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。
しかし、会社へ訪問する際にも自分の意思を曲げないように注意してください。会社へ直接呼ぶ事は、辞退をやめさせようと説得したり、無理に引き留めようとしたりしている可能性があるためです。
直接会うことで、企業側の都合のいいように言いくるめたり、ひどい場合には説教によって無理やり引き留めたりする場合があります。実際、それに屈してしまう学生も少なくないので、負けないように気持ちをしっかり持っておくことが大切です。
内定辞退は憲法で認められた職業選択の権利なので、たとえ罵倒されても怯えず、辞退の旨を伝えればよいのです。むしろ、そのような強引な企業を辞退する選択は正しかったと自覚し、堂々と内定辞退を申し入れましょう。
ただし、ひどい場合には一人で抱え込まず、キャリアセンターや大学に相談することをオススメします。電話の時点で怪しいと感じたら、会社に行くこと自体を断るのも1つの手です。
損害賠償を請求された
ひどいトラブルとして損害賠償請求をされるケースがあります。「あなたを採用するにあたってこれだけの経費を使ったのだから、辞退するなら全額返金しろ」と、企業側が学生を脅すのです。
確かに、内定辞退の連絡までの間に企業側が受け入れ準備などでかかった費用の請求を行うことは、法律の理論上可能です。しかし、実際に裁判で損害賠償請求が認められることはないため、安心してください。
一般的に、内定承諾書にサインした段階で法律上は「労働契約が締結」したものとして扱われるため、内定辞退は「労働契約の解約」に当たる行為です。労働契約の解約は民法において、いつでも解約の申し入れができ、会社に対して契約の意思を伝えられてから2週間後に契約が解約できると定められています。
つまり、入社2週間前までであれば内定によって雇用が成立していても解約(内定辞退)が認められるので、損害賠償請求に応じる必要はないです。企業側も、それをわかったうえで脅しとして言っているだけの場合もあるので、聞き流しましょう。
基本的には、内定を辞退したからと言って損害賠償請求を求めてくるような企業はそうありません。しかし、入社準備にかかった費用があまりに高額だったり、辞退を申し入れた際の失礼な態度が企業側の感情を逆なでしたりして、そのようなことを言われてしまう可能性もあります。
そうした面倒なトラブルに発展しないよう、早め早めの決断と、丁寧な申し入れを行うことが大切です。トラブルを未然に防ぐ対策や、トラブル後の対処法に自信がない人は、キャリチャンの就活支援サービス「再就活サポート」を活用してください。
内定辞退に関する注意点と「いつまで」以外に意識すべきポイント
内定を辞退する際、いつまでにすべきかを気にするのも大切ですが、期間以外にも意識してほしい点があります。内定辞退に関するおもな注意点や意識すべきポイントは、以下の3点です。
ここでは、各注意点と意識すべきポイントについて詳しく解説します。
内定辞退後に「やっぱり入社したい」は通用しない
申し出の時期がいつであれ、内定を辞退した時点でその企業へ「やっぱり入社したい」と言っても通用しない点を覚えておいてください。時期や理由を問わず、一度でも辞退した人を快く受け入れてくれる企業は、なかなかありません。
とくに、一度は内定を承諾したにもかかわらず辞退した場合、後になって「やっぱり入社したい」と言っても許されることはないでしょう。内定を承諾してから進めていた入社準備が無駄になった上、新たな採用活動や配置換えなどで煩わされた企業に対して、「気が変わりました」というのは虫のいい話です。
自分の都合から企業を振り回し、最終的に「入社したい」というのはあまりにも身勝手だといえます。いくら有能でも、そのように一方的に自分の意思や都合を押し付け、周りを振り回すような人はなかなか受け入れてもらえないのです。
そのため、内定を辞退する際には「やっぱり入社したい」という選択肢がほぼなくなってしまう点をしっかりと頭に入れておいてください。
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内定辞退して後悔しないかを確認する
内定辞退を決める前に、内定を辞退しても本当に悔いがないかを必ず確認してください。少しでも後ろ髪をひかれていると、後になって「やっぱり入社したい」と考えを変える可能性があります。しかし先ほども述べたように、辞退連絡の後でそう思っても、もう手遅れなのです。
ですから、のちのち後悔をしてしまわないよう、初めにしっかりと決断しなければなりません。もともと「入社したい」と思って受けていた企業なのになぜ辞退したいのか、辞退を決断するきっかけは何か、この企業に未練はないのかなどを明確にしておくことが大事です。
辞退したいと思った理由が自分の中で明確になれば、辞退すべきか辞退しない方がいいのかも、おのずと明確になるはずです。また、そのようにしっかりと悩んだ末の決断であれば、どちらの道を選んでも悔いは残らないでしょう。
そのためにも、入社後のメリットとデメリットをもう一度確認し、自分の将来にとって大事だと思うことと照らし合わせる必要があります。
「いつまでに辞退すべき」といったタイムリミットもあるため、あまり長く時間をかけられませんが、しっかりと考える時間を設けるようにしてください。
早く決断すべきなのに決められない人には、就活エージェントに頼ることをオススメします。辞退した企業より満足のいく企業から内定をもらえるか不安で、決断を迷う人が多いからです。どの就活エージェントに頼ればよいかわからない場合は、下記のコラムを参照してください。
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内定と内々定の違いを確認する
内定辞退を考える際には、内定と内々定の違いも考慮する必要があります。内定と内々定は言葉としては似ていますが、両者には大きな違いがあるため注意が必要です。
内定の場合は正式な労働契約を結んだ形となりますが、内々定の場合は正式な労働契約ではない点が主な違いです。内々定の場合、企業から採用予定通知を受けた場合を指し、今後内定が出るのを約束する意味で用いられます。
就活している学生の場合、内定の連絡がない限りは常に新しい就職先を探そうと活動を継続するはずです。しかし、政府主導の就活ルールによって、正式な内定が出せる時期は10月以降と決められています。
そこで、会社側としては正式な契約ではないものの、10月になったら内定を出すことを約束する意味で内々定が出されるのです。
内々定であっても、基本的には内定と同じく会社側が安易に取り消すケースは稀で、労働契約の部分を除けばほぼ内定と同じ扱いです。そのため、内々定を辞退する場合も内定辞退と同じく誠意を持って対応してください。
とはいえ、内々定の辞退と内定の辞退とでは企業に与えるインパクトが違うため、辞退の申し入れやすさも違うといえるでしょう。
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内定承諾書の提出期限を確認する
内定辞退を検討する際は、内定承諾書の提出期限も確認しておいてください。
内定を受諾する意思を表明する内定受諾書は、会社側から内定通知書と同封で送付されるのが一般的です。送付を受けた内定承諾書は、実質的な契約文書となるためよく内容を確認したうえで署名や捺印して提出します。
内定承諾書には、基本的に提出期限が決められています。内定承諾書の提出期日は、一般的には受け取ってから10日前後としている場合が多いです。遅くても、1か月程度に設定している企業が大半でしょう。
内定を承諾するか辞退するか決められず、提出がどうしても遅くなる場合は、期限延長を必ず依頼してください。もしも期限の延長を依頼せず期限内に提出しなかった場合、自動的に辞退と受け止められてしまい、期限後に内定承諾の意思を示しても受理されない可能性があります。
たとえ自動的に辞退とは受け止められなかったとしても、企業側に何の断りもなく期限を守らないのは失礼に当たり、印象が悪くなる可能性が高いです。延長を希望する場合は、早急に採用担当の方に電話やメールなどで連絡しましょう。
「いつまで」と言わず、内定辞退を決断したらすぐに連絡しよう!
法律上は遅くとも入社2週間前までに連絡すれば内定辞退が可能ではありますが、基本的には“決断したらすぐ”に連絡するのがマナーです。内定辞退は職業選択の自由により保証されているものの、企業側に多大なる迷惑をかけてしまいます。
もともと「入社したい」という意思を示し、その企業の選考を受けたのはあなた自身です。その結果あなたの価値を認めてくれた企業に対して、やっぱり入社しないだけでなく、連絡が遅くて振り回してしまうのはよくありません。
社会人になってから、どこで辞退した企業と関わりを持つかわからないため、悪い印象は残さない方が得策です。「いつまで」という期限を使い切るのではなく、辞退を決めたらすぐに連絡してください。
もし、内定辞退に関するトラブルが心配なときや、「本当に辞退していいのか」と迷ったときには、ぜひキャリチャンを頼ってください。
キャリチャンの就活支援サービス「就活相談サポート」では、内定に関する悩みの相談と企業紹介を中心に、就活全般のサポートを行っています。プロのキャリアアドバイザーが1対1で相談に乗るので安心です。一人で抱え込まずに、一緒に解決していきましょう。
就活相談サポートに参加しよう!
この記事の監修者
岡田 章吾
株式会社ジールコミュニケーションズ
HR事業部マネージャー
2014年に入社後、人材業界に10年間携わる。企業向けの採用コンサルティングを経て現在に至る。これまでに大手企業含めた150社の採用支援と、3,000人以上の就職支援を担当。
就活支援の得意分野は「書類・動画選考の添削」。特に大手企業のエントリーシートや動画選考に強みを持つ。これまで大手企業を中心に、「1,000名、150社以上」の書類・動画選考突破を支援した実績を持つ。
またこれらの知見を活かして学校におけるキャリアガイダンス セミナー内容の監修、講師を務めるなど、幅広くキャリア育成に尽力している。